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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れの準備
51/61

旅のしおり2

取り敢えず先に謝っておきます。

ゴメンなさい!

何に謝ってるのかは、読んでから確認して下さい。

では、本編を如何ぞ〜…。

ウケケと1人、病室で楽しそうに、凰哦達のお見舞いを待つ蓮輝(バカ)

午前の点滴も終え、昼食も食べ終え、軽く昼寝をし、午後の点滴もそろそろ終わりに近付いたのに、誰1人として、お見舞いにやって来ない…。

始めはしてやったり!と、思っていたのだが、此処迄遅いと、直ぐにやって来る筈だと考えた思惑が外れ、イライラが募ってくる。

既に午後の点滴も終わり、そろそろ夕食の時間迄、後僅かと成った頃

(あれ?何で誰も来ないの?…僕の予想だと、既にバカヤローと言いながら、お見舞いに来てた筈なのに、何で皆んな来ないんだよ…)

と、思い始めていたら

(エッ!?もしかして、マジで誰も来ないつもりなの!?お見舞い禁止を受け入れる程、皆んなマジで怒ってる?………まさかそんな事無いよね?………エッ?ウソでしょ!?ハハッまさかそんな事……ヤバい!!マジ怒してたら、マジヤバい!!)

しっかりと凰哦の策に嵌り、心底焦りだす蓮輝君なのです。

ビクビクし始めた時…

ガラッ!パーーン……

勢い良く、個室のドアが開かれた。

「!!」

ビクッと、一瞬宙に浮く蓮輝。

ツカツカツカ…

「アハハハハッ!」

満面の笑みで高笑いしながら、蓮輝のコメ噛みをグリグリする片平。

「イタタタタタタタタタッ!なな、何するのさ!い、いきなりコメ噛みグリッイタタタタターー!!」

余りの痛さにジタバタするが、許される事は無く

「ん〜?言っただろ〜!笑いながらグリグリしてやるってな!如何だ!?嬉しいだろ〜?河橋の兄ちゃん。アッハハハハハハハー!!」

笑ってはいるが、目は本気モード。

「痛い痛い痛いって!誰が嬉しいもんなんだよ!こんな事されて、喜ぶ程マゾじゃ無いからね!って、痛い〜〜〜!!」

全く止める気が無い片平のお仕置き。

涙目に成って、青褪めて行く蓮輝。

パキィン…

「痛………あっキュ〜ゥ……」

蓮輝の頭部から、ちょっと?嫌な音がしたかと思えば、そのままグッタリ昇天しちゃいました。

「片平さん片平さん!抜けてる抜けてる!蓮輝君の魂が抜けて来ているから!其処迄にして上げて!」

「エッ…マジ!?」

「マジだから!あっ!ちょっと待って待って!バイバイ手を振らないでー!蓮輝君!」

「蓮輝お兄ちゃん、バイバイしてるけど、何処行くの〜?」

隆志とキューが、抜けて行く蓮輝の魂を見上げております。

其れを見た凰哦たちは、一斉に血の気が引くのでした。

「ありゃ…何時もの演技かと思ったぜ…。だから遂加減するの忘れてたわ…」

両手で蓮輝の顔を掴み、やらかしたと焦る片平。

「蓮輝君!ダメダメ!未だ逝っちゃダメだよ!カンバーック!」

本気で焦りまくる隆志を見て

「ありゃ?こりゃマジ息してね〜な…。しゃあ〜ねぇ〜、こんな時って確か…人工呼吸?だったよな…」

「「「エッ!?」」」

其れを聞いた一同を他所に、至って普通に人工呼吸をしようとする片平。

「ちょっ!オッサン!!」

思わずオッサン呼びし、止め様とする凰哦に

「ん?」

と、振り返った瞬間

「こんボケがあーー!!何しようとしてくれてんのさ!この劇薬め!」

と、意識を取り戻した蓮輝のアッパーが、片平に超強烈炸裂です♪

「ホグゥ!!」

見事な一撃で、倒れる片平に向け

「僕のファーストキッスを奪うつもり!?絶対劇薬のアンタなんかに、奪わせるつもりは無いからね!この劇薬片平めがぁ!」

と、思わず衝撃事実を発表しちゃいました。

「フウーッフウーッ……」

息を荒くした蓮輝のカミングアウトに

「えっ……未だファースト…無し?…」

と、其々が驚いています。

「!!」

思わず自分の言った言葉に対し、隠していた事を知られて仕舞い、恥ずかしさで真っ赤になる蓮輝。

其れと同時に芽生える殺意。

「このバカ平ー!アンタの所為で、誰にも知られたくない事、皆んなにバレちゃったじゃん!如何責任取ってくれるのさ!このバカ平〜!こうなりゃアンタを殺して僕も死んでやる!」

などと泣きながら、片平の首を締め上げる蓮輝なのです。

ツカツカツカ…

“必殺!凰ピ〜〜ン!”

パチィーーン…

はい!見事、無事炸裂です♪

「ホギャア!………ポテ…」


ランラ〜ララ〜ランランラ〜…ラン〜ラ〜ララ〜ラ〜…♪


何処からとなく、悲しい調べが聞こえて来た…。

如何やら蓮輝に、お迎えが来たらしい…。

サヨナラ…蓮輝…。


「こんドアホッ!!何迫真の悪ふざけしてんだ!!シャレにならんわ!!ってかバカキュー!アンタも何ノリノリで、蓮輝の言う事聞いてんじゃねーよ!!こんな演出要らんわ!!」

ー ウヒッ! ー

しっかりと、“キュー”もこのバカ演出に、絡んでる事を指摘する凰哦。

「蓮輝…お前本気のデコピンお見舞いしてやろうか…?」

「イッ!?」

「其れとも、スペシャルハード調教コースが良いのか?」

マジ切れしている凰哦。

「何方が良い?…其れとも、両方ご希望なのかな?エッ?」

「あっ…いや…えっと…」

しどろもどろの蓮輝。

「其れと、おいバカキュー…。アンタにも、同じ事してやろう…。喜べ…この3択から好きなの選ばせてやるから…」

ー 嫌イヤイヤ〜!我関係無いもん!選ばないもん! ー

「関係無いだと?しっかりバカ演出手伝ってたじゃないか!何処が関係無いんだよ!」

ー あうぅ…。だっだってこの何様偉様がさ、我の力を幾つも奪ってるんだもの…。返して欲しければ、何様偉様を手伝えって脅してくるんだもの… ー

其れを聞いた凰哦達は、蓮輝の底無しの悪戯に、呆れ果てて仕舞う…。

其れは、神様も同じだったみたいで

ー 其の者よ構わん、この大うつけに全てを施せ…。余が許す故… ー

と、神様のお許しが出ちゃいました♪

「喜んで!仰せのままに!って事だ…。覚悟は良いな?」

ー ヒイィィ…勘弁、勘弁なのよね〜! ー

「ぼぼぼ僕も勘弁〜!!」

「フヘヘェ〜!其れは出来ん!さぁ観念しろよなぁ〜♪」

調教お仕置き夜叉様降臨です♪

凰ピンの素振りが、モノ凄い音を立ててます。

ボブシュッ!ボブシュッ!ボブシュッ!

其の音に、恐怖で声が出ない蓮輝と“キュー”。

「さて、デコピンはメインに置いといて、先ずは調教からだな…。鶴は千年、亀は万年と言うからな…。それじゃ手始めに、其々、千羽の鶴と万匹の亀を折り紙で折って貰うか…」

其う言うなり、携帯を取り出し

「………あっ私だ。済まないが、大至急折り紙を4万枚分、病院に届けてくれないか?其れも出来るだけ早くお願いしたいんだが…。悪いが宜しく頼むよ」

と、部下に連絡するのでした。

「よ、4万枚!?ちょっちょっと凰哦さん!其れ、計算間違ってない!?僕とこのバカ神キューの分合わせてもさ、2万2千枚何じゃないの!?」

既に“キュー”の事を、敬う必要無しと位置付けたのか、蓮輝も()()()呼び確定している様です。

ー ちょっと!もう少し敬ってよ!失礼にも程が有るよ!口の聞き方成って無いよ!本当、育ての親の顔が見たいよ!って、あはっ目の前に居るのよね〜♪ゲヘゲヘェ〜 ー

其の一言で、膝から崩れ落ちる凰哦。

「……おいバカキュー…言いたい事は言えたか?…ヨシ、良く理解した…。フフッ…其ういやぁ〜忘れてた…。アンタ凄い神様だったな…。其れじゃぁ、折り紙の枚数…倍に増やしても大丈夫だよなぁ〜フフフゥ〜…。アンタだけ、追加で発注しといてやるよ。あぁ其うそう、神様の力を使ってズルしようモンなら、更に倍増するから其のつもりで…」

カッ!!と見開いた目は、般若の面を彷彿されられます。

そして直ぐに、追加発注“倍で!”と伝えちゃいました。

ガタガタ震える蓮輝と“キュー”。

気を失ってる片平や隆志にキュー以外も、ガタガタ震えてます。

これぞ本来の凰哦なのだ!と、思えた瞬間。

「さぁ、調教開始!といこうじゃないか〜。就寝以外は完成する迄、退院させないからな。見張として就寝以外は、交代で監視してるから其のつもりで…。分かったな?蓮輝とバカキュー様…」

「はい…」

ー ハイなのね… ー

ってな訳で、早速スペシャルハード調教コース開始です。

面会可能時間ギリギリ迄、千羽の鶴と万匹の亀を折続けるのでした。

この日は時間も少なかった為、然程作ることが出来ず、翌日以降に持ち越しです。

翌日、此処にきて重大なミス発覚。

毎回調教時に、凰哦も同じ事をするのだが、超不器用な凰哦…何度やっても1つも完成出来ません。

蓮輝と“キュー”がやり遂げても、凰哦が出来無ければ、調教終了しない決まりなので、本人も周りも焦る始末…。

細かい作業が得意な蓮輝は3日で仕上げ、倍の枚数を課せられた“キュー”も、5日目で完了したのに対し、凰哦はやっと10…。

どれだけ不器用何だと思い知らされた一同。

これでは埒が開かないと今回限り、残りを全員で仕上げる事に成りました。

情け無く成る凰哦とは打って変わって、残りのモノ達は、案外楽しく過ごせたと思えていました。

お仕置きが未だ残っていたのですが、自分の不甲斐無さにより、残りのお仕置きは免除と成る筈でしたが

ー 怖いオジサン、不器用過ぎ〜。笑える… ー

と、余計な一言を言った“キュー”に対しては

「このヤロ〜…折角赦してやったのになぁ…。おいバカキュー!アンタだけお仕置き執行だー!歯ぁー喰いしばれ!!」

ー な、何でぇ〜〜〜!! ー

「喧し!喰らえ!」

バチコーーン!バチコーーン!バッチコーーーン!!

特大含め、計3発の凰ピンを喰らう羽目に成りました。

ー イギャアー!なのねー!…っウ〜〜!我生きてきた中で、こんなに痛いの嫌なの初めてよ!この横暴哦(おうぼうが)オヤジー!! ー

ありゃ、遂には“キュー”迄、名前弄り始めちゃいました。

其れに反応した者2名、蓮輝と片平が大笑いし

「アッハハ!そ、其れウケる〜!凰哦さんにピッタリ〜♡」

「アッハハハハハ!ブフッ…ブフフヘヘヘヘ…キュー様、アンタなかなか良いセンスしてんじゃねぇ〜?其れ最高〜♪」

これにより、カッパ1名と追加2名の、凰ピンオーダー入りました〜。

喜んで〜!と、オーダー通りに炸裂です。

激音を立てて喰らう凰ピンで、意識を吹き飛ばされ、川の字でピクピクする3人。

「懲りないねぇ…」

「ですわね…貴方…」

正樹と美砂の一言。

「ったくバカな人達ね…」

落胆する仲上。

「自由だ…」

呆れる隆志。

ボブシュッボブシュッボブシュッ…

最高の一撃を喰らわす為、修羅の笑みをしながら、素振りをする凰哦。

「よし、調教とお仕置きは完了したから、後は主治医の許可を得て退院だな。皆んな、今日は此処で解散!各自家に帰って、明日孤児院に集合!蓮輝、無事退院出来たら、お前はタクシーで帰って来なさい。隆志とキュー、そろそろ家に帰るぞ〜。父さんも母さんも自宅に1度帰って下さい。長らく家を空けてますから…」

凰哦の指示で、其々が一旦自宅へと戻るのでした。

帰宅後…。

「なかなかハードな1日だったよね…。疲れてない?凰哦…」

ゲッソリした顔の凰哦に、隆志が心配して聞く。

「疲れたに決まってるだろ!?あのバカ共!特に蓮輝のヤロー…好き放題しやがって〜…。心身共に擦り減るわ!俺の寿命が無くなるわ!ったく…。でも隆志、ありがとうな…。お前のおかげで少しは気が楽に成ったよ。其の何気ない言葉、助かるわ…ありがとうな〜」

「いや別に大した事はしてないよ?唯、凰哦の気持ちが少しでも楽に成ってくれてたなら、良かったと思えるから、僕も嬉しいしね〜」

「ははっ…本当お前って奴は、真っ直ぐ純粋何だなぁ〜…。ん?あれ?隆志、お前…元の隆志に戻って来てる?何だか、蓮輝の面影がかなり薄れてる気がするぞ?」

今の隆志の気遣いで、何気に其うだと思った。

「えっ?…其うかな…?」

凰哦の指摘に、余りピンと来ないのだが、隆志も凰哦の様子を見て

「其う言えばさ、凰哦も以前の凰哦に戻ってるよね?呼び捨てする前の凰哦さんって感じ?」

「さん付けヤメロ〜!頼むよ呼び捨て〜!って其うかぁ?」

「ん?あっ違うかも…」

「っておい!」

「あっいやだってさ、頼り甲斐とか、振る舞いは前の大人な凰哦だけどね、ちょっとおチャラ気度合いは、其のままって感じ?だもの…」

「あっいやコレは…」

「えっ…もしかして、其れが素の凰哦なの?」

「………ある意味其うだが、お前の前だけが多いと思うぞ?…うっ…言ってて恥ずかしっ!」

「……其れ聞かされた僕も恥ずいんだけど…。でもそっかぁ〜、付加された蓮輝君の影響は、消えたみたいだね。ある意味良かったよね…」

「ある意味って如何言う事だ!?まるで蓮輝の付加が無いといけないってのか!?」

隆志の言葉に、少し苛付く凰哦。

「あっ其うじゃ無くて、蓮輝君の呟癖も無くなった訳でしょ?寡黙な大人の凰哦に戻れて良かったって言いたかった訳。大企業の社長でもあるし、何より言いたく無い、聞かれたく無いのもさ、コレで安心出来るってもんでしょ?」

何時もの優しい顔で、隆志が言った言葉に、成る程と感心する凰哦。

「流石だな!隆志、お前って奴は。やっぱり俺の味方だわ…。コレからも其のままのお前で居てくれよ?マジ頼むからさ…」

「了解。まぁ前にも言ったけど、僕は凰哦の心を守るって約束、絶対破らないから…。だから辛くなる前に、僕には弱音を吐いてよね?じゃ無きゃ、僕のするべき事出来無いから…」

「?…するべき事?何だ其れ?」

「まぁ深く考え無くても良いから良いから〜」

何て、はぐらかす隆志。

「なっ!またお前!はぐら…」

不審不審不審者♪不審不審不審者♪不審不審不審者♪

ピンポーーンピンポーーンピンポーーン…

片平の着信音と同時に、自宅のチャイムが鳴る。

不審不審不審者♪不審不審不審者♪不審不審不審者♪

ピンポンピンポンピンポーーン!

「ねぇ、其の着信音ってさ、片平さんのでしょ…?其れに…このチャイム…出ないの?…」

鳴る着信音とチャイムを無視続ける凰哦に、隆志が聞く。

「………出たく無い…」

「ハア!?何で出たく無いんだよ!?着信音と同時にチャイムって、如何考えても緊急事態何じゃないの!?…あっさては、あの人に何かしたんだね?其うでしょ?」

少し険しい顔付きで、凰哦を問いただす隆志。

「あっ…いや…まぁ…」

「出ないなら、僕が代わりに出るよ。良いよね?」

「あっ!ちょっ…」

電話とインターホンに出ようとする隆志を阻止しようとするのだが、其れを振り切り

「もしもし?片平さんですか?如何したんです?電話とチャイム迄鳴らして…」

と、強制的に出ちゃいました。

「隆志ー!其処に凰凰居るのか!?居るんだろ!代わってくれよ!俺ちゃま聞かなきゃいけない事有るんだよ!家に入れてくれよ!」

今迄感じた事が無い程の焦り様に、一体何をしたのかと思う隆志。

「ちょっと待って下さい、今本人に何をしたのか問い詰めますから。其の間に、少し落ち着かせて下さい。良いですか?」

「……分かった。でも俺ちゃま、長くは持たないと思うからさ、早めにヨロシク…」

「はい…」

其う言って、電話とインターホンのスイッチを切る。

「…で?一体何しでかしたのさ、凰哦?」

問い詰める為、抓りのポーズをすると

「言うから!言うから其の抓りのポーズで脅すな!」

と、素直にお答え姿勢でスタンバイ。

尻尾と耳をキュッと下げ

「解雇通知出しました」

「………エッ?……」

「多分、其れの事だと思う…」

「……ハアッ?エッ!?其れ…マジで言ってる?」

「マジ…」

「〜〜〜〜!!」

言葉を失う隆志。

一呼吸の間を置き、片平に電話をする。

「もしもし!隆志!凰凰は如何した!?何て言ってるんだ!?」

「……あ〜あのですね、今日はもぅ遅いので、明日…明日話し合おうって言ってます。なので一旦孤児院に戻ってくれますか?じゃないと、色々証人が必要な案件なので…」

「いやいや今此処で話さなきゃダメだろ!俺ちゃま納得出来ねぇ〜よ!」

「だから尚更です。青柳夫妻や仲上さんも一緒に話さないといけないでしょ?何故そうなったのかや、色々と証人必要だと思いますが…?」

「……だな…。分かったわ、隆志の言う通りに今日は帰る。其れと、凰凰に言っといてくれ。キチンと説明しろよとな!そんじゃヨロシク!マジヨロシク!!」

其の後直ぐ、遠くから“何故だーー!”の叫びが聞こえて来た…。

「で、何故なの!?」

「…其れは明日説明するよ…。でも上手く追っ払ってくれてありがとうな〜。流石隆志〜!面倒事はお前に任せるのが1番だよな〜。これからもお願いするな〜♪」

プチッ…

「ギャイッ!」

マルっと面倒事丸投げの凰哦に、怒りを覚えた隆志は、お仕置きの抓りを怨念上乗せし、繰り出しました。

実はこの怨念上乗せの抓りが、隆志の抓りを強力にさせているのです。

なので、怨念が強く成れば成る程、抓る力が増大するのです。

更に言えば、怨念が込もってる分振り解く事が出来ず、“キュー”にも絶大な効果が有るのです。

「何を怒って…」

ギューーーッ!

「ウギャアァーーーッ!ゴメン!マジゴメン!許してくらさい…」

「本当、これから先も同じ丸投げするなら、凰哦を見捨ててやるからね!蓮輝君じゃないけどさ、こんな子供な大人だとは思わなかったよ!もっとしっかりした憧れの凰哦で居てよ!」

「…あい…済みません…」

「明日しっかり説明してよね!?ちゃんと出来る!?」

「…はい…します…」

「ったく!…それじゃ明日!お休み!」

「……お休み…」

とまぁ隆志の説教で、この日は終わりました。

グッモーニ〜ング!ってな訳で、目覚めの悪い朝がやって来ました。

隆志にオドオドしながらも朝食など済ませ、朝一に孤児院へ→GO!

孤児院へ着くなり

「待ってたぞ凰凰さんよオ〜ゥ!?今直ぐコレの説明して貰おうじゃねぇ〜か!オウオウオウ〜!!」

と、解雇通知の紙をパンパン叩く片平。

「ウッ…そ…其れについては今はノーコメント!先ずは全員が集まってからだ!」

語尾を強く言う事で、主導権を握らせない様にするのだが

「青さん夫妻には既に来て貰ってるさ!勿論河橋の大将にもな!」

「はあ!?アイツ未だ病院なんじゃないのか?何故退院している!?」

「昨日のうちに連絡して、“オモロ”って昨夜には退院してたぞ?江田院長にもちゃんと許可貰ったって言ってな!ほら、退院許可証も此処に有るぞ!」

凰哦を黙らせる為に、わざわざ直接江田院長に迄許可を得る、蓮輝の執念。

全て“オモロ”い事を楽しむ為なのだ…。

凰哦の肩にポンと手を置き

「観念してサッサと終わらそ?じゃないと、約1名何をしでかすか分からないからね…」

と、隆志が諦めろと諭す。

「くっ…あのバカ…。分かった、キチンと説明するか…」

観念して説明をする事にした凰哦。

「手早く簡潔に話します。テメェー人の事おちょくりやがって!そんな人材は要らん!即解雇だ!…ってのが理由です…」

「「「…………」」」

「ハア!?なっ!マジたった其れだけの理由なのかよ!?マジか!?」

「マジだ!」

「なっ…大人気ない、子供染みた理由で…」

其れ以上言葉が出て来ない片平。

凰哦も子供染みてると思っていた為、説明するのが億劫に成っていたみたいです。

「そんな訳で片平さん、アンタはクビ!以上!不服や文句は一切受け付けません!コレ決定事項!」

苦情は聞きません!と宣言したものの、蓮輝と隆志を除く者達からは

「おいおいおーい!待てまてまて、ちょい待ってくれよ!俺ちゃまと凰凰の仲じゃん!唯の戯れ合いじゃんよ!?」

「其うよ篠瀬さん!アレくらいは、広い心で受け止めてるって思ってたわ。其れ勘違いなの!?」

片平と仲上が言う。

「凰君、私もちょっと其れは、酷いかと思うのだが…」

「其うですよね〜…。何時もの寛大な凰さんなら、笑って済ませていたと思うのだけれど…」

正樹と美砂も、反対意見らしい…。

其の中で唯1人、大笑いしているのは勿論、天邪ッキー蓮輝です。

「ギャハハッ笑える〜!オモロ〜!いや〜シャバは良いよね〜ん♡オモロが満載♡アハハハハハッ」

お腹を抱えて笑っていた其の時

ガラッカツカツカツ…

孤児院の玄関から、誰かが土足のまま入って来た。

音から察するに、ヒールの足音の様だ。

其の音が蓮輝に近づいた途端…

パチィーーン!

「ホブシュッ!」

思いっ切り平手打ちをされる蓮輝。

「イッター…いきなり何するんだよ!誰だよアンタは!」

涙目に成りながら、叩いた人物を見る蓮輝。

其処には派手な装いの若い女性が立っていた。

「何するんだよじゃ無いわよ!アンタ人の親に向かって、馬鹿にした感じで笑うだなんて、誰が許せるっての!?未だ人をコケにするのなら、何発もグーで殴ってやるわよ!目〜潰すわよ!」

と、何とも気の強い女性に叱られました。

この時、誰もが“人の親?”と思ったのだが、何故か蓮輝だけは

「…好き…メッチャタイプ…。僕のタイプ…好き…」

と、違うベクトルへと向かってます。

「「「!?…ハア!?」」」

蓮輝の告白と取れる呟癖に、全員が思考停止しちゃいました。

修羅場に成る筈だったのに、一瞬で、蓮輝の初恋物語が始まろうとしています。

以上、現場からお伝えしました…。

もぅお分かりでしょうか?

何に謝っていたのかを…。

サブタイトル引き継ぐ事が決定!してしまいました…。

予定は未定…良い言葉です♪

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