表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RATE  作者: 恵 奏香
2章
15/19

2-5.VERSUS

オサムという男がバットを振り回しながら走ってきた。


「どうするよイッキ。2対1なら俺らのほうが有利っぽいけど」


人数だけならこちらが有利。しかし、オサムの手の内がわからない以上、油断は禁物だ。


「キェェェー!やってやるゼェェェー!!!」


オサムは奇声を発しながら攻撃してきた。


しかし、俺はすんなり避けた。


良い所で【華麗なるフットワーク】のスキルが発動した。


プレイヤー戦は極力避けたいと思っていたが、とても話が通じるような相手ではなさそうだ。とりあえず説得を試みたが、全く聞いてはくれない。


更に攻撃を仕掛けてくる。


「カードをよこセェェエー!!キェェェー!!!」


しかし俺に攻撃は当たらない。今度はヅカに向かっていく。


オサムがバットを振りかぶったその時…


「ギャァァァー!!!」


オサムは地面に倒れた。すると魔法陣が現れ、オサムは吸い込まれていった。


ふと後ろを見ると、そこには薙刀を持った女性と、その後ろに男性2人が立っていた。


「志乃さん!」


ヅカが驚いた表情で言う。そう、その女性は集会所でアドバイスをくれた志乃さんだった。


「大丈夫?随分と危ない感じの人だったから、つい加勢しちゃった」


志乃さんの武器は薙刀か。リーチが長く、多少離れていても攻撃ができそうだ。


「いえいえ、助かりました」


ヅカは軽く会釈をした。


「紹介するわ。この2人は私の仲間。今もパーティーを組んでるの」


1人は背が高く、志乃さんより年上っぽい。もう一人はヅカと同じくらいの身長で、年齢も俺たちと変わらないくらいだろう。


「背の高いほうが志楼しろう、そしてもう一人が志々ししま。仲間というよりは、兄弟なんだけどね」


「最初に弟の志々真がRATEに入っちゃって、私と兄が探しに来たってわけ」


なるほど、同じ境遇か。しかしよく見つけられたものだ。


「どうやって合流できたんですか?」ヅカが尋ねる。


「RATEの中には【ギルド】っていう組合があって、たまたま所属したギルドに志々真が居たの」


『そのギルドってどうすればいいんですか?』志乃さんに思わず聞いた。


「ギルドは既存のギルドに入る方法と、自分で新しいギルドを作成する方法の2種類あるの。既存のギルドに入る場合はお金が必要になる。自分で作る場合は、いろんな条件を満たす必要があるの」


「お金を払う場合も、条件を満たす場合も個人差があるから明確ではないんだけどね。私の場合は1,000ゴールドで加入できたけど、兄さんは15,000ゴールド必要だったわ」


「ギルドは【アリス】にある【ギルド連合】に行けばわかるよ。詳しく教えてくれるから行ってみて」


『ありがとうございます』


「ちなみに私たちがいるギルドは【OZオズ】っていう名前だから、気が向いたらおいでよ」


【OZ】か、覚えておこう。


「そういえば、さっき倒した人はどうなるんですか?魔法陣に引き込まれて消えましたけど・・・」


完全に忘れていた。オサムは何処に行ったのだろう。


「あぁ、あの人はセフィラムに居るはずよ。バトルで負けた人は近くの街に強制送還。そして手持ちカードは残り1枚になる。」


ってことは、アイテムやウェポンだけになっても絶望的だな。


「ちなみにウェポンが残るなら運が良い。自分で装備すればバトルの時に使える。一撃受けたらアウトだけどね」


「ウェポン1枚しかない状態で攻撃を受けるとアウト?」


「ウェポンを装備した時点で手持ちが0枚になるでしょ?その状態で負けちゃうと復活しても0枚スタート。というより、実質ゲームオーバーね」


実質ゲームオーバーって、この世界から抜け出すことも出来ないし、カードを集める事もできないじゃないか。そんな状態になれば、このゲームの住人として生きていくしかない。


ウェポンはバトルできるだけマシってことだな。


「あと、カードのトレードはそのカードに見合ったゴールドが要求される。良いカードが残ればそれをトレードして、ゴールドを増やした後、カード屋である程度揃えたりできるかな。ちなみにカードのトレードは出来るけど、譲渡はできないから」


トレードというよりは、カードの実質売買だな。そしてバトルで負けた時のリスクが大きすぎる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ