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新居

思いもしなかったよ。

まさか子供達の新しい施設が此処だ何て…。

如何やって話を付けたのか分からないけど、此処を孤児院にしても本当に良いのかな?

だって此処、僕が通う病院だよ?

意味分かんないよ…。

更に言うとさ、僕にとっても嬉しいと思える筈だって言ってたけど、わぁ〜素敵〜!病院が孤児院だなんて〜!ってなると思う?

僕は絶対ならない。

確かに、怪我や病気になったら直ぐ診て貰えるとは思うけれどね…。

さて、無駄にアレコレ考えててもしょうがないからね、凰哦さんに説明聞きながら、子供達の居る所に案内して貰いますかね…。

其の後、仲上さんに挨拶して序でに今合併症で治療して貰ってる、内科の先生に薬の相談して来ようかな?

副作用がキツいから、少しでも弱い薬を処方して貰えたら嬉しいのだけれどね。

皆んなの前で、吐き戻す姿とかを見せたくは無いからね…。

黙って後を付いて行くと

「あれ?…凰哦さん、病院の中には入らないの?」

「今は入らないぞ?まぁ後で挨拶しには行くが、取り敢えずはもう少し何も聞かず付いて来てくれ」

「ん〜分かった…」

さて、それじゃ…

「美砂お婆ちゃん、今から尋問してもOK?」

「ヒィ!…どどど…如何したの蓮ちゃん…。い、いきなり尋問だなんて…」

おっ?こりゃ以前のお仕置きが効いてますなぁ〜。

これなら案外すんなり聞けそう♪

「いやぁ〜美砂お婆ちゃんには悪いんだけれどさぁ〜、凰哦さん以外で何処に向かうか知ってそうなのって、美砂お婆ちゃんくらいしか思い付かないからね、だから教えてくれないかなぁ〜ってね」

「あっいやその…」

「蓮輝!止めないか!何美砂母さん迄巻き込んでるんだ!?怯えてるじゃ無いか!!」

「だってさ、凰哦さんは教えてくれそうに無いんだもの。何も聞かずにって言うのは、凰哦さんにだけ当てはまる訳で、其の他は大丈夫でしょ?誰からも聞かずにって言われて無いからね〜」

「おまっ…」

「それにさ、こうやって目の前で周りから攻略されたら、耐え切れない凰哦さんが口を開くかと思うんだけれど違った?」

悪魔的な発想に側に居た正樹も、美砂と抱き合いガタガタと震えてしまうのだった。

「れれれ蓮ちゃん怖い…」

「ほほ本当に…」

しっかりお仕置きの恐怖が身にしみている様子。

ウケケと笑う蓮輝の表情は、最早極悪人。

其の表情で攻め寄ると、後退りしてオドオドする凰哦は

「わわ分かった!分かったから其れ以上脅すその顔止めてくれよ頼むから!」

「ったく、初めから素直にそうしておけば、僕も要らぬ手間掛けずに要られたのに。ダメだよ?僕を出し抜こうとか、下手な事考えちゃぁ…良い?分かった?」

「…はい…」

あの時のお仕置きは、抜群の効果を発揮してくれました!

いやぁ〜こんな時の為にも、前もってする事しておけば、後が楽で良いよね〜ん♪

「で?」

「…目的地は既に到着してるぞ…此処だよ…」

「はい?…」

凰哦さんが指差すこの建物は、病院の敷地内に在る職員の寮だった。

病院から少し離れた場所に造られていて、この寮を知ってる者は余りいないんじゃないかな?

其れ程密かな場所に在りました。

「職員の寮?」

「あぁ、子供達が待ってるから早く中に入ろう」

「あっうん…」

言われるまま中へと入る。

エントランスで、ドアロックの暗証番号を押してロック解除する凰哦さん。

其れを見て、セキュリティはしっかりしてるんだと思って、ちょっと安心する僕。

解除されたドアを開けて中に入ると、子供達が僕達を迎えてくれた。

如何やら、僕達の到着を今か今かと待ち侘びていたみたい。

う〜〜れし〜ぃねぇ〜!

何て良い子達なの!!

お兄さん、感動してますよ!

此処にも天使さんが沢山居たよ〜!

感動してる僕に、1番幼い子が

「ねぇ蓮輝お兄ちゃん、今日はどんな悪い事してきたの〜?」

えっ!?

「正樹お爺ちゃんと美砂お婆ちゃんが怯えてるねぇ、また何かされたの?」

えっえっ?

「あれ?如何したの?凰哦叔父さん、正樹お爺ちゃん、美砂お婆ちゃん、皆んな顔色悪くなって行くけれど大丈夫?」

えっ?えっ?えっ?…

愕然として膝落ちしました!

一応、この中の誰かが子供達に、そう言えとそそのかしたかを見極める為、パッと眼光鋭く見回したんだけれどね、勢い良く顔を横に振って否定してますよ…。

お仕置きの怖さを知ってるから、この否定は本当なのだろうと理解…。

これは本当に、子供達が思った事みたいだね…。

そ、そんな…子供達の中で、僕のイメージって…

「蓮輝…これで分かっただろぅ?…純粋な子達に見せてはいけない事をした事に…。今後は控える事だ…」

僕の肩に、ポンポンとしながら手を掛けて凰哦さんが言う。

「くぅ〜〜チクチョ〜ん…」

そう嘆いてみたけどまぁ良いかぁ〜。

既に固定されたイメージを払拭するのは、骨が折れるからねぇ〜。

「ヒャッヒャッヒャ〜!其れならイメージ通りにこれからも精を出すよ〜!アブシッ…」

相変わらず華麗なるチョップ、ご馳走様!

「痛いよ…」

「本当に懲りないな!呆れて情け無くなるわ!」

「アッハハハハハ〜!」

「キャハハハ〜!」

子供達と正樹お爺ちゃんに美砂お婆ちゃんもが、大笑いしてくれてます。

「僕、蓮輝お兄ちゃん達のこのやり取り見たかったんだ〜」

「私も〜!」

「僕も僕も〜!」

「私もだよ蓮ちゃん」

「えぇちょっとお仕置きが怖いけれど、やっぱりこのやり取り見ないとだわね…。これでこそ凰さん蓮ちゃんだものね」

子供達に正樹お爺ちゃんと美砂お婆ちゃんもが、そう言って笑ってくれたから嬉しいんだよね。

少し恥ずかしそうにしながら

「さて皆んな、今日から暫く此処での暮らしになるが、ちゃんとやって行けそうかい?」

まるで学校の先生の様に、子供達と接する凰哦さん。

「うん!」

「其れじゃ私達は、此処の管理人さんと院長に挨拶してくるから、君達は荷物の整理して待っててくれるかな?」

「は〜い!」

「良い返事だ!後其れにキューの事だが、君達だけしか見えないから、少しの間見ててくれないかな?多分此処に姿が無いって事は、君達のベッドを占領して寝ているとは思うのだが…」

「今ね、ケヘケヘッウマウマって言いながら、僕のベッドでグッスリ寝てるよ〜」

「本当キューちゃんって、ご飯の事ばかりで可愛いよね〜♡見てて飽きないよね〜」

「僕達ちゃんとキューちゃんを見てるね〜!」

キャッキャッ言いながら、キューの事を絶賛してくれる子供達。

これなら任せても良いよね。

「そうか、君達もキューの事が大好きで居てくれて、叔父さん嬉しいよ。其れじゃ宜しく頼むな皆んな…」

「「「は〜い!」」」

キューを子供達に任せて、此処の管理人さんに挨拶した後、病院の院長室に向かう。

予め、院長さんに挨拶すると伝えて有ったから、受付の人に伝えると直ぐに案内される。

院長室に到着するなり、部屋をノックすると

「如何ぞ、お入り下さい」

と、院長自らドアを開けてくれました。

「ありがとうございます江田院長。其れでは失礼します」

広い部屋の中に、来客用のテーブルとソファが在って、僕達は其処に座ると、温かいコーヒーを秘書?の方が出してくれた。

「済いません、お気遣い無く…。今日は挨拶とお礼に来ただけですから…」

そう言って、頭を下げる凰哦さん。

僕達も一緒に頭を下げて、大人しくしてます。

初めて見る院長さんメッチャイメージ通りで、これこそ正しくザ・院長!ヨッ!院長!フゥ〜キマってる〜!院長〜!って感じ。

僕的に、パーフェクト院長決定です!

此処最近思うのだけれどさ、真面目に其の道を突き進んだ人達ってね、見た目だけでもイメージ通りの人が多いって事。

この院長さん然り、凰哦さんも社長さんのイメージ通りだし、正樹お爺ちゃんと美砂お婆ちゃんも、職人さんと其れを支える女将さんって感じだもんね。

そう思うと僕はどんな風にみえるのかな?

絵本作家として見えてるのかな?

パッと見にイメージ通りに見られる様になるって事は、とても凄い事なんだとこの時初めて思えたね…。

「江田院長、私共の無理なお願いをお聞き頂いて、本当にありがとうございます。おかげで滞り無く子供達も安全を確保出来、安心して過ごす事が出来ます。本当にありがとうございました」

「何を仰います、お礼を言うのは此方の方ですよ。何時も医療支援や其の他の事でお世話になってますのに、更に余り使用して無い寮を子供達の為とは言え、使用料として多額な額をお出しになられてるのに、篠瀬社長には感謝してもしきれませんよ」

「そんな事有りません…。子供達の事は、ただ私がやりたいと思っただけですから、其れを快く受け止めて頂けた事に、本当に感謝してますから」

「そう言って頂けたら、此方としてもありがたい事です…。正直申しますと、このままこの寮で孤児院を続けても良いかと思っています」

「其れはいけません、今は余り使われていないとしても、職員の方が心落ち着いて休める場所でも有るのです。其処に子供達が居ては、気を遣われてしまって休めないでしょうから、今新たに造られてる所が完成する迄で結構ですので…」

「そうですか?少し残念ですが、ではもし何か有った時の為に、此方の寮も何時でも使えると言う事にしておきますので、其の時は遠慮なく申し出下さい」

「其れは大変ありがたい事です。其の時は是非、宜しくお願いします」

「私共で良ければ、何時でもお力になりますから…」

「ありがたいお言葉です。では挨拶はこの辺にして、そろそろ失礼します」

「はい其れでは。何か有りましたら本当に何時でも申し出て下さい」

「えぇ分かりました、ありがとうございます。では失礼します」

お互いに頭を下げて、爽やかな笑顔でのやり取りは、見てて気持ちが良いよね〜。

やっぱり大人の会話って、こうでなきゃね!

部屋を出てから

「何だか、凰哦さんと正樹お爺ちゃんとの最初の会話を思い出しちゃった。まるであの時みたいに、大人の会話って感じでさ、聞いてて気持ちが良いよね!」

「そうだったね、凰君との会話は、丁度こんな感じだったね」

「そうでしたね、正樹父さんと会話した時もこんな感じで、とても清々しく思えましたよ」

「未だそんなに日は経って無いけれど、もぅ随分と前の様な気になるわね…不思議なものね…」

「そうだね〜美砂お婆ちゃん…。あの時は此処迄色んな出来事が起こるとは思って無かったからさ、余りにも濃過ぎて、随分前に感じるね」

「だな…。本当に色々と有ったから、大変だったが充実した日々だったな…」

皆んな、これ迄の事を振り返って、其々物思いにふける…。

本当に色んな事が有ったよね…。

これからも色んな事が有りそうだけれど、其れを少しでも多く乗り切れる様に、僕も体調をしっかり管理しなきゃね…。

「あっそう言えばさ、ふと思ったんだけれど如何して病院だったの?他に孤児院が出来そうな所は無かった訳?」

「ん?其れかぁ〜?なぁ〜に、ただ単にちゃんとした所が見付から無かったんだ…。安全面の確保や、お世話をしてくれる人とか色々とな…。其れならいっその事、1から造れば良いかと言う事になってな、我が社で運営する事にしたんだ。其処である中古物件をリホームして孤児院にしてる最中何だよ」

へぇ〜そうだったんだぁ…。

「本当なら完成する迄、あの孤児院に居て貰うつもりだったんだが、警察の捜査も有るから其れも出来なくなってしまってな、如何しようかと頭悩ませていたら、何処からか俺達の話を聞いた江田院長が提案してくれたんだ。此処の寮を使いませんかってな…」

「そうなの?」

「あぁ…。其れで此処ならば、小児科に入院してる子供達と一緒に勉強も出来るし、セキュリティは万全だし、食事や清潔面もキチンとしてくれるからと、お願いしたんだ。怪我や病気をしても安心だからな」

「なる程ねぇ〜、凄く納得」

「でもずっとは迷惑掛けるから、今リホームしてるのが完了する迄の間だけなんだ」

「其のリホームしてる所は、安全面とかは万全なの?」

「おいおい蓮輝、俺を誰だと思ってる?そんな事は当たり前だろう?勿論お世話してくれる人も、ちゃんとした人を雇ってるから、安心してくれよ?」

「そうなんだねぇ〜、其れなら良かった」

やっぱり凰哦さんに任せておけば、上手くいくみたいだね。

何か安心しちゃった〜。

……ってあれ?何だかちょっと体がフラつく…

「おっと危ない!…おい大丈夫か蓮輝!?」

フラついて倒れそうになった僕を凰哦さんが胸で受け止めてくれた。

凰哦さんの胸に寄り掛かりながら

「ごめん…フラついちゃった…」

「大丈夫かい蓮ちゃん…」

「ごめんありがとう、正樹お爺ちゃん…」

「ちょっと何処かで横になる?」

「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう、美砂お婆ちゃん…」

「蓮ちゃん本当に?」

「美砂お婆ちゃん、本当だからね…。ただもうちょっとだけこのままで居てくれたら良くなりそうだから、ちょっとだけこのままでも大丈夫?凰哦さん…」

「別に俺は構わないぞ?」

「其れじゃちょっとだけ…」

あぁ…こうやって凰哦さんに子供をあやす様にされるのって、どれくらい振りなんだろう…。

子供の時は、甘えて良くして貰ってたなぁ…。

懐かしいや…。

あ〜凰哦さんの温もりってこんなんだったっけ…。

何だか安心出来るんだよね〜。

「そうか?其れなら良かったぞ…」

ったくまた人の心を読む…でもいっかぁ…今回は、読んでくれた方が素直な気持ちを伝えられる気がするからね…。

安心した僕は、其のまま凰哦さんの胸の中で眠りに着く…。

目が覚めたら、寮の一室に居たんだ。

一応主治医の先生に診て貰って、薬の副作用で体力が落ちているから、疲れで寝ているだけだろうと入院とかはせずに、寮で休む事にしたみたい。

起きた僕に、皆んなが大丈夫だったかと声を掛けてくれた。

子供達も変わり代わりに、心配そうに聞いてくれたよ。

ありがとうね、皆んな…。

「う〜〜ん……ふぅ…安心して眠ったからか、かなりスッキリ♡本当に皆んなありがとうね〜」

「顔色も良くなったみたいだから、本当に楽になったみたいだな…。でも無理はするなよ?」

「そうよ蓮ちゃん、疲れたなら直ぐに言ってね?約束よ?」

「凰君や美砂の言う通り無茶はせずにね。其れに子供達にも心配されるのは辛いだろう?なら尚更ちょっとした事でも、私達には言ってくれないとね」

「皆んなありがとうね、でも正樹お爺ちゃん達にも心配させたく無いんだよね…」

「何言ってるんだい!孫や子供の事を心配するのは、私達の勤めだよ。だからそんな事気にしてたらダメじゃ無いか。蓮ちゃんは私達にもっと甘えてくれて良いんだからね」

「そうよ蓮ちゃん。この人の言った通り、もっと甘えてね」

「だそうだ、俺も同じ気持ちだからな?だから迷惑掛けるだとか、心配させたく無いとは思わない様にしてくれよ?」

「分かったよ、本当にありがとうね…。其れじゃちょっとだけ、主治医の先生に薬の事で相談して来ても良い?」

「其れは別に構わないが、先生も予約無しに突然来られても迷惑何じゃ無いか?」

「あっ其れ一応前もって伝えて有るよ。院長室に向かう前に、受付でお願いしておいてあるから」

「そうなのか?何時の間にそんな事してたんだよ?」

「ヘヘェ〜気付かなかったでしょ?実はね、此処に入院してる時にさ、結構な職員さんとね仲良くなって、ジェスチャーだけで会話出来る様にゲームしていたんだよね〜。今じゃ売店で物を買うのもジェスチャーでやり取り出来るんだよ〜」

「マジかあー!?」

「大マジ!」

「いやはや蓮ちゃんの行動力に脱帽するよ…」

「本当だわね…流石と言うか…」

「いや〜んそんなに褒められても〜♪」

「「「………」」」

「其れじゃちょっと行ってくるね〜」

凰哦達は褒めてないと言いたげだったが、蓮輝はお構いする事無くルンルン鼻唄混じりで主治医の先生に会いに行く。

主治医の先生と薬に付いて相談をし、副作用の少ない薬を処方してもらう事になって、薬を受け取ってから部屋に戻ると

「おっ?やっと戻って来たか。其れじゃ新しい孤児院を見に行こうか?」

「えっ?今から?大丈夫なの?未だリホームも完成してないんでしょ?」

「何だ?新しい孤児院を見たくは無いのか?あんなに知りたがってたのに…」

「いや見たいし知りたいよ?でもこんな時間に行っても大丈夫なの?何だかんだと、もう直ぐ夕食の時間だよ?」

「其れは大丈夫だ。此処からそんなに離れては無いしな」

「…そうなの?其れじゃお願いするね」

「ああ。あ〜きっとビックリするぞ〜!今からお前の驚く顔が思い浮かぶよ!」

凄く嬉しそうに凰哦さんが笑って言う。

何だか其れだけで、こっちも嬉しくなって来た。

正樹お爺ちゃんも美砂お婆ちゃんも、どんな所に出来るのか知ってるみたいで、2人もクスクス笑いながら楽しそう。

何時もの僕なら尋問開始してるけれど、今回はこの雰囲気大切にしたいからさ、大人しく僕もワクワクする事にしたよ。

で、凰哦さんの運転で到着した場所はね…

「えっ!?如何言う事?此処ってお爺ちゃん達の商店街じゃない?」

「そうだ」

「ええっ?如何言う事なの?」

「実はな、父さん達の店の近くに、以前大きな敷地を持っていた料亭が在ったんだ。其処が潰れて誰も買い手が無かったのを買い取ったんだよ」

「そう言えば何年か前に、そんな店あったよね…。えっ?マジ?其処を買い取ったの!?」

「ああ!我が社で買い取り今リホーム中だが、外から見るくらいなら大丈夫だろう」

そんな訳で、楽しそうに向かう凰哦さん達の後を付いて行く僕。

目に入って来たのは、面影の全く無い元料亭。

「うへぇ…マジ…」

驚いた僕の顔を見た凰哦さんが

「オッシャァー!成功!いやぁ〜蓮輝、お前を驚かす事が出来るのって、メッチャ嬉しいものだなぁ!アハハハハッ!」

「はいはい其れは良かったよ…。でもマジ凄いね!冗談抜きで驚いたよ!」

「そうか?蓮輝にそう言われると、本気で嬉しいな〜」

屈託の無い笑顔が、心からそう思ってると感じられた。

「如何だい蓮ちゃん、凰君の嬉しそうな顔…見てて私も嬉しくなったよ」

「そうね、蓮ちゃんに喜んで驚いて欲しくて、ずっと頑張って来たんですものね…。私も嬉しいわ」

「そうなんだね、其れを聞くと僕も嬉しくなるよ」

本当に嬉しそうな凰哦さんを見て、心から喜んでいる事が、今は何よりも嬉しいと思うよ。

こんな気持ちがずっと続けば良い…。

続けて上げたいと、僕はそう思ったんだ…。

今話の前に、前話でキューの日記を挟んだのですが、いかがでしたか?

今話も余りキューが出て来ないので、挟んで正解かな?とも思ってます。

では次話をお待ち下さい。

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