シュミレーション
何事もなく、目的地の王城についた、俺とルル。
至福の時間が終わってしまい、少し残念だが、しょうがないだろう。
ものすごく寝心地が良かった。
これを体験できていない人は、とてもかわいそうに思えてくる。
もう一度、あの寝心地を味わいたい。
きっとルルなら、また、天使だ~とか言ってきて、またやってくれるだろう。
また、その時まで我慢である。
我慢は大切である。
もしかしたら、こちらからお願いしてもしてくれるかもしれないが、まだ、それはちょっとためらってしまう。
無理にやってもだめかもしれないので、自分でお願いするのは、もうちょっと時間がたってからにしよう。
それはともかく、今はこれからの事に集中だ。
初めて見た、本物のメイドさんに待合室っぽいところに案内された。
その後、ルルだけが別室に案内された。
今は、一人でポツンとソファに座っている。
賑やかな人が、急に近くからいなくなると、何か寂しい気分になってくる。
まあ、そのうち戻ってくるのだろう。
しかし、待ち時間が以外と長い。
何を準備しているのだろうか?
やはり王様だから、仕事が多いのだろうか?
しかし、王様達から来いと言ってきらのだから、早めに準備してくれていても良かったのではなのだろうか?
いまさら言っても仕方がないので、これ以上愚痴るのはやめておく。
しかし、一人で何もしないのは、暇で暇で死んでしまいそうだ。
何をしようか?
メニューはまだ、レベルが高くない。
と言う事は、まだ新しい機能を増やす事が出来るのだろう。
そして、何が増えるかは、その人が何を求めたかによって変わるらしいので、俺専用のメニューが出来るのだ。
さて、メニューには、何があれば便利だろうか?
求める物によって変わるのなら、何を求めればよいのだろうか?
やはり、これから生きていくのに、とても役立つものが良いだろう。
しかし、これから何が起こるのかは、俺には分からない。
もしかしたら、茉莉ならわかるかもしれない。
でも、それで聞いてしまったら、これからがつまらないだろう。
だから、その時に新たな機能をつければいいのかもしれないが、今一つ新たな機能をつけて、この暇な時間をつぶしたい。
ならば、様々な状況に対応できる機能を加えれば良い。
何が良いだろうか?
様々な状況に対応できるという事は、工夫したり、応用したりしやすい物が良いだろう。
ならば、様々な情報を集められる機能も良いかもしれない。
この世界のわからない事を知ることができる。
他にも、少し先の未来を知ることができるのも良いかもしれない。
しかし、それを欲しいと思ってみても、メニューは対応してないことのようであり、新しい項目は増えなかった。
うーん、どうしようか。
未来を知る事は出来ないのか。
ならば、予測できるのならどうだろうか?
知るのではなく、シュミレーションすることで、未来を予測する。
それなら、情報さえ集める事さえできれば、きっとシュミレーションすることは可能なはずだ。
人間でも、ベテランの猟師などが、獲物がどのような動きをするのか予測できる人がいる。
出来ない事はないはずだ。
今度はその機能が欲しいと思っていると、左上の項目が一つ増えた。
成功したようだ。
シュミレーションという項目が設定の項目の上に出来ていた。
マップを見てみると、まだ、こちらに来る反応はない。
そういえば、俺にはマップの能力があるではないか。
なぜさっきの時に、マップで犯人を確認しなかったのだろうか?
マップで確認すれば、簡単に犯人を確認する事が出来ただろう。
やってしまった。
早く気付いていたら、茉莉に情報収集と言う仕事を頼む必要もなかったのだろう。
もう過ぎてしまった事だ。
やり直す事は出来ない。
後で謝っておこう。
まあ、茉莉がいれば、犯人なんてすぐに解決してしまうだろう。
茉莉の情報に期待だな。
さて、新しい機能が手に入った。
何をシュミレーションしようか?
そうだな、シュミレーションの結果は予測である。
精度を上げたり、情報が多ければ多いほど、その結果は確実になる。
だが、俺はこの世界に来て、あまり日がたっていない。
この世界の情報がかなり少ないのだ。
そう考えると、余り確実な結果は出てこないだろう。
ならば、少しふざけても何も問題はないだろう。
自分のこれからの事をシュミレーションしてみる。
情報としては、前世と今世の俺の行動パターンや性格等の俺の情報に、この世界に来てから何があったか、茉莉から教えてもらった情報を使用する。
シュミレーションが開始された。
目の前に出現したパネルには、シュミレーション中の文字が書いてある。
どんな結果が出るか、想像を膨らませていると、先ほどまで出ていたパネルが消え、新しい、大きめのパネルが出てきた。
これがシュミレーションの結果なのだろう。
何々
王城では、王と謁見する以外、問題はない。
何を話されるかは、個体名 ルルに関係している事以外は予測不能。
その後は、しばらくの間は、余計な事をしない限り、問題は発生しない。
しかし、しばらくすると、ダン...
ここまで読んだとき、急にパネルに書かれた事が変わった。
そこに書かれていた事は、たった一文である。
超越者により、続きが秘匿されました。
は?
そういうことだ?
何者かが、俺の未来の予想を知る事を妨害しているのか?
何か知られたらいけない情報があるのか。
待てよ。
俺が、自分の未来をシュミレーションし、その結果を見るのを妨害した奴がいる、と言う事は、俺の行動ウィお監視している奴がいる、と言う事だ。
しかし、今まで、誰かの視線を感じたこともないし、マップにも、そんな事をしていそうな存在は映っていない。
じゃあ、いったい誰なのか。
普通の生物や魔物ではない。
普通の生物や魔物では、マップに映るだろう。
たとえ幽霊であったとしてもだ。
ちなみに、この世界では、幽霊等は魔物に分類される。
では、どのような存在がマップに映らないのか?
俺の予想では、神以外は存在しない。
理由は、神は、地上に顕現している時以外は、世界の中枢部分である神界にいる。
そして、神界は地上のどのような場所にもつながる事が出来る。
だが、それは一方通行であり、神界には、体を持つ物は入る事が出来ない。
入る事が出来るのは、幽霊のような実態のない存在だけである。
神は顕現する際に、茉莉のように体を持つが、神界に戻る際には、体は神界と地上の間にあると言われる、とある場所に置いていくそうだ。
そして、その神界にいる間は、マップに映らないはずである。
そうでなくては、普段町を歩いているだけで、神様を見つけてしまう事になってしまう。
そんな事はないだろう。
茉莉は例外である。
地上に顕現しているからだ。
しかし、なぜ神は俺に干渉してきたのか。
俺の未来に茉莉以外の神が干渉してくる可能性があるというのか。
しかし、神はなぜ干渉してくるのか?
そこをシュミレーションで確かめてみても、情報が少なすぎる。
きっと正確な情報は得られないだろう。
さらに、神に邪魔をされる可能性もある。
しょうがない。
ちょうどこちらに向かっている、3つの反応がある。
たぶん王達だろう。
この事を考えるのは、家に帰ってからでいいだろう。




