2-6.TRAVEL
「志乃さん達はこれからどうするんですか?」ヅカが聞いた。
「とりあえずギルドに戻る予定。よかったら一緒に行く?」
まだギルドに入るかもわからないし、ハジメを探すほうが優先だ。人探しをするので、またの機会にお願いしますと告げた。
「それなら【アリス】まで送るよ。通り道だしね」
それはありがたい。
『ぜひ、お願いします』
「ちょっと待ってね」
すると志楼さんが手元を操作する。大きな魔法陣から巨大なドラゴンが現れた。
志乃さん、志楼さん、志々真さんの3人はドラゴンに飛び乗った。
「2人も乗って!!」
志乃さんに言われるまま、俺とヅカはドラゴンの背に乗った。
「しっかり掴まってろよ!」
志楼さんがそういうと、ドラゴンは宙に舞い上がり、凄まじいスピードで移動を始めた。景色を楽しむ余裕もない。
徐々に減速していき、志乃さんが言う。
「あそこに見えるのか【アリス】よ」
前方に街らしき場所が見えた。
「すっげー!イッキ見て!」
最初はうっすらとしか見えなかったが、近づくほどに巨大な都市だとわかった。
「ドラゴンに乗って空を飛んで、そして目の前には巨大都市。こんなの現実じゃありえないー」ヅカは相変わらず興奮している。
「この街は商業、工業が栄えていて、人もかなりの数いるの。アイテムカードやウェポンカードの種類も多く取り扱われてる。他の街とは雰囲気が全然違うけど、人が多い分危険もあるから気を付けてね。でもマーケット付近だけは警備の見回りが居るから、比較的安全よ」
志乃さんが説明をしてくれている間に、街の入り口へ着陸した。
「とりあえずここまでね」
『何度もありがとうございました』「ありがとうございまーす」
俺とヅカはお礼を言い、ドラゴンから降りた。
「それじゃあ、またね」
3人は手を振り、再び空へ飛びあがった。すぐにドラゴンの姿は見えなくなった。
「しっかしすごかったなー。あれってアイテムなのかな?」
アイテム、ウェポン、スキルのどれかだろう。移動系は便利そうだな。さすがにあのドラゴンは反則な気もするが。
ひとまず、巨大都市アリスと書かれた門をくぐった。




