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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れへの旅路
59/61

次の地へ

 旅の目的地、最初の地で在る奄美大島。

 其処ではね、メグちゃんの過去とか、何だか匂わせMAX MAX!の、凰哦さんと隆志さんの関係を残しつつ、結局キューがお気に入りしなくてですね、奄美大島を後にして来ちゃいました。

 前回の失態を踏まえてですね〜、今度は船酔いするもんかー!!っとね、酔い止めを飲んでの船旅は、何と見事に!

“フッ…海と船の揺れを甘く見るなよ?坊や…”

 とね、僕を嘲笑うかの如く、激しくしっかりと酔わせてくれましたよ…。

 ウェェ〜…僕の完敗…泣…。

 グロッキーの僕をメグちゃんが

「無理しちゃダメよ?何かして欲しい事が有ったなら、ちゃんと教えてよね?ダ〜リン」

 と、とても優しく看病をしてくれてます。

 ありがとうね、メグちゃん♡

 でね、感謝を述べようと思ってさ、メグちゃんに

「ありがとうね…メグちゃん…」

「なぁ〜に言ってるのよ〜、旦那さんを看病するのは当たり前でしょ〜?」

 と、メチャクチャ胸に刺さる優しい言葉を頂いたんだ〜。

 …だけどね…

「其れでもありがとう…。旦那さんだからってだけで、此処迄手厚い看病して貰えるだなんてさ、僕は幸せ者だよ…」

「あ〜らそんな風に言われると、私も嬉しいわ〜♡其れにねぇ〜…」

「ん?…其れに?」

「病弱な旦那を献身的に看病する奥さんって、何だか萌え萌えしちゃって、子供の頃からの、ずっと夢だったのよね〜♪だからねぇ、其の願いが叶って嬉しいわ〜♡フフッ♪」

「………エッ……?」

「更に言うとね、実は江田会長さんに嫉妬してたのよね〜」

「………ハァ!?」

「お医者様だから当たり前だけれど、あんなにも献身的な看病を見せ付けてくるんだもの…。私なら絶対惚れちゃうわ〜ってね、ちょっと対抗心燃やしちゃった♪エヘッ☆」

「……………エッ?……マジ……?」

「だから、嘘は嫌いって言ってるじゃない」

「でしたよね………ウェ…目が回る…」

 とね、メグちゃんの願いが叶った事を知っちゃいました…。

 更に何故か、江田会長に嫉妬しちゃうなんて、メグちゃん貴女って人は…。

 何てラブリ〜な人なのさ〜♡

「いやいや蓮輝、お前の思考は如何成ってるんだ!?2人して、何ズレた事言ってんだよ…。このままじゃ()()2()()と同じ、バカップルと言われて仕舞うぞ?」

 と僕の呟癖に反応し、余計な事を言った凰哦さんは、声を発する事も出来ずにメグちゃんに、しっかり沈められちゃいました。

 おかげで重病人がまた1人、増えちゃいました♪

 船のベッドで、2人仲良く並んで看病されたまま、目指すはいざ鹿児島へ!GO!

 

 どんぶらどんぶら…どんぶらどんぶらコ…。

 

 HEY!着いたぜ鹿児島へ!!

 ってな訳で、今回も体に染み付いた揺れを満喫して上陸です…。

 もぅ船旅は、暫くは良いや…。

 上陸した時が1番堪える気がするからね…。

 特に僕みたいな病弱さんはね…へへっ…。

 さて、この気持ち悪さを紛らわす為に、凰哦さんを揶揄って…

「ねぇダーリン、大丈夫?」

 突然言われた事に、一瞬ビクッとする蓮輝。

「あ、ありがと…メグちゃん…」

「礼なんて必要無いから、今はちゃんと休んでなきゃダメよ?」

「う…うん…」

「…う〜ん…此処最近分かって来たのだけれど、ダーリン今、何か悪巧みしてたでしょ?」

 ギクッ!!

「ななな何で、そそそそんな事」

「やっぱりしてたわね…」

「………はい……」

「まぁ〜ったく、相変わらずクズ発揮してるわよね…ダーリンって…」

 ガ──────ン…

「メ、メグちゃん…僕泣いちゃいそう何だけれど…」

 と言いながら、号泣している蓮輝。

「あのねダーリン、私、前にも言ったけど、揶揄いや貶しが大っ嫌いなの。だからね、私の目の前で、笑えない揶揄いや貶しをしようものなら、幾らダーリンでも、このまま海に沈めるわよ?」

「えっ…」

「私の言葉にショックを受けて号泣しててもね、本当無駄だからね〜。だからね、邪な事は考えちゃ〜ダ・メ・よ?良い?」

 メッチャ綺麗な笑顔で脅し、ぶっ太い(ぶっとい)釘をゴンゴン打ってくれました!

 何て旦那想いの、素敵な女性なのでしょう。

 僕は、そんな素敵な彼女の脅しに

「…はい…」

 と、素直に答えました♪

 あぅ…生き甲斐の悪戯、封印されちゃった…残念…。

 でもまぁ良いかぁ〜、メグちゃんが見ていない時を見計らって…

 ドッボ────ンッ!

 蓮輝の目の前で、海に少々大き目な、白くて硬い豆腐が投げ込まれる。

「ヒィッ!」

 目の前で突然の出来事に驚き、悲鳴を上げる蓮輝。

「ダ・ア・リ・ン・ダ・メ・よ?邪な事考えちゃ…ね?」

 サ─────ッ…

「は、はいっ!」

 ちょっと───っ!

 メッチャ怖いんですけど!

 僕のお嫁さん、メッチャ怖いんですけど!?

 だってね、見せしめとしてね

“これは警告よ?次はマジ無いからね?ダ〜リン♪”

 ってね、ワザとカッチカチの鋼鉄白豆腐を海に投げちゃったんだよ?

 只でさへ、船酔いでグロッキーの僕がさ、此処に来て、更なる恐怖で血の気が猛スピードで引きましたよ!

 も〜ね、口から泡をブクブク吹いてね、思い切り気を失いましたよ〜。

「ダ、ダーリン!?」

「れ、蓮輝!!」

「蓮輝君!」

「河橋君!?」

「あれ〜?どっ〜たの〜?蓮輝お兄〜ちゃ〜ん」

 とね、バタバタと慌ただしく成りました♪


 ピヨピッ───…


 気が付きゃぁ〜宿泊ホテルのベッドの上。

「あれ…ん?此処何処…?」

 目が覚め、ボ〜っとしながら呟いた僕に

「気が付いたか蓮輝!?」

「ダーリン、気が付いたのね!」

「ふぅ〜…やっと目を覚ました様だね…河橋君…」

「気が付いたみたいだね、蓮輝君…」

「おっはよ〜なのね〜、蓮輝お兄〜ちゃ〜ん♪ケヘェ〜」

 と、僕を覗き込む一同なのです。

「良かったわ〜目を覚まして…」

「本当其うだよね、寵さん…」

「いや〜これで一安心だね…皆んな…」

「本当ヒヤヒヤしたぞ…ったく…蓮輝…」

「アキャキャッ!おはよ〜さんして良かったねぇ〜ケヘケヘへ〜♪」

 う〜んと其々がね、何やら安堵してるので

「如何したの?皆んな…」

「如何したもこうしたも無いわよ、ダーリン」

「其うそう、本当、メッチャ焦ったんだから…」

 と、メグちゃんと隆志さんが言って

「私もビックリしたよ…。まさか気を失うとはね…」

「本当、マジ焦ったぞ!あんな漫画みたいな気の失い方するなんて、口からブクブク泡を吹きながらお前、気を失ったんだぞ?」

 と、凰哦さんと江田会長がね、そんな事言いよります…。

 ……………

「えっマジ…?」

「マジだ。初めは、また悪戯かコントでもしてんのかと思ったんだが、名前呼んでも返事しないし、これマジな奴だと全員が驚いたんだぞ?」

「…ありゃ…」

「本当、これ以上焦らさないでよね、ダーリン…」

「ってメグちゃん!焦らせた原因は、君に有るんだぞ!?其れ分かってるのか!?」

「あ、あぅ…はい…」

 凰哦に叱られて、流石にシュンとする寵。

 他の者も少し黙り込み、ちょっと気不味い雰囲気が流れる中

「あ〜また僕、オモロ体験しちゃったんだ〜。唯記憶が無いのが残念…見逃した〜。ねぇ〜誰かさぁ〜、其の瞬間を動画に撮ってたりしない?僕、どんな風に為ってたのか、見てみたいんだよね〜。泡ブクブク…笑える…へへっ…」


 ドドドドッカ─────ッン!!


「ゥワチャ─────ッ!!激っ痛─────!!」

 凰哦の容赦ない凰ピンと凰チョップが、華麗に炸裂しました。

「お前は底無しのバカか!記憶を無くした以前も其うだったが、自分の身に起きた事を何楽しんでんだ!?こっちは毎度、生きた心地してないんだぞ!この大バカヤローが!」

「其うよダーリン!私、ダーリンが気を失った時、本気で焦ったんだからね!私の所為でって…」

 本気の怒りをぶち当てる凰哦と、自分の所為だと思っていた寵は、涙目で言うのだ。

「ごめんなさい…」

「ごめんで済むと思うな!このバカたれ!!」

「本当其うよ!…うぅ…」

「あっ…泣かないで、メグちゃん…」

「…知らない、バカ!!」

 ボロボロと、涙を流す寵。

「本当ゴメン!…実はね、余りにも暗い雰囲気に成りそうだったからさ、ちょっとふざけてみただけ何だよね〜…。本当ゴメン…」

 其れを聞いた一同は


 プチッ…


「こぉおおおぉのバカたれがああぁ〜!場を和ませる為にふざけたのかぁ〜!?…ヨシッもう1度同じ目に遭わせてやろうじゃないか…」

 と凰哦。

「だわよねぇ…凰哦兄…」

 と寵。

「いやはや、君達を静かに見守っていようと思ってたのだが、これは幾ら私でもねぇ…許せないねぇ…河橋君…」

 と江田会長。

「今度はしっかりと録画して上げるよ、蓮輝君…。だからしっかりとね、オモロ動画を撮影させてよね?OK?アハハッ」

 と隆志。


 はい、皆んなの心が1つに成りました♪

 何て素晴らしいのでしょ〜う。

「ごめんなさい!本当ごめんなさい!!場の雰囲気を只良くしたかっただけなんですって!此処迄お怒りに為るだなんて思ってなかったんだよ〜!本当ごめんなさい!!」

 皆んなの激しい怒りに、只ひたすら謝る僕に

「ごめんで許されると思うなこの馬鹿!なあ蓮輝!何故こんな下らないふざけた事言ったんだ!?皆んなマジ心配して片時も離れず見守ってたんだぞ!そんな俺達に、何でふざけた事言ったんだ!?」

 ゲキシャッ!と豪雷を落とす凰哦さん。

 ビクビク怯え、布団に潜り込んで震えながら

「だって…僕の事で皆んなにさ、これ以上病人としての気遣いさせるの申し訳なくってさ、其れなら一層の事、未だ苛つかせる方がさ、以前の僕と接してくれてるみたいに成らないかな?ってねぇ、其う思ったんだよね…。まさか此処迄本気のお怒りに為るとは思っても無かったんだもん…。本当にごめんなさい…」

 蓮輝の謝る内容を聞き、誰もが思った…。

“これ本心?其れとも虚偽?”

 と…。

 だが

「蓮輝お兄ちゃん、そんな悲し悲ししないで…。僕はねぇ、お兄ちゃんの気持ち分かってたよ〜!ケヘケヘ〜」

 と、キューが蓮輝を慰めるのでした。

 其れを聞いた一同は、蓮輝の本心を知り、胸が熱く成るのですが、唯1人

 ジャララララ…

「おいバカキュー!キューが言ってたコイツの事は、本気の気持ちなのか!?」

 と、“キュー”を手繰り寄せ、気持ちを匂いで理解する“キュー”に確認するのです。

ー ちょっちょっとこの横暴哦!唯其れだけの為に、我を無理矢理手荒く扱うのは止めてよね!この凰バカ横暴哦! ー

 いきなり無理矢理手繰り寄せられ、便利道具としての扱いに、お怒りな“キュー”。

 其の“キュー”に

「喧し!喰らわすぞ!このバカキューが!」

 と爆音を立てて、凰ピンの素振りを繰り出します。

ー や、止めてよね!ちゃんと答えるから! ー

「なら早く答えろ!」

 ボブシュボブシュッ!!

ー あぁんも〜!其れ本気で痛いから嫌い!分かったからちゃんと教えて上げるから!…ったく…。キューが言った事は本当の事!この何様偉様が言った事も本当だから! ー

 と、嘘偽りは無しと判明しました。

 嘘じゃ無いと知り

「…蓮輝…」

「蓮輝君…」

「河橋君…」

「ダーリン…」

 と、布団の中でビクビクと怯える蓮輝に、感動を覚えるのでした。

「分かったから、布団から出て来い蓮輝」

「……………うん……」

 罰が悪そうにしおらしい顔で、ヒョコッと顔だけ出す蓮輝。

「本当…皆んなごめんなさい…」

 ごめんと言った直ぐにまた、布団の中に潜り込む蓮輝。

「ちょっとダーリン!?何故また潜るの!?」

「………だって未だ、怒って其う何だもん…」

「ったくダーリンったら…。もぅ誰も怒って無いわよ?」

「其うそう僕達、もう誰も怒って無いから」

「ふふっ私もだよ?河橋君…」

「ってな事だ蓮輝。怒って無いから、ちゃんと出て来なさい…」

 と、誰もが怒って無いと言うので

「其れ、本当?」

 と、問うと

「あぁ本当だ…?」

「本当よ?」

「本当だから?」

「本当だよね…?」

 誰もが、違和感の有る本当だと言うので、布団から出ると

「んな訳有るか!」

「有る訳無いでしょ!」

「だよね〜!」

「あぁ無いない、全く無いからね?河橋君」

 と、しっかり未だ怒ってまして、其々から凰ピン、鋼鉄白豆腐、抓り、ゲンコツを頂戴しました!

 あの優しい江田会長さん迄もが、この僕にゲンコツをくれるだなんて、何て有難いんでしょう〜。

 本当済いません…ありがとうございます…。

「………ウソ吐き……」


 ブチチッ!!


 僕の呟きが、しっかり聞こえたみたいでね、見事に切れた皆んながね、特大のお仕置きをプレゼントしてくれました♪

 まぁ〜何て幸せ者なのでしょ〜僕って〜♪

 そんな感じで、今日はお仕置きdayで1日が終わりました。

 良い子の皆んな〜、お仕置きされない様、くれぐれも悪戯しちゃ〜ダメだよ〜。

 これ僕との約束〜。

 ってな事で、僕以外がスッキリの翌日がスタートしました!

「昨日は行けなかったね〜、キューが安心する場所探し…」

「そりゃお前が要らん事するからだろう!!」

「「「其うだ!!」」」

「アヒャッ!ごめんちゃいっす!」

 全員のお叱りが朝イチに、ピシャッと轟きました!

 はい、ありがとうございます!

「っとに懲りないよな…」

「エヘヘェ〜そんな褒めなくても〜」

 バコ────ンッ!

「グヘッ…痛つつ…。で、皆んな、早く出発しようよ」

 凰ピン炸裂痕をコシコシ撫でながら言うと

「本っっっ当に切り替え早いよな!呆れるわこのバカ!」

「だよね〜凰哦…。まぁ蓮輝君の言う通り、これ以上は構ってても時間の無駄だからさ、早く目的地に行こう?今日は何ヶ所か、見に行かなくちゃいけないからね…」

「だわよね〜…」

「あははっ本当其うだよね…あははっ…」

 冷めた笑いをする江田会長さんが最後に締め、僕はビクビクオドオドしながら、探索開始です。

 目的地の1つ目に到着し

「さぁキュー、此処は如何だ?気に入れそうか?」

 軽く探索して、凰哦が聞くと

「ん〜?此処好きじゃ無いよね〜、何か嫌!」

 と、否確定。

 2つ目に到着後

「キュー君、此処は如何かな?結構清らかな場所だけれど…ダメ?」

「………なぁ〜んかね、此処ムズムズして来てね、ちょっと苦手〜」

 と、また否確定。

 3つ目では

「ほらキューちゃん、此処は如何かしら?お気に召しそう?」

「え〜とね、此処からはね、美味しそうな匂いがしないの…。だから召さない?召すってなぁ〜に?」

 この言葉で、此処も否です。

 4つ目では

「………此処はダメだね…宮津君も寵さんも分かるとは思うが…キュー君、此処は止そうか?」

「うん!此処こあいこあいからダメっ!」

「だね…キュー君…」

「止した方が良いわよね…」

 とね、何だか良く無いモノが溢れてる土地に、わざわざ来ちゃったみたい…。

 此処も勿論“否!”確定しちゃいました。

 結局、この日は何の収穫も無しで、ホテルに戻る事に成りました。

「ふぅ〜疲れたなぁ…」

「だよね〜…しかもなぁ〜んの収穫も無かったもんね…凰哦さん…」

「私もクタクタだわ…あぁ歩き疲れた〜…」

「中々上手く見付からないね…残念だけど…」

「いや〜本当其うだね…。でも最後の所は、心底ギョッとしたよ…」

「あっ其れ僕も同じく思いました。まさかあんなにも、穢れが溢れてるだなんて…」

「本当其うよね…。私、見える様に成って損したって思っちゃった程だもの…。も〜気持ち悪くて悪くて最悪な気分…」

 ホテルに着くなり、最後に向かった目的地の感想が、蓮輝と凰哦以外が全員一致。

 この後もずっと其の話題で賑わう3人に、堪らず

「ねぇねぇ聞いても良い?」

「ん?如何したのダーリン、何が聞きたいの?」

「いや〜あのね、3人がさ、僕と凰哦さんを置いてけぼりにしてさ、ワイワイ賑やかに話してるけど、其れ程に酷かったの?其の穢れ族がさぁ〜…」

「あぁよく言ってくれた蓮輝!本当に俺達見えない者を良くもまぁ〜バブいて話せるよな…。マジ付いて行けない俺達を蔑ろにしてたよな…」

 全く持って、子供じみた事を抜かす凰哦。

「………呆れる…呆れるよ凰哦…。何子供じみた事言ってんのさ?見える僕達にしたらさ、アレは流石にキツいんだよ?まさかあんなにもさ、悍ましく唸りの効いた穢れが、至る所に這いつくばってたんだよ?」

「アレは本当に凄かったよね…。私もあんなのは、初めて見たよ…。思い出すだけでも悍ましくて、身震いがするよ…」

「でも私、中に何体かがね、コッチ睨み付けてたから、ちょっと切れそうに成ったわ〜」

 男性2人が悍ましいと言うのに、有る意味流石寵、根性が据わってます発言をするのだ。

「ちょっちょっと寵さん!今後に行く先で、また同じ類いの穢れが居たなら、絶対に手を出したり歯向かっちゃダメだからね!?」

 寵の発言に、過剰な反応をする隆志。

「えっ?何でよ…」

「いやいや寵さん、宮津君の言う通り、アレには手を出しちゃダメだ…。アレは、人が如何こう出来るモノじゃ無かったからね…」

 と、江田会長が言う。

「本当に江田会長さんの言う通り。アノ穢れを祓おうとしようものなら、即殺されてたと思うよ…。今の僕でも無理だし、多分キュー様でも浄化するのに、骨が折れるんじゃ無いかな…。下手したら、キュー様でも厳しいかも…」

 其れ程にも強く悍ましい穢れが居たんだと言った時

ー 隆志のアンポンタン!あんなの我でも無理に決まってるでしょ!?やってやれない事は無いけどね、我も只じゃ居られないのよね! ー

 と、追い討ちで脅されちゃいました。

「マジか…」

「だからマジだって凰哦…」

「でもさ、3人はちゃんと見えてたけれど、僕達2人は見えて無いんだよ?正直あんまり現実味が無いっての?出来ればね、どんなのだったか映像で見れたなら、其のヤバさが分かると思うんだけれど、其れ、見れたりしないの?」

 と、僕の言葉で

「……ん〜確かに少しでも知る事が出来たなら、危機回避として良いかもだけれど…あっ!其うだ!ねぇキュー様、あの時の記憶を2人に見せる事は可能ですか?」

 隆志の思い付きに“キュー”は

ー 出来なくは無いけど、本当見せちゃっても良いの?かなりグロテスクって言うんだっけ?其れでも大丈夫なの? ー

 と、結構怖い事を言いよる“キュー”なのです。

「あっ全然平気!出来れば大迫力で見せて上げてくれます?」

 ちょっと楽しそうにお願いする隆志。

「ちょっちょっと隆志さん!?何でそんなに楽しそうなのさ!?」

「だだだだ、だよな〜!」

「いや全然?1つも楽しそうじゃ無いよ?本当どれだけ危険かとか、是非2人に知って貰いたいし、其れにね、蓮輝君にはさ、これで少しは悪戯も減りそうだし、凰哦には少し、其の子供じみたのマシに成るかなぁ〜ってね、アハハッ唯其う思っただけだから〜アハハ〜」

 なぁ〜にが全然何すか!?

 何処が楽しそうじゃ無いっすか!?

 メッチャ笑ってるやん!

 おいアンタ!メッチャ笑ってるやん!

 此処最近、マジで容赦無くなったよね…アンタさんよ…おぅおぅおう!?

 と思う、僕と凰哦さんでした。

 この2人を少しでも懲らしめられると思った“キュー”が

ー そんな事なら簡単ですよ旦那〜!ゲヘゲヘゲヘ〜…。我の出血大サービス♪リアルな臨場感をお楽しみ下さいなのね〜ゲヘェ〜 ー

 とね、お願いしても無いのに無理矢理にね、僕達の頭の中に直接、映像を流し込みよりましたよ〜。

 おかげで

「うぎゃっ!グロッ!」

「うげっ!気持ち悪っ!!」

「「…泡ブクブク〜…」」

 とね、余りのグロテスクさに2人、泡を吹いて倒れちゃいました。

「あっ動画動画♪後でしっかりと観せないと、また文句言うからね〜」

「だわよね〜」

「フフフッ2人共、程々にね…」

 と3人楽しそうに、泡を吹いて気絶する僕達を撮影してくれました〜!

 いや〜持つべきモノはやはり、仲間だよね〜。

 って、こんな仲間は要りませんからね!

 お願いです!

 如何か安らぎを僕達に与えて下さい!

 如何かお願いしますから!

 そんな感じで今日も1日が終わりを告げました…。

 何時に成ったら、まともな旅が始まるのだろう…。

 其れじゃ、今回は此処迄。

 さて僕達2人仲良く泡ブクブクで、今日を締めましょうかね〜。

 泡ブクブク…泡ブクブク…。

 今回も、キューのお気に入りが見付からずに終わりましたね。

 まぁ正直の所、そんなに直ぐ見付かるもんじゃ無いですよね〜。

 此方としても、都合が良いですし…。

 そんな訳で、次話をお待ち下さいね。

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