3-1.リック
なるほど。こんなことになっているのか。
イッキとヅカが居なくなって3日。ここの時間と現実の時間、同じ時の流れ方なのだろうか。
今、俺の右手首にはLISTがついている。ここからが本当の始まりなのだろう。
そんな事よりも今は合流する方が先だ。
残るは街の中心に構えた建物。セフィラム城。
「お疲れ様です」「お疲れ様です」
入り口にいる2人の兵士は頭を下げる。俺はそのままセフィラム城へと入った。どうやら一般人はこの城に入る事はできないらしい。
しかし俺のバトルカードは、
【セフィラムの騎士 アルベルト】
<スキル:騎士の勲章>
<セフィラム城内を自由に散策可能>
トランスとスキルの使い方については、あらかじめネット掲示板「Life」で確認していたので、このカードを見たときに使い方は予想できた。運が良かったのはセフィラムがスタート地点という事。
それにしても随分と静かな場所だな。人もいないし殺風景なエントランスだ。
真ん中にある大きな階段を登り切った先に王室がある。入ってみると1人のこどもが玉座に鎮座していた。
「誰だ」
こどもは落ち着いた声で俺に尋ねる。こども?いや、ここは王様と呼ぶべきか。
俺は慎重に返した。
『リックと申します』
「見慣れない顔だが、配属されたばかりか?」
今もスキルが発動しているのだろうか。どうやらこの城に雇われた設定になっているようだ。
『はい。先日配属されたばかりで右も左もわからない新参者でございます』
「そうか、ならばこの城に起こった事件は知っているか?」
『いえ、存じ上げません。どのような事でしょうか?』
「やはりそうか。外部には伝わっていないようだな」
事件とは何があったのか。この城内に人がいないことと関係あるのか。
「主も気付いているかもしれんが、この城には私1人しかいない。しかも見てのとおり、こどもだ」
その2つに違和感を感じていたが、理由は簡単だった。
「この城にはたくさんの兵士がおったが、突然皆は病で倒れていった。しかし、私だけその病にかからなかった。何故だかわかるか?」
何かしらの伝染病により全滅したという事か。しかしなぜ王様だけ無事なんだ?
そういえば入り口に兵士が2人いたな。問題は城内だけか
『いいえ、検討もつきません』
「そうか。それは…」
「・・・わ・・・が・・・む・・・」
突然眩暈がして何を言っているのか全く聞き取れない。なんだこの感覚は…
目の前が真っ暗になり、次第に何も聞こえなくなった…




