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女神(妹)と気ままに異世界生活  作者: 月之住人
学校
27/44

催眠魔法

「...ん...おねーちゃん、起きて。」

「んんっ、茉莉?どうしたの?って、ルルは?ルルは無事なの?」

「あそこで、おねーちゃんの魔法に守られながら眠っているこの事かな?」

「無事だった。良かった。」

「それにしてもおねーちゃん。なにがあったの?こんな頑丈な防御結界まで張っちゃって。ただ事とは思えないけど。」

「あのね...」


 俺は、先ほどの事を正直に伝えた。

 すると、茉莉からは、


「ああ、それ魔法だね。おねーちゃん、完全に油断してたでしょ?だから魔法を抵抗(レジスト)しきれなかったんだよ。お守をする事になったのなら、危険がなさそうでも少しだけでも警戒しなきゃだめでしょ。後、抵抗(レジスト)ぐらいなら、魔法で出来るんだよ?結界をずっと貼り続けていなさい。結界と言っても、魔法だけに効果がある、魔術結界だからね。くれぐれも拒絶(リジェクト)防御(プロテクション)は使っちゃ駄目だからね。もしかしたら、結界を触った人の手が吹き飛んじゃうかもしれないから。」


 と言われてしまった。

 ああ、なぜそれを思いつかなかったのだろう。

 そうすれば、こんな慌てることにはならなかったのに。

 しかし、拒絶(リジェクト)防御(プロテクション)は、そんなに危険な魔法だったのか。

 触っただけで手が吹っ飛ぶとか、もう防御魔法じゃなくて、攻撃魔法の一種に思えてくる。

 そう考えると、武術科で犠牲になってもらった地竜は、かなり頑丈な方だったのか。

 まあ、過去の事に感心していても意味がない。

 忘れないうちに、結界をさっさとはってしまおう。

 二度目は有ってはならない。

 しかし、今回の出来事は一つ収穫があったため、悪い事だけだとは思えない。

 気を失ってしまっていても、防御結界の効果は発動し続けると言う事がわかった。

 これは、おれに何かあっても、仲間を守れるという事である。

 さすがに死んだら消えるだろうが。

 まあ、俺が死ぬ事は、あまりないだろう。

 これでも、Sランクだ。

 敵が人間では、相手にならない。

 本物の人外の化け物出ない限り、おれに敗北はないだろう。

 だからと言って、油断は良くないから、的に容赦するつもりはないがな。

 やられる前にやってしまわないと、こちらが危険になってしまう。

 さらに、先ほどのような事があったら、相手が人間であろうと、殺されてしまう可能性がある。

 過剰なくらいの対策をしてやる。

 もう絶対に、こんなことにはならんまいようにするぞ!

 まずは、先ほどできるようになった、スキルの詳細を確認してみる。

 俺のスキルは 万物適性Lv10 魔神の化身Lv10 神の加護Lv10 手加減Lv10 メニューLv6 の5つである。

 万物適性の説明は有る程度してもらったし、手加減はその名の通りの能力だろうし、メニューは今使っているためスルーして、魔神の化身を確かめる。

 

 魔神の化身

  魔法の発動を補助し、無詠唱で魔法を発動させる事が出来る。

  すべての魔法の知識に精通する。


 十分チート能力である。

 魔法を無詠唱で発動できるという事は、詠唱中に、魔力を練り上げる必要がなく、練り上げる際に消費してしまう魔力を、使わずに済むため、使用魔力量が減るのだ。

 さらに、発動を中断される心配がない。

 俺の無詠唱魔法は、このスキルによって可能だったのか。

 これからもしっかり利用しよう。

 続いて、神の加護は、


 神の加護

  神からの経験値付与。

  状態異常無効

  

 なぜ状態異常無効なのだ?

 そこは、物理攻撃無効とか、そういうものを付与してくれるものではないのだろうか。

 確かに、状態異常にならないのは、ありがたい時もある。

 しかし、相手によっては全く意味がないではないか。

 俺がお願いして付けてもらったわけではないのだ。

 もうちょっと、サービスしてく欲しい。

 まあ、そんなこと言っても、何かが変わるわけではない。

 今持っている能力で、出来る限りの事をしよう。

 まずは結界を張る。


魔法(マジック)防御(プロテクション)物理(アタック)防御(プロテクション)!」


 俺は魔術結界だけでなく、物理結界も貼り、両方の攻撃に備える。

 対攻撃用結界なので、触るだけなら、何の問題もないだろう。

 攻撃とみなされなかったら大丈夫なのだ。

 どこまでが攻撃とみなされるのか、心配なこともあるが、まあ何とかなるだろう。

 そこは運次第である。

 そして、今は茉莉もこの場にいるから大丈夫だろうと思い、ルルにはっていた防御結界を解除する。

 ルルは、まだ寝ている。

 起きた時に、防御結界が自分の周りに張られていたら、とても驚くだろう。

 今は、驚かす必要はない。

 そんな気分でもないしね。

 校長はまだ戻ってきていない。

 そこまで時間がたっていないのだろう。

 今回の事は、校長に伝えるべきだろう。

 しかし、また怒られそうで怖いな。

 まあ、ルルに何事もなかったのだ。

 大目に見てほしい。

 しかし、それにしても、おれに魔法をかけたのは誰なのだろうか?

 茉莉に聞いても答えが出るかは分からない。

 さらに、ここで頼ってしまったら、これからも頼り続けてしまう事になってしまうかもしれない。

 確かに、これからも色々な事で頼ってしまうだろうが、せめて、自分で解決できる事は、自分で解決したい。

 さて、犯人探しに何ができるだろうか?

 もしも、俺の近くに犯人がいるとすれば、必ずぼろを出してくれるだろう。

 人間なら、絶対に隠しきることはできないはずだ。

 いや、絶対にぼろを出させる。

 俺と、俺を助けてくれた人に、手を出そうとした事、後悔させてやる。

 俺は良い子の味方なのだ。

 悪い奴は叩き潰してやる!




 と、何とかできると思っていた次期が、俺にはありました。

 どうやって犯人捜しをするのか、良い案が全く浮かんでこない。

 何の証拠もないのだ。

 証拠がないのに、犯人を捜しあてる事は俺には出来ない。 

 魔法でも、犯人を捜しあてる魔法なんてものはない。

 今回の件は、迷宮入りしてしまった。

 まあ、きっといつかわかる時が来るだろう。

 その時まで、気楽に過ごすか。

 わからない事を悩んでいても、疲れるだけだ。

 ふっきれることも大切だ。

 そのあと、しばらく茉莉と話をしていると、廊下からどたどたと、足音が聞こえてきた。

 そして、校長室のドアが、豪快にあけ放たれる。

 校長だった。

 校長は、校長室の中を見まわすと、


「ふぅ、二人とも無事だったか。良かったよかった。なぜか一名増えているようだが、今はそんなことどうでもいい。アオイ君、ルル様を起こしなさい。今すぐ王城に向かうぞ。」


 と言ってきた。

 俺は了解の意を示すと、ルルの肩をゆすり、起こそうと試みる。

 しかし、ルルは起きてくれない。

 名前を読んだりと、出来る範囲でいろいろ試みたが、なかなか起きてくれない。

 もしかしたら、今ルルは、先ほどの魔法の影響下にいるのではないだろうか?

 もしそうだとしたら、今すぐ解放した方がいいかもしれない。

 

「茉莉!」

「わかったよ。」


 俺は、茉莉に助けを求めた。

 起こすだけなら、俺の魔法ですぐにできる。

 しかし、魔法で強制的に起こしたら、相手の魔法の二つ目の効果が発動してしまうかもしれない。

 スキル 魔神の化身 によると、上級魔法で、相手を眠りにつかせ、魔法で無理やり起こそうとすると、記憶障害を起こしてしまったり、最悪の場合、相手を死亡させるという魔法があるらしいのだ。

 もしもそうだとしたら、ルルが危なくなってしまう。

 しかし茉莉は、俺を無事に起こす事が出来た。

 茉莉なら何とかできるはずである。

 そう信じて助けを求めた。

 茉莉はルルに近寄ると、手をかざした。

 すると、ルルの体から時計が出てくる。

 その時計を茉莉が、反時計回りにまわし、時間をさかのぼらせると、ルルが目を覚ました。

 ルルは、無事に起きる事が出来た。

 犯人は、相当罰が欲しいらしい。

 絶対に、ただじゃおかない。

 懲らしめてやる。

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