2-9.QUEST
「お前、名前は?」
『イッキといいます』
「イッキか。俺はラダ」「俺はガタだ。ガハハ」
ラダという男は穏やかな感じだが、ガタのほうは豪快さがある。
「よく聞け坊主、アリス広場に掲示板がある。そこに仕事の依頼ってやつがあるからやってみな。ガハハ」
「おいおい。それじゃわからないだろ。その掲示板に依頼の張り紙があるんだが、それをアリス南の酒場に持っていくんだ。そうしたら依頼を引き受ける事ができる。そこからがクエストの始まりってわけだ」
『報酬とかも張り紙に書いてあるんですか?』
「いや、クエストを達成したあとに酒場へ報告に行くんだが、そこで初めて報酬がわかる。早い話、クエスト終了まで何が貰えるかわからないって事」
なるほど。あとは実際に見て確認するか。
『ありがとうございました』
「頑張れよ坊主。ガハハ」「まぁ、頑張りなね」
俺とヅカは広場へ向かった。
「広場って他の所よりも人が多いね」
ヅカの言う通り、この街に入った時も人の多さに驚いたが、この広場はそれの比ではない。店も沢山あり、ほとんどがカード屋の看板だ。商業が盛んと志乃さんは言っていたが、カードの売買が盛んなのだろうか。
『掲示板っていうのはこれか』
沢山の張り紙がされたボードをみつけた。人探しからモンスター退治、トレジャーハント等がある。
その中で俺とヅカは1枚の紙に興味を示した。
「これどう?」
『俺もそれがいいと思った』
「じゃあ、これで決まりだね」
その紙を掲示板から取り、アリス南の酒場へと向かった。




