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女神(妹)と気ままに異世界生活  作者: 月之住人
学校
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入学手続き

 入学手続きを気合入れて頑張ろうと思ったが、そんな必要なかった。

 なぜなら、名前を言うだけで終ってしまったのだ。

 面倒くさいところはすべて茉莉がやったと言っていたが、全部だとは思っていなかった。

 もうちょっと色々あっても良かったのだが、せっかくの気合はどこにぶつければよいのだろうか?

 正直言うと、「良かった」のではなく、「残せ!」と言いたいところである。

 そんな感じで、入学手続きが済んでしまったので、これから、試験をやりに、多目的ホールへと向かう。

 試験は、様々なの検査をする。

 この結果により、クラスが決まるらしい。

 まあ、クラス決めというよりは、学科決めになる。

 この学校は、クラスで分かれているのではなく、学科ごとで分かれている。

 クラス分けがあるとしたら、一つの学科に所属している人数が多くて、一クラスでは見きれなくなった場合だけであり、現在は一つの学科だけで、二クラスに分かれている。

 入学手続きが終わった時に、試験の会場が伝えられた。

 毎年新入生が多いため、試験は、全部で五つある多目的ホールすべて使用して行う。

 だから、入学手続きが終わったら、その人はどの多目的ホールで行うか、番号を伝えてもらえる。

 俺はしっかり、第三多目的ホールでやるという事を確認し、しっかり記憶した。

 しかし、一つ問題が発生した。

 何か面倒事に巻き込まれたわけではない。

 逆にそっちの方がすぐに解決できると思う。

 なんと、迷子になったのだ。

 会場を確認したのだが、行き方を確認しておくのを忘れたのだ。

 気づいた時にはもう手遅れだった。

 この学校の敷地はとてつもなく広いのだ。

 巨大な校舎が六棟もあるのだ。

 先ほどにもあったように、多目的ホールは五つ有り、さらに俺は方向音痴なのだ。

 仕方ないので、一人でとぼとぼ歩く。

 すると、急に後ろから声がかかってきた。


「君、ここで何やっているの?」


 話しかけてきたのは、制服っぽい服を着た、高校生くらいの女子である。

 髪は肩のあたりまで伸びていて、目は青色だ。

 かなり活発そうな人に見える。

 とりあえず、君の対象が俺であるかどうかを確認する。

 俺が今返事をしたら、実は別の人に声をかけていましただと、かなり恥ずかしい。

 それだけは防がないといけない。

 周りを見てみるが、やはり誰もいない。

 まあ、誰かがいたんなら、とっくに道を聞いて第三多目的ホールに向かっているはずだ。

 だが、それを行っていないという事は、周りに今まで誰もいないボッチ状態であったという事になるが、そこはスルーしてほしい。

 (無駄なのだが)しっかり、周りに誰もいないのを確認してから返事をする。

 


「迷子になっちゃったの。」

「あら、そうなの。どこに行きたいの?」

「試験をやってる、第三多目的ホールなんだけど...」

「へえ、あなたは入学希望者なんだ。小さいのにすごいね。第三多目的ホールならこっちよ。ついてきて。」


 おお、案内してくれるようである。

 これは助かる。

 道を教えてもらっても、迷う自信しかない。

 しかし、小さいのにすごいねって、どういう事?

 茉莉は、「才能ある小さな子たちがたくさんいて、その中で才能のないちょっと背が飛び出た子供がいると少し目立っちゃうでしょ。それを防いであげたの。」と言っていたはずだ。

 おかしいな。

 これでは、小さいから目立ってしまうのではないのだろうか?

 今度聞いてみよう。


「君、名前はなんていうの?」

「私は葵だよ。」

「私はルルよ。よろしくね、アオイちゃん。」

「うん、よろしくね!」


 この話し方は少し面倒くさい。

 元に戻したいが、茉莉に色々言われてしまうので、しょうがない。

 茉莉は、俺の心を見通している時があるから、もしかしたら、話し方を戻していたことがばれてしまうかもしれない。

 その場合何をされるかわからない。

 なにかされるよりかは、我慢している方が、何十倍もマシだ。

 だから、我慢してがんばるか。

 ルルに案内してもらって、十分くらい話しながら歩いていると、多目的ホールについたようだ。大きな扉の横に、「試験会場 第三多目的ホール」とでかでかと書かれている。


「ついたよ。早くどこに何があるか覚えて、迷子にならないようにね。」

「うん、ありがと!ルルおねーちゃん。」

「うっ、これはずるい...じゃ、じゃあね。」


 初対面でおねーちゃん呼びって、ちょっとやばいよなーっと思うが、しょうがない。

 セバスチャンに言われた通りにしなければならない。

 現にルルは、顔を赤くして、走り去ってしまった。

 何か言っていたような気がするが、気のせいだろう。

 不審者だって訴えられていないことだけを祈ろう。

 まあ、今の姿なら、不審者にされる事はないと思うけど。

 もう目的地には着いたから、大丈夫だ。

 これで迷っていたら、天性の馬鹿だ。

 俺は会場の中に入った。

 会場中には椅子が並べられていて、前は高くなっていて、ステージのようになっている。

 椅子の背もたれの所に、名前が書かれた紙が貼ってある。

 俺は自分の名前を探して、椅子に座る。

 俺が一番最後だったようだ。

 でも、まだ遅刻ではないようだ。

 良かった。

 初日どころか、まだ学校が始まってすらいないのに遅刻したなど、笑えない冗談である。

 俺は、良い意味でも悪い意味でも目立つのは嫌だから、そういうのはやめておきたい。

 座ってから少しすると、ステージに人が出てきた。

 するとその人が、


「これより試験を行う。番号ごとにいくつかのグループに分かれてもらう。そうしたら、それぞれ別の教室に行って、筆記試験と実技試験を計5つやってもらう。それでは、グループに分かれるように。」


 グループに分かれろって言われても、俺には知り合いがいないので、どのグループであったとしても特に問題はないので、どうでもいいことだ。

 グループに分かれて、教室に着くと、その椅子にも名前が貼ってあった。

 俺は自分の名前を探し、席に着いた。

 机には数枚の紙があった。

 筆記試験のやつだろう。

 俺と同じグループの人が全員席に着いた時に、前のドアから先生が教室に入ってきた。

 そして、筆記試験が始まった。

 しかし、内容がしょぼすぎる。

 こんなの、小学校低学年でも満点を取れる問題である。

 こんな問題で間違える人なんていないだろう。

 しかし、問題数が多い。

 書くのが遅い人は、時間切れで終わってしまいそうである。

 まあ、俺はそんな事はないので問題はない。

 制限時間がかなり余った状態で解き終わってしまったが、寝るわけにもいかず、しばらくの待ち時間がとても暇だった。

 地球のテストでも、解き終わってしまってからの時間の潰し方にとても困ったものである。

 まさかそれを異世界ででも経験する事になるとは思いもしなかった。

 なんとか暇な暇な時間を耐えきり、筆記試験から実技試験に移る。

 実技試験では、簡単なものであったが工作をして、先生相手に模擬戦を行った。

 試験では、あまり面白かった事はなかったため、詳しい説明等は特にしない。

 試験の結果は、学校の正門から入ってすぐの所に張り出されていた。

 試験の結果がその日に出るとか、ものすごい速さである。

 地球ではありえない事である。

 俺の結果を確認してみる。

 張り出されている順番は、筆記試験の結果などから順位づけされていて、その順番で張り出されている。

 俺は、一応低い方から順番に確認していく。

 しかし、なかなか見つからない。

 探し続けた結果、せっかく低い方から確認したのに、俺の順位はかなり高かった。

 何と1位である。

 筆記試験と実技試験は両方とも満点だった。

 総合得点では、2位の人と百点以上の差があった。

 そんな感じで、試験の結果を見ていると、後ろから大人が話しかけてきた。

 たぶん先生なのだろう。


「君がアオイかな?」

「そうですけど、何か?」

「校長先生が話があるらしい。ちょっと来てほしいけどいいかな?」

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