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RATE  作者: 恵 奏香
2章
12/19

2-2.LIST

『やっぱりか…』


思わずため息が出た。


そこにはリーナそっくりの女性が居たからだ。違う所と言えば、他にも数人いることだ。


おそらくリーナに話しかけると4つの選択肢から選ぶことになるのだろう。


という事は、俺とヅカで残りの「1.ワールドについて」「3.パーティーについて」を聞けば、4つすべて説明を受けた事になるな。


さっそく話しかける。


「いらっしゃい。RATE-ON-LINEへようこそ!初心者さんね。私はリーナっていうの。これは私からのプレゼント!」


小さな液晶画面と4つのボタンがついたリストバンドを貰った。


そしてリーナは続ける。


「これはLISTと言って、液晶部分にはその時々のメッセージが流れるの。それと、4つのボタンがあって左から【カード】【パーティー】【バトル】【ログ】となってるわ」


展開が急すぎて戸惑う。


まずわかった事、それはこの世界が【RATE-ON-LINE】だという事。ほぼ確信していた為、それほど驚きはしなかったが、何とも言い難い不安にかられた。


なおもリーナは続ける。


「まず【カード】から。このボタンを押せば所有しているカードのメニューが表示されて、「カード化」「データ化」を実行できるの。ちなみに所有しているカードはすべてLISTで管理されるから、カードを直接持つ場合はカード化、LISTに戻すときはデータ化を選択してね。バトル等で獲得したカードは、入手時にデータ化されるから安心よ」


「次は【パーティー】と【バトル】についてね。パーティーは仲間にしたい対象にLISTを向けてボタンを押す。相手が承認した時点でパーティーメンバーに参加。バトルも同じく対象にLISTを向けてボタンを押すだけよ。ただ違うのは、相手の承認は必要が無いわ。バトルを仕掛けた時点でお互いが攻撃を与えられる状態になるの。反対にバトル申請していない相手に攻撃は当たらないわ。自分がバトルを申請していなくても、相手からされている場合もあるからその辺りは注意が必要ね。ただし、プレイヤーに限っての事だから、敵モンスターは申請無しでバトル可能よ」


「最後に【ログ】。これはダメージを受けた場合や、アイテム獲得時、その他イベント時に流れたメッセージを遡って確認することができるの。単純に記録を確認する機能って事ね」


「LISTは以上4つのボタンと液晶画面で構成されてるわ。うまく使いこなしてね!」


そういうとリーナは笑顔で手を振った。


ヅカもリーナと話をし、LISTを手に入れた。


ひとまずカードを確認してみた。


すると4枚のカードが表示された。


あれ?5枚あったはずなんだけど。


【黒服の男 アーサー】

【美容師のハサミ】

【翼竜の牙】

【右ストレート】


カードリストにあったのはこの4枚。


なぜか【モデルガン】が無くなっている。ヅカに聞いてみると、問題なく5枚表示されているらしい。


試しにログを確認した。すると…


---修斗のスキル【盗む】により【モデルガン】は盗まれた---


なんと、あの泣いていた子にカードを盗まれていた。去り際の笑顔はそういう事だったのか。


ヅカにこの事を話した。


「ほんとに?そんな事ができるなら街にいても安心できないね」


まったくだ。気の休まる場所は個室の宿屋くらいだ。


それにしてもこれからどうするか。


「パーティー組んだほうがよくない?」


ヅカからの提案。確かにそうだ。何が起こるかわからない状況で1人は危険だ。


ヅカが俺にパーティー申請をした。するとLISTの液晶画面に


[ヅカがパーティーの申請をしています(OKはパーティーボタン)(NGはログボタン)]


迷わずパーティーボタンを押した。


[ヅカとパーティーを組みました]


液晶画面にはそう表示され、俺とヅカのパーティーが結成された。


さすがにゲームの時とは違い、頭上にマークは無い。LISTの待ち受け画面には、パーティーメンバーとしてヅカの名前が表示されている。


これでバトルが少しは楽になるかな。


「ハジメを探さない?」


ヅカが突然提案した内容は、当初の目的であったハジメを探す事。状況が状況だけに、この世界にいる可能性は高い。


しかし、仮に元を見つけたとして、ここから出るにはどうすれば良いのか。


でも「Life」に体験談を書きこんでいる人もいたから、現実世界に戻ることはできるはず。


ハジメを探すこと、現実世界へ戻る方法を見つけること。


まずはこの2つを何とかしなければ…

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