教えて!“キュー”様! 2
今話には、キュー様のイラストが載せて有ります。
1万文字強の話しですが、多分…サクサク読めると思います。
では本編をどうぞ〜。
キューには聞かせられ無いと、“キュー”が言うものだから、子供達にお願いをして、キューを近くの神社にて遊んで貰っている今現在。
“キュー”様を持て成す為に作られた、大量の料理だったのに、其れじゃ足りないと言われ、同じ分量の4倍もの料理を急ピッチで作る羽目に成った凰哦達。
ヘトヘトに成りながらも作ったのに、未だ腹6分目だと言う。
1度は燃え尽きたのだが、コレから“キュー”に聞きたい事の内容によっては、怒らせる可能性が高い質問も有り、ご機嫌取り用の食後のデザートを作る事にした。
なのに戦力の片平が、先程の料理作りで
「アッハハハハハハ…ゲホゲホゲホッゴフゥ…痛た…あ痛たたた…。お、俺ちゃま…こ…腰が激痛で…う…動けん…笑える…プハッアハハハッウグゥ!!笑うと痛い…フハハハイイィーーッ!!」
潜入捜査の時に腰を傷付けられた片平。
其の傷が今も持病として、無理をすると激痛が走るみたいだ。
其れにしても、笑うと痛みに響くと分かっているのに、何故笑うのだ?
笑えると思える要素は無いと思うのだが、この男の思考回路は一体…。
其う誰もが思い、貴重な戦力がフェードアウトし、凰哦1人で作る事に成った。
美砂や正樹も、ハイスピードで料理を作らないといけないからと、フルマラソン状態で2人のサポートをしていた為、凰哦を手伝いたいと思うが、やはり歳には勝てず、グッタリとテーブルに伏せている。
仲上は、片平の介護として付き添わないといけないからと、凰哦から大切な彼氏に付いてて上げて欲しいと言われ、其れに従う事にした。
隆志は“キュー”の相手をして貰わなければいけないから必然的に、凰哦1人が奮闘しなければならない。
出した料理を一瞬で食べて仕舞う“キュー”に、たった1人で作るには、とてもじゃ無いが時間が足りない。
神様を待たせるのは、如何考えても怒りを買いそうだし、ご機嫌取りを諦めて話を聞いたとしても、質問の内容によっては、怒りを買うのも想定出来て
(ヤバいな…。こりゃ如何転んでも怒りを買って仕舞いそうだ…。何とか穏便に出来れば良いが、聞きたい内容が内容だからな…。隆志にご機嫌取りを頼むのもなぁ…。何でも頼りっぱなしは流石に気が引けるし、良い大人がかなり歳下を頼るのも、正直情け無いと自分でも思っちまうからなぁ…)
と深く考えて仕舞い、余りにも情け無くてため息を吐くのだった。
情け無いなぁ…と思っていたら
「ちょっとお話しお預け。今から浄化と消化吸収するから、ちょ〜〜〜っとお時間おくれ」
突然そんな事を言ってくる“キュー”に
「浄化と消化吸収!?な、何ですか其れは…?」
思わず速攻で聞き返す凰哦。
「ん?分かんないの?…もしかして、おバカさ」
「意味は分かります!」
「わわっ!おっきな声でビックリ!…も〜!驚かせないでよ〜!驚いて泣きそうに成ったじゃないの!」
「あっ其れは済いません…」
「まぁ良いけど…。で、分かってるのに何で聞くの〜?我、アンタさんの言ってる意味分かんない…」
「あ…いえ、浄化と消化吸収の意味は分かります。ですが、浄化の指す意味とは、穢れや汚れを落とす事や清めるって事ですよね?」
「其うだけど?」
「と言う事は、私達が作った料理は、汚れたモノだったのか、穢れたモノだったってことですよね…」
「あっ其れの事?ああ〜違う違うから〜」
「違う?」
「分配の為に、一応念の為にするだけだから〜ねぇ〜。詳しくは、隆志に聞いてよ〜。さっき教えたからね〜」
其の言葉に、“キュー”の声がする方を見ている隆志が頷く。
「分かりました。で、其の浄化と消化吸収に、どれだけお時間掛かりますか?」
「ん?何でそんな事聞くの?もしかして急かしてる?」
「いえいえ!其れも違います!ただ、結構お時間が掛かるなら、其の間に食後のおやつを作ろうかと思いまして」
「えっ!?其うなの?ゲヘゲヘッ我嬉しい♡久々の食事だったからね、ちょっと時間掛かるかも。長くても一刻程?かな?」
「分かりました。では其の間に、成る可く多くのおやつを作っておきますね、“キュー”様」
「う〜んうん!嬉しいねぇ〜宜しく頼むよ〜♪ではちょっと待ってておくれよ〜」
待ってくれと言い終えた“キュー”の姿を追う様に、隆志が上を見上げて行く。
「ん?隆志、何上を見上げてるんだ?」
「………あっいやあのね、ちょっと待っててって言ったと思ったらさ、甲羅を摩りながらプカプカ浮いて、絶賛爆睡中?したみたいなんだよね…」
「「「ハアッ!?」」」
「爆睡!?浮く!?甲羅を摩る?何だ其れ!?」
「良く分かん無いけどお腹が膨れたらさ、甲羅を摩ってたんだよね…。でさ、今僕が見てる辺りに浮いててさ、あっ今、鼻風船膨らんだり、萎んだりしてるよ…」
隆志の解説は的確なのだが、“キュー”が見えない凰哦達にしてみれば、本当なのか?と思って仕舞う。
でも
「グー…グー…ゲヘゲヘ……グー…グー…」
“キュー”の寝言が聞こえて、“あっマジで寝てるよ”と、呆けて仕舞うのだ。
そしてこの神様は自由だ、まるでもう1人のキューが此処に居るとも思えて、畏まるのがバカバカしく成って来ていた。
一気に気が抜けて、脱力する凰哦。
ご機嫌取りのおやつ作りは、しなくても良いかもと思い始めたら
「おやつ楽しみ〜…グー…グー…」
寝言で催促して来る。
「!!」
ビクッとする凰哦に気付いた隆志が
「あっ其うそう、皆んなにも言っておかないといけないんだった。“キュー”様やキュー君はね、心の匂いってのを感じて、其の人が如何思ってるかを理解するらしいんだ…。特に“キュー”様は、匂いで全ての思った事を理解するって言ってたよ」
ヒィ〜〜〜!!と、心の中で絶叫する一同。
特に凰哦は
(もしかして寝てるのに、俺の気持ちが分かったのかよ!?ウソだろ〜!!)
と、慌てふためいてると
「ムニャムニャ…ウソじゃ無いよ〜…ムニャ…」
やっぱりかあ〜!!と、慌てておやつを作り始めるのでした。
其れでも時間に余裕が出来て
(ありがとう“キュー”様〜!少しでも多く作りますから〜!)
感謝の気持ちを心で述べながら、効率の良い手順を組み立てて、幾つものおやつを作り上げる。
キッチリ一刻。
“キュー”が予測した一刻=2時間で、浄化と消化吸収が終え、目を覚ます“キュー”。
其の2時間内で、“キュー”に配慮して、デザートでは分かり難いかとおやつと言ったデザートが、テーブルだけでは無く、簡易用のテーブルを設置し並べられていた。
其れでも“キュー”にしたら、全然足りないかも知れないと、内心ドキドキの凰哦。
足りないと言われたら、とてもじゃ無いが作る体力が残ってはいない。
神様“キュー”様お助け下さいと、唯願う凰哦。
「……ウェッ…寝起きにこの量を見ただけで、気持ち悪く成っちゃった…ウエェ〜…」
……プチッ…
「ぅおお〜い!気持ち悪いってのは何だ!ウエェ〜って〜〜〜!!精魂込めて作ったのに〜!!ウエェ〜って〜!!」
理不尽な其の言葉に凰哦は涙目に成りながら、遂思わず声を張り上げて仕舞う。
「アギャッ!!?この叔父さん怖い…。本気で怒ってるよ〜…我縮みそ〜だよ〜…」
怖い怖い怖い怖いと繰り返す“キュー”。
ガルルル〜ガルルル〜と唸りを上げ、獲物を威嚇する凰哦ワンコ。
其の眼光は鋭く、見え無い筈の“キュー”を本能で見定め、逃げる“キュー”を追い詰めて行く。
「ふぅ〜…やれやれ…。スゥ〜〜〜…コラーッ!2人共!いい加減にしなさい!!」
隆志が大きな声で怒鳴る。
「ィギイッ!」
「アギャギャッ!」
怒鳴られて、驚き固まったのを見逃さず、凰哦と“キュー”に、隆志流のお仕置きが炸裂する。
両手で其々の頬を強く抓る隆志。
怖くは無いのか凰哦だけなら未だしも、神様に対してお仕置きを繰り出す隆志の目は、軽蔑の眼差しで有り、鬼の目にも見えて来る。
余りにも冷たく突き刺さる其の視線に恐怖し、震える凰哦と“キュー”。
正樹達も大胆かつ、2人を睨む隆志の後ろ姿から伝わる、冷え切った強烈な気迫に圧倒されて仕舞い、ガタガタ震えて言葉を失うのでした。
そして誰もが思った…。
神様をも恐怖させる“隆志と言う名の鬼が居る”のだと…。
キツい…キツ過ぎる…。
隆志を怒らせれば、あの蓮輝のお仕置きよりも強烈なのだとも、この時点で痛烈に理解する。
蓮輝のお仕置きは心を破壊するが、隆志の怒りのお仕置きとは、魂をも破壊されて仕舞うとも思えた一同…。
「すびまぜん…」
「ぐぉべむばはい…」
以前、隆志が凰哦に宣言した抓りの増強。
お仕置き毎に、段々と強さを増して来ている。
其の為か、凰哦と同じ強さで抓られた“キュー”は有る意味、凰哦の犠牲者とも言える…。
「2人共、本気で反省して下さい!」
一旦腰に手を当て、ドンと構える隆志に
「はい…分かりました…」
と答えた凰哦。
「何で抓るの〜…暴力するの〜…。我暴力反対!」
と、意義を唱える“キュー”。
「今のは暴力では有りません!分かりませんか!?何故僕に怒られたのかを!?」
此処でまた、2人を即座に抓り直す隆志。
「ウギ…。隆志の匂いから言われなくても分かるけど、そんな本気で怒らなくてもぉ〜」
「ダメです!幾ら神様だからと言って自分の為に、一生懸命精魂込めて作ったのをウェッて、気持ち悪いって言うのは失礼でしょ!?違いますか!?」
「ウギィ……違わないよ…」
「其うでしょ?自己中で不躾な事しか出来無いモノには、僕トコトン追い詰めますから!其れが神様であれ、物怪や人間でも必ず追い詰めますから!分かりましたか!?」
「ウギッ!はいなのよ!…はいなの…」
神様を追い詰め、恐怖を植え付け従わせる隆志に、“鬼神が目の前に居る、この鬼神を怒らせてはならぬ、怒らせれば身を滅ぼすだろう…”
と誰もが思い、語り継ごうとも思ったのだ。
クワバラクワバラと念仏を唱えていた時、振り返る隆志にジッと睨まれ止まる心臓。
「本当、蓮輝君の呟癖って、便利で不便ですよね…。皆さん僕の事、怖い祟り神みたいに思わないで下さいよ…。本当凹みますから…」
悲しげな目をして凹むと言う其の手には、再度抓られたままの凰哦と目には見えない“キュー”が居る。
どの口で言ってるのかと言いそうに成るが、言わぬが仏とチャックした。
「本当は黙っておこうと思ってましたが、この際話しておきますね…。僕、今迄祓って来た穢れや物怪には、とても強力な力を持ったモノが居たんですよ、其れも命を脅かす程の…。其れを祓うのに、根気良く慰めてるだけじゃダメな時が結構有りまして、何度か死に掛けた事も有るんです。其の時は心を鬼にして、トコトン追い詰める事に決めたんですよ…。相手がこれ以上、理不尽な悪行が出来無いとこ迄追い詰めないと、慰めの浄化が効か無いんですよね…。ですから今回は、かなり手を抜いて対応しましたよ。何せ相手が神様ですから…」
其の言葉に
(((えっ?)))
としか、出て来ない一同。
今のが本気じゃ無かったのか?と、身の凍る様にも思えたのでした。
「ふぅ…。で、分かりました?“キュー”様」
「う、うん…痛い程分かったよ…」
「凰哦も幾ら失礼だったからと言って、逃げ惑う相手を追い詰めて如何するの!しかも相手は神様何だよ?もし、“キュー”様の機嫌に触れたりもしたら、どんな酷い目に遭ってたか分から無いんだよ!?其の時は、僕だけの力じゃ太刀打ち出来無いんだからね!?」
「あ、あぁ済いません…」
「ったく、世話の焼ける2人……だよ…」
其う言い終えた時、青褪めながら隆志が倒れて仕舞う。
「!!!た、隆志!!隆志!!」
「隆志君!?」
「隆チッチ!?」
一斉に倒れた隆志に駆け寄ると
「あっゴメン…。流石神様…久々に限界ギリギリ迄力を使っちゃったよ…へへ…」
「なっバカ!俺の為に、何故そんなに成る迄力を使ってるんだよ!止めろって約束しただろ!?」
「うん、だから約束守って、倒れるくらいに抑えたから…。“キュー”様も其れを分かって、僕を傷付け無い様に、気を遣ってくれたみたいだしね…」
「其れでもだ!頼むから、もっと自分を労わってくれよ…」
「…だね…。でも其れより、早く聞く事聞かないと…」
「……あっ忘れてた…。其うだったよな、悪いがお前の看病は、後でしっかり見てやるから、取り敢えず部屋のベッドで休んでいてくれな?」
「うん其うするよ…」
「其れじゃ隆志を1度部屋に連れて行きます。“キュー”様、出来たおやつでも食べて、少し待ってて下さい」
「分かったよ〜」
(このまま逃げ)
「待ってて下さい!」
「ひゃい!」
何故かは分から無いが、“キュー”の思った事を理解して、逃げるなと釘を打つ。
正直、姿を見る事の出来る隆志が、離脱したのが痛いと思う凰哦。
“キュー”に、逃げられても分かる者が、唯一隆志だけなのだから…。
其れでも隆志には、自分がしでかした事で無理をさせ過ぎたと、自責の念に駆られるのだった。
立ち上がる事さへ出来無い隆志を抱き抱えて、逃げるなよ逃げるなよ逃げるなよ…と念じながら、ベッドへと向かう。
「役に立たなくてゴメン…」
申し訳なさそうに言う隆志。
「ハァ?何言ってんだお前は…。これ以上も無い程の活躍してくれたんだぞ?なぁに済まなさ其うに言ってるんだよ。お前には感謝しか感じん!誇れ!」
「…本当に?其う思うの?役にたったってさ…」
「ああ勿論!本当にありがとな、隆志…」
「フフッ、其れなら良かった。でも感謝だけしか感じ無かったの?其れ以外にも他に何か、思ったんじゃ無いのかな〜?恐怖の対象とか…」
「!!」
蓮輝並の観察力が、定着しつつ有る隆志に其う言われ、ドキッとする凰哦。
「ななな、何をだ!?べべ…別に特には無いぞ?」
「アハハ、本当分かり易いよね、凰哦って…」
「〜〜〜〜〜!!…ほらベッドだ、さっさと大人しく休んでろ!ったく、蓮輝といい、お前といい、如何して此処迄俺を揶揄う!?余り俺を揶揄うなよ!今度揶揄ったら容赦しないぞ!分かったか!?」
「フフッ…うん分かったよ。其れじゃ休むからさ、しっかり聞きたい事聞いておいてね。一応、逃げられない様に、“キュー”様の1部を手に入れて有るから、逃げそうになったら、其う言ってくれれば良いから…」
“キュー”に気付かれる事無く、“キュー”の1部を手に入れた隆志の其の豪胆振りに、驚きを通り越して呆れて仕舞う凰哦。
乾いた笑いを残し、部屋を後にする。
どんどん隆志の図太さや大胆さに、取扱い注意の危険さを持ち合わせているのだと、其う理解を深める程、純粋で清浄のイメージから掛け離れて行く。
既に凰哦は、其のイメージは幻想だったのだと思う事にしていた。
食堂に戻った凰哦は、手付かずのデザートを見て
「俺が見えないのを良い事に、逃げましたね?でも残念…。先程のやり取りで、貴方の気配は分かる様に成りましたし、逃げられない様、隆志が貴方の1部を手にしてる其うですよ…」
其処に“キュー”が居ると思っていた正樹達が
「何だって!?逃げたって本当かい?凰君」
「何時の間に…。私達には、気配も何も分かりませんモノね…」
正樹と美砂が呆れながら言う。
「アッハハハ…イダタタ…ゲホッイタッ!まんまと逃げられちまったか…笑える…アハイィーーッ!」
「学習しないわね…バカ…」
懲りない片平が、情け無く思える仲上。
「で、本当に居ないのかよ、凰凰?」
「このボケ、何時迄凰凰言うんだよ!…えぇ本当に居ませんよ。でも、そろそろ慌てて…」
「ダメダメダメ〜!我のモノ返して〜!其れ無いと、怒られるのよ〜!」
「…ね、でしょ?」
凰哦の予告通りに、慌てて戻って来た“キュー”。
「怒られる〜?誰に?…まぁ私は怒りますし、叱り付けますがね…」
「ウヒィ!……許して欲しいのよ、ゴメンなのよ…」
「其れは貴方次第…。私の質問に、ちゃんと答えてくれるなら、考えても良いです。が!はぐらかしたりするのなら、本気で叱ります!無理した隆志の為にもね!」
「ウヒィィ〜…あっ隆志は何処!?大丈夫なの!?生きてる!?」
「んん?大丈夫?生きてる?…何言ってんだ?この神様は…」
「早く答えてよね!アレ持ってると危ないのよ!危険なのよ!隆志何処!?」
かなり焦っている“キュー”の気迫に、コレは只事じゃ無いと、其処に居た全員が思うのだ。
其の証拠に、本気で焦っているのか、“キュー”の姿の1部だと思われる、色鮮やかな羽の様な毛が生えている、大蛇の様な尾の先が、何度も床を叩いていたからだ…。
其の様な生き物など、見た事が無い。
明らかに、異変が起きたのだと理解し
「危険とは何なのです!?隆志の身に、危険が迫ってるのですか!?」
隆志の身に危険が迫ると聞いて、凰哦だけでは無く、正樹達も慌てて、隆志の居る部屋に駆け寄る。
「隆志ー!!」
「「「隆志君!!」」」
「隆チッチ!!」
「其のチッチ呼び止めて下さい!!じゃ無いと、トコトン追い詰めますよ!!」
「あ、はい…」
命に関わる身の危険に晒されてる筈なのに、力一杯の怒声が返って来た。
「って!大丈夫なのかよ!?隆志!?」
「えっ何が?」
「何がって、“キュー”様のモノ持ってるだろ!?其れを持ってると、命の危険が有ると“キュー”様に言われたんだよ!」
「其うだよ〜!アレは、人が持っていてはダメなモノなのよ〜!」
「あ〜アレね〜。拝借した瞬間に、持ち続けてたら危険だと分かったからさ、其処の机の引き出しに、仕舞って置いたよ」
其う言いながら、机を指差す。
「おまっ何軽くアレね〜って言ってんだよ!底無しのバカかぁ?お前はバカなのか!?いい加減にしないと、マジブチ切れるぞ!隆志!!」
「うっ!…ゴメン…」
「いや今回は許さん…許されて良い訳が無い!俺との約束守らない奴など許してやるものか!」
「……約束は守ったよ…」
「未だ言うか!何処が守ってた!?」
「机の中に在るモノ、アレ…僕に抓られた痛みで暴れた凰哦がさ、無意識に奪い取ったモノだったから、“キュー”様が怒って話…聞か無いと思って…僕が気付かれ無いうちにって…。本当、危険なモノだったから…」
其れが本当なら、災いの元凶は凰哦自身。
何と無くだが、身に覚えが有る凰哦は
「サセーンでしたー!!」
綺麗な飛び込み土下座を繰り出す。
冷や汗ダラダラに成って土下座する凰哦に、手元に有った枕を思いっ切りぶつける隆志。
「グギッ!」
思いっ切り良い音立ててヒット!
正樹達は、隆志の気が済む迄枕を投げさせ様と、各部屋から枕を集めて
「ホイ!ホイ!ホイ!」
と、リズム良く手渡すのです。
「ホイ!ホイ!ホイ!」
「……………」
「ホイ!ホイ!ホイ!」
「無理!正樹さん達、楽しんでません!?僕未だ体力とか、回復してないんですけど!?」
「だよな…絶対俺を弄って楽しんでいるよな…。何故かまるで…蓮輝が調子に乗った時の、負の部分を感じるぞ…」
凰哦にキッと鋭く睨まれて、オドオドする正樹達。
「あっいや…済まない…何故か止まらなく成って仕舞って…。本当如何してだろう…」
「実は私も何ですよ…」
「私も…」
「俺はノリノリだったぜ〜!面白かったわ〜」
1人だけ自ら進んで楽しんだ片平は、後日解雇通知が届く事に成る。
「ふぅ〜…お互い相手を心配しての行動だったから、コレで収めておこうよ…」
「……だな…」
「で、話は聞けたの?」
「あっ!まぁた忘れてた!…何だよ…何かしようとすると、必ずアクシデント発生するよな…」
「…其れ…多分だけど、“キュー”様が其う成る様に仕向けたと思うよ…。ねぇ其うでしょ?“キュー”様…」
“キュー”の方を向いて、其う問う隆志に
「……分かっちゃった?」
「まぁ何と無くでしたが…。と言う事は、僕達の聞きたい事既に知ってて、どれもが話せ無いモノだと判断されたんですね?…違います?」
隆志の聞いた予測の問いに
「…うん其うなのよね…。だからアレだけご馳走に成って何も答え無いんじゃ、怒られると思ったのね…」
「怒る!?幾ら何でも、答えられるだけと約束したんです。苛立ちはしますが、怒る事はしませんよ!失礼な!…」
いやいや怒ってますよ?と思う“キュー”だったが
「怒るのはね、我を創り出した方なのよね…。コレも後で怒られるよ…我悲しい…」
此処でまた1つ、謎が増えた凰哦達。
「どうせ怒られるから言うけど、対価はキューと同じモノじゃ無ければ、支払え無いの。人からだとしたら、隆志が未だイケるかもだけどね、其れも難しいしね、命を捧げてもダメだと思うのよ…。だから対価は、キューじゃなきゃ無理ギァアア!ゴメンなさいゴメンなさい!これ以上話しません〜!許して〜〜……」
突然悲鳴を上げ、許しを乞う“キュー”の気配が、この場から消えた。
神様で在る筈の“キュー”を叱り付け、従わせる存在が居た事に畏怖して仕舞い、誰もが言葉を失うのだった…。
余りにも突然だったからか、何が起こったのか理解する迄に、そこそこ長い時が必要だった…。
今起きた、異変と呼ぶに相応しい現象を、1人また1人と理解し始めた時、押し寄せる恐怖で隆志が居る部屋は、大パニックに成っていた。
絶叫と悲鳴のハーモニーは外に迄漏れていて、親切なご近所さんが、しっかりと警察に通報してくれました。
警察には、“キュー”の事など言える筈も無く、誤魔化しとして、絶叫ゲームをしていたのだと無理矢理押し切り、ご近所さん達にも迷惑を掛けたと挨拶周りをする羽目に成ったのでした。
ゲッソリした状態で孤児院へ戻り
「クソ……恐怖と迷惑だけ残して、混乱させたままかよ…」
凰哦がやるせなく成り、愚痴を呟くと
「本当、其うだよね…。何時の間にか、自分の1部を回収したみたいだし…」
隆志が同意と共に、“キュー”の1部が回収された報告をする。
「其うなのかい?隆志君」
「はい、本調子じゃ無いですが、存在感が感じられませんから…」
「本当…何だったのかしら…」
正樹が聞き、美砂が困惑の表情をする。
「俺は有る意味、アトラクションの気持ちに成ったぜ。でもまぁ、これ以上は勘弁だがな…」
「努さんらしい意見ね、何と無く私も…。其れと、勘弁ってのには大賛成」
片平らしい感想に仲上が同意し、“勘弁”の言葉に、肯定の頷きをする一同。
「でもさ、何と無くだけど、ある程度の事がわかったよね…」
隆志が、分かる事も有ったのだと言う。
「はぁ!?何をだよ…」
「あれ?分から無いの?…えっ、皆さんも?」
隆志の問いに、うんうんと頷く。
「あらら…。絶対だとは言い切れませんが、其れでも良いのなら、説明しますけど…」
其の言葉にも、素早く頷く。
「多分僕だからってのも有りますが、“キュー”様…もう“”要らないか、キュー様自身言ってたんですがね、自分達は創られたって言ってまして、先程怯えて謝ってたのは、其の創った方何でしょうね…。神様の更に神って感じでしょうかね…」
其々同時に
「ハア!?」
と成る。
「で、多分ですけど、キュー君には聞かせられ無いんじゃないですかね?キュー様より偉い神の存在を…。そして自分は創られた神様だって事を…」
隆志が言った内容に驚く凰哦達。
「そ…それ…マジなのか?…」
「うん其う言ってた…。ご馳走作ってる時に聞いたから、間違い無いよ。でね、此処からは僕の予想と言うか想像何だけどさ、多分キュー君、カッパの中でも特別な存在で、キュー様の後継者的な存在なのかも知れないかな?って、其う思えたんだよね…」
「おいおい隆チッチ、何でそんな風に思えたんだよ?」
「未だチッチ付けするなら、本気で呪いますよ?」
とても良い笑顔で隆志が言うと
「はい分かりました…」
と、祟り神からの御信託として、素直に言う事を聞く片平。
其の祟り神を畏れながら、正樹が
「た、隆志様、私達にも分かり易く教えて頂けませんでしょうか…」
と、様付けで聞くのです。
「正樹さん、僕を祟り神扱いしないで下さいよ…悲しく成ります…。僕が其れをするのは、人に危害を及ぼすモノに対してなので、正樹さん達にはしませんから…。あっ片平さんは別ですがね〜♪」
特別扱いなのは凰哦だけでは無く、片平も違う意味で扱われている事が分かった正樹達。
ホッと安堵し
「其れじゃ、今迄通りで…」
と、丸く収まるのでした。
「後継者は違うかもですが、キュー様が、キュー君には聞かれては不味い内容だった為に、わざわざ遠ざけましたからね…。対価の件も今僕達に聞かれたら、誰かがキュー君にポロッと教えちゃう怖れが有るから、教えられ無いんじゃないのかって思えたんですよ」
幼い頃から物怪などに関与していた隆志の話す内容に、成る程と納得する凰哦達。
「確かに、対価はキューと同じモノだけだと言ってたもんな…。あっおい隆志、お前でも対価を支払うのが難しいって言ってたんだ、何が有っても絶対キュー様にお願いするなよ!?」
「分かってるよ凰哦。フフッ僕其処迄無茶はしないから。何時も気遣ってくれてありがとうね、○X○X○○X」
「ん?最後、何言ったんだ?声小さくて聞こえなかったぞ?」
「うぅん別に何も〜。其れとさっきの予想、僕が思っただけだから、間違ってるかもだけどね〜」
ハニカミながら言った其の時、1枚の紙が机の上に現れる。
其れだけでも驚くのに、書かれた内容に、更に驚いて仕舞う。
書かれた内容とは
ー隆志の言った事で、大体合ってるよ〜。後は、これから始める旅で知る筈だから〜。おいおい知ってね〜ー
と書かれていた。
混乱を残して行った“キュー”が、更に謎をプレゼントして来たのだった。
キューを自然豊かな所に返す為、場所探しの旅に出る事を何故知っていたのだろうか…。
色々と謎を残され、無言のまま、時間が過ぎて行くのでした…。
輪廻家族にも書きましたが、初投稿から今日で、丸1年経ちました。
其の為、此方の投稿も控えてました。
如何しても、記念にしたくてです。
其れと最後迄、書き終える様にする為にもです。
では来年迄、お待ち下さい。
良いお年を〜。




