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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れの準備
49/65

VS!

読者の方なら、あるキャラをメインに書き進めているのが、分かってくれてると思ってます。

この先の展開に、如何してもこのキャラが、必要だと思って書いてます。

そんな含めた感じを醸しながら、本編を如何ぞ〜。

“キュー”を創ったと思われるモノの声を聞き、神の持つ霊的エネルギーとでも言えば良いのかは、分からないのだが、超越した其の力の影響で、様々な苦痛を引き起こす凰哦達。

唯、ほんの僅かな言葉を語っただけなのに、悲鳴を上げて、のたうち回り其うに成る程の酷い苦痛。

今迄、経験した事の無い苦痛だった。

其の上、苦痛を齎らすモノに従順で、平伏さねばいけないとも、思えたのだ…。

“キュー”が慌てて其のモノを制御し、其れ以上の苦痛を受ける事は無く、自分の行いで苦しませたと、謝罪と罪滅ぼしの癒しを施してくれた。

キューと出会い、この世に物怪や架空の生物が居るだけでも驚いたのに、カッパの神様の“キュー”だけでは無く、更に“キュー”を創りし神、創造神が居る事にも驚愕していた。

其れだけで充分満足し、腹一杯に成っていたのに、神の及ぼす力の片鱗を直に受け、神とは畏れ慄くモノなのだと、改めて思えた…。

ほんの少し声を聞いただけで、あれ程の苦痛を味わった凰哦達は、神様が本気を出したなら、地上の全てのモノが、消滅してもおかしくは無いだろうとさへ、思えて仕舞う。

でもこの神様は、決っしてそんな愚行をする悪神には、成ら無いとも思ったのだ。

何故なら、神様に傷付けられた者達の古い傷や痛み迄も、まるで無かったかの様に、癒してくれたのだ。

詫びる神に対し、感謝の気持ちしかない凰哦達。

なのに唯1人だけ、無反応の隆志。

隆志なら、施しを受けたのなら、心からの感謝を必ず言う筈なのに、何のリアクションもしないのはおかしいと、脳内に映された隆志の姿を見た凰哦は、未だ青褪めたまま、グッタリとして動か無い隆志の異変に、やっと気付くのだった。

呼び掛けても返事は無い。

何度呼んでも、返事は無い…。

其れ所か、ベッドの傍に吐き戻して仕舞う。

其のまま返答をしない隆志に、神様との遣り取りの紙で問う神様。

其の問いは、隆志1人が凰哦達の身代わりに、神の声に込められた力を其の身に受けたのかと聞かれ、最後の力を振り絞って頷き、意識を失うのだった…。

其の事を知った凰哦達は、“何故何時も、自分だけを犠牲にするんだ!?”と隆志の下へと駆け寄ると、今度は“キュー”からの会話の紙に、隆志が犠牲に成らなかったら、全員が神様の強さにあてられて、廃人に成っていたと言うのだ。

祟り神所か、守り神以外の何モノでもないとさへ、思う一同。

でも、自己犠牲で救われたいとは、誰1人として思わなかった…。

此処迄無償の慈愛を持つ隆志に、心打たれた神様は、どんな願いでも1つだけ叶えると言ってくれた…。

更に“キュー”も、食い逃げの償いを含め旅が終わる迄、蓮輝の体を蝕む痛みや進行をキューの加護により、抑えてくれる事に成ったのだ。

其れも皆、隆志が齎した奇跡だと言えるだろう…。

未だ、“キュー”の加護によって付加された、念話状態の正樹達は部屋を後にし、キューと子供達が帰宅する前に、夕食やお風呂などの準備に取り掛かる。

凰哦は、隆志の看病を任された。

「凰君、彼が目を覚ましたなら、しっかりと叱って上げておくれよ?私達が叱ろうとしても、君程上手に怒れないからね。隆志君には、何故怒られているのかを心から、真剣に理解して貰いたいからね…。君の言葉には、言葉の意味と心を理解させる力が有るからね」

正樹が其う言うと、美砂達も“其うだ”と柔らかい笑顔で頷いてくれる。

片平めだけが

「人の上に立つ者が其うじゃ無きゃ、無能過ぎて笑えるぜ…。其れが出来無い様じゃ、信用と信頼されねぇ〜しよ、会社なんて直ぐ潰れちまうだろうよ。其の点凰凰はさ、素で出来てるから尚更笑える…ブフッ本当凄ぇ〜よアンタは…アッハハハハハハハハ〜!……んっ?おぉう?ありゃ?咳が出ねぇ…。ゥォオオオゥ!マジかぁー!?咳迄治ったぜ!?神様半端ねぇ〜!ヨッシャァー!お礼に美味いお供えタップリ作るんで、遠慮無く食べてくれよなぁ〜!ありがとさんだぜ、神様〜!さぁ〜て、気合い入れっかぁ!ブアッハハハハッ」

長年苦しんだ腰痛と、笑うと必ず咳き込む気管支の疾患迄もが、神様の癒しにより治されていたみたいで、超ご機嫌な片平めが、何時も以上に気合を入れている。

が…

ー 余は、現世のモノは食べれぬ…。気持ちだけで良い… ー

と紙に書かれて、見事に断られるのだ…。

其の後直ぐ、小さな文字で

ー もぅ嘘吐き… ー

と、“キュー”の紙に、一瞬書かれていた。

其れを見逃さ無い片平め以外の者達は、胡散臭いオッさんが作るモノ何て、要らぬと思ったに違い無いと感じた…。

其れなのに

「そんな事言わねぇ〜で、受けた恩は倍にして返さなきゃ、俺の気が済まねぇよ〜。なぁ神様さんよ〜、食い物がダメなら、他のモノでも良いからさ、何が良いか教えてくれよ〜?頼むよ〜!アンタと俺の仲じゃないか〜…」

恐れを知らないのか神様に向かって、タメ口所か、既に親しい仲だと位置付けしている様だ。

ちょっとでも怒らせてはいけない存在に、ズケズケと言える、怖いモノ知らずなその精神に、愕然とする凰哦達。

愕然とすると同時に、蓮輝の図太さを強く感じ、片平めには、蓮輝の悪い部分が多く残っているとも思えた。

「アンタ、神様に対して何ズケズケ言ってんだよ!バカヤロー!隆志が目覚めたら、アンタだけ祟って貰うからな!」

“其うだ!其うだぁー!”と仲上も含め、ブーイングされる片平め。

「なな、何でよ!?コレだけ意思疎通出来てんじゃん!其れって既に仲良しこよしのダチだろ?」

「アホか!如何したら其う成る!?怖いわ!相手は敬う存在だろが!本当、アンタの思考力はバグってるのかよ!マジ勘弁してくれよ!」

自分達と片平め(あほ)は違うと、神様に分かって貰う為に、予防線を張る凰哦。

滅するなら、如何か片平め(あほ)だけにしてくれと、神様にアピールするのだった。

「俺ちゃまバグってねぇから!オツム堅過ぎだぜ凰凰よー!」

「何だと〜!アンタが柔軟過ぎんだよ!このゼリー頭のバクバカが!」

ギャーギャワーワー騒ぐものだから

「喧し!うっさい!未だ騒ぐなら、全員呪って喋れ無い様にしますよ!」

隆志の脅迫怒声が飛び交い、一斉に黙り込む。

「起きても大丈夫なのか?隆志…」

「…正直未だムリ…。唯、後ちょっと騒いでたらさ、神様の機嫌が悪く成るってキュー様が教えてくれて、少し回復したから、黙らせる為にちょっと力を使っただけ何だけど、これ以上は話すのも辛い感じ?…かな…」

「おまっ…」

「ゴメン、凰哦のお叱りは、後でしっかり聞くからさ、もうちょっとだけ休ませて貰うよ…ウッウェェ…」

「隆志!!」

息をするのも辛そうに話していたと思いきや、またもやベッドの傍に吐き戻し、気を失う隆志。

また隆志に無理をさせたと其々が、隆志の部屋に集まり、悲壮な表情で隆志を見つめ、心の中で詫びるのだった。

(((如何して此処迄、自分を犠牲にして助けられる[の]…)))

誰もが、何度も繰り返す隆志の自己犠牲を伴う無償の愛情に、感謝よりも煩悶するのだ…。

何も言え無い凰哦達なのだが

「ブアッハハハハハッ!」

何時も以上に、大きく笑う片平め。

「!?お、おい!何わら」

「ふざけるなぁ隆志!!オメー本気で守り神にでも成った気でいるのかよ!俺達より若いお前が、何故此処迄犠牲に成れるんだよ!?こんな短時間に何度も繰り返して、そんな状態に成って迄、俺達は助かりたいとは思わねーよ!嬉しくなんか成らねーよ!其れくらい分かってんだろうが!!笑えねー事するんじゃねぇー!!」

初めて見る、片平めの憤慨。

始めに何時も以上に笑うものだから、何笑ってるんだとキレ其うに成った凰哦だったが、意外な者からの憤怒に驚いて仕舞う…。

何時もなら、凰哦が真っ先に言い其うな言葉を、片平めが言うとは思ってもいなかった…。

だからか唖然として仕舞い、片平めがツカツカと隆志に近寄り、握り拳を振り上げている事に気付かない。

「バッカヤロ…そんなに俺達は頼り無いのかよ…。この大バカヤローが…」

振り上げていた握り拳は小刻みに震えていて、悔しそうに唇を噛み締め

「俺のお仕置きは痛てーぞ…覚悟しろよ?」

この時初めて、片平めが隆志を殴ろうとしてる事に、気付く凰哦達。

「あっ!ちょっ…」

気を失ってる者に、何をするんだと止めようとしたのだが、其れは間に合わず、片平めの拳は勢い良く振り下ろされる。

…が、コツンと軽く頭を小突き、気を失ってる隆志を労る様に、そっと頭を撫で

「お前は俺の中でも、此処に居る皆んなの中でも断トツによ、守ってやりたいと思ってる存在何だぜ?其れなのに、こぅ何度もお前に守られてちゃ、俺達の立場がねぇ〜じゃねぇよ…。頼むから俺達にも、隆志と子供達を守らせてくれよな…」

溢れ其うな涙を堪えて言う姿に、誰もが感じ思った事は、“其れ、マジで言ってる?”だった。

其れ程、普段の言動から掛け離れた、片平めの真剣な姿だった。

「神様かキュー様にお願い何だが、今、俺の取った行動をコイツに、夢で見させてくれないか?もう1度、同じ事するの…小っ恥ずかしいからよ…。対価は支払えねぇけど、如何かお願い聞いちゃくれねぇかな…。俺達の思いを知って欲しいからよ…」

静かに頭を下げ、神様と“キュー”にお願いする片平め。

すると、“キュー”の紙に文字が浮かび上がる。

ー 其れくらいの願いなら、我が叶えて上げるよ〜。この方と違って食事は我出来るから、ちょっと美味しいモノ作ってくれたら、今回だけ特別叶えて上げるよ。ねぇ良いでしょ?大神様(おおきみさま)

“キュー”が神様に尋ねると

ー ○ ー

とだけ書かれていた。

神様の了承も得られ、片平めの予定外の願いを叶える“キュー”。

ー 今隆志に見せてるからね〜、安心してよね〜 ー

紙に其う書かれた事で、安堵する片平めは

「お2人さん、本当色々と済まねぇな…。ありがとよ、恩にきるぜ…。其れじゃ後は宜しく!俺ちゃま、お子ちゃん達の飯と、キュー様の供えモンを作ってくるわ…」

其う言って、部屋を出て行く。

其れに続き、正樹達も

「今度こそ彼を頼むよ、私達も自分の仕事に戻るから…」

凰哦に隆志の事を任せ、部屋を後にした。

“キュー”も

ー 我も疲れたから、此処でさいならしておくのよね〜。さいならするけど、ちゃんと隆志を見てるから安心してよね〜。其れじゃ〜… ー

其の言葉の文字が消えると同時に“キュー”の気配も消え、静かに眠る隆志と、何度も続く騒動に疲れた顔をした凰哦のみに成った。

あれ程、ギャーギャ・ワイワイ・バタバタしていたのが嘘の様に、静まり返った部屋で凰哦1人、気を失った隆志の体調が悪化した時に、直ぐ対応出来る様見守りながら、物思いに更けて行く。

(此処最近の言動でスッカリ忘れていたが、其ういやあの人って、義理堅くて正義感の強い人だったよな…。まぁ其れが強過ぎて、世話好きでグイグイ押し付けて来てたがな…。でも初めて見たよな…本気で怒る所を…。フッ少しだけ、見直したよ。本当、意外しか出て来ないなぁ…。仲上さんもきっと、あの人のそんな所に惚れたのかもな…フフッ…)

隆志の様子を見守りながら、そんな事をアレコレ考えていたら、キューと子供達が帰宅し、男女別に造られたお風呂に、正樹と美砂が付き添って入浴し、何時も以上に気合を入れて作られた豪華な食事に、美味しいの輪唱が奏でられ、食事に満足したキューと子供達は、遊び疲れも手伝ってか、早々に就寝して仕舞う。

其の間も目を覚さない隆志。

食事の時だけ交代して貰い、一睡もせず朝を迎えた。

「………未だ起きんのか……」

一晩、隆志の様子を見ていた凰哦に、食事の用意が出来たと言いに、美砂がやって来た。

「凰さ〜ん、朝食の用意が出来ましたよ〜。起きてフヒャッ!」

ドアを開けながら声を掛けた美砂が、凰哦の顔を見て驚く。

「あっ美砂母さん、おはようございます…。朝食ですか、分かりました…」

生気を全く感じ無いボロボロの姿の凰哦に、分かったと答えられても、何が分かったのか頭に入って来ない美砂…。

其れ程、無惨でボロボロ状態に成っていた凰哦に

「ね、ねぇ凰さん…たった一晩で、何が有ったの…?髪はボサボサ、心なしかやつれてる様にも見えるし、何より目が…死んでるわよ?…」

美砂の質問に、“あっ”と、自分の身なりに気付く凰哦。

「あっいや其の…何と言うか、まぁ色々有りまして…。詳しく聞きたいですか?」

引きつった笑いを浮かべる凰哦に、聞か無い方が良いだろうと、聞けばきっと長い話に成ると思った美砂。

「聞きたいとは思うけど、今は止めておくわね。凰さんにしたら、聞いて欲しいかも知れないけれど、先ずはお腹にモノを入れないとね…。食べ終えて、軽くで良いからシャワーでも浴びて、スッキリして来なさい。其れから話を聞きますし、其れ迄私が隆志君を見てるから…ね?」

「はい、其うさせて頂きます…。済いませんが、少しの間お願いしますね。宜しくお願いします、美砂母さん…」

「はいはい…」

ヘロヘロな足取りで、フラフラと部屋を後にする姿に、一体何が有ったのか、本当に大丈夫なのかと、心配に成る美砂でした。

食堂に着く成り、凰哦の姿にギョッとする一同。

無言で席に着き、手早く食べ終え風呂場に向かう凰哦に、誰も何も言えず、唯見送るしか出来無い一同。

フラフラ出て行く後ろ姿を見ながら、コソコソヒソヒソと、“如何したのか”とか、“大丈夫なのか”と言い合うが、誰1人として聞く事が出来無いでいた。

一通りの事を済ませた凰哦が戻り、少し回復した姿を見て安心する美砂。

「お待たせしました、ありがとうございます。では交代しますから、美砂母さんはキューと子供達の世話をお願いしますね…」

「キューちゃんと子供達の事は、全然構わないけど、交代するって、貴方こそ休まなくて大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ、ありがとうございます。若い時程では有りませんが、仕事で何徹もする事を思えば、未だ楽なもんですから」

「其う?本当に?」

「えぇ」

「…分かったわ、其う言う事にしておくわね。でも無理しないでね?貴方迄、彼の様に成ってはダメよ?良い?」

「は、はい…」

「で、昨夜何が有ったの?さっきから気に成って気に成ってしょうが無かったのよ〜♪」

何故か目をキラキラ輝かせ、楽しそうでワクワクしている美砂に、若干引いて仕舞う凰哦。

(こんな母さん見た事無かったよ…。まぁ多分、俺絡みの出来事には、何かしら必ず面白要素が有ると思ってるからだろうけどな…。其れだったなら、俺の存在って一体…あぁ悲しい…)

今凰哦が思った事は正に其の通りで、凰哦=面白いが成立していた。

出来る男の筈なのに、不思議と変なモノを引き寄せ、トラブルに見舞われる性質の持ち主の様だ。

其の事に気付いた美砂達にとって、目の前の娯楽メーカーでも在る凰哦の出来事は、是が非でも逃したく無い楽しみなのだ。

哀れ凰哦…。

で?で?で?の圧力に

「…実は、夜中何度か、隆志が目を覚まし其うに成って、側に寄って何度も目を開くのを待ってましたら、全然目を覚さなかったんですよ…。其の度に椅子に座っては確かめを何十回も繰り返してましたら、あっこれ、絶対キュー様に揶揄われてるなって、ふと思ったんですよ…」

段々険しい表情に成る凰哦。

「其れから直ぐ机の上の紙を手に取って、隆志の様子を見てましたら、目を覚ましそうな仕草をした時、小さな文字でゲヘゲヘと書かれてまして、やはりな…って成りましてね、ムカ付いたんで紙を指で(はた)いたんですよ…。まさか、其のダメージが直接キュー様に与えるとは思っても無かったモノで、痛いと書かれた時、思わず連発でバシバシしてましたら、キュー様の見えない反撃をされたので、其処からは、お互い朝迄攻防を繰り広げてました…」

良い大人が寝てる者の直ぐ側で、ドタバタとドンチャン騒ぎをしてたのかと思うと、情け無く成る美砂。

「辛くて眠ってる隆志君の側で、よくもまぁバカ騒ぎしちゃって…。凰さんって思ってたより、未だまだ子供なのね…」

追求して迄聞く話じゃ無かったと、冷ややかな目で溜め息を吐く美砂。

「もう少しだけ、素敵な大人に成って頂戴ね、凰さん…」

其う言い残し、部屋を出て行く美砂でした…。

美砂が出て行った後、恥ずかしさの余り、膝から崩れ落ちる凰哦。

そしてある決意を固める。

(こうなりゃ意地だ!今日も隆志を回復する迄の退屈しのぎに、如何せまたチョッカイして来る筈。隆志が回復して起きる迄、一睡もせずに相手してやるからな!何方が先にヘバルか勝負だ!)

メラメラと闘志を燃やす凰哦。

美砂から言われた忠告は、凰哦には響いていないみたいだ。

そして、意味の無い無益な闘いを昼夜繰り広げられる。

隆志がようやく目を覚ましたのは、バカな決意をした日から3日。

其の間、食事やお風呂にトイレ以外は、“キュー”との攻防を続けていたのには、別の理由が有った。

隆志を1番に叱り付けるのは、自分の役目だと、他の誰にも譲るつもりは無いと言う思いが有った。

何度も襲う眠気に抗うには、キューとの無益な攻防が打って付けだと判断。

良くやるよ…と、冷めた目で見る正樹達の視線に気付いてはいたが、眠気と疲労でハイテンションに成り、“フヘヘヘヘェ〜”とバーサーカモード発動。

この時既に、誰の目も、全く気にも成らない凰哦だったのです。

ずっと続けている攻防に、初めは呆れて見ていた正樹達だったが、段々と面白く楽しく成り、冷たい目→生温い目→期待の目→笑いの目へと変化し、気付けば、食事をしながら観戦していた。

“キュー”が、隆志の容態を全て管理していたので、心置き無く2人の攻防戦を堪能出来ていた。

ボロボロに成り、疲労困ぱいでヘロヘロの凰哦は、既に気力と根性と意地だけで動いていたのだが、何処からともなく試合終了の鐘が鳴り響く。

鐘の音で我に返り、隆志が目覚めた事に気付く。

「…2人、何してんの…?」

隆志のお目覚め第一声に、何だかムカ付く凰哦だったのだが

「お前…今頃起き…」

此処で力尽き、白目を剥いて、ピクピクしながら気を失うのでした…。

凰哦の傍に、薄っすらと見える“キュー”の姿も在り、“キュー”もピクピクさせ、気を失っているみたいだ…。

ー この大うつけモノが ー

其う紙に文字が書かれ、“キュー”を回収する神様。

ー 騒がせた…。このモノには、後でキツく懲らしめておく故、余達は此処迄じゃ…。ではな… ー

回収された“キュー”の無事を祈り、目の前の屍に

「このまま放置しておこう」

と、正樹の言葉に頷く一同。

今迄の正樹達だったなら介抱していたのに、今回は放置で一致団結したのには理由が有り、気が付いた時の凰哦の反応が見たいだけだったからだ。

「蓮ちゃんがよく言ってた、凰さんの事オモロって、最近身に染みて理解出来るわ〜」

「本当其うだね。凰君には悪いが、彼が巻き起こすトラブルが、こんなにも愉快だなんて思わないからね…。リアクションも楽しいから、見てて飽きないよ」

「ですよね〜。大企業の社長さんが、まさかこんな一面持ってるだなんて、誰も思わないでしょうからね〜。お堅い人のイメージ、今は全く感じませんもの…」

美砂と正樹に仲上が、楽しく毒を吐く。

「皆さん、1つ忠告しますが、未だキュー様の加護で付加された念話、消えては無いって事を…。其の意味分かります?意識無くても、凰哦には聞かれている事をね…」

隆志の忠告に、ビクッと成る正樹達。

恐るおそる凰哦を見ると、気を失っているのに、怒りマークを沢山貼り付けていた。

「おやおやこのままじゃ、風邪を引いて仕舞いそうだね、せめて布団を用意しないとね…」

「ですよね貴方…。動かすには凰さん重いから、此処でお布団用意して、寝かせても良いかしら?ねぇ隆志君?…」

「あっ私、綺麗なシーツ持って来ますね〜」

取り繕う様に、慌てて部屋を出て行く3人。

まぁコレも、何時もの事だと思う隆志。

「本当、俺達自由だよなぁ〜。これだけ其々がよ、好き勝手に出来るのも、互いが互いを信用してるからだろうな…」

此処に来て、出来た大人の発言を連発する片平めに、不信感を拭えない隆志なのだが

「片平さんの想い、夢でみました。キュー様が、今から見せる夢は、貴方と皆んなの想いだからと言って、エンドレスリピートで何度も見せられましたよ…。おかげで僕の心に、しっかりと刻む事が出来ました…。ありがとうございますね、片平さん」

真っ直ぐ素直に言うモノだから、言われ慣れていない片平めが顔を真っ赤にし、照れくさそうに頭を掻きながら

「お、おぅよ!俺達の気持ちを分かってくれりゃ〜良いからよ、今後はちゃんと頼ってくれよ?良いか?マジで頼むぜ?」

「はい、今後は頼らせて頂きますね」

「あっ後さ、ちゃ〜んと最後に『め』を付けて呼んでくれよ〜!片平めか、平めの何方かで呼んでくれよなぁ〜」

「全力で拒否します!」

「なっ!そんなツレねぇ事言わないで、呼んどくれよ〜ん…」

「全身全霊、魂の根源から拒否します!」

「マ…」

完全拒否だと、強く意思表示をされた片平めは、これ以上の説得は無理だと諦める事にした…。

「所で聞きたいのですが、僕が目を覚ます迄、何時間程でした?かなりスッキリしてるから…10時間は超えてます?」

完全に思い違いをしている隆志の問いに、呆れる片平め。

「10時間所か3日間意識を失ってたんだぜ?其の間、キュー様がお前さんの容態を管理してくれてたから、俺達はスッゲー楽出来たけどよ、3日間も意識を戻せない程、お前さんは無茶したんだ…。ちゃんとしたお叱りは、其処の屍凰凰にして貰うからよ、凰凰が目覚める迄付き添ってやってくれよな?OK?」

3日間!?と言い其うに成ったのだが、珍しく険しい顔をしていたから、何も言え無かった。

「ご迷惑をお掛けしました…済いません…。凰哦の事は任せて下さい。あっ其うだ、僕が眠ってる間に蓮輝君と今後の事とか、色々と相談しました?」

「おいおいおい、そんな訳ね〜だろ?お前さんが居なきゃ、物怪とかの対応や、其の他諸々とアドバイスして貰わなきゃ、この先如何して良いかも分からねぇからな…」

「あっ…凄く納得しました…」

「まぁ其う言うこった。今日は無理だが、明日にはあの大将ん所に行こうや。何日も放ったらかしで、大将も退屈してるだろうし、拗ねてるだろうからな〜。まぁ美味いもん持ってけば、少しは機嫌も良く成るだろう!其う言う事だから、明日に備えてもう暫く体を休めとけよ〜。それじゃ俺、色々と下準備しに行くわ〜」

何時もとは違う、大人の背を見せ付けて部屋を出て行く片平め。

部屋の外では、真面目な片平めの邪魔をしてはいけないと、正樹達が待機していた。

入れ違いで部屋に入るなり、せっせっと凰哦の寝床を用意して寝かせる。

「隆志君、君は蓮ちゃんとは違う、他人の魅力を引き出す力に長けてるみたいだね…。其の力、大事にしておいておくれよ…。決して無くさないでおくれな…」

正樹が柔らかく褒めてくれる。

「でも無茶だけはダメよ?蓮ちゃんと言い、貴方と言い、タイプが違うのに似たモノ同士よね〜。見ててヒヤヒヤさせないでね?お願いだから…」

美砂が優しく叱ってくれる。

「はい!過ぎた事を何時迄も引き摺らない様に、後悔しない行動を取らなきゃね!今回の事も、良い勉強に成ったと思って、次に活かさないとね!さぁクヨクヨ落ち込んでる暇は無いわよ〜?…ウフフッ…」

仲上が元気に励ましてくれる。

自分の事を思ってくれた事に、涙が溢れ其うだった。

決して長い付き合いでは無いのに、これ程迄にお互いの信用と信頼が築けた事が、凄い奇跡だとも思える隆志。

後は、間抜けな顔で爆睡している凰哦のお叱りを受け、多分…いや確実に、ずっと1人、放ったらかしにされて拗ねているだろう蓮輝を如何宥めるか、如何あやせば良いのかと、頭を悩ませてゆく…。

少しだけ気は重いが、蓮輝の行動を何パターンも予想するのは、とても楽しく思えてもいたのだ…。

明日は一体どんな1日に成るのか、隆志の予想をアッサリと覆されそうで有り、其れをするのが蓮輝何だと思うと、クスクス笑えて来て、明日が待ち遠しい隆志なのでした…。

賢い読者なら、誰にスポットを当ててるか、もぅお分かりですよね?

其う!あの人です!

多分其れ正解です!

中途半端な回答をして、今回は此処迄!

次話をお待ち下さい…。

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