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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れへの旅路
62/65

凰哦と隆志と泰騎と…

 少々間を空けましたです。

 皆さ〜ん、お元気ですか〜?

 僕は相変わらず、眠気と怠さに、この暑さでヘートヘトで〜す♪

 そんなヘトヘトが書き上げた今話も、ある意味ヘトヘト?かも知れません…ふふ…。

 ではサクッと読んじゃって下さいませ。

 サクッとですよ〜?

 サクッとね…。

 一夜明け、其々が、凰哦と隆志について思いを馳せながら、目を覚ます…。

 2人の間には、想像を超えた繋がりが有った事を知り、血をも超えた絆が有ったのだとも、話を聞いた誰もが思ったのだ…。

 とても凄い繋がり…。

 そして、巡り合わせられた運命…。

 定期的に旅の報告として、正樹達に、簡潔にメールで連絡をしている蓮輝。

 今回知った2人の繋がりと絆を伝え、正樹達も2人の間に起こった巡り合わせに、言葉を失い、誰もが運命を感じるのだった。

 メールの最後の締め括りに

『キューが僕達の前にやって来てから起こる出来事って、不思議な出来事ばかりだけれど、其の全てがキューが齎した奇跡に思えてくるんだよね…。普通じゃ有り得ない出逢いが全て、僕達を一つにしてくれてる、そんな気がするんだ…』

 と書かれた文に誰もが

“間違いない”

 と、思えたのだった…。

 前日に、蓮輝と寵が思った、2人への揶揄いを恥じた事は、正樹達も同じ思いに駆られるのだった…。

「凰君と隆志君の繋がりは、私達の想像を遥かに超えたモノだったんだね…」

「其うですね…貴方…。まさかそんな繋がりが有っただなんて、夢にも思って無かったから、何度も揶揄って仕舞って…何と詫びれば良いのか…」

 正樹と美砂が、悲痛な顔で言う…。

「其れを言ったら私もです、青柳さん…。これから先、あの2人に、どんな顔して良いのか私…」

「其れこそ俺ちゃまもだぜ?このみ…。俺ちゃま何てよ、此処に居る誰よりも揶揄ってたんだぜ?」

 片平夫妻も、2人に対して思う所が有る様だ…。

 だが…

「でもよ、変に他所よそしく成っちまってもさ、逆に2人が俺ちゃま達に気を遣っちまうだろうからよ、これ迄の様に、ちょっとは揶揄ってやらないとな〜」

「まぁ!ったく貴方って人は!……でも其うよね…。うん其うしましょ!何時も通りに、2人を迎えましょ!」

「だね〜このみさん、私も其う仕様と思うよ」

「うふふ、其うだわよね…。うん、其れが良いわ…是非其うしましょう…」

 努の意見に賛同する正樹達。

「強い絆で結ばれた2人…。何だか素敵よね〜」

「だよな〜このみ…。にしても、本当スゲ〜よな〜…」

「ん?何が凄いのよ…努さん…」

「あっいやな、キューの坊ちゃんの凄さだよ。キューの坊ちゃんが齎すモノって、どれもこれもが奇跡に思えてよ、人の為せる業じゃねぇってな…本当に、蓮輝の大将が言った通りに思えるよな…」

 努の言葉に

「本当、其うだよね…努さん。私も蓮ちゃんと凰君に出逢えた事が、其うだと思えたのだからね…」

「ですわよね、貴方…。どれもこれも皆全てが、キューちゃんが起こした奇跡に思えますわよね…ふふふ…」

 正樹と美砂もまた、同じ様に思えていた…。

「俺ちゃま達、この先もきっとキューの坊ちゃんに、多くの奇跡を齎されるんだろうな…。其う思うとよ、今迄一体、どれだけの奇跡を貰ったのかって…心が痛むぜ…」

「……其うよね…。隆志君が私達にしてくれた自己犠牲にも、心が張り裂けそうに成ったけれど、キューちゃんの奇跡の多さを思うと、心が締め付けられる思いがするわ…努さん…」

 努の胸の内を聞き、このみも其うだと思えた。

「蓮ちゃんとキューちゃんが出逢ってから、赤の他人だった筈の私達が、1つの家族の様に成れたのも、どれもキューちゃんが呼び寄せた奇跡なのだろうね…」

「確かに其うなのでしょうね、貴方…。出逢い方はバラバラだった筈なのに、気付けば深く関わり、知らない所で接点が有った者達だったんですものね…」

 正樹と美砂も、キューに出逢えて良かったと、心から思えたのだった。

 其れは、キューと出逢えた全ての者達が、抱いた思いだった。

「あっ其う言や〜ちょっと思い出したんだけどよ、ちょっと前に隆チッチが言ってた、凰凰が隆チッチにする愛情表現ってのさ、()()()()()()()()()って言ってたの、この事何じゃねぇ?って、今思ったわ…」

 努の言葉に、ポンっと手を叩き

「あぁだったよね!確かに其う言ってたよ隆志君は…」

「其う言えば、其う言ってましたよね…。其れに、其の内“何故か”を理解する日が来るとも、其う言ってた様な気もするわよね…」

 正樹と美砂も、以前に隆志が言っていた事を思い出すのだ。

「えぇ確かに言ってましたよ〜。私良く覚えてますもん。だってあの時、篠瀬さん以外がお口に呪い(チャック)のお仕置きされましたもん…」

「「「其うだった!!」」」

「ねぇ〜…」

 このみの言葉で当時の事を思い出し、ヒュッと身を竦めるのだが、顔を見合わせ

「プッ…フフフ…」

「「アハハハハハッ」」

「「ウフフフフフッ」」

 と、笑いが込み上げて来た。

「いや〜隆志君には悪いが、祟りで笑わせてくれるとはね〜アハハ」

「まぁ貴方ったら!…プッフフ…。でも祟られても笑えるのは、彼の優しさと純粋さを知ってるからよね…」

「本当、私も心から其う思います、青柳さん…。彼の無垢な心に、どれだけ癒されたか…」

 癒されたと言うこのみの言葉に、全員が頷き、隆志を想うと、ジィ〜ンと心が温かく成って来るのだ…。

「本当隆チッチの奴、誰からも愛されてるよな〜…。マジ、凄ぇ〜よな…」

 努のこの言葉にも満場一致の様で、優しく笑って、頷き合うのだった。

「さぁ〜て俺ちゃま達は、隆チッチ達の無事を祈って、帰りを待ってよ〜ぜ!で、帰って来たら、笑顔で迎えなくっちゃな〜!ハハハッ」

 努が明るく言うと

「其うだね努さん、笑顔で迎え様かね…」

 正樹が同意し

「ですわね貴方…。皆んなの無事を祈って、帰りを待ちましょう…」

 無事を祈る美砂。

「ですね青柳さん、そして良い旅に成る様にも願いを込めて、皆んなを待ってましょう…」

 良き旅に成る様願う、このみだった…。

 此処に居る皆んなの想いが届けと其々が、其う願うのだった…。

 一方ホテルでは

「バシャバシャバシャ〜!ぬっくぬっくねぇ〜ん♪アキャキャ〜!ケヘッケヘッケヘェ〜♪」

「コラコラコラッ!ちょっとキュー!そんな燥いで泳いじゃダメじゃないか!コラキュー!」

「アキャキャ〜♪凰哦パパも泳ご〜よ〜んアキャ〜♪」

 メッチャご機嫌のキューが、凰哦パパの言う事を聞かずに、大燥ぎしています。

 其の大燥ぎをしている場所とは、ホテルの大浴場。

「す〜いすいのす〜い♪す〜いすいのすい♪」

「コラァ〜!キュー!ちょっと待ちなさい!コラ待てぇ〜!!」

 バシャバシャとキューを追い掛ける凰哦。

 追い掛ける凰哦を上手く交わし、ひたすら泳ぎ続けるキュー。

 其れを只見ている蓮輝と江田。

「アハハキュー、凄く楽しそう…。でも如何しちゃったんだろう…。何時もと違って、凄く楽しそうにしてるけれど…」

「フハハッ本当楽しそうだよね〜。でもきっと、キュー君なりに何かを感じて、其れを無意識の内に無くしてくれてるのかも知れないね…」

 江田の言葉に蓮輝は

「そっか…うんきっと其う何だろうね…。僕達の心の蟠り(わだかまり)をナイナイしてくれてるのかもね…江田さん…」

 江田の言葉に、きっと其う何だろうと思う蓮輝だった。

「ハァハァハァ…コ、コラキュー…ま、待ち…なさい…ハァハァハァ…」

 キューとの追い掛けっこが始まり、既に10分を超えました。

 次第にのぼせて来る凰哦。

「すすす〜…い…す…いぃ…」

 如何やらキューも、のぼせ始めたようです。

 其処に

「ほらキュー君、これ以上は無茶したらダメだよ?凰哦もさ、そろそろ限界でしょ?一旦上がって、火照りを冷まさないと、またダウンしちゃうよ?」

 と、のぼせたキューを抱き抱え、フラフラな凰哦に肩を貸し、湯船から、風が良く通るベンチへ連れて行く隆志。

「ウキュ〜…僕…フラフラなのね〜…」

 抱えられたキューが、のぼせてグッタリとしています。

「あ、ありがとう隆志…。ハフゥ…キュー…お痛はしちゃ…ダメだぞ…ハフゥ…」

 2人はグッタリと、ベンチに倒れ込むのでした。

「っとに…ちょっと待ってて、今冷たいタオルを用意するから。此処で大人しく休んでなよ?分かった?」

「ウケ…は〜…い…」

「あぁ分かったよ隆志…」

 倒れ込む2人に、大急ぎで冷えたタオルを用意する隆志。

 其々の頭に冷えたタオルを乗せると

「アキャッ、冷んやり気持ち良いのぉ〜」

「あ〜生き返る〜…」

 其う言って、其のまま眠る様に、意識を無くす凰哦とキュー。

「あらあらコレは、暫くこのままにしとかなきゃだね…」

 江田が2人の様子を見て、呆れた様に呟く。

「はぁ〜だよね〜…。其れじゃ僕は先に上がってさ、メグちゃんに未だ時間が掛かるって伝えとくよ…」

「あぁ、悪いが其うしてくれるかな?私はもう少し、彼等の様子を見ておくから」

「うん宜しく〜江田さん。其れと隆志さんもね〜」

「うん任せて。でもキュー君、本当、如何しちゃったんだろ?今回は偶々誰も居なかったから良かったものの、誰かが居たら、大騒ぎに成ってたよね…」

 隆志の言った言葉を聞いて

「あっ…だよね…」

 と、サーッと血の気が引く蓮輝と江田。

「ぼぼぼ僕、さささ先に上がってるから、あ後宜しく!」

 と言い残し、颯爽と去って行く蓮輝。

「あっ!逃げた!」

「逃げたねぇ…アッハッハー…」

 超特急で逃げる蓮輝に、呆れる隆志に、冷めた笑いをする江田。

「あははっ面倒ごとを避けて逃げるだなんて、本当彼らしいや…」

「まぁでもこれで、隆志君と2人だけで話が出来るから、私としては良かったよ」

「ん?えっ…?僕と2人だけでとは…?」

「あぁいやね、篠瀬君と泰騎さんついて、君は()()()()()()()()()()()のだろう?其の事を聞きたいとね、お節介かも知れないが老婆心ながら、何か役に立てないかな?っとね、思ってたんだよ…」

「江田…さん…」

 江田の心遣いに、グッと込み上げる隆志。

「やはり江田さんには、分かっちゃいましたか…。えぇ其うです、()()()()()()…ようやく出来そう何です…。唯…」

「やはり其うだったんだね…。で、唯とは…?」

「正直に言います、江田さん、僕を助けてはくれませんか?」

「助け…?助けとは、私の助けが必要と言う事何だね?其れは一体…」

「…江田さんの力を貸して欲しいんです…。江田さんの協力が無いと、僕の捌き事が出来そうに無いんです…。情け無い事何ですが、僕の能力じゃ足りないんです…」

 俯き、弱々しい表情をする隆志。

「そんな悲しそうな顔をしないで、何時もの様に優しく笑っていてくれないかな…。私で良ければ是非、手伝わせて貰うよ…」

「…江田さん…ありがとうございます…」

「いやいやお礼何て言わなくても良いからね。私としては、君の様な若者のお役に立てられるんだと、とても嬉しいのだから…」

 ハハハと笑いながら、隆志の願いを受け入れる江田。

「其れじゃぁ、この話は此処迄にしようか?先ずは篠瀬君とキュー君をね、如何にかしなきゃだね…」

「ハハ…ですね…」

 未だ、のぼせでグッタリ意識を失ってる2人を見て、呆れて渇いた笑いしか出て来ない隆志なのでした…。

 何とか回復した凰哦とキューに

「ちょっと2人共、なぁ〜に燥いで大ダメージ喰らってんのさ!良い大人がダメじゃん!凰哦さん!キューもダメでしょ!お痛しちゃ!」

 凰哦とキューを叱る蓮輝。

「ったく!この後も探索しなきゃいけないんだよ!?」

「このヤロ〜蓮輝〜!!言わせておけば〜!!ど〜〜の口で言ってやがる!!普段のお前が何時もしてる事だろーがあ!!」

「だよね〜パパァ〜…。何っ時もお痛してるのって〜、蓮輝お兄ちゃんだよね〜?あれ〜?な〜んで僕〜、怒られてるの〜?」

 思いがけないキューの反撃。

 凰哦だけなら未だしも、まさかキューに迄、ご不満を言われるとは思ってもいない蓮輝。

「グハァアッ!」

 見えない血反吐を吐いて、倒れるのでした。

「良〜く言ってくれたキュー!偉いぞ〜キュー!今度からはも〜っと、このバカ蓮輝を遠慮なく罵って上げなさい!良いかい?分かったかな?キュー」

「うん!罵るって良く分からないけれど、分かった!凰哦パパの言った通りに今度から、罵るってヤツ?僕す〜るね〜ケヘッ♪」

 ピクピクする蓮輝に

「蓮輝君、これが因果応報ってヤツだから…」

「其うよ?ダーリン。宮津さんの言った通りだからね?」

「はっはっは〜…私は何も言わないでおくよ…フフン…河橋君?」

 誰からも、擁護されない蓮輝。

 自業自得なのだが、やはり天邪ッキーを発動させた蓮輝は

「くっ…チクチョ〜もう良いさ!僕1人を除け者扱いするんだったらね、今日1日何もしない!ホテルでグースカグータラしてるから!プンッ!」

 拗ねて唯1人、ホテルに居残りすると言うのだ。

「はいはいOK、OK〜!其うしてくれると助かる」

「だよね〜凰哦…。何しでかすか分からないからね、其うしてくれると助かるよね〜」

「凰哦兄と宮津さんが言った通り、大人しく…は無理でも、お気楽〜に過ごして頂戴?ダ〜リン」

「ってな訳だからキュー君、彼を置いて私達は出掛け様か?」

「は〜い!おじちゃ〜ん!僕ね、其うするね〜ケヘッ」

 其う言って、蓮輝を残してホテルを後にするのでした。

「エッ…マジ?…」

 1人取り残された蓮輝は、呆然としながら

「寝よ寝よ…。あっ其うだ!凰哦さんのツケで、ルームサービスしまくろっと〜♪そしてガンガンポンコツグッズ買い占めとこっとね〜♪」

 と、全く懲りてないおバカさん発動で、1人楽しむ事にした様です。

 それを知らない凰哦達は

「此処最近、バカキューのご加護が有っても、本気でバカをするから、ホテルで大人しくさせられて、ちょっとはホッと出来るなぁ…」

「良かったね凰哦。でもさ、あの()だよ?1人でも、何かしらやりかねないとは思うけれどね〜…」

「だわよね宮津さん。ダーリンって、懲りない執念の持ち主だもの…。ホテルに帰ったら、また調教確定してるかもね…」

「ハハハッだろうね〜。でも今回は、しっかりとキュー君の棲家を探さないとね…。其れに、出来れば()()()()()()()には、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…」

 此処でまた、何かを含んだ事を言う江田。

「えっ?其れは一体…」

「まぁまぁ今は気にせずに、キュー君の棲家を探そうか?其れで良いかな?皆んな…」

 上手くはぐらかす江田。

「………まぁ其うですね…。時間も惜しいですし、取り敢えず最初の目的地に行きましょうか…?」

 腑に落ちない感じだが、風呂場でバカをした為、無駄にした時間を取り戻す為に、最初の目的地に向かう凰哦達。

 鹿児島から宮崎に熊本と移動し、其のまま北上して行き、長崎に佐賀、福岡と大分へと移動していた。

 九州地方最後の大分県の山中で数ヶ所、地図上で目星い場所を見て回ったのだが、やはりキューが満足いく場所は見付から無かった。

 其れでも只一ヶ所だけ、清らかな池の在る場所が在った。

 其の池が在る場所は、池を取り囲むかの様に広く木々が生い茂り、透き通った水がキラキラと光を反射し、揺らめいていた。

「宮津君、此処ならきっと、君の捌き事が出来そうだね…」

「…はい、其うですね…。申し訳ないですが江田さん、今夜お願い出来ますか?」

「あぁ良いとも…。でも本当に、私で大丈夫なのかい?」

「はい、江田さんじゃないとダメ何です…」

「私じゃないと?其れは如何言う…」

「失礼だと思いながら江田さんを観察していて、江田さんに隠されたもう1つの能力が必要何です…。其れは、僕には無い能力なので…」

「私に隠された能力?」

「えぇ、()()()の能力をお持ちの様でして、其の力が今回重要に成るんです…。後キュー君の存在も必要に成るのですが…」

「ほぅ…其うなのかい?正直、私に隠された能力を如何すれば良いのか分からないけど、上手く使える様、指南してくれるんだよね?」

「勿論です。唯触れていれば良いので、後は僕がやりますから…」

「そっか、分かったよ…。其れじゃ今夜、また此処に皆んなで来ないとね…」

「はい、其の時は宜しくお願いします…」

「あぁ承ったよ…」

 凰哦と寵に、キューから離れて、隆志と江田が話し合っていた。

 神妙な顔で話をしていた2人に、聞く耳を立てていた凰哦が

「何だ2人して、何か密かに話をしていたが、部分的に聞こえて来た捌き事とか、今夜此処でってのは、一体何の事だ?」

 凰哦の問いに隆志が

「凰哦、其れと寵さん、悪いけれど今夜此処で、とても大切な事をしたいんだよね…」

「大切な事!?」

「其う大切な事…」

「ねぇ宮津さん、其れって、今じゃダメなの?今夜じゃ無きゃ出来ない事なの?」

「うん其う…。満月の月の下でじゃ無きゃ、出来ない事何だよね…」

「満月の月の下!?」

「うん其う…。だから、悪いけれど今夜、皆んな僕に付き合ってくれるかな?」

 凰哦と寵にお願いをする隆志。

「う〜ん隆志のしなきゃいけない事かぁ…。あぁ分かったよ、今夜また此処に来ようか?」

「宮津さんがしなきゃいけない事なのよね?なら良いわ。唯ダーリンが素直に聞くかは分からないけれど、無理矢理にでも了承させるから安心してね〜」

「ありがとう2人共…。其れじゃ今夜月が昇る頃、また此処に来させて貰うね…ありがとう…」

 ありがとうと言って、深く頭を下げる隆志だった。

 今回の拠点と成るホテルに一旦戻り、ポンコツグッズを買い占めて、部屋中にばら撒く蓮輝の罠にしっかりと嵌まる凰哦。

 ポンコツ化の凰哦に、ケラケラ笑う蓮輝を見た一同は、底無しの悪戯好きの持ち主だと、再確認するのでした。

 ふ〜…っと蓮輝に呆れながらも、食事を済ませ、夜の闇が濃く成る頃に、目的の池の在る場所へと向かうのでした。

「ねね、こんな夜中にさ、こんな山の中に何しに来たのさ?」

 蓮輝の質問に

「僕が捌き事を皆んなで見ていて欲しいんだ…」

「えっ?隆志さんが捌き事?何其れ?」

 少し悲しい目をしながら

「凰哦から、父さんの魂を呼び起こして、眠りに着かせる事…」

「「「!!」」」

 隆志の答えに驚く3人。

「た、隆志、其れって…」

 言葉に詰まる凰哦。

「凰哦の中に宿ってる父さんを…凰哦から解き放ちたいんだ…」

「解き放つ!?何故解き放たなきゃならない!?別にこのまま、俺の中に宿ってても良いだろう!?」

 わざわざ解放しなくても良いと、凰哦は思ったみたいだ。

 だが、隆志の話す内容に、江田を除いた全員が驚く事に成る。

 其の内容とは

「ダメ何だよ凰哦…。このまま父さんが凰哦の中に宿ってたら、父さんの魂の影響で、凰哦の魂が侵食されて仕舞って、凰哦の自我が消えちゃう恐れが有るんだよ…」

「「「えっ…」」」

 凰哦だけではなく、蓮輝と寵も、隆志の言葉に驚きの反応をする。

「じ、自我が消えるって…如何言う事何だ…?」

「其のままの意味だよ…。ずっと凰哦の中で眠ってた父さんの意志がさ、僕と出会った事によって目覚めて、段々と強く成り始めて来たんだ…。其れもスピードを増して強く成って来てるんだ…。其う成ると、父さんの意志が凰哦を支配し始めて仕舞い、凰哦が凰哦じゃ無く成って仕舞うんだ…。だから未だ侵食し始めたばかりの今、父さんを凰哦から解放しないとダメ何だよ…」

 此処迄聞き、事の重大さを知る凰哦達。

「えっ!?そ、其れじゃ侵食される前に、凰哦さんから隆志さんのお父さんを切り離さなきゃヤバいんだよね!?」

「うん其う…蓮輝君…」

「ちょっと宮津さん、何故今頃に成ってなの!?もっと早くにしてたら良かったじゃない」

「確かに寵さんの言う通り何だけれど、其れが出来なかったんだよね…」

「えっ!?」

「僕には払う力は有るけれど、其れは相手が、個別に可視化しないとダメ何だよね…」

「個別に可視化…?」

「其う何だ、寵さん。今の状態だと、凰哦の魂迄払っちゃう恐れが有って、ずっと出来ずにいたんだ…。更に言うと凰哦本人がね、父さんの存在をしっかり理解しなきゃいけないのと、ある程度父さんの意思が強く成らないと、可視化も上手くいかないんだ…。だからこれ迄出来なかったんだ…」

 悲痛な表情で語る隆志。

「其れとね、情け無い事にさ、其の可視化をする力が僕には無いんだよね…」

「エェッ!?そ、其れじゃ如何するのさ…」

「其うよ宮津さん、ダーリンが言った様に可視化が出来ないんじゃ、払おうにも払え無いじゃない」

 蓮輝と寵が、如何するんだと聞くと

「江田さんとキュー君に手伝って貰うつもり」

「江田さんとキュー!?」

「其う蓮輝君。江田さんには、可視化する力が少し備わってるみたいだから、江田さんに可視化をお願いしてるよ」

「えっ…其れマジ?」

「うんマジ…。でね、キュー君には、凰哦と父さんを分離する時に、父さんの魂に引っ張られない様に、凰哦に抱かれて貰うつもり」

 江田とキューを見ながら、隆志は其う答えた…。

「後は月が空高く昇った時、この世に成らざるモノが色濃く成って、僕達の力も増すからね、今日この地で父さんを解放しようと、此処に来たんだ…」

 切ない目で、凰哦を見つめる隆志。

 今にも泣き崩れそうに成りながら、其う、話すのだ…。

 其の隆志に凰哦が

「なぁ隆志、そんな張り裂けそうに成って迄やらなくても、俺は大丈夫だぞ?ずっとこのままでも、俺は平気だから…。お前の側で泰騎さんが、ずっと感じていられるのなら、俺は其れでも構わないから…」

「…凰哦…」

 隆志の事を想う凰哦の心に、ポロポロと涙し

「ありがとう凰哦…でも其れは出来ないよ…。何故なら、其のまま父さんの魂が侵食しちゃうと、凰哦の魂と、父さんの魂が混ざり合って、別モノに成って仕舞うんだもの…だから父さんの魂を解き放ちたいんだ…。僕の為にもね…」

 泣きながらも優しく柔らかく笑う隆志。

「隆志…」

「隆志さん…」

「宮津さん…」

 隆志の想いの強さを改めて知る凰哦達。

 強い想いを抱いてると知りながら、蓮輝が

「本当…何処迄も強い想いを持ってるんだね…隆志さんは…。唯ちょっと気に成ったんだけれどさ、何故この場所だったの?月の光が必要だけなら、ホテルでも出来たんじゃないの?」

 蓮輝が不思議そうに、疑問を投げると

「此処でなくちゃダメ何だ…。清らかな泉や池が、浄化の力が高めるからね…。其処に月の光が反射して、更に力が増すんだよ…。だから此処でなくちゃいけないんだ…」

「…其う何だね…うん分かったよ隆志さん。其れじゃ僕達は、只黙って見守ってるから、隆志さんが思う様にしてよね…。其れで良いでしょ?凰哦さん…」

「…あぁ其うだな…。分かったよ隆志、お前の思う様にしてくれよな…」

「ありがとう凰哦、其れと皆んなもね…」

 隆志の感謝の言葉に、グッと熱く成る凰哦達だった。

「其れじゃ始めるね…」

 其う言って、凰哦に近付く隆志。

 静寂な月夜の山中、こうして凰哦の中に宿る泰騎を、解き放つ作業が開始されるのでした…。

 無事、隆志の想いが叶えばと、其う願う、凰哦と蓮輝達なのでした…。

 こんな感じで今話は完了っす。

 続きは暫し、お待ち下さいませ…。

 お待ち…下さいね…お願いしまする…。

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