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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れへの旅路
65/65

思い掛け無い出会い 2

 まぁ〜た長い期間を空けての投稿。

 ってな訳で、此処でおさらいをしときましょ〜かね…。


 腹を空かせて訪れた古民家にて、持て成しを受ける蓮輝達。

 其処に現れたのは、人に成らざるモノでした。


 ってな感じの内容だった気がする…。

 まぁ適当で良いからね、続きを読んで下さいまし。

 前回の続き、さぁ始まり始まり〜♪

「ん?如何したの?早よ〜食べな、本当冷めて仕舞うよ?」

「パクパクパク…モグモグモグ…ゴックン…美味いぞ?何で食べんのよ?パクパクパク…モグモグモグ…ゴックン…」

 不思議そうに、僕達を見ている古民家に住む2人。

 いやいやいや、不思議に思ってるのは此方ですからね?

 其処んとこ分かってる?

 だ〜れが見てもこの異様なこの食卓、絶っっっっっっっっっ対に、可怪しい摩訶不思議ワールド展開だって、確実言うと思いますが?

 僕、間違った事言ってるかなぁ〜?

 だって、人に為らずなモノさんがね、普通〜ぅに食事をしてるんだよ?

 如何よ、異論有る?

「い・た・だ・き・ま・す!パクッモグモグモグ…うん!ゴックン♪お〜いし〜いよ〜♡ケヘッ」

 ふぅんんんんんんんっ!?

 んんっ!?

 ありゃ?我が家の天使さんが、僕達を置いてけぼりにしたまま、ご満足そ〜うに食べ始めましたなぁ…。

 こりゃ異論とかそんなの、如何でも良さそうっすね…。

「キュー…この状況でもマイペースだね…。僕達の心情も置いてけぼりっか…タハハ…」

 ガクッと成る僕に

「あはは(乾いた笑)……はぁ〜…蓮輝、お前の気持ち、良く分かるぞ…。俺も同じ気持ちだからな…」

「だよね凰哦…。流石の僕も、この状況には驚いてるんだもの…」

「おやおや宮津君もかい?実は私もだよ…。余りにも凄い光景を見てるんだと、呆気に囚われてる程だからね…」

「あら?江田さんもなの?宮津さんと江田さんなら、普通に当たり前の事だと思ってるって、私思っちゃってたわ…」

「な、何言ってるの寵さん!?いやいやこんな事、マジ初めての出来事何だから!…只唖然としてたよ、僕はね…」

「だよね〜…私もだよ宮津君…」

「へぇ〜其う何だ〜…」

 江田と隆志もが、この状況に唖然と成っていたのだと知る寵。

「皆んなが皆んな、同じ気持ちだったみたいだね…。ふぅ…取り敢えずご飯食べて、現実逃避しましょ〜う」

「だな…。其れじゃ皆んな食べようか。では皆んな、手を合わせて〜」

「「「い・た・だ・き・ま・す」」」

 凰哦の合図で、篠瀬家特有の合唱が、この一室に響きます。

 そして無言のまま

「パクパクパク…モグモグモグ…ゴックン…」

 と、食事が進んで行きました。

 食事が進んで行くと

「如何さね、ご飯とおかずは、口に合ったかね?…おやアンタ等、全然食が進んどらんかいね、やっぱり口には合わんかったかいね?」

 と、キューと見知らぬ物の怪さん以外の食事状況を見たお婆さんが、困った様な顔をして、僕達の事を心配してくれました。

「あっ全然そんな事無いですよ!ぼぼ僕達、美味しく頂かせて貰ってま〜すから〜…」

「そそそ、其うです!おお、お婆さんの作ったご飯やおかずは、どれも美味しいです!」

「そ、其うだよね凰哦。唯僕達、押し掛けたと言え、見知らぬ方のお家でご飯を頂く事に、少し緊張して仕舞いまして…」

「そ、其う何ですよお婆さん、隆志が言った通り、全員が恐縮と緊張で箸が進んで無いだけなので…。申し訳ありません、お気遣いありがとうございます…」

 ってな感じで、僕と凰哦さんに隆志さんの連携プレイで、上手く誤魔化しました!

「ふぅうん、まぁ〜其う何かいね、そりゃ難儀やったわね〜。まぁ気持ちは分からん事も無ぇ〜さけぇね〜、安心し〜?そな強張っとらんとね、遠慮せんと食べぇ〜?まだお代わりは有るさけぇね?た〜んと食べぇ〜」

 とまぁ、何とも意地らしいお心添え下さいました♡

「あ、ありがとうご」

「僕食べる〜!お婆ちゃ〜んお代わり〜!」

「ブフッ…えっ!?キュ、キュー?何元気にお代わりしてんのさ…」

 キューの元気さに、思わず驚きツッコミを入れる蓮輝。

 内心、アワアワオロオロしている一同に対し

「あらあら元気にまぁ〜、おぼっこい子やなぁ〜。あいあいお代わりかいね、ご飯かね?其れともおかずがえぇかね?」

 と、至って普通の返しをする老婆。

「アキャッ♪僕、何方(どっち)もお代わりするの〜。お婆ちゃん、た〜く山ちょ〜戴♪」

「ありゃ〜?何方もかいね、何とまぁ〜おぼっこいめんこい子やねぇ。えぇよ、た〜んと食べな〜あはは〜」

 こんな感じで朗らかな遣り取りが、展開されました。

「「「……………」」」

 余りにも普通な遣り取りに、無言に成る一同。

 暫し惚けた後、ヒソヒソ小声で

「ねねね、凰哦さん、ちょっちょっとこの状況って、如何成ってんのさ!?」

「ハアッ?蓮輝、何故俺に聞く!?俺に分かる訳無いだろうが!」

「だったら隆志さん、江田さん、この手の事には詳しいんでしょ?如何言う事か分からないの!?」

 急角度で振られた隆志と江田は

「ちょっ!な、何で僕に聞くんだよ!?さっきも言ったけれど、こう言った状況は初めて何だからね!?こ、答え様にも答えられないからね!」

「そそそ、其うだよ蓮輝君…。わ、わた、私も宮津君と同じで、とてもじゃ無いが、答えられそうには無いよ…。残念だけれどもね…」

 と、答えられないと、キッパリ言い切る2人です。

「マジかぁ〜!キューの事見えてるだけじゃ無く、普通〜に会話が成立してんだもん、如何すれば良いのさこの状況!僕達もこのまま、何事も有りませんよ〜?ってな流れで、事を進めれば良いの?」

「今は蓮輝君の言った様に、このまま進めた方が無難何じゃない?」

「だよね宮津君、私も其う思うよ…。だから篠瀬君と寵さんも、其れに従おうか…?」

「は〜い、江田さん。私は身を委ねるわね〜」

「俺も其うしますよ…。唯…」

 承諾しつつ、目が泳いでる凰哦に隆志が

「如何したの凰哦?唯、何?」

 何が気に成っているのかと、聞き返すと

「あっいや其の…」

 言いたい事に対して、如何話せば良いか分からず、言い淀む凰哦。

「そんな調子じゃ話が続かないよ、取り敢えずは思ってる事を率直に、言えば良いから」

 と、隆志の言い分を聞き、ゴクっと喉を鳴らして

「あ、あぁ其うだな、分かったよ…。えっと、俺達と同席しているお婆さんと共に暮らしてる、この方…?この人…?って、()()()()()よな…?俺には人に成らずのお方にしか…見えないんだが…」

 みたいなこんな内容の凰哦の疑問に

「だね、篠瀬君の言った通りだよ…」

 と、江田が肯定する。

 其う、江田が肯定した事により、更に疑問が湧いて来る凰哦。

「ちょっと蓮輝、確認したいんだが良いか?」

「何?凰哦さん。何が聞きたいのさ…」

「お前にも、()()()が見えてるんだよな?」

「ん?うん、其うだけれど…其れが何?」

「ちょっと待て、其れって少し可笑しくは無いか?よく考えてみろよ、俺と蓮輝だけ、()()()3人とは違って、キューしか見えないんだぞ?なのに何故、この人?方?が見えてるんだ?其う考えたら、可笑しくは無いか?」

 小声で疑問を投げ掛ける凰哦の言った内容に、キューを除く全員が、一気に青ざめて行く。

「た、確かに其うだよね…。此処に来てから驚く事ばかりで、遂、其の事を忘れてたよ…」

 隆志も小声で、凰哦の言った内容を理解し、何故なのだろうと必死に考えるのだった。

「ねぇ江田さん、この中で1番の年配なのだから、何か知らないかしら?知ってるのなら、私教えて欲しいのだけれど…」

 寵に話を急に振られた江田は

「いやいや寵さん、そんな事聞かれても、流石に分からないよ…。正直な話、私は見えてるだけで、物怪とかの類いには、とんと疎いんだよね…。申し訳ない…」

 と、済まなそうに謝った時

「おい、お前さんらは、オイラ達の事をなぁ〜にこそこそ話してんだ?聞きたい事が有るのならよ、オラァ〜に聞きゃ〜良いだぞ?まぁ別に聞きたく無きゃ、聞かなくてもえぇけどよ、聞きたきゃ聞きゃえぇで?」

 と、でい太という物怪が言うのだ。

 其の言葉に一同ビクッと成るのだが、オドオドしながらも顔を見合わせ、質問をぶつける事にした。

「失礼な事を聞くと思いますが、本当に聞いても宜しいのでしょうか?」

 代表として、凰哦が聞く事とする。

「あぁ構わんぞ?何でも聞きゃ良いで、早よ聞きぃ。折角の飯が冷めてもうけぇ、冷める前に食べながら聞けばえぇぞ?」

 と、気を遣いながら、承諾してくれた。

「では、お言葉に甘えて…。()()()()()()()()()()()()()私とこの甥の蓮輝以外は、この世の成らざるモノが見えますが、私達2人は、此処に居るカッパのキュー以外は、見る事が出来ません。ですが貴方は見える…。其れは何故なのかと言う事と、()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()()今はこの2つが聞きたい事です…。こんな質問、失礼では無かったでしょうか…?」

 全員が聞きたかった事を、ドキドキしながら聞く凰哦。

「な〜んやそんな事かいな…。こそこそ話してるからよ、オラァて〜きりお婆の飯が不味かったって、言ってるのかと思ったわ」

「ブフゥッ!」

「「「エエエエェ───!?」」」

 思わず凰哦が吹き出し、予想もしていなかった相手の勘違いに、一斉に驚きの声を上げた。

「何やアンタ等、オイラの()()()姿()()()()()()のけ〜、なあ〜んやそんな事かいな。そっけぇそっけぇ…うんうんうん」

 1人?1体?だけ

“あぁなぁ〜んだ其う言う事かぁ〜”

 みたいな感じで納得するでい太。

 別に大した事では無いみたいなでい太に、すかさず聞くのは勿論コイツ

「ちょっとあんた、なぁ〜に1人で納得してんのさ?ちょっとバッカ何じゃ無い?なぁ〜んの説明も無しにさ、な〜に1人勝手に(なっ)と」

 パチコ─────────ン!

「アブ死!」

 危険発言を凰ピンで阻止された蓮輝です。

「おおお、お前は底無しのバカかぁ!?何悪態吐いてんだよ!このバカタレ!!」

「そ、其うだよ蓮輝君、君の其の無駄な度胸は一体何処から来るのさ!?怖いモノ知らずも程々にしてよ!君の所為で僕達、無駄に寿命を消費してんだよ!?これ以上消費させないでくれないかな!?」

 慌ててバカ(れんき)に、お叱りと文句を捲し立てていると

「モグモグモグ……ゴックン…あぁ〜ゲフッ…。お2人さん、そんなに其奴を怒らんでもえぇぞ〜。見た所、あんまり()()()()()()だもんなぁ。面ぁ見てたら分かっべ?だからよ、其〜う怒んなさんなな?」

 本当に怒って無いのだろうか、随所に、其うとも思えない箇所が有ったのだが…。

“ほれ見ろ!この方怒ってるぞ!?このバカが!!”

 と、でい太の其の言葉に、蓮輝の頭をパンパンと交互に叩く、凰哦と隆志。

 アテッ!アテッ!アテッ!と言いながら、此処に居る全てのモノを敵にまわしたと、反省モードに成る蓮輝。

 江田も寵も、蓮輝に冷たく鋭い視線を送っていたから尚更なのでした。

「いやぁ〜このバカが済いません。で、でい太さん、先程の〜質問を〜、お聞かせ下さいませんでしょうか〜?」

 今も尚、蓮輝の頭をパシパシ叩きながら、恐る恐る聞く凰哦。

「ん?質問?」

「えぇ質問です」

「あっ悪りぃが、お婆の飯食い終わってからでもえぇか?温かい内に食わんと美味ぁ無く成るでなぁ〜。悪りぃけど、其うさせて貰うけぇアンタ等も食べなぁ〜」

 其う言って、普通に食事を再開するのだ。

「「「えっ……」」」

 でい太の言動に、一同唖然と成る。

 此処でまた、唖然と成る一同の、惚けタイムを破壊したのはこの男

「ちょっとおたく、マジバカじゃない!?聞かれた事にちゃ〜んと答えなさいな!お婆ちゃんのご飯は冷めても美味しいんだから、冷めてても大丈夫だよ!だから聞かれた事に答えホグッ!」

 今度はキュー以外の者から一斉に、鉄拳を喰らわせられた蓮輝でした。

「懲りずにお前ってヤツは、何故そんなにもバカ何だ!?」

「さっきも言ったじゃないか!蓮輝君!」

 凰哦と隆志が真っ先に叱り付け

「あぁ本当に呆れるよ、この怖いモノ知らずと学習能力の無さにね!」

「凰哦兄と宮津さんに江田さんの言った通りよ!このバカダーリン!!」

 怒り心頭の4人に対して

「ケヘェ!?皆んなどったの〜?そんなに怒って〜?」

 箸を休めずに、自業自得の私刑(リンチ)に在っている蓮輝を見ながら、キューが聞くのです。

「「「あっ………」」」

 キューの一言で我に帰り、少し気不味く成る一同…でしたが

「なぁ〜にやってるのか良く分かんないけど、ご飯食べないのぉ?美味しいよ〜♡ケヘッ」

 の言葉に心を持って行かれ

「だな!うん其うしよう!俺達も食事を堪能させて頂こう♪」

「「「賛成〜!!」」」

 と、蓮輝を除いた一同が、食事を再開しました。

 ほのぼのとした明るい食卓は、何時しか賑やかに成り、わいわい楽しく進んでいきました。

「いやぁ〜どれもこれも美味くて箸が止まらなかったなぁ〜。お婆さん、食事ありがとうございます。本当にどれも美味しくて、お腹がはち切れそうに成る迄食べちゃいましたよ。ご馳走様でした」

 凰哦が正直な感想と、感謝を述べると

「本当に美味しかったです。凰哦と同じ、僕もお腹パンパンです。ご馳走様でした」

「本当よね〜凰哦兄、宮津さん。私も美味しくて美味しくて、何時もの倍は食べちゃったわ〜。ありがとうお婆さん、ご馳走様でした♪」

「はははははっ私もこの若者達と同じ、この歳で、何時も以上に食べましたよ。どうもありがとうございました、ご馳走様です。はははっ」

 皆んな満足したと、老婆に感謝を述べると

「えかったえかった、満足してくれたみたいやけぇねぇ、こっちとしても嬉しいわ。大したモンでも無かったやのに、満足言うてくれて嬉しいわね〜」

 満足そうに笑って返す老婆。

 でも…

「僕、皆んなに怒られて、満足し切って無い」

 唯1人、ご不満な蓮輝。

 其れを聞いた凰哦が

「お前が要らん事を言うからだろう!少しは反省しろ!」

 と、怒ると

「まぁまぁそんな怒らんでも良けんがね、折角お腹も膨れたがに、穏やかぁ〜にしとらんかいね?なぁ〜」

 と、老婆が柔らかい笑顔で宥めるのだった。

「…あっはぁ…済いません…。お見苦しい所をお見せして…」

 凰哦が申し訳なさそうに、ペコっと頭をさげると

「そんな私ゃに謝らんでもえぇよ〜。所で満足しとらん言うとるけどの、残り少ないけぇ悪いけど、お茶漬けで良ければ直ぐ作るけぇ、食べんね?ん?」

 其う言いながら、余り物の天ぷらや漬物をご飯に乗せ、程良い熱さのお茶を注いで、即席のお茶漬けを作り、蓮輝に手渡す老婆。

 差し出されたお茶漬けを受け取り

「あ、ありがとうお婆さん…」

 お礼を言う蓮輝。

「礼何てえぇから早よ食べ?な?」

「─うん」

 老婆の温かさに少し、ジ〜ンとしながらお茶漬けをすする蓮輝。

「!!!」

 余りの美味しさに驚き、夢中で食べ進める蓮輝。

「美味しい!これメッチャ美味いんだけど、えっ何!?この味…如何やって作ったの!?本気で美味いや…」

 美味いと驚く蓮輝に

「おや其うかい〜?そりゃ〜えがったなぁ。そんなに喜んでまぁ〜私ゃも嬉しいがね〜」

 美味そうに食べる蓮輝を見ながら微笑む老婆。

 一連を見ていた凰哦達が

「味に煩いお前が驚く程だなんて、本気で美味しそうだな、なぁ蓮輝、俺にも一口食わせてくれよ〜」

「あっ僕も食べたい!」

「私も〜!」

「あははっ恥ずかしながら、私も一口食べてみたいなぁ〜」

 と、其々が言い出しました。

「ダメ!これは僕がお婆さんから、僕専用に作って貰ったんだもん!だ〜れにも食べさせない」

 ヒョイっとお茶漬けを身で隠し、独占行為をする蓮輝。

 其の行為に思わず

「「あははっ」」

「うふふふふっ」

「クスクスクス…はははっ」

 と、穏やかな笑いの花が咲きました。

「えがったなぁ〜兄ちゃん?……兄ちゃんで合ってるよな?」

「僕の事?其うだよ?」

 この時此処最近忘れていた、女性に見える蓮輝の事が、何方なのかを問われてると気付いた蓮輝達。

「合っててえがった。にしても、お婆の特製茶漬けはよ、お婆が余程気に入ったモノにしか出さんけん、おめぇ〜さん、余程お婆に気に入られたみたいだなぁ。オイラだけや無し、お婆もオメェさんの事、理解してたみてぇだなぁ〜」

「ん?えっ?ぼ、僕の事?」

「んだぁ〜オメェさんの心の有り様をなぁ〜」

 この言葉で、ザワッと為る一同。

「オメェさん、さっきオイラに吐いた悪態、あれ、わざとやろ?場の雰囲気が重たくなってたけぇ、其れを変えようとしてたんだべ?違うか?」

 でい太に言い当てられ、ドキッとする蓮輝。

「其れに、怒った振りして他のモンもよ、オメェさんの気遣いに気付いとったよな?其の証拠によ、此奴が普通に飯さ食ってたもんな〜。心を読み取るのに長けてるカッパの此奴が、心底信頼をして安心し切ってんだもんな…。本当にオメェさん方、心の結び付きが強いんだな〜」

 でい太が蓮輝達の結び付きの強さを言うと、其々お互いの顔を見合い、少し気恥ずかしそうに笑い合い、優しい温かさが、皆んなを包み込んだ。

「やけんなぁ、其の事を理解したお婆がオメェさんを1番気に入ったみてぇだわ。やろ?なぁお婆〜?」

「あらあらあらでい太、皆迄言わんでも良かって、私ゃ恥ずかしいがね、如何してくれるんよ、恥ずかしくて顔上げられんがいね、ったくもよ〜」

 気恥ずかしそうにする老婆を見て、此処でドッと笑いが起こる。

「ははははは、お婆さん、こいつの事を気に入って頂いて、本当にありがとうございます。お前も良かったな〜、お婆さんに気に入って貰えてさ、嬉しいだろ?」

 凰哦が蓮輝の背を撫で、嬉しそうに聞くと

「………うん其うだね…。お婆さんやでい太さんに、僕の心を覗かれた様な気がしてるけど、覗かれても嬉しいって思えるよ。ありがとうね、お婆さん、でい太さん…」

 頬を赤らめて、ありがとうと伝えたら

「そんなのえぇよ?私ゃも久々に人の温かさを知れたけぇ、とても嬉しいがいね」

 ニコニコと笑いながら、蓮輝の言葉を嬉しく思ってくれた様だ。

「オイラもお婆と一緒だで、オマン等と飯を食えてえがったわ〜。久々に美味い飯に成ったけぇ、オイラも嬉しいだで〜わははっ」

 豪胆な笑い声を上げるでい太にも、心が満たされる蓮輝達。

「お2人、蓮輝には勿体無いお言葉を掛けて頂き、本当にありがとうございます。突然伺った、見ず知らずの者達なのに、こんなにも温かく持て成して頂けて、心から嬉しく思います。ありがとうございます…」

 温かいでい太と老婆の心根に触れ、心から感謝を述べる凰哦。

 其れに続き、隆志も寵も、江田もが其々の言葉で、2人に感謝を伝える。

「お婆さん、でい太さん、本当にありがとうね。僕、2人の為にお礼に何かしたいんだけれど、満足したのか眠くて眠くてしょうがないんだよね…」

「あぁ其れは、俺も同じ気持ちだ…。だけど何故か俺も、急に眠気が襲って来て…」

「僕も同じ…。凰哦や蓮輝君みたいに…眠気がして…」

「私も〜…。今スッゴく幸せな気持ちで、眠くて寝ちゃいそう…」

「おやおや皆んなもかい…?私も同じだよ…如何したんだろう…」

 と、一斉に眠いと言うのだ。

「そらまぁ〜其うやろうなぁ〜。お婆〜の美味い飯をたら腹食えば、其う為るわなぁ〜。何せお婆〜の飯は、()()()()()()くれるけぇ、()()()()()()()んやろ」

「「「……えっ?……」」」

「ちょっと待っとけぇ、今人数分の寝床用意しちゃるけぇ、軽く寝るとえぇぞ〜?」

 と言い残し、奥の部屋に消えて行くでい太。

「えっ…あの…」

 其処迄甘えられないと、言い掛ける凰哦に

「えぇからえぇから、此処はお遍路の国やよ?お宅等は大人し〜く甘えとき?」

 ニコニコと笑いながら其う言い、老婆は片付けをし始めた。

 其れを見た隆志と寵が

「あっお婆さん、せめて片付けだけでも手伝います」

「其うよお婆さん、片付けは私達でするから…」

 と、2人は立ち上がろうとした時

「オッシャ〜布団の用意出来たけぇな、ササっと寝ときぃ」

 と、でい太が戻って来た。

「あっいやそんな、今食事の片付けだけでも手伝おうと…」

 戻って来たでい太に、凰哦が其う伝えたら

「ふ〜ん…こりゃオマン等皆んな、オイラ達の役に立ちたいって気持ちで溢れとるなぁ…。このまま何もせずに居させると、逆に思いにしこりが残りそうやし…」

「えぇ正に其の通りです。ですから何かさせて頂けたなら、大変嬉しいのですが…」

 思いを読み取るでい太に、凰哦が喰らい付き、願いでると

「ならこうしようか?昼寝から目が覚めたらよ、お婆の畑の手伝いしてくれんかぁ?如何だ?其れでえぇか?」

 と、両方Win-Winな提案をしてくれたのだ。

「─!!えぇ其れで良ければ是非!皆んなも其れで良いよな?」

「僕も其れで良いよ〜凰哦さん」

「僕も蓮輝君と同じく、畑仕事を手伝わせて欲しいよ、凰哦」

「私も〜!うふふ、其れにねぇ、実は農業体験って、子供の頃からしてみたかったのよね〜。思わず夢が叶ったわ〜♪」

「私も是非やらせて下さい。お役に立てるかは分かりませんがね…あははっ」

 こんな感じで、全員が快く承諾するのだ。

「あんや〜済まないね〜、ホンマなら、そな事せんでもえぇのに…」

「お婆、此処は快く甘えとき〜。って事で、早よ布団に入って寝て来いっちゃ。起きて畑仕事してる時に、さっきの質問にも答えるけぇ、今はゆっくり寝ればえぇぞ〜」

 朗らかに言うでい太の言葉で、ハッとする凰哦達。

「あっ其うでした…。質問してた事、すっかり忘れてましたよ…」

 キューを除く全員が、でい太に言われる迄、質問をした事をすっかり忘れていた模様。

「ワッハハハハ、多分そやろうと思っとったわいな。ほな、起きてから、話の続きをするけぇ、今は休んどけなぁ〜」

「はい、其うさせて頂きます。ではお言葉に甘えて…」

「「「お休みなさい」」」

「あぁ、ほなお休みなぁ〜」

「お休みやでねぇ〜」

 こうして全員、昼寝タイムに突入します。

 さて、お昼寝から起きた蓮輝達は、老婆のお役に立つのでしょうか?

 畑仕事を簡単に思ってはいけませんよ?

 はい、今回は此処迄。

 話は、まだまだ続きます。

          to be continued…

 何とかこの日に投稿が間に合って良かったです。

 毎回言ってるのですが、この日が小説初投稿の日。

 まぁ〜良く続けてるわ〜。

 我ながら感心する…。

 只投稿期間が空き過ぎるけどね…へへ…。

 言い訳としましてはですね、椎間孔ヘルニアの痛みが酷く成って、今現在での最強の痛み止めを飲んでるんですけどね、其れがま〜た眠気と気怠さを追加してくれてんのですわ。

 痛み、眠気、気怠さにて、文字がまともに打てないのですよ…マジでマジで〜!

 なので先に言います。

 次も期間が長く成る可能性大!です。

 申し訳ないけど宜しくね♪

 では次話でお会いしましょ〜う。

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