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キューと僕の思い出日記  作者: 喜遊元 我可那
新たな出会いと別れの準備
48/65

旅の準備

前書きから色々と書きたいと思いましたが、やっぱり止めておきます。

今回は少しだけ、少な目の文字数です。

では本編を如何ぞ〜。

色んな意味で、心が擦り減った1日。

驚きと疲れに、謎を残して行った“キュー”。

其の“キュー”に、聞きたい事を何も聞けないまま、食い逃げ同然の形で去られて仕舞う。

其れでも少しだが、収穫は有ったのだ。

“キュー”に願いを叶えられるのは、キューと同じカッパだけであり、人間や其の他の、物怪の類いには、叶える事が出来無いと言う事。

純粋無垢で、穢れのないピュアな心の持ち主の願いなら、奇跡的な確率で叶うかも知れないのだが、其れには対価として、命を差し出さねば成らない。

命を差し出したとしても、必ず叶う保証は無く、もし願いが叶ったのなら、本当に奇跡的な確率なのだ。

人が対価として支払えるのは、純粋無垢な者の命で有ると分かった。

だが、キューが“キュー”に支払った対価は不明。

人の命と同様の対価とは、どんなモノなのかなど分かる筈も無く、これ以上考えていてもしょうがないと、凰哦達は思ったのだ。

其う思った時、机の上に、1枚の紙が現れる。

其処には

ー 大体合ってる。コレからの旅で、おいおい知るだろうから、其の時に知ってね〜 ー

と、書かれていた。

其の内容に何故“キュー”が、キューを自然豊かな土地に返す為の、探す旅を知っていたのかと、更に驚いていた。

「何で蓮輝の願いを知ってるんだよ!?」

「まさかキューちゃんに、誰かが洩らしたのかね…」

「其れは無いと思いますよ、正樹さん。此処に居る人達は1人を除いて口が硬いですから、子供達にもこの事を余り詳しく話して無いですし、子供達からキュー君に知られる事は無いでしょう」

隆志が言った内容に、成る程と納得する正樹達。

だが

「なぁ隆チッ」

「呪うぞ!」

「済いません!…た隆志、1人を除いてって、其れ…誰の事何だよ…」

「決まってるじゃないですか、貴方ですよ片平さん」

何分かり切った事を聞いてるんだ?と、普通に返す隆志。

凰哦達も“だよな〜”と、不思議そうにしていた。

「なっヒドッ!俺、コレでも元警官なんだぜ!?守秘義務守る職業に居たんだぜ!?」

「だから尚更不思議何ですって。笑いながら、ポロッと重要事項溢しちゃいますもん…。よく其れで、今迄やって来れたなって、本当思いますもん…」

「だよな…。本当に言ってはイケないのは、言わないでいるが、何度もポロッと口走ってたもんな…」

「エエエッ!?マジで!?」

「「「マジ!!」」」

「其処に、蓮輝君の呟癖が備わって仕舞うと、完全アウト!ですからね…」

「…ハ…ハハ…マジかぁ…」

全員の肯定で初めて自分の癖を知り、ガックリ肩を落とす片平でした。

「でも心の匂いで、全てを知るキュー様だったから、誰も何も言わなくても、分かっちゃったのかも…」

ふと思った事を呟いた隆志の意見に

ー 其れ正解〜 ー

と、紙に書かれた文字が変化した。

突然変わる文字に、また驚く一同。

いい加減、何度も繰り返し驚かされる事に、辟易して来た凰哦達。

「……もしかして、これで会話出来るのかな?」

また、何気なく思った事を呟いたら

ー 其れも正解〜 ー

と文字がまた、変化するのだった。

隆志が色々と、予想を当てるので

「何だか俺達、置いてけぼりだよな…。ヨシッ!後は隆志に任せた!キュー様から聞ける事、聞けるだけ聞いておいてくれ!」

と、丸投げする凰哦。

「なっ何でだよ!?僕1人だけ!?皆んなは如何するんだよ!?」

「お前には悪いが、俺達限界ギリギリ何だよ…」

其う言って、自分の脚を指差す凰哦。

本当に疲れ切っていて、脚がガクガクしていたのだった。

正樹と美砂は、壁にもたれ掛けては、グッタリしているし、片平は腰痛が酷く成って来た様で、ちょっと動くだけで涙目に成りながら、声に成らない悲鳴を上げていた。

未だ完全に回復し切ってはいないが、目の前に居る生きる屍達よりもマシなのだと、其う思えた隆志でした。

「分かったよ…。取り敢えず、皆さん休んでいて下さい…。あっキュー様、約束守らずに居なく成りましたが、食い逃げに成りたく無いなら、其々を各部屋に送り届ける事、出来ませんかね?」

隆志の問いに対して、紙の文字には変化無し。

「おいキュー…僕を怒らせないでくれる…?呪うだけなら、そんなに力使わなくても出来るんだけどね、使おうか?()()()()()()()()()()させて欲しいのならね…」

静かにキレる隆志。

遂には様を付けずに、キュー呼ばわりする。

目の前の祟り神に、最早最上級の恐怖しか感じない凰哦達は、一切何も言えず、唯自分の存在感を静かに消して行く。

唯、神様から降格と言うキーワードが気に成ったのだが、今は自分の身を守る為、気配を消す事に専念する事にした。

ー ゴメンちゃい!其れ許しておくれよ〜!言う事聞くから〜 ー

文字に変化が有り

「次は無いよ?良い?」

ー ハイなのよ〜 ー

“キュー”も恐れを成して、隆志に従う事にした様だ。

「其れじゃ、其々を優しく部屋に送り届けてよ。今直ぐにね…」

ー 分かったのよ〜 ー

其う表示された次の瞬間、凰哦達が消え、其々のベッドにパジャマの着替え付きで、寝かされていた。

更に其々、今の現状を共有出来る様に、脳内で其々の映像が映し出されていた。

誰もが“マジ凄ーよ!半端ネェー!!”みたいな感じで驚く。

其処へ

ー 怖いオジサン、ダッサいパジャマだね。笑える〜 ー

「ダサい言うな!」

思わず文句を言う凰哦。

「ブアッハハハハハッ!だよなぁイーーーッ!激痛ーー!笑える〜〜!イギャァアーー!!」

相変わらずバカな片平。

近々、笑えなく成る事に成るのに…。

「ちゃんと送り届けて頂けたみたいですね、ありがとうございます。キュー様に聞きたい事、本当は沢山有りますが、今の僕達には、蓮輝君の呟癖が定着したみたいですから、聞かない方が良いと思うんですよね。だから答えられ其うな質問だったなら、ちゃんと答えてくれますか?呟癖しても大丈夫其うなのだけで良いので…」

少し間を開け

ー 分かったのよ ー

書かれた文字から、渋々感が伝わって来る。

「其れじゃ先ずこの会話ですが、貴方の身は安全なのですか?貴方より偉い神様に叱られたりしません?」

ー 其れは大丈夫、了承得てしてるから。目の前で監視されてるからね ー

「成る程、其れなら良かったです。では1つ目、キュー様が創られたのは、どれ位昔何ですか?」

ー 正直分かんない…。とても、とても遥か昔だったからね、数えて無いのよね…。1番古い記憶だとしたら、人が人では無かった頃だったと思うのよ… ー

「人が人では無かった?えっ…んん?其れって、如何言う事です?」

ー 人では無いモノがね、人に成り始めたって言えば良いのかな?コレに関しては、其れ以上言えないよ ー

キューの答えに、全員が“ハァッ!?”と成る。

学者が言う進化論が正しければ、猿人類の頃から存在している事に成る。

其う思うと、確かに其れ以上聞くのは、止した方が良いと思えた。

特に隆志は

(多分…キュー様を創った神様が、関係しているからかも知れないね…。其れ以上言えないって書いた文字、震えた文字だもの…)

と思うのだった。

其の真偽に対しては何も答えられず、謎のままに終わる。

心の匂いで全てが分かる“キュー”なのに、答えられ無いのだから、きっと其うなのだろうと思う隆志だった…。

「其れじゃ次の質問。キュー君を自然豊かな土地に返すならば、何処に行けば良いですか?」

ー 其れは分からないよ…。あの子が気に入らないといけないし、何よりも、隆志達が安心出来無ければ、何の意味も無いからね ー

其の言葉に、確かに其うだと思った。

ー でも最初の導く方角は教えられるよ。聞きたい? ー

「はい、是非教えて下さい。貴方の優しい心を僕は信じてますから、聞かせて下さい」

ー 本当に隆志の心の匂いは満たされるね〜。何時迄も其のままでいてね。人をこんなに好きに成ったのは、隆志が初めてだよ〜 ー

“キュー”の言葉に、照れる隆志。

「確かに隆志の心は純粋で清浄だもんな」

「そうだね凰君。彼のピュアさは、素晴らしいからね〜」

「ですよね貴方。凰さんが惚れ込んで仕舞う程ですものねぇ」

「ななな何言ってるんですか!?美砂母さん!」

「其れ、私も思いましたよ〜」

「ちょ、ちょっと!仲上さん迄!」

「照れるなよ凰凰〜。でも俺ちゃま、最近隆志の怖さが身に染みるんだけど〜…」

「「「其れ凄く同意!!」」」

「アンタら〜!未だ僕を祟り神って思ってるんですか!?」

「「「勿論!」」」

ー 我も思う〜 ー

「〜〜〜!!…フッ…お望みなら、祟り神に成ってあげましょうか?」

「「「ー 済いませんでした! ー」」」

「ったく!」

プンプンながらも、この遣り取りが自分達らしいと

「プッ…アハハハハッ!アッハハハハハ!」

大笑いする隆志。

とても嬉しそうに、楽しそうに笑い続ける隆志。

其れに釣られて、凰哦達も目に涙を溜めて笑って仕舞うのだ。

「アッハハハハハ…本当に隆志ってさ、変な事で良く笑うよな、アハハッ」

「フハハッ本当其うだよね、隆志君は良く笑うよ」

「ウフフッですね…。何だか久々に大笑いした気がしますわ」

「フフッ私も其れに同意です♪」

「ブアッハハハハハッ…イィーッゲホゲホ…。隆志、お前祟り神より守り神だな。心の守り神〜。ってな、笑える…フハイィーーーッ!」

「本当、懲りない人だな…アンタって人は…。でも其れ良いなぁ〜。俺達の心の守り神かぁ〜」

「ちょっ、揶揄うの止めてよ〜!恥ずかしいから〜!」

心の守り神と言われ、恥ずかしさで赤面する隆志。

「ヨッ!守り神〜!フゥフゥ〜!」

「ハハハッありがたや〜だね」

「ウフフッありがたや♪」

「フフッご利益ご利益♪」

「イチチ…へへっ、ならちゃんと祀らなきゃな〜。隆志大明神様ってな〜」

「マジで止めて下さいよ〜!…でも、皆んなの心が守れるなら、凄く嬉しいですね…」

「其れ、特に凰凰にだろ〜?」

「「「本当其れ」」」

「なっアンタら〜!正樹父さん美砂母さんも、隆志だけじゃ無く、俺迄一緒に揶揄わないで下さいよ!」

「「「アハハハハッ」」」

凰哦と隆志は、揶揄われて恥ずかしい余り、布団の中に潜り込むのだった。

「フフンッ…皆さん覚えといて下さいね…。呪いのお仕置きリスト完成しましたから…」

「「「ヒィッ」」」

揶揄うこの者達には、守り神から祟り神に成ると決めた隆志でした。

「まぁ()()()()()()()()()、取り敢えず向かう方角を教えてくれますか?キュー様」

「いや待ってくれ!お仕置きは今も後も要らないから!」

「いやいやいや隆志君、如何か勘弁しておくれよ」

「お願いよ〜隆志く〜ん、ね?如何か許して下さい」

「これ以上揶揄わないからね?お願い!如何か許して〜」

「笑えないのは良く無いぞ〜!笑って許してくれよ〜…ブフッ笑って…ブハハッ笑っ笑って…笑えるブフッ…なぁ〜?」

今の隆志なら、確実にお仕置きを実行すると、必死に許しを懇願。

何故隆志が確実に実行すると、全員が思ったのかと言うと、子供達も含めて全員の中で、蓮輝の性格を1番色濃く継承しているのが、隆志だったからだ。

仕草や行動に、性格迄もが蓮輝とシンクロしている様に見えて、隆志の名前を呼ぼうとした時、思わず蓮輝と呼び掛けて仕舞い其うに成る事が増えたのだ。

ほぼ蓮輝と化したのなら、執念深くしつこい蓮輝の行動力も、今の隆志に備わってると、誰もが思っていたのだ。

だから、其れだけは絶対阻止したい凰哦達。

“キュー”の力で直接脳内に声が聞こえる状態で、其々がひたすら謝り続けるので、頭が痛く成り

「分かりましたから!もうこれ以上騒がないで下さい!頭がパンクしちゃいます!」

青褪めながら、許す事を承諾する隆志。

其れを聞き、お仕置き無しに成ったと、心から安堵する凰哦達。

「悪かったな隆志…。まさか青褪める程、俺達の声が頭に響くなんて、全く思っても無かったから…。本当済まない…」

“キュー”の力によって、脳内に直接伝わる声と映像は、人の身には、かなり負担が掛かる様だった…。

「正直、キュー様に一時的に付与されたこの能力、とても凄くて魅力的だけれど、2度目は勘弁って思うよ…。此処迄負担が掛かると、命も危険に晒され其うだもんね…。ありがとう凰哦、心配してくれて。でも本当凄いよね、キュー様の力。きっと他にも、沢山凄い能力を持ってるんだろうね、でしょ?キュー様…」

青褪めの原因でも在る“キュー”に対し、未だ青褪めて辛い表情をしているのに、優しく笑って言う隆志に、感動する凰哦達を含め

“何て素晴らしいのでしょう。嘘では無い心の底から溢れる出る、他を思う其の慈しみの心を持つ者には、これ迄出会った事など有りません”

突然聞こえる、少しハスキーな女性の様な声。

まるであの日、蓮輝の病室で聞こえた“キュー”の念話と同じに思えた隆志達。

“キュー”に幾度となく驚かされて来たのに、此処でもまた、其の声に驚く一同。

しかも、直接聞こえる声に、相当な力が有るのか分から無いが、最年少の子供が“キュー”の念話の力にあてられて体調を崩した時の様に、全員が眩暈や吐き気に頭痛などをおこしたのだ。

更には其の声で語るモノに、平伏さないといけないとも思って仕舞うのだ。

“キュー”から伝える紙にも

ー ダメダメダメー!!隆志達が苦しむから、其れ以上は紙を通して、文字で会話してよ〜 ー

と、文字が変化する。

“しもうた!…余としたモノが…”

“キュー”を創ったと思われる神様が、やらかして仕舞ったと途中迄言い掛け、机の上に、もう1枚の紙が現れ

ー 済まぬ…余としたモノが、其方の心根の素晴らしさに感動して仕舞い、思わず語り掛けてしもうたわ…。ほんに済まぬ… ー

紙に書かれた文章から、隆志の心の有り様に感動し、思わず語り掛けて仕舞ったのだと、其れによって神様が持つ、強力な力への耐性を持っていない隆志達に、悶絶する程のダメージを負わせた事に、許しを請うのだ…。

とても偉い神様の筈なのに、自から犯した過ちを直ぐに謝罪するなんて、何処の誰がそんな事を思うだろうか…。

更に

ー 罪滅ぼしには成らぬが、余が与えた痛みを消し去ろう…。ほんに済まぬ事をした… ー

と、全員の治療を施すのだ。

其の中でも

「ハアァッ!?エッ!?マジ?…嘘だろ?…」

とても驚き騒ぐ片平。

「如何したんです!?突然大きな声で騒ぎ出すなんて、何に驚いてるんです?片平さん」

凰哦が騒ぐ片平に問うと

「いやだってよ、これが驚かずにいられるかって」

「アンタ馬鹿なのか!?だから何に驚いたんだって聞いてんだよ!このバカ平め!」

罵倒する凰哦。

「ブフッバカ平め…ブアッハハハハッゲホゲホゲホ…なかなか良いセンスしてんな、バカ平めかぁ〜…」

この時、全員が同じ事を思った…。

“仕舞った、ツトツト呼びの代わりの名が決定して仕舞った”のだと…。

余計な事をしやがったな!?と凰哦以外が思い、凰哦は凰哦で、やらかした〜!と布団を被り、丸々と蹲って耳を塞いだ。

案の定

「バカは面白く無いから、平めだけ頂いて、片平めor平め呼び確定〜!ありがとな!良い名前付けてくれてよ〜!凰哦〜ん♪」

とても満足な片平改め、片平め。

片平め以外の冷たい視線が、直接頭の中に、映像として映し出される凰哦。

声には出さずに

(申し訳無い、申し訳無いです…)

と、繰り返して謝ってます。

「いやぁ〜神様って、本当凄いよなぁ〜。アレだけ痛くて苦しんだ腰痛何だけれどさ、全く痛く無いんだよ…ん?ほい?あれ?……うおぉぅ?傷跡も無くなってるぞ!?ゥエエエエエッ!?」

何に驚いたかを説明しながら、部屋の鏡で腰の古傷を見た片平めは、其の古傷も消えて無く成った事にも驚くのだ。

其れだけでは無く、他の者も

「おや!?私も足腰の痛みが消えてるよ…」

「私もですが…あら、何処と無く肌艶とシワまで綺麗に成ってますわ…」

「私もです。あらヤダ〜嬉しい〜♡20代前半の、ピチピチお肌♪神様ありがとうございま〜す♡きっと努さん、惚れ直すんじゃないかしらん」

「おっ!?其うなのか?俺的には、今のこのミッミが超〜タイプ何だけど、既に美人のこのミッミが、もっと美人に成ったんだなぁ〜、最高〜!!」

このバカップルが!と言いたい、凰哦と正樹に美砂。

隆志はピチピチお肌辺りから、2人が其う言うと思っていたから、放置しておく事にした。

付け加えて言えば、ツッコミたくてもツッコめ無かった理由が有った。

何故か隆志だけが、回復していなかったのだ。

青褪めたままの隆志に、様子がおかしいと、いち早く気付いた凰哦が

「如何した隆志!?未だに青褪めてるが、お前も神様に治して貰ったんだろ?なのに何故、未だそんなに苦しそうにしてるんだ!?大丈夫なのかよ!?」

心配する凰哦の問いにも、答える事が出来無い隆志。

グッタリしてたかと思えば、ベッドの脇に嘔吐して仕舞う。

「隆志!?」

「「「隆志君!?」」」

「おいおい隆志大明神!?一体如何したってんだよ!?」

また一斉に、本気で心配する一同。

でも…

「………」

無言の隆志は答えたくても、返答する気力が無い様なのだ。

其の時紙に変化が有り

ー 其方、余が話した時に、余の力を他の者に干渉させ無い様、何か施したのだな…。成る可く自分に、余の力が自身に集まる様に… ー

辛そうな顔で笑い、1回だけ頷く。

そして其のまま、気を失った隆志。

「「「「!!」」」」

ベッドを出て、隆志の下に駆け寄る凰哦達。

「隆志!おい隆志!」

「隆志君!」

「如何して何時もそんな無茶を!」

「其うよ隆志君!貴方って人は!」

「凰哦じゃないが、コレは笑えねー!いい加減俺でも怒るぜ!?」

意識を失くした隆志に文句を言いながらも、元看護師の仲上が隆志の症状をチェックし、適切な対応をし、其々に何をすべきかを告げ、素早く実行する。

未だ意識が戻らない隆志を見ていたら、また紙の文字が変わって来た。

ー 如何か隆志を責めないでおくれよ〜。まさかこの方が話すとは思わなかったから、我も直ぐに対応出来無かったのね…。隆志がいち早く、この方の強さの凄さを分かったんだろうね、咄嗟だとは言え、隆志がああしなきゃ、隆志以外全員が廃人に成ってたかも知れないのよ…。だから責めないで欲しいのよ〜… ー

“キュー”の説明により、ギョッとする凰哦達。

「えっ何!?もしかして隆志君が居なきゃ、私達全員が廃人に成ってたっての…?」

仲上が隆志を見ながら言うと、今度は片平めが

「おいおい大将、守り神にも程が有るぜ…」

辛そうに言う。

「本当君って子は…」

「えぇ、無茶ばかりして…。でもありかとうね隆志君…」

正樹と美砂も、泣きそうな顔をしていた。

「いい加減、自己犠牲の癖を治してくれよ…頼むよ隆志…。蓮輝だけじゃ無く、お前に迄何か有ったら、とてもじゃ無いが、其れこそ気が狂いそうに成るぞ…。だから頼むよ、無茶しないでくれよ…」

凰哦の其の言葉に、全員が肯定の頷きをし、同じ気持ちに成っていた。

ー この者が目覚めたら、伝えて欲しい…。余の罪滅ぼしも含め、此方だけは特別に何か1つ、どんな願いでも叶えようと…。其れ程心清らかな持ち主の此方なら、余的には無償でも良いのだが、其れでは此方も遠慮してしまおうからの…。ではこれ以上この遣り取りも、其方達に影響を与えるかも知れぬから、余は此処迄にしておこう… ー

其れを最後に、神様の強い気配が消えた。

隆志を見つめながら、凰哦達全員が“ありがとう”と、感謝の気持ちで溢れていた。

ー 一応隆志が良く成る為に、我が出来るだけの癒しを施したけど、如何やら偉様何様の存在がね、隆志に強く残ってるみたいで、上手く癒さないみたいなのよ…ゴメンちゃいなさいよ… ー

其う謝る“キュー”。

如何やら、隆志の中に根強く残る、蓮輝の性格などが、癒しの妨げに成っているみたいだ。

「なぁキュー様、隆志から蓮輝の存在を消去は出来無いのか?」

凰哦が“キュー”に、疑問として聞くと

ー 其れは無理そうだね…。如何してか分からないけど、何かが絡み付いていて、引き剥がそうとすれば、隆志の魂がメチャクチャに成っちゃい其うなのよ… ー

其の何かがどんなモノなのかは分からないが、其れによって、未だに色濃く蓮輝を留めていたのだと知る。

ー だけど、其れもしばらくすれば、絡み付く何かが自然と消えて無くなり其うだから、安心してよね〜。あっ其れとね、旅の向かう最初の方角はね、西の西?って感じ。其処からの距離にしたら、とても遠くに行かないとダメ。其処から東へ北へと向かえば良いよ〜。後はね、あの方が特別に偉様何様が最後迄、旅を続けられる様にして上げなさいって言われたのよ〜。食い逃げのままではいけないからってね…。だから、偉様何様の病気はアレ以上治せないけれど、旅が終わる其の日迄は、苦しく成る事は無いから。でも、調子に乗って仕舞うと、我の加護が効力を無くしちゃうからね、調子に乗るなって念を押しといてよね〜。其れじゃ我もこの辺で、さいよいならするよ〜。あの子の為にも、頑張って見付けてあげてね〜 ー

其の言葉を最後に、紙2枚だけを残して、“キュー”の存在感も消えて行くのだった。

今日この日、思い掛け無い出来事のオンパレードだったからか、一気に気力を消耗し、ドッと疲れ果てる凰哦達。

そろそろキューと子供達が帰宅して来る時間だ。

お腹を空かせて帰って来る筈だと、片平めと正樹が、夕飯の支度に取り掛かる。

仲上と美砂は、お風呂の用意に合間を見てしていた洗濯物を手早く取り込む事にした。

凰哦だけ隆志の部屋に留まり、隆志の看病をする事にした。

何故なら隆志が目を覚ました時に、無茶をした事をキツく叱る為に…。

“キュー”の食い逃げだけでは無く、隆志のおかげで蓮輝も一緒に、心置き無く旅が出来る様に成った事への感謝も伝えようと、眠る隆志を優しく見つめながら、目を覚ますのを待っていた…。

“キュー”の助言通りに、キューを自然豊かな土地へ返す旅の、最初の目的地を考える凰哦。

「此処から遠くの西の西かぁ…。思い付くとすれば、沖縄から東に向かって、最後は北海道って感じなのだろな…。其れも蓮輝を交えて、皆んなで相談して決めようか…」

隆志の眠るベッドの側で、其う思う凰哦だった。

この先一体どんな出会いや旅に成るのか、未だ何も分から無いが、蓮輝だけでは無く、全員が良かったと思える旅に成れば良いと、思い願う凰哦なのでした…。

本来なら、其々の小説を月2作品ずつ、投稿しようと思っていました。

ですが正月の出来事にて、今日この日迄を過ごす事が、とても大変でした。

僕自身被害は無いのですが、身内が…って感じでして、メンタル弱でして、家族とキューを書き上げる気力が出ませんでした。

其れでも毎日は無理でも、2・300文字程を書いては止め、を繰り返して完成させました。

今回のキューの内容、暗くてつまらないと思われたなら、申し訳有りません。

次話は、少しでも明るくテンポ良くを心掛けて、作りたいと思います。

では、次話をお待ち下さい。

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