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巣篭もりしますか?

キューの大冒険?を聞いた後、ランチタイムに突入です。

今回のランチメニューは、ななな、何と!…ただのぺぺノンノンです。

キューに合わせてと思うと、今ある家の材料では、そう多くのメニューが作れないんですよ…。

ご飯は確実農薬は使ってるだろうし、このお米が無くなる迄は、オーガニックを謳ってる麺類しか無いんです。

なので、しばらくは麺類メニューが続きそう…。

何かレパートリーを増やさないとね〜。

後で、料理本でも買いに行って来ますか…。

ちなみに、僕達が住んでいるこの家は、凰哦さんが会社の社長でもあるから、結構大きいのだが、家政婦は雇って無いんだよね〜。

その一因は、他人嫌いの僕のせいでも有るんだけれど、凰哦さんもどちらかと言うと、他人に色々とされるのが好きじゃないから、雇わない事にしていた。

元々1人で家を守って、何でもこなしてきた人だからね〜。

なので、僕が料理を覚える迄は、凰哦さんが食事の用意をしてたんだけれど、正直言って、不味い!のです。

何でもクールに決める凰哦さんなのに、料理は下手何だよね〜、残念…。

僕は元々掃除とか好きだったから…というか、目に付く嫌な思い出達を処分したくて、片付けたりしてたら、掃除スキルが身に付いただけなんだけどね。

だから料理を覚えてからは、僕が家事全般をする様になったのです。

こう言っちゃ何だけど、下手な主婦より、料理は得意だと自負してます。

それに、美味いと言って貰えたら、かなり嬉しいからね〜。

頑張って、料理の腕を磨いてますよ。

食費は僕の意向で折半だけど、外食は基本凰哦さんが出してくれます。

その方が、他人の目にもスマートだからね〜。

さて、ランチタイムも終了した事だし、キューも凰哦さんも美味いと言ってくれた事だし、僕はお昼寝タイムとしますか…。

昨夜起きてから、意味の分からないポンコツ魔神の事で、眠れなかったからね〜。

「魔神さん、僕ちょっとお昼寝するから、片付け頼むよ〜」

「魔神って…はい分かりました…ゆっくり休んで下さい…」

「蓮輝お兄ちゃん、おねんねするの〜?」

「うんちょっとだけ、ほんの1時間くらい休むね。その間、魔神…違う凰哦パパに遊んで貰ってて」

「うん!分かった!」

「未だ言うか?」

「しばらくは…ゴホッ!ゴホゴホッ!…ゴホッ…」

「おい蓮輝!また咳して!…本当に大丈夫なのかよ!?」

「…う〜ん…大丈夫だと思うんだけど…休めば良くなるよ…」

「とてもそうだとは思えないぞ!?今度、1度ちゃんと病院で診てもらった方がいいんじゃないのか?」

「うん分かったよ…今度診て貰ってくるよ。だから余り心配しないでも大丈夫だから…」

「絶対だぞ!」

「分かったから、ありがとうね凰哦さん」

「ったく、それじゃ早く休んで、少しでもゆっくり寝てなさい」

「は〜い、それじゃ後宜しく〜!キューも後でね〜」

「は〜い!おやつみ〜」

「お休み〜」

そう言い残して、僕は自分の部屋に戻る。

戻った僕は、その場に蹲る。

痛い…とても痛い…。

何だろ?全身のアチコチが痛いんだけど…。

寝過ぎて、体が固まったのかな?

それとも、さっきの雨にうたれて、体が冷えたのかな?

それにしても、凄く痛いよ…。

何とか2人にこの姿見せずにいたけど、時折くるこの痛み、隠し通せるかな?

限界だと思ったら、その時は素直に病院に行ってみよう。

取り敢えず今は、体を休めなくちゃね…。

こっそり痛み止めの薬を持って来て、それを飲んでベットで休む蓮輝だった。

ほんの1時間休むつもりが、少々多めにガッツリ5時間寝ちゃいました!

夕方っすよ!奥さん!

あらまぁ如何しましょ?晩御飯の支度…。

なとど、アホな事思いながら、慌ててリビングに向かうと

「おぉ、ようやく起きたか…」

と、凰哦さんが何かコチョコチョしていた。

「何してんの?」

「ん?これか?これはキューのベッドを作ってるんだ」

あっそういえば、キューのベッドを2つ作るつもりでいたのに、僕が倒れてしまったから、今迄作らなくそのままの状態だったみたい。

「キューのベッド、作ってくれてたんだありがとう。っで、何時から作り始めたの?」

「ん?そうだな〜、お前が寝た後直ぐだなぁ〜」

What?ワタクシ、イーミガ、ワーカリーマセーン!?

だって、僕が寝てた時間は5時間だよ?

その間に作れてないって…あっもしかして、1つは出来てて2つ目を製作中…うん!アソコに開けてない箱がある♪

未だ1つ目なんだね〜!スッゴ〜イ!って、違うだろう!

「ねぇ凰哦さん…それ…1つ目だよね…?」

「…そうだが?」

この人、もう1つ欠点があったっけ…あっ、1つじゃないかも知れないけど、その中の1つ。

それは、不器用って事。

賢くて頭もキレるのに、何故か簡単な物でも、作るの失敗してしまうんだっけ…。

本当残念な人だよ…。

「5時間掛けてそれなんだ…」

「………」

「ありがとう、凰哦さん。僕に気を遣って頑張ってくれたんだね…嬉しいよ、そんな所大好きだよ…」

パーッと明るい表情になる凰哦。

「でもね、逆に気を遣うからさ、今後は僕に一言言ってからにしてよ?」

「…はい…」

「でも本当にありがとう凰哦さん。僕も手伝うから一緒に作ろ?」

「!ー本当か?よし、一緒に作ろう!頼むな!」

とても嬉しそうにしてくれて、こっちも嬉しくなる。

凰哦さんに尻尾が有ったら、絶対フリフリしてるよね〜!

正にワンコで違いないよね〜。

おっと、下手に思ったら勘付かれてしまうね、なるべく悟られない様にしないと…。

「ワンッ!」

あっ!気付かれてた…額に米印が幾つもあるよ…。

「余計な事考えてごめんなさい…」

「ワンッ!」

「…それで通すなら僕は別に良いけど、キューの前ではしないでね。それじゃサッサと終わらすよ!」

「ワン…はい…」

それからは、2人でキューのベッドを完成させました。

所要時間は、たったの20分。

しかも2つのベッドを完成させました。

こんな簡単な物作るのに、5時間も掛かる?

本当に何故!?って感じなんですが…。

しかも、一仕事終えた〜みたいな顔をして満足そうにしてるのは、どういう事なんでしょう?

もぅいいかぁ〜、こんな凰哦さんを見られるのは、僕達だけだもんね。

外では気を張って、安らげないだろうから、家にいる時くらいは、自然体でいさせてあげよう。

「それじゃ凰哦さん、出来たベッドを運ぼうか?」

「そうだな、そうしよう。それじゃ先ずは、俺の部屋から運ぼうか…」

「了解」

2人の部屋に、其々キューのベッドを設置して

「キュー、このベッドはお前専用のベッドだぞ!好きな方を好きな時に使えば良いからな」

「どちらの部屋もドアを半分開けておくから、その日の気分で、どっちのベッドで寝るか選んでね」

「うん分かったよ〜」

「で、ちゃんと1人でベッドに寝れるか確かめてみてくれないか?」

凰哦さんがキューにそう言うと、少し考えながらもキューは、自分のベッドに乗るのだった。

柵のあるベッドなのだけれど、キューには必要無いと思い、片側だけ柵を外してあった。

そのおかげか、すんなりとベッドに乗る事が出来たのだが、未だ布団が無い為、ただ板の上に寝転がっているだけだった。

しかも仰向けで。

甲羅で揺れるキューを見てて

「そういえばキュー、寝る時はお腹を上に向けて寝るの?」

「うん、いつもそうだよ〜」

「それって、今みたいに甲羅で揺れながら寝てるの?」

「違うよ〜、いつもはねぇ、たくさ〜んの葉っぱにねぇ、寝転がってるの〜。だからねぇ、ゆれないよ〜」

あっなる程ね〜、葉っぱに埋まって寝てるんだ。

「凰哦さん、今からキューの布団を買いに行こうよ。僕本も欲しいから、布団を買うついでに本も欲しいんだよね」

「あぁ良いぞ、それじゃ早速買いに行くかぁ〜」

「キュー、買い物に行くよ〜!さぁこのリュックに入ってね〜。あっ凰哦さん、今日も僕が運転するからキューお願いね!」

「いやいや、良くなったといっても、まだ病み上がりなんだから、俺が運転するから」

「大丈夫だって!それに、買い物の最中は、今回僕がキューを担ぐからさ。何せこの時間だと、また誰かに会う確率高いからね…」

「そうか?…そうだな、それじゃ運転任せるぞ?」

「OK〜!」

凰哦さんとの会話をしている間に、スポンっとリュックに納まるキュー。

どうやらお気に入りになったみたい。

それじゃショッピング・パート2開始!

キューも車に乗る事が好きになったみたいで、僅かな時間のドライブを楽しんでいた。

今回はショッピングモールではなく、少し離れた商店街に在る高級布団を取り扱っているお店に行きます。

車をパーキングに停めて、お店に向かう。

そこで、キューが少しでも気持ち良く眠れそうな、フカフカの子供用の掛け布団と、柔らかいマットを2セット購入し、車に乗せてから、近くにある僕御用達の本屋に、レシピ本を数冊と、キューに文字を教えたくて、文字の練習帳を買って、本屋を後にする。

「凰哦さん、こんな時間だから、食事は外で食べても良い?」

「それは別に良いが、キューが食べられそうな店なんか在るかぁ?」

「在るじゃない!ほら、僕達が出会ったお店!この近くでしょ?」

「あっ、そうか!あそこなら大丈夫だよな!…だからか、ワザワザこっちに来たのは…。キューの為だとはいえ、値の張る布団とマットをあの店で買ったのは、そういう訳だったんだな?」

「おっ?そう!ご明察〜。それにあのお店、美味しいのに何故か、お客さん少ないからね、角っこの場所ならキューが食べてる姿、他人にとっては、謎の怪奇現象として見られる心配もないだろうからね〜」

「いや〜本当、お前の頭の回転は凄いよなぁ〜。悪知恵って言われてもしょうがない程だぞ?余り他人にはひけらかさない方がいいかも知れないな…」

「あ〜、やっぱりそう思う?…分かったよ、今後は気を付けるよ…」

これは凰哦さんからの忠告なのだと、素直に受け入れる事にした。

…な訳ある筈ないでしょう〜!

だ〜〜〜れが素直に聞くと思うんだい?

その悪知恵で、この世を渡って来たアッシですぜ?

ケケケッ…

パチィーン!

「痛いじゃないかあー!」

「痛いじゃないかあー!じゃない!アホッ!」

この人、本当…悪巧みとかだけ、心を読むんだから…。

「読んでないぞ?お前の癖が出てただけだぞ!」

ありゃ、これは本気で治さないといけない癖ですなぁ…。

本当用心しないと…。

「でそんな事より、早く食べに行こうよ」

「……お前のその切り替えの早さ、羨ましいよ…」

「そりゃそうなるよ。…だって凰哦さんに育てられたんだから」

「俺のせい!?」

「そうだよ?子は親の背を見て育つって言うじゃん!凰哦さんも切り替え早いよ?」

「おまっ、なにっ…バカタレ…」

親の背を見てに、親だと思ってくれていたんだと思うと、嬉しくもあり、悪知恵が働くのも自分の背を見て、そうなったのかと思う事で悲しくもなる、複雑な心境の凰哦だった。

だがやはり、嬉しさの方が勝るのだった。

少々上機嫌になって、蕎麦屋に到着したら

[誠に勝手ながら、当店は閉店させて頂きます。長らくの間、ご愛顧ありがとうございました。]

との張り紙が貼ってあったのだ。

愕然としながらも、思わず扉を開けてしまう凰哦。

何故扉を開けたかというと、店の明かりが付いていたからだった。

「すみません…何方かいらっしゃいませんか?」

すると、奥から人がやって来て

「いらっしゃい。…すいませんが当店は今日を持って、閉店させてもらいます…ですので、申し訳ありませんが、お帰り願います…」

「えぇ、今張り紙を見て、驚いていたところです。少しお話を聞きたくて…ご迷惑でしょうか?」

「お話ですか?…そうですね、最後のお客様として良ければ中でお話でも…」

「誠申し訳ありません、有り難くお言葉に甘えさせて貰います」

「ささっどうぞ中へ」

「では…」

中に入り、席に案内される。

「宜しければどうぞ…」

と、お茶を出された。

「ありがとうございます…」

ズズっとお茶をすすりながら、凰哦さんが

「失礼ですが、ついこの前こちらに来たのですが、何故突然閉店されるのでしょうか?」

少し黙った店主が

「実は、ここ一体を再開発するとの事でして、その上お恥ずかしいながら、お客の入りも少ないものでしたから、店を閉めようと、昨日決めたばかりなんです…」

「えっ!?再開発?そんな事、私共聞いた事無いですが本当ですか?」

「そうらしいんですよ…隣の店もしまう事になりましたし、正直な話、嫌がらせも有りましたからね…」

それにブチ切れる凰哦。

「なんと!とても許せないですね!…分かりました私が何とかしてみせますよ!」

「何とかって、如何されるつもりですか?…今更何をしても無駄ですよ…」

「いいえ、何とかしてみます!…遅ればせながら私くし、こういった者です。株式会社篠瀬の社長をやっております」

と、名刺を渡すのだった。

「!!あの有名な会社の社長様だったんですか!?」

それに驚く店主。

「はい、ですから何とかさせて下さい!私共、此方の蕎麦が大好きでして、恥ずかしながら、忙しくて何度も通う事は少なかったのですが、店主の作る蕎麦が絶品で、その上天麩羅も極上でしたから、また何度も食べたいと思ってます」

「なんと有難い事です…でも決めた事ですから、ご迷惑を掛けられません…ですので、お気持ちだけで充分ですよ…」

「いえ、迷惑掛けたのは、此方ですから…」

「迷惑?そんな事された覚えは有りませんよ?」

キューの無銭飲食の事だと僕は思った。

「いえ、掛けてるんですよ…、ですから私に任せて頂けないでしょうか?」

「いえ本当に、お気持ちだけで充分です!」

「そんな事仰らずに、是非任せて下さい!…再開発で、この場所での営業が無理でも、何処かもっと良い場所で、再開しても宜しいので、是非お店を続けて頂けたら、此方としても嬉しいのですよ。その為の投資をさせて貰っても、全然構わないので、どうか店を閉める事だけは、考え直して頂けませんか?」

「何とそこ迄!?それが本当でしたら、私共も続けたいと思っております…本当に、貴方様にご助力頂いても宜しいのですか?」

「ええ!それは任せて下さい!本当に私に任せて頂ければ、決して悪い様にはしませんので、是非此方からもお願いします!」

「でも何故私共のお店をそこ迄…」

「先程も言った様に、店主の作る蕎麦や天麩羅の大ファン何ですよ!それに、身内が迷惑掛けた償いも兼ねてまして…」

「その迷惑とは何を指してるのか分かりませんが、そういう事でしたら、お願いしても宜しいのでしょうか?」

「ええ!任せて下さい!2、3日中に色々と調べて、此方に部下を伺わせますから、閉店の張り紙を外して、そのまま営業を続けて下さい」

「ありがとうございます!ではお言葉に甘えさせて貰います…」

これでまたお店を続けられると、目に涙を浮かべて感謝する店主。

「そのお礼になるとは思いませんが、今日は蕎麦と天麩羅をご馳走させて下さい。直ぐに作って来ますので」

「いえ、それはいけません!ちゃんとお支払いしますから!」

「いえ、それでは此方の気が引けますから、どうかお気になさらずに」

「そうですか…それじゃお言葉に甘えて、絶品の天ざる蕎麦を3つ頂けますか?」

「3つ?」

「ハハ、すいません…何せお腹ペコペコでして、その上良く食べる方なので…」

キューの事は言えないものね〜。

「分かりました、ではしばらくお待ち下さい…」

そう言って、厨房に向かう店主。

「凰哦さん、凰哦さんの事だから、やると言ったらやる人だから心配しないけど、余り無理しないでね。ムチャもね…」

「あぁ分かってるよ。だが何か引っ掛かるから、ちゃんと調べて、少しでも変な事が分かれば、トコトン追い詰めてやるつもりだ」

「それ地上げ屋にだよね?」

「勿論そうだとも!フフフ…燃えてきたぞ〜!」

どうやら、凰哦さんの心に火が付いたみたいだね〜。

僕からしたら、面白いから良いのだけれど、本当にムチャや無理はしないで欲しいなぁ…。

そう思いながら、絶品の天ざる蕎麦を待つ、僕達なのでした。

如何でしたか?今話の内容。

凰哦ワンコ再登場しました。

そのワンコさんが、次話では活躍しそうです。

サブタイトルも同じになりますが、内容は違うものになると思います。

では次話をお待ち下さい。

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