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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れへの旅路
57/61

旅の始まり

 この話から、新たな章がスタートです。

 新たな章は一体どんな展開に成るのか、今話はどんな内容に成ってるのか、是非読んでみて下さい。

 では最新章と最新話を如何ぞ〜。

 皆さん、お元気ですか?

 えっ僕ですか?

 僕の事は、如何か聞かないで下さい…。

 只今絶賛船酔い中です…ウェッ…。

 今回の目的地、奄美大島に行く為にですね、ほぼず〜っと船移動してます。

 キューの事が有るからね、車移動がメイン何だけれど、九州の鹿児島迄一気に車で移動は、流石にムリ!って判断。

 だってね、運転交代要員がさ、たったの2人だけだもの…。

 其れは誰かってね、凰哦さんと隆志さん。

 僕もね、交代要員として運転する気満々だったのだけれどもね、何せ“バカキュー”の加護が有ってもさ、30分が限度何だよね〜…。

 其れ以上は疲れて運転まま為らないしね、皆んなにも“止めてくれ”ってね、お願いされてるんだよね〜。

 だからね、運転するのはこの2人だけ何だよね〜。

 で、横浜港から一旦鹿児島に向かい、其処から更に奄美大島に向かってます。

 其れと旅に出るメンバーもさ、僕とキューに、凰哦さんと隆志さん。

 其れとメグちゃんでしょ、後はですね、何と江田院長さんです。

 何故かってね、僕のバイタルとか症状が悪化した時の対応隊員として、臨時で僕専用の治療員として参加です。

 僕達の結婚を聞き付けた江田院長がね、お祝いに会いに来てくれたんだ〜。

 でね、少し久々に会った時にね、以前にしてくれた優しい抱擁(ハグ)を僕の気が済む迄してくれました!

 いや〜、やっぱり渋くてダンディな大人の人にハグされるの、何だか子供時代に戻れた気がして、とても素敵で気持ちが良いよね〜。

 メッチャ癒されましたよ〜。

 其の時に、旅に出る事を話したらさ

「其の旅、私も一緒に行っても良いかな?」

 とね、申し入れしてくれたんだよね〜。

 其の申し出にさ、凰哦さんが何も考えずに、即OKしちゃったんだよね〜。

 唯ね、キューの存在は如何するんだろうってね、其う思っていたら…

「病院では黙ってたけれど、私にもキュー君が見えてるんだよ?」

 とね、驚き発言しよりました!

 あらまぁ〜如何しましょ!?

 って成ってたけれど、よくよく聞くとね、如何やら隆志さんと同じみたいでね、昔からずっと見えてたみたい。

 其の事に、とても驚いた僕達の中でもね、1番驚いた隆志さんがね

「エッ!?其うだったんですか!?でも其れって、物凄く大変だったんじゃないですか?ずっと穢れが側に在るのに…」

 見える人達にとっては、色んな種類の穢れが集まり易い病院などは、とても大変みたい…。

 だから驚いた隆志さんが、其う聞いたんだけれど…

「其れは大丈夫だよ。多分君も不思議に感じてたと思うが、私の病院には、穢れが少なかっただろ?」

「あっ…確かに…。!!エッ!?も、もしかして…あの()の場所も…」

「ハハハッ感と察しが良いねぇ、其うその通りだよ。病院が在るあの地はね、聖なる清らかな場所に建てられてるんだよ。其の最も清らかな場所に、木が植えて在るんだ。だから大丈夫だったんだよ」

 と、とんでも無く凄い事を教えてくれました!

 僕にしたら“あの木?”って成ってたけれど、隆志さん達は其の説明で、凄く納得してました。

 皆んなが納得してる中、素朴な疑問がもう1つ出て来ましてですね、お尋ねしちゃいました。

 どんな内容の疑問かってのはね

「ねぇねぇ江田院長さん、もう1っ個聞くけど良い?」

「別に良いけれど…で、何だい?」

「江田院長さんの其の力はさ、職員の人達とかには知られてるの?教えてたりしてるの?」

 とね、こんな疑問です。

 そんでもってね、こんな回答頂きました!

「フフッそんな訳無いだろう?良く考えてみてごらん…。私が見えてる事が知られてたら、職員どころか患者さん迄もが気味悪がって仕舞って、誰も治療に来なく成るよ…。そんな胡散臭い奴に、安心して任せられないってね…。職員もきっと、こんな胡散臭い者から指示されたいとは思わ無いだろうからね…。だからこの事を知る者達はだね、私の身内と看護師長に、後は今知った君達だけだよ…」

 優しく笑いながら、其う言ってくれました。

 其れで僕はね、江田院長さんが僕達の事を信用してくれてるってね、其う思えて嬉しかったんだ〜。

 そんな感じで、皆んな納得です。

 でもってね、一緒に旅に来てくれて、ずっと船酔いの僕を看病してくれてます。

 いや〜申し訳ないなぁ〜と思いながら

「ねぇ院長先生…ちょっと聞いて良い?…ウェッ…」

「おやおや未だ船酔いが辛いのに、無理して話さなくても良いのに…。で、何だい?聞きたい事って…」

「い…ウェッ…院長先生はさ、何日も病院を空けても…ウエエッ大丈夫なの…?気持ち悪…」

「ほらほらちゃんと休まないと…。あぁ其の事かい?其れは大丈夫。実はね、もう院長では無いんだよ…」

「「「エエエッ!?」」」

 僕と一緒に聞いていた凰哦さん達も、同時に驚きました!

「アハハッやっぱり驚くよね?」

「そそそ、其う何ですか!?」

「其うだよ?篠瀬君」

「エッ!?何時からなの!?」

「遂最近、この春からだよ…」

「この春〜!?また何で!?で、今は無職?」

「う〜ん無職…では無いかな?河橋君。院長は他に任せて、今は会長と相談役だよ」

「会長と相談役!?…うわっ…メッチャお偉いさんにパワーアップしたんだ…」

「アッハハハハハッ、パワーアップか〜。まぁ〜そんなモンだね〜アハハハハッ」

 僕の言葉に大笑いする江田会長です。

「さぁさぁ話は此処迄、少しでも眠ってなさい。寝てる内に、揺れにも慣れるだろうしね」

 其う言って酔い止めと、効果の弱い睡眠薬を用意してくれました。

 素直に江田会長の言う事を聞き、薬を飲んで就寝します。

 何せ、船が奄美大島に到着する迄、後1日掛かるからね〜。

 

 どんぶらどんぶら…どんぶらどんぶらコ…。


 っはい!無事、奄美大島に到着です!

 移動手段のマイカーは、凰哦さんが船から降ろすのに時間が少々掛かるから、僕達は先に下船し、憧れの大地に上陸したいと思います。

 ヨシッ!無事上陸!

 ……………あれ?……あれれ?………。

 メッチャ地面が揺れてるんだけれど!?

 エッ!?地震?

「おおっとととと、やはり揺れるね〜」

「エッ…?江田会長さんも揺れ感じてるの?…これって、やっぱり地震?」

「あはは…これは違うよ…っとと、長い時間船で過ごしているとね、平衡感覚がおかしくなって、脳が錯覚して揺れを感じるんだよ…。ほら、宮津君と寵さんを見てごらん、彼等の体が勝手に揺れてるだろう?」

 其う教えてくれた会長もね、体が揺れてました。

「わとと…って私も揺れてるよね〜アハハ〜…」

「ふ、船旅…こんなにもキツいんだね…。メッチャ目が回る…」

「わた…私も…同じ…吐きそうな気分…」

 隆志と寵も同じ様に、平衡感覚がおかしく成っているみたいだ…。

 グッタリと地に座り込む一同。

 其処に

 プップーッ…ブロロロォォーー…キキィッガチャッ…

「如何したんだ?皆んな座り込んで…。江田会長迄…」

 船から車を降ろして来た凰哦が、車から降りて聞く。

「…見て分かんない…?全員、船の揺れでさ、平衡感覚が乱れてるの!凰哦さんもじゃないの!?」

「ん?俺か?……ん〜…い〜や、全く感じないなぁ…」

「「「エエエッ!?マジで!?」」」

「そ、其れ本当かい?篠瀬君…」

「えぇ本当ですよ?私は至って平気ですよ?江田会長」

 何て事無いみたいに返答する凰哦。

「そ、其うか…。やっぱり凄いね〜若いと…」

「いえいえ、そんな事は有りませんよ〜フフゥ〜♪」

 江田会長に若いと言われて、とても嬉しそうにしてる凰哦を見た蓮輝は

「ねぇ凰哦さん、胸に抱いてるキューをちょっとね、降ろしてくれないかな?」

 車を降ろす迄、ずっと凰哦と一緒に居たキューを降ろせと言う蓮輝。

「ん?キューを降ろして如何するんだ?」

 其う言いながらも、キューを降ろした瞬間…

「ううぅ…うえっ!目、目が回る〜!!」

 キューから離れた途端に、凰哦も平衡感覚が無くなるのでした。

「ハッ!やっぱりね…。だろうと思ったよ…。癒しのキューが居ないとさ、全然ダメダメじゃんよ…このポンコツ魔人さんよ…ヘッ!」

「あぁ其れ、僕も同じ事思ったよ蓮輝君…」

「だよね〜隆志さん…。本っ当分かり易いんだから…」

 と、2人の冷酷な罵倒を浴びせられる凰哦なのでした。

「ふふふ、2人して〜ぇ…うええ〜〜!ぎもぢ悪い…うえっ!…」

 何時もなら此処で、凰ピンが炸裂するのですが、目を回した凰哦は何も出来ず、唯グッタリするしか出来ませんでした…。

 其の凰哦に

「ねぇ凰哦パパ〜どったのぉ〜?大丈〜夫〜?」

 と、天使のキューが心配してくれます。

「あ、ありがと…キュー…。パ、パパは大丈ゔえっ!エレエレエレ…」

 我慢し切れなかったキラキラを海に向け、口から吐き出しました♪

「ちょっ!キッタナ!危うく其の凰ゲロ飛沫浴びるトコだったじゃんよ!マジ、何してくれてんの!?」

「ちょっと蓮輝君、凰ゲロは良くないよ…。せめて凰キラキラとか言わないとね…」

「あっだね〜、良い子の皆んなが真似しちゃうから、言っちゃダメだよね〜。言葉には気を付けないとね〜エヘッ♡」

 ドコーーーンズカァーーーンドカァーーーンッ!!!×2

「「アブ死アブ死アブ死!!」」

「お前等〜〜〜っ!!なあ〜にが凰ゲロだ!凰キラキラだ!良い子が真似しちゃうだ!?言葉にはあん!?気を付けなくちゃあだあ〜ん!?どの口で抜かしてやがる!お前達にはもっと気を付けるモノが有るだろうがあ!!このバカタレ共があ!!!」

 青ざめながら、激怒凰哦の超特大の凰ピンが3発、蓮輝、隆志合わせて計6発が、華麗にクリティカルヒットしました。

「2人共宿に着いたら即調教してやる!覚悟しておけ!」

 フラフラに為りながらも、お仕置き調教する為なら何のその!な、凰哦なのでした。

「…なぁ隆志…お前そんなキャラだったか?何だか俺だけには遠慮無くなったよな…」

「え…そ、そんな事、ななな…無いよ?」

「い〜やう〜んにゃ、今のお前からは、俺への愛情が全く感じられん!本当まるで蓮輝とリンクしてる感じだぞ!?…あっ忘れてた…隆蓮だったよな…大事な事忘れてたよ…。大事な事思い出したからなぁ、今後は蓮輝とは別のお仕置き調教してやるからなぁ〜、楽しみにして置けよ〜た〜か志〜♡」

 満面な笑顔から、途轍もない威圧感が感じられる。

「あ…あうぅ…はい…」

 逃げられないと悟った隆志は、大人しく観念する事にした…。

「はぁ〜ご愁傷様…2人共…。まぁ〜身から出た錆何だから、凰哦兄の調教(ほどこし)を受ける事よね〜。でも凰哦兄、ダーリンの調教(ほどこし)はそこそこにしといてよね?」

「ん?何でだ?メグちゃん…」

「だって凰哦兄の施し受けたらさ、ダーリンの体力が無くなるじゃない。其う成ると困る訳」

「何で困るんだよ…メグちゃん?」

「エッ?マジで言ってる?」

 寵の其の一言に、ちょっとムッとする凰哦。

「あっ今ムッとしたわね?…分からない?私とダーリンの2人っきりの時間が欲しいのよ」

「2人っきりの時間!?」

「其うよ?」

「何でだよ…」

「何でだよって、未だ分からない?私達、結婚したばかりなのよ?この旅がさ、私達にしたら新婚旅行みたいなモノなんだけれど?其れ分かってる?」

 今回、寵が旅に同行したのは、蓮輝との新婚旅行を兼ねていた。

 本来なら2人っきりでの旅行を望んでいた寵だったのだが、そんな余裕など無いと分かっている寵。

 寵自身、軌道に乗った店舗を長くは空けられない。

 其の上、蓮輝に何か有ったならば、即座に献身的看病をするつもりでもいた。

 自分が言った事は、責任を持ってやり抜く心構えをしていた。

 だからこそ、貴重なこの時間を有意義に過ごしたいと思っていた。

「ねぇ凰哦兄、私の身勝手も入るのだけれど、如何か許してくれない?お願いだから…。其の代わりにね、宮津さんを思う存分調教(ほどこし)をして上げてよね?」

「エエェーーッ!?ちょっちょっと寵さん!?れれれ蓮輝君の分迄、何故僕が受けなきゃいけないのさ!?や、()だよ!僕だけ如何してそんな酷い事言うのさ!」

「あらだって、貴方達って親友何でしょ?親友なら別に良いじゃない…。其れにね、私達2人の時間が一段落したらね、其の調教(ほどこし)を私が代わりに受けるつもりでもいるの。其れなら文句は無いでしょ?」

「うっ…そ、其れ…マジ…?」

「マジよ?ってか、私ウソ嫌いって言ってるでしょ!?」

「あ、あぅぅ…」

 寵の決意に、其れ以上何も言えない隆志でした…。

「だからね、お願い…凰哦兄…」

 寵のお願いに、ワシャワシャと頭を掻き、ふぅ〜っと大きく息を吐いて

「分かった分かった…其処迄言うのなら、今回はメグちゃんの望み通りにして上げよう…。だから蓮輝、メグちゃんの為にも、悪戯や悪ふざけはするんじゃないぞ!?良いな!?」

 蓮輝に厳しい視線を投げ掛け、寵のお願いを聞くと答えた。

「えっ良いの凰哦兄…?」

「あぁ良いさ、メグちゃんの意地らしさには応えないとな〜」

「ありがとう〜凰哦兄〜♪」

「ありがとう凰哦さん、其れとメグちゃん」

「良いか蓮輝!?お前には出来過ぎたお嫁さんなんだぞ!?しっかり其の愛情に応えなきゃいけないんだぞ?分かったか?」

「うん分かってる。僕、メグちゃんに相応しい旦那さんに成る様努めるよ」

「うふふっ出来過ぎたお嫁さんって響き、凄く嬉しいわ〜♪何だかもぅ〜最高にハッピーな気分♡」

「「あははははっ」」

 凰哦と蓮輝が、寵の幸せそうな喜び方に、同時に笑い出す。

「って事で隆志」

「はっはい!」

 凰哦の呼び掛けに、ビクッとする隆志。

「蓮輝の分迄お仕置き調教上乗せだぞ〜!嬉しいだろ〜?なぁ〜隆志〜♡」

「嫌だよそんなの全く全然嬉しく無いから!名前呼びに“♡”付けても、只恐怖でしか無いから!本当ゴメンなさい!誠心誠意謝罪するから、マジで許してよ〜凰哦〜」

 蓮輝の分上乗せの調教に、心底ビビる隆志の懇願。

「愛してるぞ〜隆志〜♡俺からの愛の調教確定だから、どれだけ許しを懇願しても無駄だからなぁ〜♪だから知らん!お前の謝罪は無効!分かったか隆志!!」

「ヒェッ!!」

 カッと般若の表情で脅され、許されない逃げられないと、驚き泣きながら

「はい…」

 と答える隆志でした。

「篠瀬君、君達は何時もこんな感じなのかい?()()()の時も、知らない君を見たのだけれど、そんな一面も有ったんだね…驚きだよ…。未だまだ知らない君を私は知る事が出来るのかな?」

 一連の遣り取りを離れて見ていた江田会長が、少し困惑しながら笑って聞くのだ…。

 其れを見た凰哦は、お約束通りに赤面し、崩れ落ちてくれる。

「………いい加減慣れなよ凰哦……。毎度羞恥心で崩れ落ちてるの疲れない?大丈夫?…」

 貶しと善意を織り交ぜて聞く隆志。

 其の隆志に凰哦が応えた。

 ガバッ

「ウギィッ!」

 渾身の力を込めて、隆志を抱く凰哦。

「あ〜りが〜と〜ぅなぁ〜た〜か志〜。お前の其の気遣い、俺はとても感動したよ〜♡嬉し過ぎて、抱く力が益々増して行くよ〜♪」

「ウギ…い…息が…で…」

 締め上げられ、凰哦の腕の中でグッタリとし、ピクリともしなく成った隆志。

「ちょっちょっとちょっと凰哦さん!やり過ぎやり過ぎ!見えない僕でも魂抜けて行ってるの分かるよ!」

「河橋君の言う通り、宮津君の魂が抜けて来てるよ、篠瀬君!!」

 慌てて蓮輝と江田会長が、隆志を締め上げる凰哦に言う。

「ん?そんな訳無いから大丈夫」

 2人を他所に、大丈夫だと言う凰哦。

「何言ってんのさ!何処が大丈夫何だよ!」

「其うだよ篠瀬…んん?」

「江田会長、今の状況見えてる見たいですね…。ですから本当大丈夫れすよ…」

 ちょっと呂律がおかしい凰哦を見ると、何故か両ほっぺが横に膨らんでいた。

「たは志のたつ、たはすぅふのしょぅはひぬぉにさっても、つへっへまふかは…」

 上手く聞き取れなかったのだが、如何やら隆志は、魂の状態に成っても、凰哦を抓っているみたいなのだ。

 (はた)から見れば謎の怪奇現象なのだが、此処に居る者達にとっては、何度も体験しているので既に通常運転なのである。

 其の事を知らない江田会長は

「ななな、何を言ってるんだい!?」

 と、言うのだが

「ですよね〜、な〜ぁに喋ってるか、ま〜ったく分からないっすよね〜」

「呆れる程、本当其うよね…。でも宮津さんって幽体に成っても、そんな芸当が出来るのね。祟り神と言われてもおかしくは無いわよね〜」

 とまぁ、河橋夫妻のお言葉でした。

「エェッ!?宮津君には力が有るとは思ってたけれど、そんな事迄出来ちゃうのかい!?」

 隆志の、祟り神としての力を初めて知る江田会長は、隆志の力の凄さに驚くのでした。

「へへ、ほぅまむぜほぉ…」

 抓られたままで喋るから、何を言ってるのか全く伝わらない凰哦の言葉。

「な〜に言ってんのかマジ分からないんだけれど!?ちょっといい加減、隆志さんを締め上げるのは止めなよ!其れに隆志さん!凰哦さんを幽体で抓るのも止めてくれる?幾ら戯れ合いたいと思っててもさ、そろそろ見てて辟易して来たんだけれど?」

 と、蓮輝が2人を小馬鹿にしながら静止宥めるのでした。

「ぅうっ…」

 蓮輝の指摘が的中し、恥ずかしく成る凰哦は、隆志を締め上げるのを止め、隆志を抱いたまま蹲るのでした。

 締め上げから解放された隆志も、幽体から無事戻り、抱かれる腕の中で顔を手で覆い、小さく成るのでした。

 如何やら隆志も、蓮輝の指摘が的中したみたいです。

 其の2人を見た寵が

「本っっっ当、2人って仲が良いのね…。ねぇダーリン、私達も負けてられないわ…。あの2人よりも、イチャイチャ戯れ合いましょ!」

 と、何故か対抗心メラメラに成る、寵なのでした。

「えっ…イチャイチャ…しても良いの?」

「な〜に言ってるのよダ〜リン♡私達、新婚よ?イチャイチャ出来る内に沢山しないと、勿体無いでしょ?って事だから凰哦兄、一旦私達は此処で別行動するわね〜。後程宿で合流するからね〜♪バイバ〜イ」

 と、サクサクと決めて、あっという間に挙動る蓮輝を連行して行く寵なのでした。

「………私は如何したら良いんだい?……」

 蓮輝達の、通常運転に付いて行けない江田会長がポツリと呟くのでした…。

「ねぇねぇお爺さん、パパ達もね、まん丸く成っててね、僕も如何したら良いの?僕分かんない」

 と、キュー迄もが如何すれば良いかと、江田会長に聞くのです。

「……ハハ…如何したモンかね…」

 キューと2人、ポツンと取り残された江田会長は、キューの手を取って、遠くを見つめるのでした。

 自由過ぎる、個性豊かな者達に、付いて行けるのかと思う江田会長。

「キュー君、宿迄そんなに遠くはないから、私達2人で歩いて行こうか?」

「うん良いよ〜。でもパパ達は如何するの〜?」

「このまま放って…いや、そっとしておこう」

「……うん分かった〜!」

「其れじゃ行こうか?」

「は〜い!」

 こうして2人は手を繋ぎ、凰哦達を残して宿へと向かう事にしました。

 キューと2人、見知らぬ街を探索しながら…。

 新たな章のスタート第1話目は、如何でしたか?

 あの江田さんが、旅の仲間に加わりましたねぇ。

 江田さんが加わった事で、この先の展開が如何成るのかを、楽しみにして下さいね。

 其れにしても見える人が、また1人増えましたねぇ〜。

 って感じで、次をお待ち下さい。

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