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01 あからさまに怪しい洋館
私達登山部は、山登りをしている最中に道を外れて迷ってしまった。
仲の良い部員達と一緒に、念入りに道を確かめながら歩いていたというのに。
首をひねりながらしばらく歩いていると古い洋館が目に入った。
どこかで見た事があるような。
そう思ったけど、深く考えている時間はなかった。
空からゴロゴロと不穏な音が響いてくる。
さっきまで晴天だったのに。
いつの間にか重い雲が空に広がっていた。
このままだと嵐になる。
外で野ざらしになっているわけにはいかないので、私達は仕方なくその洋館の扉を叩くことにした。
それがまさか、あんな事になるなんて思わなかった。