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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れへの旅路
60/64

凰哦について 前編

 はいはいはいっと、時期、ゴールデンウィークっすね。

 えっ!?今日から!?

 嘘…。

 其れって只のサボりを交えた、有給っすよね?

 本当のゴールデンウィークって、3日からっすよね?

 って事で、お話始まりま〜す。

 さて皆さん、お元気でしょうか?

 僕は、ある意味元気です。

 ん?あれ?何だかこんな風に聞くのは、前にも有った気がする…。

 まぁ良いか〜。

 でね、何故ある意味元気ですと、言いますと…

「ほらほらほら蓮輝君、君の望み通りに撮影したからさ、ちゃ〜んとオモロを楽しんでよね〜アハハ〜♪」

「其うよダーリン♡宮津さんがね、ちゃ〜んと言われた通りに撮影してくれたんだからね、しっかり観て楽しんでね☆」

「はっはっは〜だよね〜、宮津君に寵さん。()()河橋君にはね…ふふふ…」

 とね、前回の旅で僕が言った言葉をね、しっかりと叶えてくれました。

 泡ブクブクと倒れてる僕達の姿、まぁ〜何てコミカル何でしょう。

「ちょっと何ふざけてんの!?自分のコミカル姿何てさ、だぁ〜れぇ〜が観たいと思ってるのさ!何考えてんのさ!!」

「其うだそうだ!コイツだけなら未だしも、俺迄撮影しなくても良かっただろう!何観せてくれてんだ!?」

 とね、思わず言っちゃいました、エヘッ♪


 ガチコ───ン!×2

 ギィュ───ン!×2

 ゴツ────ン!×1←(蓮輝のみ)


 ってな感じで其々がね、祝福のお怒りお仕置きをしてくれました。

 いや〜本当、()()()()()()だよね〜アハハ〜♪

 だからね、元気かって聞かれたら、()()()()で〜す!と、答えるかな?あははっははっ♪

 ってな訳で、今日も仲良く探索に、尽力したいと思います。

「…暴力反対…」

「だよな!何故俺迄お仕置きされなきゃいけないんだよ!?なあ〜メグちゃん、隆志!?俺は只の巻き添いじゃないか!」

 殴られた頭と、抓られた頬に手を当てて、2人に猛抗議する凰哦。

「あっごめん凰哦…流れ的に、遂しちゃったよ…。本当ごめん…」

「ごめんねぇ凰哦兄…。宮津さんの言った様にね、遂思わずリズムで殴っちゃったわ…ごめんなさい…」

 凰哦の抗議に、素直に謝る隆志と寵。

 だけれども…

「謝ってから何だけれどさ、凰哦って、何故か巻き添えキャラだよね…?」

「だよね宮津さん。凰哦兄ってさ、なぁ〜んか弄られ巻き込まれキャラだわよね…本当不思議とね…」

「あぁ其れは何だか此処最近、篠瀬君を見ててよく分かるよね…」

 江田会長公認の弄られキャラと言われた凰哦は、ガチンと固まり、只呆然としていました。

 其処に

「本当、自分のキャラ位置分かって無いよね〜凰哦さんってさ…黙ってれば良いのに…。遂つい直ぐにさ、他人の意見に反応したり、乗っかっちゃうんだから…。自ら率先して、お仕置きして下さいって言ってる様なもんだよね〜、あぁ〜情け無い情け無い…僕は情け無いっすよ…マジで…」

 と、蓮輝がトドメを刺しました。

 トドメの言葉で凰哦は、ガクッと膝から落ち、其のまま燃え尽きた屍と化すのです。

「ありゃま…凰哦さん?もしも〜し凰哦さん?死亡確定ですか〜?聞こえてますか〜?」

 返事はせず、ヒュ〜〜〜〜っと口から魂が抜けて行く凰哦なのでした…。

 死亡確認した後

「で、皆んな、旅は未だまだ続くよ〜!さあ〜張り切って行こ〜!!」

「「「オ─────ッ!」」」

 何も無かったかの様に、声高らかに、旅の意気込みを発する一同。

「っちょっと待て〜〜〜〜!!なあ〜に勝手に話を進めてる!!然も俺抜きで!!江田会長!貴方迄もが、()()()しないでくれませんか!?」

 何時の間にか抜けた魂が戻った凰哦が、江田会長に、ブースカカースカブーブーブーと、文句を言うのでした。

「あいや、すす、済まないね…篠瀬君…。私とした事が、如何やら蓮輝君の毒に冒されちゃったみたいだね…本当済まないよ…」

 其れを聞いた蓮輝(ほんにん)

「ちょっと会長さん!僕の毒って何だよ其れは!?まるで僕自身が、変なウィルスみたいな言い方しちゃってさ、マジ何なの!?其れ、とてもGoodです!もうこうなりゃね、蓮ちゃんウィルス蔓延させちゃうよ?ウホホォイ♡」

 特殊な生き物認定されたと喜ぶ蓮輝(ばか)

 そんなバカ(れんき)を横目に見た凰哦が、江田会長の肩をポンポンと叩き

「如何してくれるんです!?江田会長…。あ〜もぅこの際ね、会長職取っ払いましょう!今後は普通〜の江田さんでOKっすよね?っで、この蓮輝(バカ)を如何対処します?如何対処してくれるんです?治療法は?…フッでは、後の事はお願いしますね?江田さん…」

 と丸投げし、先程の仕返しをしっかりとする凰哦なのでした…。

「す、済まないよ篠瀬君…。この通り心から謝罪するから、如何か許してくれないかな…?お願いします、篠瀬君…」

 凰哦の仕返しに頭を下げて、即謝罪をする江田会長改め、只の江田。

 謝罪する江田をジィ〜っと冷たい目で、無言で見る凰哦。

「本当申し訳ない…。彼のおふざけは、私には荷が重過ぎるよ…。如何か許してくれないかな…篠瀬君…」

 蔓延ダンスを踊ってる蓮輝を見て、本気で無理だと訴える江田に

「………ったく、江田さん迄もが、私を揶揄って如何するんですか!?もぅ分かりましたから、其うヘコヘコ頭を下げないで下さい…。他人の目からしたら、私が年配者に無理矢理謝らせてる悪者に、見えちゃうじゃないですか…」

 何だかんだと言って、他人の目が気に成る凰哦。

「あぁ其うだよね…重ねて申し訳ない…」

「はい、分かりました…。って事で、謝罪は良いとして、蓮輝(コイツ)…江田さんの一言が気に入ったみたいで、本気で蓮輝ウィルス撒き散らそうとしてますね…。ったく、このバカタレは…」

「あぁぁ…本当に申し訳ない…」

 江田が言った事により、蓮ちゃんウィルスがプラスされ、とても上機嫌な蓮輝なのでした。

「うふふぅ〜…また新たに、僕のポテンシャルが追加されましたね〜。よ〜〜〜し、た〜〜く山撒き散らすよ〜!フウ〜〜!ゥアブ死!!」

 殺菌消滅剤として、蓮ちゃんウィルスに凰ピンスプレーが連発されました。

「何処迄もブレずに楽しそうだなお前は…」

「エヘヘ〜羨ましいでしょ?」

「バカか!?何が羨ましいんだ!?」

「だってさ、この僕に、新たな性質がプラスされたんだよ?これが、喜ばずにはいられますか?」

 と、嬉しそうに返答する蓮輝。

 もぅ何を言っても無理だと思った凰哦は

「なぁメグちゃん、こんな旦那様を持ってて恥ずかしいだろ?ほら此処にサインして、サッサと離婚しちゃいな?君の為にも其う薦めるよ」

 と、何故か離婚届けを用意していた凰哦。

 出された離婚届けを受け取り

「………OK凰哦兄。此処にサインをすれば良いのね?」

 と、すんなり離婚を認める寵。

「エエエッりりり、離婚───っ!?」

 離婚の言葉に驚き

「え、え、え、り、り、り、離婚!?ハァア!?り、り、り、離婚!?」

 変なリアクションをする蓮輝。

「何だ其のリアクションは…。如何やら蓮輝ウィルスの元締めが、暴走してるみたいだな…」

「えへへ〜任せて〜♪暴走真っしぐら〜♪って、バカな事言ってる場合じゃ無いっての!なぁ〜に下らない事言ってんの!?バカじゃ無い!?この凰バカさんが!!」


 バチコ──────────────ン…


「ゥアギャ────ッ!痛った────っ!」

「痛いが何だ!このヤロテメェ!だあれが凰バカだ!其れが、親代わりに育てた者に対しての言葉か!!このクソ蓮輝!!」

 これ迄以上に激怒する凰哦が、怒りの怒声と共に、凰ピンでは無く、フルスイングの平手打ちを繰り出しました。

 更に胸ぐらを掴み

「これ以上、育ての親の俺を怒らせるな!育ての親に対する侮辱発言をするのなら、お前とは金輪際、縁を切るからな!!」

 今迄とは違い、本気で怒る凰哦。

 其の気迫は、近くに居るモノ全てが、身震いして仕舞う程なのでした。

 誰もが怖くて凰哦に近寄らず、声すら掛けられないのでした。

 ですが、其の中で

「凰哦パパ〜怒っちゃヤー!お願い、怒らないで〜…」

 と、凰哦の足にしがみ付き、怒る凰哦を宥めるキューなのでした。

「キュー…」

 蓮輝の胸ぐらを掴みながら、足元のキューを見る凰哦。

「お願〜い凰哦パパ、プリプリプンプンさんをね、ナイナイして〜…」

 と更に、涙目で訴えるキュー。

 其のキューの意地らしさに

「………キュー……あぁ分かった、分かったから泣かないでくれ…キュー…」

 と、蓮輝をポイ捨てし、泣きそうなキューをあやす、凰哦でした。

「凰哦パパ〜…本当にもぉ、怒って無い?プンプンさんはナイナイした?」

 相変わらず無垢な目をして、凰哦を心配そうに覗き込むキュー。

 其のキューの、意地らしいキュートさに持って行かれる凰哦パパ。

「全然!もぅ全然怒って無いぞ〜!そんな〜、パパが可愛いキューを前にして〜、怒る訳が無いじゃないかぁ〜アハハ〜♡」

 っはい!

 キュートなキューの意地らしさにより、久方振りのポンコツ魔神様が、降臨されました。

 キューを抱き締め、頬擦りが止まらない凰哦に一同、完全引きまくりです。

 未だ、キューが見えてる蓮輝達だけなら、引かれるだけで良かったのですが、其の他の方達にしてみれば、高速エアー頬擦りを繰り出してる、見知らぬオッさんにしか見えない凰哦。

 宿のロビーで、其の醜態を晒していた為、其の他の宿泊客に思いっっっっ切り変態扱いで、ザワ付かれる始末。

 ザワ付かれた事に気付いた凰哦は、今回もしっかりと、崩れ落ちてくれました。

 崩れ落ちる凰哦に

「毎度の羞恥心で、崩れ落ちてる所で悪いけれど、今回、僕がやらかした言動を謝りたいんだけれど、聞いてくれるかな…凰哦さん…」

 と、蹲る凰哦と同じ様に、しゃがんで話し掛ける蓮輝。

 何時もとは違う、声のトーンに

「……………」

 無言で蓮輝を見る凰哦の顔は、かなり険しい顔をしていた。

 無言の圧力に気圧され、本気で怒っていたと理解しながらも

「凰哦さん、ごめんなさい…。縁を切ろうと思う程、本気で怒ると思わなくて、僕…バカやらかしちゃったよね…本当にごめんなさい…」

 おふざけ無しで、心から詫びる蓮輝。

「言い訳に成りそうであれだけど、僕、皆んなと此処迄仲良く成れて、何処か安心してたみたい…。おふざけしてても、これくらいなら許されるだろうって…。其処でまさかのアイテム、離婚届けが登場したでしょ?だから今回も、おふざけだと思い込んで、言っちゃいけない事言っちゃった…。本当、ごめんなさい…凰哦さん…」

 反省の色が濃く、本気で謝罪をする蓮輝。

 其の蓮輝に

 パチィ─ンッ!

「あ痛っ!」

 弱目の凰ピンを1発撃ち

「ったくお前って奴は、何歳に成ってもバカを遣らかすよな…。特に、この旅に出てからな…」

 蓮輝を赤ん坊の頃からずっと見てきた凰哦は、何故蓮輝が、こんなにも多くのおふざけや、悪戯をしているのかをも、理解していた。

 だが今回の、凰バカと罵った言葉には、流石に切れて仕舞った。

 凰哦さんのバカなら未だ許せたが、名前を弄っての発言は、幾ら血の繋がりが在ったとしても、許す事は出来なかったのだ。

 寵が揶揄われた時も、名前で揶揄う事が、どれだけ相手を傷付けるかと、本気で相手を叱り付ける程、名前の揶揄いは許さなかった凰哦。

 だからこそ、今回の蓮輝が言った罵りの凰バカが、許せなかったのだ。

 特に“キュー”の横暴哦は、神相手でも赦されないと、威力の増した凰ピンを繰り出されていたのでした。

「何故お前がこんなにも、悪ふざけをしてるのか、多分…いや確実に全員、皆んな分かってる筈だ」

 凰哦が、蓮輝のおふざけ行動には、ちゃんとした理由が有る事を全員、理解しているのだと言うと

「其うよダーリン…。私は分かってるわよ?」

「だよね、寵さん。河橋君が何故、こんな風にふざけているのか、大体は予測出来るよね…」

 寵と江田が、理解し予測出来ると言う。

 其処に隆志が

「以前、凰哦は見てて分かり易いと言ってたけどね、育ての親の影響かな?蓮輝君もね、充分に分かり易いからね?」

 と、語ると

「えっ…ウソ…マジ!?」

 と、信じられない顔をするのでした。

「た、隆志…そそそ、育ての親の影響ってお前、其れ酷く無いか!?」

「凰哦には悪いけれど、事実何だから、諦めてよね〜。っで、話は戻すとして蓮輝君、君、キュー君との別れを考えると、辛くてわざと、ふざけてたりしてるんでしょ?違うかな…」

 隆志の言葉に、凰哦と寵に、江田もが頷く。

「………やっぱり皆んなには、分かっちゃうかぁ〜…。考え無い様にしてはいるんだけれどさ、如何しても…如何しても考えちゃう…。僕から言った事なのに…ダ…ダメだな…ヘヘッ…離れたく無いって…思っちゃ…嗚呼ぁ…思っ…嗚呼ぁ…嗚呼ぁ…嗚呼嗚呼あぁ…」

 隆志に言い当てられて、膝を着き、両手で顔を隠して涙をボロボロと流しながら、泣く蓮輝。

 其の姿を見て

「…蓮輝…」

 堪らず抱き締める凰哦。

「ごめんなさい…凰哦さん…。其れに皆んなも…。唯…唯ね、この旅が…ずっと続けば良い…ずっと終わらなければ良いってさ、其ればかりを思っちゃうんだ…。こんな僕は、我儘かな…。こんな願いは、勝手かな…」

 凰哦に抱き締められ、声を殺して泣く蓮輝に、寵と隆志に、江田迄もが胸を締め付けられそうに成り、涙が溢れて止まらない…。

 突然泣き出す一同に、周りの宿泊客が、また騒めき出し

「此処じゃ碌に話せない、一度部屋に戻ろっか?」

 と、凰哦の言葉で、凰哦の部屋に行く事に成った。

 凰哦の宿泊室に、一同が集まった時

「ねぇねぇ蓮輝お兄ちゃん、寂し寂し感じ?僕がナイナイしても、消えないナイナイみたい…。ごめんね、お兄ちゃん…。僕に力が無いからかな…ナイナイ出来なくてごめんね…」

 と、無垢なキューが、蓮輝に抱き付き、謝るのだった…。

 其の行為に

「ダメだよキュー…僕に引っ付いちゃ、穢れで辛く成っちゃうよ?もぅ大丈夫だから、僕から離れないとダメだよ…」

 と、キューの身を案じ、離れろと言うのだが

「嫌!僕、蓮輝お兄ちゃんの悲し寂しが、ナイナイする迄、離れないもん!」

 と、意地らしい事を言ってくれるのだ…。

 キューの無垢な心に触れて、涙が止まらなく成った蓮輝。

「ごめん、ごめんねキュー…。そしてありがとう…」

 強く抱き締めては、蓮輝から発生する穢れで、キューが苦しむと思いながらも、キューを抱き締める蓮輝だった。

「蓮輝君、キュー君の為にもさ、おふざけは程々にしなきゃね…」

「……うん、だね…隆志さん…」

「ちゃんと分かってくれるのなら、もっとキュー君を抱き締めて上げて。僕がキュー君に、纏わり付く穢れを浄化し続けるからさ、安心して抱き締めて上げてよね…」

 隆志が、蓮輝から発する穢れを、浄化すると言ってくれた。

「えっ…良いの?隆志さん…」

「勿論だよ。長い間、キュー君の事を思って、抱きたくても抱かなかったんでしょ?今だけでも、しっかり抱き締めて上げてよね。只、僕の浄化の力じゃ、蓮輝君から発生する穢れは、上手く浄化し切れないから、何度も出来ないんだ…ごめん…」

 上手く浄化し切れないと、申し訳なさそうに言う隆志。

「そんな事無いよ、充分過ぎるから、謝らないでくれる?隆志さん…。逆に僕が、謝らないといけないのに…。ごめんね…そしてありがとう隆志さん…」

 隆志の慈愛にも触れ、涙を流しながらも、ふわっと柔らかく笑って、感謝する蓮輝でした。

 一頻り泣き、感謝し、キューを抱き締められる幸せを噛み締める蓮輝は

「皆んな、本当にごめんなさい…そしてありがとう…」

 と、謝罪と感謝の思いを伝えたのでした。

 暫しの間キューが齎した、優しい時を過ごせた一同は、笑顔で


 パチコ──ン!

 ガチコ──ン!

 ギュウ──ッ!

 ポカァ──ン!


 と、念の為のお仕置きを蓮輝に、差し上げました♪

「あぅぅぅ…やっぱり其うだよね…。お仕置きゴチです…はい…」

 有り難く、お仕置きを其々から頂戴した蓮輝が、体力の限界が来て仕舞い、この日は探索に行かない事に成りました。

 おかげで一同、ゆっくりと寛ぐ事にし、凰哦の宿泊室にて談話がスタート!

 談話の内容とは…

「ねぇ凰哦さん、ちょっと聞くけど良い?」

「あぁん?何が聞きたい…」

 未だちょっと、お怒りモードから戻って無い凰哦。

「あうぅ…未だ怒ってますなぁ…。まぁ、其れでも良いからさ、本当に聞くけど良い?」

「…だから何を聞きたいんだ?もぅ怒っては無いから、早く言いなさい…」

「うんありがとう。えっとさ、あの離婚届け、何時用意してたのさ…」

「あぁアレなぁ〜。アレは、懲らしめアイテムとして、お前達が結婚したその日には、用意してたぞ?」

「エエエッ!?そんなに前から!?」

「フッ…当たり前じゃないか。何枚も用意してあるから、ここぞって時には、直ぐに提出するからな?」

「あぅぅ…はい…。っでさ、次はメグちゃん!あの時OKと了承したけれど、本気で僕と離婚したいと考えた訳?」

「………う〜ん私の場合はね、懲らしめ目的だったから、半分は本気で、残りの半分も本気かな?」

「ズルッ!そ、其れって、100%本気じゃん!完全マジな奴じゃん!」

「だから懲らしめって言ってるでしょ?この懲らしめでも、ダーリンの言動が変わらないのなら、サインしようと今回は、覚悟を決めてたわね〜…」

 等と、融通が一切利かない寵だと判明です。

「………其う成らない様に、精一杯頑張ります。ですから、如何か見捨てないで〜お願〜いだよ〜…」

 本気だと知り、心改める決心をする蓮輝。

「隆志さんも、江田さんも、ご迷惑掛けましたです…」

「あっはっは…河橋君、しおらしい君は、とてもチャーミングだね。如何かな?気が許せば、今度2人でゆっくり話をしようじゃないか」

「うん、江田さんが良いのなら、是非其うするね〜」

 未だちゃんとした会話をしていない江田と、2人で語り合う約束をする蓮輝。

「あっ其うそう、隆志さんもありがとうね。僕の穢れを浄化してくれて」

「別に気にしないでよ蓮輝君。唯さっきも言ったけれど、普通の穢れとはまた違った特殊な穢れだから、其う頻繁には出来ないから、其れだけは心に留めて置いてね…」

「…うん其うさせて貰うね〜。其の時は、悪いけれど、宜しくお願いするよ…」

「了〜解。で、未だ聞きたい事とか、有るんじゃない?」

「其う何だよね〜、流石隆志さん。聞きたい事ってのはさ、凰哦さんについて何だ〜」

「ん?凰哦について…?一体何を聞きたいの?」

「おいおい、俺の事かよ…」

「其う、凰哦さんの事〜。以前から聞きたいって思ってた事何だけれどさ、以前にも言ってた結婚しない理由とか、誰かとの約束ってのを聞きたいんだけれど、聞いても大丈夫?」

 蓮輝が聞きたいと思ってた事とは、この2つの事なのでした。

「あっ其れ、僕も聞きたい!」

「勿論私も〜」

「あぁ〜失礼じゃ無ければ、是非私も聞きたいと思うよ、篠瀬君…」

 と、3人も同じ気持ちなのでした。

「皆んなが皆んな、俺について聞きたいって、どれだけ俺の事好きなんだ!?まぁ別に減るものじゃ無いし、まぁ聞かせても構わないが、少し長くなるぞ?其れでも良いのなら、聞かせるが…本当に聞きたいのか?」

「僕は聞きたい!」

「私も〜同じ〜」

「勿論僕もだよ、凰哦…」

「私も是非、お願いするよ…」

 と、満場一致しました。

 なので

「ふぅ…しょうがないなぁ〜…。では話すとするかぁ…」

 こうして凰哦について、これ迄隠されてた凰哦の秘密を聞く事に成りました。

「俺が結婚しないのは、只単に、相手が居なかっただけなのと、俺と交わした3人との約束が、未だに果たされて無いだけ何だよな…」

 少し遠くを見つめる様に語る凰哦。

「3人との約束?誰と誰?」

 其う質問をする蓮輝。

 唯其の中で1人、隆志だけが

「多分、其の中の1人は、僕と縁が有る人だと思うけれど、最後迄話を聞いてから、判断するよ…」

 と、少し意味深な事を言いました。

 隆志の言葉を聞いた凰哦は

「ん?何だか分かってるみたいだが、取り敢えず話を始めさせて貰うぞ?良いかな?皆んな…」

 凰哦も何やら、何かを含んだ言い方をし、話が始まるのでした。

「先ずは1人目、実の父さんから言われた事」

 凰哦の話を真剣に聞く蓮輝達。

「俺の父さんから言われたのは、お前は全てを背負い込む性格をしているって言われてな、更に言われたのは、お前は家族以外に愛情が持てないだろうと言われたよ…。だから、血縁以外で大切だと思えるモノを見付けなさいと言われたんだ…。其れが1つ目」

 キューと出会う迄は、其の言葉通りに、蓮輝以外に愛情を待てなかった凰哦。

「2つ目はな、槍馬兄さんから何だ…」

「エッ…僕の父さんなの!?」

「あぁ其う何だよ蓮輝。未だ子供だった俺は、蘭姉さんの旦那さんだと理解しながらも、家族愛を勘違いしててな、俺も槍馬兄さんと結婚するって、槍馬兄さんのお嫁さんに成る気で居たんだな…。父親から、家族とは違う人を愛したら、其の人と結ばれなさいとも言われてたからな、家族愛を恋愛だと思い込んで仕舞っててさ、恥ずかしながらも、愛の告白を2人の前でして仕舞ったんだよな…。バカな奴だと、今更ながら、其う思えてくるよ…」

 こんな内容じゃ、完全に引かれて仕舞うだろうと思った凰哦だったのだが、誰1人として、揶揄う事はしなかった…。

 其れもその筈、此処に居るモノ全てが、凰哦の愛情の偏りを理解していたからだった。

「笑わないでくれて、少しホッとしたよ…」

 少し安堵の表情をし

「槍馬兄さんに言われたのは、家族愛と恋愛を履き違えてると言われ、こんなにも愛してるのに、俺じゃダメなのかって喰らい付いたんだが、其れでも優しく諭される様に、家族としてしか愛せないのなら、家族の様に愛せる者に出会う迄、この愛を留めて欲しいと言われたんだ…。でも、留めたくても、この世には居ないから、蓮輝だけを愛すると誓ったのを覚えているよ…。其れが2人目だ…」

 少し淋しそうに、切なさそうに言う凰哦。

 そんな凰哦に、誰も、何も言えない…。

「3人目は、救急…いやレスキュー隊員の人からだ…」

 これに反応したのは蓮輝と隆志。

 先ず蓮輝が

「レスキュー隊員!?其れって何時の…あっもしかして、僕が死にたがってた時に、自ら包丁でお腹を刺した時に来た、救急隊員の事?…」

 と、過去の事を思い出して問うのだ。

 其の問いに

「あぁ其うだよ蓮輝…。この話をしたら蓮輝が、必要以上に気落ちするんじゃ無いかって思ってな、ずっと言わずにいたんだ…」

 蓮輝を想い、今迄隠して来た内容だった。

「あの時は、本当ごめん…。僕の所為で、生死を彷徨ったんだもんね…。どんなに謝っても、謝り切れないよ…」

 あの日の出来事に、未だ傷を癒やされてない蓮輝。

「………そんな感じに成るって分かってたから、今迄言えずにいたんだ…。こっちこそ済まない…。嫌な記憶を掘り起こして…」

 互いに辛い過去を言い合い、場が沈んで行く…。

 其れでも

「気には成るだろうが、別に気にするなよな蓮輝。今更過去は変えられないんだからな?」

「………うん…分かった…」

「で、話は戻してだな、薄れ行く意識の中で、俺をずっと頑張れって励ましてくれた隊員を覚えてるか?」

「…うん覚えてるよ…」

「あの人がさ、自ら死ぬ勇気が有るのなら、他人を思う存分助けてから、死ぬか生きるかを選択してくれないか?って言ってな、出来れば俺の大切な息子も、助けてやって欲しい。何処の誰だか分からないだろうから、見付けるのに苦労するだろうけれど、是非其うしてくれよっなて、一生懸命に、生きろ!って応援してくれたんだ…」

 其れが、凰哦に課せられた、約束の全容だった。

「…其う何だ…。其の約束が、今迄の凰哦さんを支えていた約束でも有るんだね…。凄い約束だよね…」

「あぁ其うだ、しかもな、お前覚えてるか?」

「えっ…何が…?」

「刺し所が悪かったらしく、輸血が必要に成った事だ…」

「あっうん其れ覚えてるよ。でも僕と凰哦さんの血液型が特殊な血液型で違うからと、僕から輸血はムリだったんだよね…」

「其うそれ…。其の時に、其の励ましてくれたレスキュー隊員の人がさ、偶々同じ特殊な血液型の人でさ、限界ギリギリ迄、血を分けて輸血してくれたんだ…。おかげで俺は一命を取り留める事が出来たんだよ…」

 遠いあの日を懐かしむかの様に、少し悲しい目で、蓮輝と隆志を見る凰哦。

「未だまだ話は続くが、一旦休憩を挟もうか?」

 其う言って、部屋に用意されていたコーヒーを淹れる凰哦なのでした。

 コーヒーアロマが漂う中、この話の続きは、淹れられたコーヒーを飲んで、心が落ち着いたら聞こうと思った蓮輝達なのでした。

 人数分のコーヒーを淹れる、凰哦の目線の先に居るのは、蓮輝では無く隆志だった…。

 隆志を見つめ、凰哦は一体何を思ってるのでしょうか…。

 4月29日って、誰の誕生日?

 今は天皇じゃ無いよね…。

 誰のだ!?

 何故この日迄、祝日扱い何すかね…?

 では次話を待ってて下さい?

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