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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れの準備
52/65

旅のしおり3

 前回、新キャラが登場しました。

 今回、其のキャラがメイン使用です。

 其の新キャラのイラストも、ちゃんと載せてます。

 では、前回からの続きをどうぞ〜。

 とある街の孤児院にて、朝早くからカオス状態に成っています。

 どんな状態なのかと言うと、1人の職員が突然の解雇通知が届き、関係者全員が“何故?”だと説明を求めたのです。

 唯、其の中で1人だけ、其の状況をお腹を抱えて笑ったのです。

 其の笑ったバカを1人の女性が激怒し、平手打ちしました。

 平手打ちを喰らったバカは、何故か其の女性に恋心を抱いて仕舞いました。

 ………意味が分からん……。

 ですので、このままでは良く分からないので、現場から中継をお願いしたいと思います。

 では、現場の宮津さ〜ん?現在の状況を教えて下さ〜い!

「はい此方宮津、現場から生中継でお伝えします。今叩かれた彼、河橋蓮輝君は其の叩いた相手の事が好きと言う発言により、関係者全員が思考停止している模様です。ピクリとも動こうとはしません。完全に停止しております…って何なの!?エッ!?僕何してんだよ!」

 と、余りにも驚いた為か、パニック状態の隆志なのでした。

 エアマイクを投げ付け、1人ボケ1人ツッコミしてます。




「「「ハアッ!?」」」

「…蓮輝!?…おい蓮輝!お前は一体如何したんだ!?正気なのか?」

 全員の驚きの声と、凰哦の正しい反応。

「そうよ蓮ちゃん…頭…可笑しく成ったの?」

「大丈夫なのかい?また頭に腫瘍でも出来て仕舞ったのかい?」

 メッチャ失礼な青柳夫婦のお言葉。

「えっ?…もしかして僕…また呟癖してた?って、ちょっとお爺ちゃんお婆ちゃん!それ僕の事バカにしてるでしょ!?僕にメチャクチャ失礼だよ!」

 恥ずかしさの余り、涙目に成って文句を言う蓮輝。

「でも…何時もの貴方なら、先ずそんな事言わないわよね?蓮輝君…」

「だよなぁ〜、大将っぽくねぇ〜発言だったぜ?」

 と、バカップルの正当なご意見。

「ちょっ!皆んなしてさ!何なの!ふざけないでよ!…って…えっ?僕、何て言ったの…?」

 己の呟いた言葉なのに、何て言ったのか覚えていない蓮輝(ばか)

 其の言葉に、一斉にズルっとコケる一同。

「おまっお前〜!自分で言った事も覚えて無いのかよ!?」

「うっ!…う、うん…」

「「「ハアッ!?」」」

 更に驚きを隠せない凰哦達。

「あ、あのね蓮輝君…。驚かないで聞いてくれるかな…。結構ダメージ喰らうとは思うけれどさ、平常心で聞いてくれる?平常心でね…」

 顔を引き付かせながら、恐るおそると隆志が聞く。

 其の表情を見た蓮輝は

「えっ…嫌だ…其れって聞かない方が確実良いよね?絶対聞かない方が良いよね?もぅ既に怖いんだけど…」

「アハッ好きだって言ったよ?メッチャタイプだとね。新登場の彼女に叩かれ怒られてね…。もしかして…マゾ?」

 あっさりと容赦無く教える隆志。

 先程の恐るおそる感は無く、何故か楽しそうに言ったのは、蓮輝のマジビビりを見て、心の中のデビル隆志が“ワッショイ!ワッショイ!”と、騒ぎ始めたからでした。

 案の定隆志の思惑通り、其れを聞いた蓮輝は

「マジでーー!!……恥ずっ!!僕穴が有ったら掘りたい埋めたい!!」

 と、崩れ落ちるのでした。

「…いやいや、其処は穴掘って入ろうぜ大将?そんでもってよ、埋まっちまいなよな?」

 蓮輝にバカ笑いされた事を根に持つ片平が、冷たく言い放つ。

「ねぇ蓮輝お兄ちゃ〜ん、お穴に入りたいのぉ〜?其れならねぇ〜、僕がお穴掘ってあげるね〜!」

 何を勘違いしたのか、蓮輝が穴に入りたいのだと思い込んだキュー。

 其の言葉を聞いた、蓮輝と片平娘(?)以外がお腹を抱えて大爆笑。

 特に“キュー”が、尻尾をバシンバシンと床に叩き付けるのでした。

ー ゲヘヘなのよね〜!ゲッゲッゲヘヘ〜 ー

 蓮輝の嫌がらせにご立腹だった“キュー”は、本気で恥ずかしがる蓮輝を見て、大変ご満悦なのでした。

「何だか嬉しそうだね〜キュー。でね、蓮輝お兄〜ちゃん、お穴は何処に掘れば良いの〜?」

 純粋なキューが、蓮輝の為に張り切ってくれてます。

 其れがまた、皆んなの笑いのツボにハマった様で、お腹を抱えて笑ってます。

 蓮輝は蓮輝で、更に恥ずかしく成り、頭を抱えて蹲っちゃいました。

 唯1人、この状況に付いて行けない方が居ます。

「ちょっと!私以外全員突然笑ったりして如何したのよ!?何!?私だけ蚊帳の外何ですけど!?」

 とても不機嫌な顔で言うのは、片平娘(?)さんでした。

「何時迄笑ってんのよ!早く説明しなさいよ!ちょっと其処のメガネ!アンタで良いからサッサと教えなさい!」

 笑い続ける皆んなに、ガッツリブチ切れしちゃいました。

「なっ!…エッ!?僕に聞いてんの!?」

「アンタバカ!?この中でメガネはアンタ1人だけでしょーが!!他に誰がメガネしてるって言うのよ!このヒヨコ坊ちゃんメガネ!!早く答えないとビンタするわよ!?」

 気迫がメチャクチャ強力な片平娘(?)。

 この横暴とも言える彼女の気迫に、全員が命の危険を感じる程でした。

 でも其の中で、凰哦と片平だけが平然としているのだ。

「メグちゃん、その辺で怒りを治めてくれないかな?」

「其うだぜ(めぐ)。折角笑えてたのによ、そんなブッサイクな顔をしてちゃぁ〜、美人さんが台無しだぜ?」

 と、2人は彼女を宥めるのでした、が…

「ちょっと黙っててよ凰哦兄!努パパもな〜に分かりきった事言ってんのよ!?私が美人なのは当たり前でしょ!?ったく、相変わらずバカ笑いしてんじゃ無いわよ!2人共くだらない事言ってると(はた)くわよ!」

「ウッ…」

「オ、オメ〜って奴は…」

 結局2人共、これ以上何も言い出せそうに有りません…。

…イライラ…ダンッ!

「ちょっとアンタら!今度はダンマリを決め込む気!?誰も答える気は無いの!?優しい私でも、これ以上はキレるわよ!?」

 床を思いっ切り、蹴り叩き付ける彼女。

 其の彼女に

“いやいや全然優しくは無いですよ?”

“最初から既にキレてますよね?”

 其う誰もが思ったのでした…。

「アアーーーッ!マジブチ切れだわ…全員シバく!!」

「「「ヒッ!」」」

 彼女の怒声にビビる一同なのだが

「あぁマジ天使…最高〜…メッチャ好き…可愛い♡」

 と呟く蓮輝の言葉で、また場が固まり静まるのでした。

シ〜〜…ン…

「「「エッ?」」」

「ん?」

 驚く一同と、其れとは別の反応をする彼女。

「れれ、蓮輝?…お…お前…あ、頭大丈夫なのか…?」

「ちょっと凰哦兄は黙ってて!…ねぇ貴方、蓮輝って名前なのよね?」

「…う、うん其うだけど…」

「あのね蓮輝…ちょっと聞くけど、さっき何て言ったの?もう1度聞きたいのだけれど?」

「エッ!?…あっあの…其の…」

「今度は怒らないで聞くから、素直に言いなさい!」

「ててて、天使…さ、最高〜メ…メッチャすすす…好き…か、可愛い…って言いました…」

 真っ赤に成りながら、公開処刑された蓮輝。

 其の公開処刑をさせた本人は…

「えっ♡か、可愛い?さ、最高?更にてて、天使?………あらイヤだ〜ん、分かってはいるけどぉ〜、可愛い♡って〜、天使って〜言われたの初めて〜♪フフフゥ〜ン♡貴方、なかなか見る目が有るじゃないの〜」

 と頬を染め、恥じらっています。

「………ねぇ貴方、もう1つ聞くけど良い?」

 ジッと蓮輝を見る彼女の視線に、固まりながらも

「は…はい…」

 素直に答える事を選択する蓮輝。

 この時誰もが

“賢いぞ蓮輝!”

 と、心の中で褒めました。

 何せ、これ以上彼女を怒らせない方が吉だと、誰もが思ったのだから…。

「私を好きだと言ったけど、其れ本気?」

 彼女の疑問は、此処に居る全員の疑問でも有った。

 其の為真偽が聞きたいと、一瞬で全員が静まり返るのだった。

 其の雰囲気に呑まれそうに成り、直ぐに言い出せない蓮輝。

 其れを許さない彼女。

「早く言わないとキレるわよ?…」

「ほ、本気!マジ本気だから!」

 余程恥ずかしかったのだろう、顔を両手で覆い隠し、崩れ落ちる蓮輝。

 其の仕草を見た凰哦を除く一同は

“あっコレ本気で好きに成ったみたいだ”

 と、静観するのだった。

「あ…あの蓮輝が嘘だろ!?…他人に恋愛感情を抱く何て…」

 目の前で起こっている出来事に、信じる事が出来ないでいた…。

 其の凰哦に

「ねぇちょっと凰哦兄、さっきから失礼発言してるけどさ、少しは黙っててくれる?じゃないと、幾ら凰哦兄でも張っ倒すわよ!?」

 鋭い眼差しを向け、凰哦を黙らす彼女。

(あっあのメグちゃんが、俺に酷い事を言うだなんて…。あんなに凰哦兄、凰哦兄と懐いてたのに…)

 信じられない事の連発で、意識が抜けて行く凰哦なのだが、次の言葉で更に度肝を抜かれて仕舞うのだ。

 其の言葉とは

「ねぇ貴方、本気で私の事が好きだと思ってくれるのなら、この私が恋人として、付き合って上げても良いわよ?」

 と、お伝えしちゃいました。

「えっ♡?」

「「「エッ!?」」」

「えっ♡?じゃ無いわよ、お付き合いして上げるって言ってんの!恋人としてね♪」

 ……………

「「「エエェーーッ!!??」」」

「エエッ!?…本当に?…」

 まさかの発言に、理解不能と驚く凰哦達。

 其れに対し蓮輝は、こんなにもアッサリとお付き合いが出来るモノなのかと、別の意味で驚いて仕舞う。

「本当よ?えっ何?私と付き合うのは嫌だって言うの!?」

「ううぅん違う違う!嫌じゃ無いから!付き合いたい!付き合って下さい!!」

「OK〜!良いわよ〜♡これから宜しくね、蓮ちゃん♡」

“うふっ♡”と微笑みながら蓮輝と腕を組み、肩に頭を乗せる姿は、ラブラブカップル恋せよ乙女なのでした。

 猛スピードで繰り広げられる展開の速さに、全く付いていけない一同は、完全置いてけぼりです。

「ねぇ蓮ちゃん、蓮ちゃんの苗字は何て言うの?私はね、組家 寵(くみか めぐ)って言うの。メグちゃんって呼んでよね〜、宜しくダーリン♪」

「あっはい…」

 流石の蓮輝も、今回ばかりは展開に付いて行けず、滝の汗を流しながら立ち尽くしていた。

「……で、苗字は?」

「えっ…苗字?ぼ、僕の?」

 パニックに成ってる所為か、余り話を理解していない蓮輝。

「ん!?ちょっとぉ!早く答えなさいよ!自分の苗字くらい分かるでしょ?…其れとも何?私に教えたく無いっての?」

 気の短い彼女にビビりながら

「ぼ、僕河橋…河橋 蓮輝32歳、男性です!」

 完全に萎縮していると、誰もが思った…。

 アタフタと挙動不審をするだけで、何時ものナジリや仕返しも無く、冗談抜きで彼女の事が好きなのだとも思う。

 何故なら、天邪ッキーが発動していないからだ。

「アイツが何も言い返せないだなんて、こんな事も有るんだな…」

 未だ信じられない凰哦の呟きに、誰もが同意する。

 其れと同時に彼女、寵の気の強さを思い知らされたのだ。

 其処に其の寵が

「ん?あれ?…努パパに聞いてた病気の人って貴方なの?」

 此処でまた一斉に、“ん?一体何を聞いているんだ?”と、話の流れに付いていけないのでした。

「ねぇズバッと聞いちゃうけど、別に構わないでしょ?如何せ減るもんじゃ無いしね〜」

 とまぁ、有無も言わさないつもりなのです。

 これもまた、本当に恋して仕舞ったからだろと、全員蓮輝にツッ込めないのでした…。

「努パパにさ、甥に河橋って凰哦兄と違った苗字で、綺麗で小柄な女みたいな奴だって聞いてたけど、其れがダーリンの事なのね?」

 この時やっと、正気に戻った蓮輝。

“間違っちゃぁ〜いね〜が、誰が女みたいだと!?バカ平のバカ野郎、後で締める!”

 と、片平が寵に何て説明したのかを問い詰め、お仕置きしようと決めた蓮輝。

 ターゲットの片平を睨みながら

「何て説明されたのか分からないけど、其うだよ…」

「ふ〜ん…。私の聞いた話じゃぁ重病で今入院してて余命僅かで、性格に難有りのクズ野郎みたいな、そんな感じに受け取れたんだけど、其れ本当?」

「ウグッ!」

「私てっきり、今も病院に居るもんだと思ってたのに、何故此処に居るの?努パパをバカにしてるから、てっきり何処かの知らない誰かが笑ってるって、其う思っちゃったから頭にきて、ダーリンをヒッパ叩いたんだけど…」

「あぁ寵、大将は退院して来たんだよ。俺ちゃまの件、如何成るのか知りたいってな」

「あっ其うなの?ってスッカリ忘れてた!ちょっと凰哦兄!突然努パパを解雇するって、如何してなのよ!?私的な事とか、理不尽な事での解雇だったなら、幾ら凰哦兄でも許さないからね!」

 其う言って、凰哦に詰め寄る寵。

「あ…えっと其の…って、何故メグちゃんが其の事知ってるんだ!?メグちゃん確か今、経営している他県の新店舗が落ち着く迄は、戻って来ない筈じゃ無かったのか?」

「其うよ、其のつもりだったわよ?でもね、昨日努パパから電話でさ、これから先如何したら良いんだ〜って、泣きながら言うもんだから、何が有ったのかと聞いてみたら、突然解雇されたってだけ言い終えたら電話切れて、其の後何度掛けても繋がらないんだもの…。こうなりゃ直接聞くしかないって成るでしょ?だから直ぐこっちに向かって来たわよ」

「なっ…ア、アンタ…」

 なりふり構わない片平の予測不能な行動に、呆れてこれ以上何も言葉が出ない凰哦。

「ケッ!別に構わねぇだろ?このミッミにはこれ以上、俺ちゃまのダメなトコ見せたくねぇ〜もん!其れにさ、せめて此処に居ない寵に、俺ちゃまの話や愚痴聞いて貰わないとさ、ひたすら凰凰を付け回す不審者として、犯罪者に成ってたかも知れないんだぜ?元警官がさ、不審者として捕まっちゃぁ〜お終いだろ?」

 いや其処は、不審者として捕まっといてくれよ、頼むよこのクズ親父!と思う、凰哦なのでした。

「で、如何なのよ?ちゃんと答えてよね、凰哦兄」

「……言いたくない…」

「ハア!?ちょっと凰哦兄!良い歳したオッサンが何言ってんのよ!何時もの毅然とした、渋くて格好良い凰哦兄は何処に行ったの!?ガキ親父は、努パパだけで充分なのよ!」

「ウギッ…」

「ちょちょちょい寵、ガガキ親父!?お、お前俺ちゃまの事、そんな風に思っていたのか?」

「あったり前じゃない!子供の頃から其う思ってたわよ!」

「ひ酷っ…」

 寵に、ケチョンケチョンにナジられる2人。

 其の2人に、恐るおそる声を掛ける隆志。

「ね、ねぇ凰哦、聞きたい事有るんだけれど、今聞いても大丈夫?」

「ん?何をだ?」

「何をだって、2人と彼女との関係をだよ…。パパとか兄って言ってるけど…」

「あぁそっか〜、皆んなは詳しく知らないもんなぁ〜…。彼女メグちゃんは、其処()()()()()の娘さんだよ」

「娘!?」

「そ!この美人さん、俺ちゃまの娘…っておい!今何気に片バカって言ったよな!?バカ平じゃ無く、片バカって!」

「……知らん!其れより話進めろよ、このガキ親父!!」

「クァッ!くぉのヤロォ〜〜」

 良い歳したオッサン2人が、バチバチ言い争っています。

「………あぁ〜もぅ如何でも良いわ〜。ガキ親父ズは放っておいて、そ!私、片平 努の娘。宜しくね〜」

 ……………

「「「エエェーーーッ!!」」」

「って言っても、この人育ての親ってだけ♪義理の父親ってヤツ」

 此処でまた、衝撃事実を知った一同。

 話には聞いていたのだが、まさか本当に子供が居た事に、驚きを隠せないのでした。

 何よりも()()()()が、子供を育てた事が信じられなかったのです。

 しかも気性の激しい女性へと、立派(?)に育て上げた事にも、信じる要素が無かった一同なのでした。

「ね、ねぇメグちゃん…ちょっと聞いても良いかしら?あっ私の名前は、青柳 美砂と言います。宜しくね」

「青柳 美砂さん?えぇ宜しく♪で、何聞きたいの?」

「義理の父親と言ってたけど、本当のご両親の事、聞いても良いのかしら…」

「あぁ其の事〜ねぇ、全然構わないわよ?多分だけれど、大体の事知ってるんじゃない?ほらこの人、結構口軽いでしょ?元警官だったのにねぇ〜。おかげで私、思った事をズバズバ言っちゃう様に成ったのよねぇ…」

 この時全員

“あぁ〜何と無く分かるわ〜”

 と、納得しちゃうのでした。

「私の父親は組長をしてたの。でも子供の頃に亡くなちゃったわ。で母親は、私を認知させたら大金頂いて、海外で楽しく暮らしてるみたいよ?其の後の事は知らないけどね〜、まぁ〜そんな感じ…」

 何気に凄いバックボーンを聞かされた美砂達は、此処にも辛い過去を持つ者が居たのだと思った…。

 其れなのに、何て事も無いと笑う彼女の芯の強さに、健気だと思えるのだった…。

「メグちゃん、教えてくれてありがとうね…」

「別に良いわよ〜気にしないで〜。また何か聞きたい事が有ったら、遠慮せずに聞いてね〜。其れよりも…ちょっと凰哦兄!未だ答え聞いてないんだけれど!?ほらサッサと答えなさいよ!」

「断る!」

「!……何でよ!早くチャッチャと言いなさいよ!」

「其うだそうだー!チャッチャと言っちまいな〜!」

「努パパは黙って!私が聞いてんのよ!」

「オッ…オォ…済まねぇ…」

「ほら早く!じゃないとブッ飛ばすわよ!?」

 過激な寵の気迫にたじろぐ凰哦は

「このオッサンが俺を蔑ろにするからだ!いっつも人を小馬鹿にしては変な名前付けたり、揶揄ってきたり、俺此処の出資者なんだぜ!?会社からと言っているが、本当は俺が全額出してんだよ!俺のポケットマネーで!其れなのに、経営者として扱われ無いんだぜ!?メグちゃんだったら如何思う!?」

 ハァハァ息を切らせて、片平への不満を言い切りました。

「…確かにね…。私的だったならって言ったけど、そりゃぁ解雇されても仕方ないわよね…。凰哦兄を揶揄ってるの、直ぐイメージ出来ちゃうわね…。だ〜って、諦めて努パパ…。今日から無職決定だから、其れ受け入れなさいよ?良い?」

 寵なら、自分の味方に成るだろうと考えた浅はかな片平は、娘の言葉を信じられないでいた。

「えっ…何て言った?」

「ちゃんと聞きなさいよ、解雇!無職!」

「ハァ!?」

「其う言う訳だから、荷物纏めて出て行くわよ?」

「なっ…」

「あっ其うだ!無職って事は住む家も無い訳だから、私の家に連れて行かなきゃね…。其れとダーリンも一緒に連れてかなきゃいけないし、凰哦兄、ダーリンも連れて行くから其のつもりでいてね〜」

 此処でまた、突拍子もない事を言う寵。

「ハア!?ちょ、ちょっと待ってメグちゃん!蓮輝を連れて行くだと〜!?」

「其うよ?だって私の彼氏何だもの…。当たり前じゃない?」

「おいおいおいおいおい!待て待てまて!蓮輝は病人何だぞ!?其れもかなり重症な…。コイツに何か有れば、其の時は如何するつもり何だよ!?ずっと付きっきりで看病しなきゃ何だぞ!?」

 今付き合い始めたばかりなのに、とてもじゃ無いが、本気だとは思えない凰哦。

 其の凰哦に

「そんなの当たり前じゃない、ちゃんとお世話するわよ!余命が僅かだろうと、私が彼を愛するって決めたんだから、最後迄離れるつもりも無いからね!其れに私、言った事守らない嘘吐きって大っ嫌いなの知ってるでしょ?思った事直ぐ言っちゃうけど、言ったからには絶対やり通すから!」

 寵を子供の頃から知っている凰哦は、超本気なのだと思わされるのだ。

「そんな訳で、ダーリンも一緒に連れて行くわね〜。あっダーリン、私の住まいは他県に在るの。新店舗が軌道に乗る迄、其の近場に住んでるの。だから皆んなにお別れの挨拶しといてね〜♪其れと簡単で良いから、必要なモノだけ準備しといてくれる?後で迎えに行くから〜」

「えっ…」

「あら私と一緒に暮らすの嫌な訳!?」

「いえ!嫌じゃ無いです!嬉しいです!」

「だよねぇ〜。其う言う事だから、また後でね〜」

 此処迄サクサク事を進める寵に、付いていけない凰哦達。

 呆気に囚われながらも

「ちょっと待つんだメグちゃん!何も此処を出て行く必要も無いだろ!?蓮輝と一緒に、こっちに住めば良いだろ!?」

「ん〜?其れは無理。やっと少し軌道に乗り始めたのに、私に店を閉めろって言うの?そんな事したら、従業員の皆んなにも迷惑掛けちゃうわ…。だから無理」

 至極真っ当な意見を述べる寵。

「もぅ良い?急に決まった事だから、色々と準備しなきゃだし、一旦此処出るわね。1時間程したら迎えに来るから。ほら早く一緒に行くわよ、努パパ?」

 マイペースに事を進めて行く寵に、誰もが何も言えない。

 でも…

「〜〜〜!分かった分かったからメグちゃん!解雇は取り消し!取り消すから!蓮輝を必要以上に連れ回さないでくれ頼むから!コイツ今はパニクって気付いて無いみたいだが、そろそろ限界みたい何だ。だからせめて、この近くで一緒に暮らしてくれないか?唯幾つか条件は有るが、其れさへ守ってくれるなら、全面的に俺が悪い様にしないから!お願いだ頼むよメグちゃん…」

 蓮輝の顔色を見て、其う言わざるを得なかった凰哦。

「えっマジ?条件付きで解雇は免れるの?其れと、この近場で一緒に暮らしてもOKなの?…でも此処じゃ、店迄遠いから…」

「其れも俺がサポートするから、なっ?悪い様にしないから頼むよメグちゃん…」

「OK〜!で、条件ってどんなの?まぁ凰哦兄の事だから、無茶な条件出さないって分かってるけどね〜」

「ハ…ハハッ…ありがと…」

「ウフフゥ〜気にしないで良いからねぇ〜」

 ガクッと疲れた表情の凰哦では有ったが、何とか丸く収まり其うで、良かったと安堵するのでした。

 そしてこの後、条件や店舗迄を如何サポートしてくれるのかに、蓮輝がやりたい事したい事を聞く寵。

 全てを聞いた寵は

「嘘!?此処にキュートなカッパが居るの?」

「うん居るよ、キューって名前何だ〜。でも見えないよね?ちょっとビリって痛いけど、其れを我慢したら見える様に成るよ。キューにお願いするからメグちゃんもさ、見える様にして貰うね」

 其う蓮輝が言うと

「いや自分で何とかするわ」

「ハイ!?じ、自分で何とかするって、如何しよって言うの?…」

「そんなの気合いよ!…実の所ね、さっきから薄っすらと声は聞こえてたのよね…穴掘るとか何とかって…」

 マジで!?と思った一同。

「今居る場所教えてくれる?気合いで見える様に頑張るから。でも無理だと思ったら、其の時はお願いするわね〜ダ〜リン♡」

「あ、ハイ…」

 言われるまま、キューの居る場所を教える蓮輝。

 ジィ〜っと目を細め、気合いを込めて集中する寵。

 しばらく間を置き

「………見えた……」

「…エッ!?」

「やった!私にもこの子が見えるわ♪何て可愛いの〜♡」

 其う喜ぶ寵に

「「「エエエエッ!?」」」

 と、驚く一同…。

「み、見えるって…其れ本当なの…?」

「ちょっとダーリン、其れって失礼だわ…傷付く…」

「あっゴメンなさい!でもね、其処に居る隆志君以外はさ、キューの力で見える様に成ったんだよ?」

「其うなの?でも本当に見えるんだもの。これっくらいの大きさのカッパちゃんが、今ユラユラしてるでしょ?抱き上げても良いかしら?」

 其う言って、キューを抱き上げる寵。

「ケヘヘッ高い高〜いなの〜、ケヘヘ〜」

「ウフフ〜凄く喜んでる〜。ケヘヘって笑うのね〜」

 この行為により、本当に気合いで見る事が出来る様に成ったのだと、寵の持つポテンシャルに驚愕する一同です。

 だが其れだけでは終わらず

「あら?コッチには、変な竜みたいなの居るけど、コレもカッパちゃんなの?」

 と、“キュー”迄見えてるみたいなのだ…。

ー ゲヘッ!?わ、我も見えるっての?マジ ー

「だから私嘘嫌いだって言ってるでしょ?…ん?何故紙に文字なの?まぁ良いけど…」

 可愛いキューに夢中の寵は、其れ以上追求する事はしなかった…。

「あっ其うだ!これから先、ダーリンはこの子の居場所を探すのよね?」

「ちょっ、其れキューに言って無いんだよ…」

「あのねダーリン、隠し事はね、全てのモノを傷付けるのよ?この子も貴方にも私もね…。だからアヤフヤでも良いから、ある程度は知ってる方が良いのよ?」

「……だね…」

「流石ダーリン、理解が早くて嬉しいわ〜。でね、旅のしおりを作らない?何処から向かってとか、緊急時の対応とか、其の他色々書き込んで置きましょうよ。備え有ればって言うでしょ?」

 と、誰も考えなかった事を提案するのだ。

「……旅のしおり…ね…。うん其れ良いね!作ろう!ありがとうメグちゃん♪」

「そんな〜愛してるだなんて〜皆んなの在る前で〜♡」

「………」

  壊れたのか?と、引く一同。

「俺の知らないメグちゃんが居る…」

「俺ちゃまもだ…」

 初めて見る寵の其の言動に、違う意味で怖いと感じる2人。

 そんな事など、一切気にも留めない寵は

「さぁ早速作りましょう♪準備は早く済ませた方が良いものねぇ」

 とまた、物事をテキパキ進めて行くのです。

 こうして嵐の様に、話を進める寵のパワーに引きずられながら、旅のしおりを作る事に成りました。

「自由だ…」

 其う隆志が呟いた言葉に、全員が

“其の通りだ”

 と、満場一致で思うのでした。

「ウフフ〜」

 幸せそうで何よりです、良かったね蓮輝。



挿絵(By みてみん)

 皆さん、新キャラは如何でしたか?

 なかなか癖の強いレディーの様です…。

 彼女が何故癖が強く成ったのかなど、今後の話の中で明かされます。

 あっ、予定に変更します。

 イラストなのですが、実は随分前にこんな感じのを登場させ様と、完成してました。

 やっと登場させる事が出来て、ホッと一安心です。

 しかも彼女のおかげ(?)で、話の展開が早く成りましたね〜…。

 ん〜…展開と言うよりも、話がブッ飛びとびに乱雑してるって感じですかねぇ…。

 そんな感じで、次回を待ってて下さいまし。

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