旅支度3
何だかんだと、冬の気配を感じて来ましたね〜。
ですが、作中は春。
そんな感じで、最新話を如何ぞ〜。
リ〜ンゴ〜ン♪
カランカラーーン……
チャペルの音が、何故か孤児院から聞こえて来ます。
孤児院の前を通る人達は、何が起きたのか?とはならず、何方かと言うと
“また何か始まったな…”
と、普通に思われてるみたいなのでした。
如何やら既に、この街の名物と成っているみたいです。
街行く人達が、今度は何が起こったのかと、少し中を覗くと…
「蓮輝、メグちゃん、仲上さん、バカ平さん、結婚おめでと〜う!」
と、凰哦の祝福の声が聞こえて来ました。
「「おめでと〜う!!」」
ワーッと歓声が上がったのを聞き、道行く人達は
“此処で結婚式が行われてるのか!?”
と、ざわ付き始めました。
興味を持った通行人さん達が、今回はどんなオモシロドンチャン騒ぎを繰り出すのだろうと、我先にと中を覗くのです。
この孤児院オープン開放してまして、午前9時から午後5時迄は、誰もが好きに出入り出来る様にしていたのです。
其の方が地域の住民との交流も増え、子供達が安全安心して過ごせるだろうと、院長?の片平が提案し、経営者の凰哦が
“バカ平なのに、こんな時だけはまともな事言うんだよな…まぁ元警官だしなぁ〜…。でもバカはバカ!のまま何だが…”
と思いながらも、了承したのです。
なので招待客は無しの、身内だけでの結婚式なのに、何故か人で溢れる孤児院なのでした。
溢れる人の目線の先は勿論、今日の主役で在る2組の新婚さんです。
「皆んな〜ありがとう〜!僕、結婚出来たよ〜!」
「祝福してくれてありがとう♪私、ダーリンと幸せに成るわね〜♡」
「「「おめでとう〜!」」」
若い2人に、歓声と拍手が盛大に上がる。
「俺ちゃまも遂に、念願の結婚が出来たぜ〜!俺ちゃま最高〜ハッピー♪」
「うふふっ私も同じ♡とてもハッピーだわ〜」
「「「……おめでとう……」」」
オールドな2人に、ささやかな歓声と拍手が上がる…。
「ってオイッ!凰凰!おめ〜さんさっき何て言った!?バカ平って言わなかったか!?」
「…いえ?全然?」
「テメ〜このヤロ〜惚けやがって〜!…でも祝福ありがとう!皆んな愛してるぜ!…でも1番はこのミッミさ〜♡」
「ふふふっはいはい♡私もよ、努さん♡」
綺麗なドレスを纏った仲上と、ビシッとキメ、スーパーダンディに変身した片平。
「あっでもよ、寵とよ、河橋の大将の時より、何で祝福の歓声と拍手が微妙に低かったんだよ…。俺ちゃまスっごくご不満!」
「其うよね〜…其れ私も思ったわ…。ねぇ何故なの?篠瀬さん、青柳さん、隆志君…」
ズイズイと詰め寄る2人。
其の圧に押され、凰哦が言う。
「いやだって、アンタら何処の誰だよ!?ってくらいに、別人に成ってるじゃないか…」
其の後隆志も
「其うですよ、普段と余りにもギャップが有り過ぎて、マジ!?って驚いてますもん…」
更に続く正樹と美砂。
「だよね〜。仲上さんは元から綺麗だから、更に綺麗に成ったと驚くし、片平さん何て、余りにも渋くビシッと格好良いから、男も惚れる程イケメンに成ってて、只驚くばかりだよ…」
「本当、正に其れですよね…。私、少し見直しましたもの…」
と、まぁ〜ベタ褒めなのでした。
「オッ!?其うなのかい?其れがマジなら、俺ちゃまメッチャ嬉しいんだが♪」
「私も!私も嬉しくて、嬉しく…て…あぁ…な、涙が止まらない…あぁ…あぁ…」
「このミッミ…うん、其うだな…あぁ…本当に最高だな…」
嬉しくて泣き始めた仲上をそっと優しく抱き締める片平。
其れがまた〜絵に為るのですよこれが…。
其れを見た凰哦たちは、また何時もとのギャップが有り過ぎて、引き気味に成ってます。
其の全員が思った事。
“アンタら何時ものキスはしないのかよ!?”
でした。
唯1人、呟癖の持ち主の蓮輝が、其れを呟いたモノだから、此処に集まった野次馬観客様達も、“うんうん其うだよね〜”と頷く始末。
最早既に、この地域全員の、公式認識認定されてるみたいですね…。
「ハッピーエンドで良かったね〜、劇薬新婚さん」
「「アッ!?」」
蓮輝の余計な一言に反応する、劇薬新婚の2人が、怒りマークを付けての反応に
「今日はとてもおめでたい日にするんだからさ、こんなに多くの方々に、ハメ外しの劇薬シーンを見せつけちゃダメだからね!ハメ外しは全てが終わってから、2人っきりの時にしてよね良い!?」
と、強く釘を刺すのでした。
蓮輝のもっともな忠告に、2人を除いた全員がまた、“うんうん”と頷くものだから
「「…はい…」」
と素直に、言う事を聞くのでした。
「これで劇薬新婚さんは如何にか成ったとして、凰哦さん!正樹お爺ちゃん、美砂お婆ちゃん!其れに隆志さんもありがとう!僕、僕本当に、結婚したよ!」
「ハハッまさかお前がなぁ…」
「だよね〜僕も其う思うよ…。だって、結婚所か、僕に好きな人が出来てさ、恋人迄出来ただけでも奇跡なのに、メグちゃんのおかげで結婚し、結婚式も挙げられただなんて、未だに夢を見てる気持ちに為るよ…。ねぇ僕、本当に結婚、したんだよね?」
未だ自分の置かれてる状況が、現実なのか夢でも見ているのか、混乱している節が有る蓮輝。
「もぉ〜や〜ね〜ダ〜リンったら♡わ・た・し・た・ち、ちゃ〜んと結婚したわよ♪ゆ・めじゃ、無いからね☆」
超〜ご機嫌の寵が、蓮輝にウフフッと笑いながら擦り寄り、優しく言うのだ…。
其れを見た其の他大勢が
“あの恐怖の対処は何処に行ったんだ?1番ギャップが有るのはアンタだよ!”
と、一斉に引くのでした。
「…うん…うん僕…結婚したんだよね…」
「如何したんだ蓮輝、妙にしんみりして…」
「うん…だって凰哦さん、この僕だよ?あんなに他人嫌いだったのにさ、キューが…キューが来てからさ…ぼ…僕…うぅ…」
蓮輝の目に涙が溢れて来た…。
「うんうん…キューが…キューが来てから…如何した…グス…んだ?」
「段々とさ、変わって来て…正樹お爺ちゃんと美砂お婆ちゃんと出会って、家族に成れたんだよね…。其れって凄い事だよね…」
「其うだね〜蓮ちゃん…嗚呼ぁ…子供の居ない、他人の私達と家族に成ってくれて、私は…うぅ…とても幸せ者だよ蓮ちゃん…うぅぅ…」
「うぅ…も〜ぅ貴方ったら…泣いちゃって…。私も釣られて泣い…泣いちゃったじゃない…。嗚呼ぁ…本当に…本当に良かったわよね…蓮ちゃん…。そしておめでとう…」
蓮輝の結婚式を観られた喜びで、正樹と美砂が優しく泣いてくれた…。
「更にさ、親友も出来たし、劇薬だけれど、僕的には渋くて格好良い叔父さんにね、綺麗で何だかんだと優しいお姉さんが出来たって思えてさ…本当…うぅぅ…こんな幸せいっぱいでさ、嬉しいんだ…エヘヘ…」
目元を紅く染めて、フワッと笑う蓮輝に
「おめでとう蓮輝君、心から祝福するよ…。そして僕の親友と結婚してくれた組家さん、組家さんにも心から、祝福させて下さいね…」
涙目で笑う隆志の笑顔は、やはり他の誰よりも澄んでいて癒されるのだ。
「…皆んな…」
「フフフッ…ありがとう宮津 隆志♪其れと皆さんも、ありがとう〜!ダーリン共々心から感謝し、幸せに為るって約束するわ〜♪本当、ありがとうね〜♪」
此処で“ワーーッ”と、歓声と拍手が盛大に上がる。
見知らぬ人達からも、“おめでとう〜!”の声が掛けられ
「ありがとう!ありがとう皆さん!………ハイッ!ウルウルしみじみタイムは終わり!凰哦さん、玄関を封鎖!誰1人として此処から逃しちゃダメだからね!」
「おう!」
「ハイッ!お爺ちゃんお婆ちゃん、この箱持って此処で待機!」
「あいあい…」
「はいはい♪」
「隆志さん、貴方にはこのマイク!隆志さんの優しい謳い文句で人を魅了してよ?」
「えぇ〜僕が〜!?」
「劇薬新婚さん、僕からも祝福するね〜♪っでもってさ、劇薬の片平さん、アンタのスペシャルフルコースを直ぐに、此処に居る皆さんにもてなしを!仲上改、劇薬片平 このみさんは、其のお手伝いを宜しく!」
「このヤロ〜何時迄劇薬劇薬言ってんだよ大将よ〜!でも俺ちゃま了解♪」
「アンタ…後でシバクからね…。さて、私も旦那様との初仕事張り切るわ〜」
「其れじゃ〜皆んな宜しく!でね、メグちゃんは僕と一緒にお礼の挨拶をお願いするね〜」
「えぇ了〜解♡マイダーリン♡」
蓮輝の怒涛の指示で、何かが開始されようとするのです。
何事かと騒めく人々。
“何なに何!?”
“エッ!?エッ!?エッ!?”
と只、戸惑うばかりでした…。
そんな人々に
「あ、あ、あ、テステステス…。え〜此処にお集まりの皆さん、只今からご祝儀を徴収させて頂きます。此処に居る青柳夫妻の持つ箱に、其々お気持ちの金額をお入れ下さい…」
この言葉に
「「「エエェーーーッ!!!」」」
と、違う意味の歓声が巻き起こるのでした。
「フッ皆さん、なぁ〜にがエエェーーーッですか…。そんなのあったり前でしょうが!人様の結婚式って言ったらご祝儀でしょうが!さぁさぁ大人しくアブ死っ!」
これ以上悪態を付かせない為、凰哦が蓮輝に、華麗なる凰ピンを繰り出すのでした。
「お前は黙ってろ!其れ以上喋るな!ったく」
額から煙を上げ、仰向きで倒れる蓮輝を見た人々は、ガタガタ恐怖します。
其の人々に隆志が
「あっそんなに怖がらなくても大丈夫てすよ、何時もの事なので〜。で、まだ説明の途中にこのおバカ新郎が横ヤリチャチャ入れまして、途中と成ったのをこれからちゃんと説明します。実は、ご祝儀とは名ばかりの募金何です。金額は、1円でも、入れなくても全然大丈夫です。集められたご祝儀は、この孤児院以外にも居る、恵まれない子達の為に使おうと思ってます。この結婚式、其の為の結婚、披露式でした。募金の後は、我が孤児院の誇る、プロ顔負けのコック長兼院長の片平が、腕を振るった豪華な料理をお時間が有れば、是非ご堪能下さい…」
隆志の説明に、少し“?”と為りながらも
「お待たせ!さぁさぁ皆んな〜、俺ちゃまがマジ本気を出して作ったスペシャルメニューを堪能してくれよ〜!絶品だぜ〜?お代わりも未だまだ沢山有るからよ、遠慮しないで食ってくれよな!OK?」
「皆様如何ぞ〜、主人が作った料理はどれも絶品ですから、遠慮なく食べて下さいね〜」
張り切る片平夫妻。
「皆さん、突然の奇行で驚かれたと思いますが、如何かお許し下さい…。何時もご迷惑を掛けたお詫びも含め、この結婚式を利用して、如何せならばと、慈善事業もしておこうと考えたのです…。まぁそんな企画を思い付いたのは、此処に倒れてる甥のバカなのですが、何故か全員一致で其うしようと為りまして、皆様を巻き込んで仕舞いました。其の事に関しては、大変申し訳ないとお詫びします…」
頭を下げて凰哦が其う言うと
「済いませんなぁ〜皆さん…」
「申し訳ありませんわ…」
「本当、申し訳ありません」
「ハハッ皆んな、笑って許してくれな〜」
「また努さんったら!皆さん、済みません…」
「ダーリンを悪く思わないでね、皆さん♪」
と、深々と頭を下げるのでした。
閉じ込められ騒めく人々の中から1人が
「其う言う事なら私は構いませんよ。でも唯お聞きしたいのは、何故此処に私達が集まると思ったのでしょうか?…」
と、当然の疑問を投げ掛けてくれました。
ありがとう!其の言葉待ってました!と、言わんばかりに
「エッ?だって皆さんはさ、かなりの頻度で自由に出入りしてたじゃない」
蓮輝が起き上がり、其う言って更に
「実はね、皆さんともっと親しく成りたかったって思ったのとさ、此処の子供達を見守って欲しいって思ったのと、まだ見知らぬ子供達の為にもね、何かして上げられないかな?みたいな感じでね、僕が思ったんだよね〜。其れに皆んなが賛同してくれたって感じ?…後はね、只単に、僕達を祝福して欲しかったからなのです」
と、堂々と言い切る蓮輝でした。
其れを聞いた人々は皆
“あっ此処での奇行の原因は、コイツ何だ”
と誰もが気付き、納得するのでした。
そして其の後、この騒動に巻き込まれながらも誰もが、何故か可笑しくて、何故か心がフワフワ優しく為り、ご祝儀と言う名の募金をするのでした。
「さあさぁ〜皆んな〜!大いに胃を満たしてくれよ〜!キューの旦那の時に比べたらよ、こんな人数大したモンじゃねぇ〜からさ、俺ちゃま張り切って、ドンドン美味いモン作っからよ!遠慮なく食べてくれよ〜!勿論お持ち帰りもOKさ〜!」
ビシッとキメたダンディ片平が、大張り切りで豪華な料理を次々と作り出して行く。
「ねぇメグちゃ〜ん、私達もてなすのに忙しいから、蓮輝君と一緒に、このウエディングケーキをカットしちゃってね〜」
仲上改め片平 このみが、寵に其う伝える。
「えっ…ちょっと待ってよこのみさん。ケーキをカットって、この結婚式、私達だけじゃ無く、努パパとこのみさんに、私達と一緒の合同結婚式だったじゃない。なら2人も一緒にカットしなきゃダメでしょ?」
このみから言われた内容に、驚いた寵が其れはダメだと言う。
だが
「其れは貴方達2人がしなきゃダメよ、ねぇ努さん」
「其うだぜ寵、今其れをするのはお前達、華の有る若い2人がしなきゃ〜、格好が付かないだろう?何せ美男美女の2人なんだからさ…」
「其う言う事♪だからね、私達に遠慮しなくても良いから。私達は私達で、後でちゃ〜んとするから…」
「其うそう!俺達は俺達で別に用意してっからさ、心置きなくズバッと切り裂いてくれよな!OK?」
其う言いながら、クイっと親指で調理場を指差す片平。
其処には今此処に在る、ウエディングケーキよりも豪華で華やかなケーキが、デカデカと在ったのだ。
「ちょっと何其れ!?努パパ達の方が豪華じゃない!こっちと変えなさいよ!じゃないとこのみさん、即未亡人になっちゃうわよ!?其れでも良いの!?」
何処から出したのかは分からないが、あの鉄白豆腐をブンブン振り回す寵なのでした。
「おいおい、そんな殺気立った花嫁何て在ね〜よバカ!お前はもう少し、忍耐ってぇのを持たねぇ〜とよ、河橋の旦那に捨てられちまうぞ?折角のメデテェ〜日に、何物騒な事言ってんだよ!」
「…あぅう…」
何時も強気な寵なのだが、やはり育ての親には言い包められるみたいなのでした。
「其れとよ、其のケーキにはちょっとした仕掛けが有るんだ。だからよ、ラブリ〜な大将とズバッと切り裂いてみてくれよな?」
「仕掛け!?」
「其うそう仕掛け♪」
仕掛けの言葉を聞いた一同が
“ヤバい、絶対何かしらの危険物が仕掛けられている。ヤツなら確実其うする筈だ!”
と、一斉にケーキから離れるのでした。
「オイオイオイオイオイッ!何で一斉に離れんだよ!何か俺ちゃまに失礼じゃねぇ〜か!?其れってよー!」
「…しょうがないわよ努さん…。日頃の行いがモノ言ってるのよ?如何?これでちょっとは分かったかしら?」
「うっ…このミッミ迄…。チッ分かったよ…」
「ムッ何舌打ちしてんのよ!…でも分かってくれたのなら、流石私の旦那様って思えるわ〜嬉」
「今後も俺ちゃまを貫くんで宜しく!」
……………
「もうこのバカーーー!!私知らない!」
「本当バカ!良い年したオッさんが、聞き分けない事言ってんじゃ無いわよ!バカ努パパ!このみさん、マジ離婚考えた方が良いわよ!?こんなアホ捨てちゃいなさいよね!」
「ええ其うするわ、メグちゃん…って言いたいのだけれど…」
困った顔をして、口籠もるこのみ。
「如何したっていうのよ?私に遠慮してとかなら、全然構わないわよ?こんな努パパは捨てられて当然だし、このみさんならさ、引く手数多でしょ?こんなに素敵で綺麗何だから…」
本心で言う寵。
其の寵に
「…ありがとうメグちゃん…涙が出る程嬉しい事言ってくれて…。でもね、私が離れられないのよね…悲しい事にね…」
「えっ其うなの?マジ…?」
「フフフッお恥ずかしいながらね…。其れと…未だ誰にも言って無い…事がね…有ってね…」
其う言いながら、自身のお腹に手を添えるこのみ。
「「「!!!!」」」
少し間を空け、このみの言ってる事の意味を理解する一同。
「エエッ!?ウソ…マジ…?」
驚いた寵が聞いた後直ぐに、凰哦も
「ま、まさか、其れって冗談抜きですか…?」
と、信じられないと聞くのです。
其処でやっと事の重大さに気付いた片平が
「こ、このミッミ、そそ、其れって…」
このみの言いたかった内容を理解した片平が、余りにも驚いて仕舞い、上手く言葉に出来ない。
其れを察したこのみが、コクンと頷き
「貴方が思ったので正解よ、お父さん…」
泣きそうに為りながら、片平との間に子供が出来た事を報告するのだ…。
「「「エエェーーーッ!!」」」
其うだとは思ったのだが、やはり驚きの声を上げる一同。
「マ、マジ…何だな…このみ…」
何故かこのミッミとは言わず、まともに名を呼び、確認する片平。
「…うん本当よ…。だからね、この子が誇れる様な父親に成ってよね…努さん…」
このみから、ポロポロ流れ落ちる涙。
其の泣くこのみを、そっと強く抱き締める片平…。
「…あぁ今度の今度はマジ約束するよ、このみ…。おふざけは、今日限りで止めるよ…。この時点からさ、本当の自分を曝け出すわ…。オチャラケキャラは封印するな〜…。この子の為にもな…」
“……………はい?…………”
暫し、思考が停止した一同…。
其の誰もが、“本当の自分を曝け出す?オチャラケキャラ封印?……其れ、マジ?何言ってんだ?このオッさんは…”と思ったのでした…。
でも…
「これ迄おバカな役作り、本当にお疲れ様でした…努さん…」
ニコッと笑うこのみ。
「「「エエエエエーーーーッ!!!」」」
一斉に驚きの声が上がる。
「ウワッ!なな、何だよ其れ!そそ、そんなに驚く事かぁ!?」
「あったり前じゃんよ!アンタ劇薬人が素何でしょーが!な、何格好付け様としてんのさ!ちょっと更に、頭可笑しく成ったの!?」
と、かなり失礼な発言をする蓮輝。
「そ、其うよパパ!私は子供の頃から知ってるけど、ずっとオチャラケバカだったじゃない!」
寵も育ての親に対し、失礼発言をします。
「其うだそうだ!俺も知り合ってから1度もまともな姿見た事無いぞ!?」
「其うだよね凰哦…。僕も同じ意見…」
と、凰哦と隆志も同じ意見だと言う。
只青柳夫妻だけは
「お疲れ様、ずっと隠し通すのは大変だったよね…」
「ですよね…お疲れ様でした。そしておめでとう、お2人共…」
と、オチャラケキャラを演じていた事を知ってた様だ…。
「ありがとう青柳さん、ずっと黙っててくれて助かりました…。其れと、祝福の言葉…ありがとうございます…」
「ありがとうございますね、正樹さん、美砂さん。今迄色々と、ご迷惑をお掛けしました…」
と頭を下げ、礼を言う2人。
此処でも更に
「「「エエエエエーーーーッ!!」」」
と、驚かれるのでした。
「正樹お爺ちゃん美砂お婆ちゃん、其の事知ってたの!?」
其う蓮輝が聞くと
「あ〜いや〜其う何だよね〜」
「私達、ずっと子供達のお世話で一緒にいたでしょ?」
「う、うん…」
「其の時にね、オチャラケで疲弊してる姿を何度も見ていたのよ…。ワザとオチャラケするのが、とてもキツかったみたいなのよ…」
「「「エエエエエーーーーッ!?」」」
また驚きの声が轟く。
「この人、根は真面目で正義感がとても強い上に、超〜が付く程の子供好きでしょ?其れなのに、かなりの強面だからね、夢の保育士は叶わないし、警察官に成っても組員として潜伏させられた挙句に、組長にも成っちゃったからね、オチャラケしないと子供達に恐れられると、ずっと演じてたの…。だから其れを知った私はね、この人に惚れちゃったのよね〜」
と、このみが片平の本当の姿を説明する。
この説明に、聞かされた全員が
“其れマジかーー!?”
と思ったのでした。
「だからね、其のウエディングケーキも信用して、貴方達が切ってくれる?」
このみが片平に優しく抱かれながら、蓮輝と寵にお願いするのだ。
「…其う言う事なら」
「だわよね…うん分かったわ努パパ…」
2人は片平と、このみの気持ちを汲んで了承する。
「でも其の前に一言言わせて、おめでとうお2人!良いパパとママに成ってよね〜!」
蓮輝が満面の笑顔で言うと
「「「おめでとう〜!」」」
と、全員が祝福の声を上げてくれました。
「ハハ…な、何か照れるな…」
「ウフフだわよね〜貴方♡」
結婚と子供を授かった喜びに浸る2人でした。
其の片平から
「あっ其うそう、ケーキをカットするのは、真ん中を綺麗に切り分けてくれよ?面白れ〜モンが見られるからさ」
「面白いモノ…?」
「あぁスっごくハッピーな気持ちに成れる筈だぜ?まぁ騙されたと思ってさ、パパッと切っちまいな!」
「あ、う、うん…」
「分かったわ努パパ…。其れじゃ初の共同作業しましょ♪ダ〜リン♡」
片平に言われた通りにケーキをカットすると、其の断面には
「えっ!?中の断面…こ、これってキューの顔が描かれてるよ!?」
「えっマジ!?ウソ!?努パパ、これ如何やったの?ムダに凄いんだけれど…」
何と、ケーキの層の断面が、キューの顔に成っていたのだ。
「へへっ凄いだろ〜?俺ちゃまの力作さ〜!何処を切っても、顔が浮かぶ様にしてみたんだ。まぁ金太郎飴のケーキ版ってヤツをな。何せキューの坊ちゃんは、俺達の福の神だろ?其の福をさ、皆んなに分けたくてなぁ〜」
まぁ確かにね。
でもね、其のチョイス…間違ってますからね、残念だけれどね…。
キューの事に関しては、1番の危険人物が居るじゃないっすかぁ〜。
ほら、この人…。
「わわわっかか、可愛いぃ…♡でもコレを食べるだなんて…出来やしないだろー!アンター!何してくれてんだよー!あーでも!…皆んなにも福を分けてやりたい…うぅぅう…アーーッ如何すれば良いんだーーー!!」
ね?ポンコツ魔人の葛藤を皆さんに披露しちゃったでしょ?
「ケケケッ其う成ると思ってたぜ。っつー訳で、其のケーキは凰凰にプレゼントだ。好きな様にしてくれよ?OK?っでお2人、こう成る時の為のこのケーキ何だよなぁ〜、コッチを切って、皆さんに分けてやってくれよ。OK?」
あぁ成る程ね…。
よく見てみると、豪華なケーキの後ろにも1つ、小ぢんまりとしたケーキも用意されてるね〜。
何と無く納得。
「うん分かったよ片平さん。其処のポンコツ魔人は其のままにして、皆んなにケーキを切り分けるね〜」
「おう!宜しく頼むぜ?」
「フフフッ了〜解、努パパ」
ケーキを切り分けて、来客全員に配り、和やかな感じで僕達の結婚式は、幕を閉じました。
来客が全て帰った後只1人、キューが描かれてるケーキを如何するかと、ひたすら葛藤している凰哦さんに
「ねぇ凰哦パパ、ケーキ食べないのぉ〜?」
と、キューが聞きました。
「あっいや其の…」
「食べないなら僕がねぇ、凰哦パパの分迄食べるねぇ〜」
「エッ?…」
「其れじゃ〜い・た・だ・き・ま・す!」
ガブッパクパクパクパク…ゴックン
「あああ…嗚呼あああーーー!」
凰哦さんの絶叫を他所に、食いしん坊のキューが全てを平らげました。
うんナイッスだよキュー!
溺愛するキューの無慈悲な優しさに、違う意味で心撃ち抜かれて、悶絶した凰哦なのでした。
1人を除いて今日は、色んな祝福が有ったり、嬉しい喜びも沢山だったから、皆んなハッピーだったよね…。
さぁこの幸福感を味わいながら、今日はお開きにしますか…。
明日も良い日に成りそうだね〜。
楽しかった〜。
「ねぇ〜凰哦パパ〜、どったのぉ〜?」
優しいキューに慰められる凰哦。
「へへっへへっ…」
愛しのキューに慰められても未だ、撃ち抜かれた心は治らないみたいです。
哀れ…凰哦…。
如何がでしたか?
結婚式の内容で終わった今話は?
キューと僕の思い出日記らしい、ハチャメチャな内容だったと思います。
しかも片平…。
片平が、偽りのキャラを演じていただなんて…と、誰もが思った筈です。
でもコレ、裏設定として決まっていたんですよね〜。
其れを何処で出そうか、書かないでいようか迷ってた設定だったので、あっ其うだ、此処で出しちゃえって成りまして、思い切って出しちゃいました。
で、如何でしたか?
今話の内容は…。
其れと、ピッタリ9400文字を読むの、お疲れ様でした〜。
では次話をお待ち下さいませ。




