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女神(妹)と気ままに異世界生活  作者: 月之住人
学校
20/44

ダンテ

 レベルが一定値まで上がると何があるか、茉莉が説明してくれた。

 そしてさらに、なぜ俺のレベルがこんなに高いのかも説明してくれた。


「スキルの所に、神の加護ってあるでしょ?あれってね、神がいろんな力を与えるスキルなの。そしてその力を与ええたのは私じゃない。与えたのは、最上位神”三大天”が一人。かつて三十もの国を滅ぼした大災害。絶対神 支配(ダミネーション)のゼディオンなの。あのバカが与えた加護はレベル十だったでしょ?私が与えた能力+ゼディオンの加護で、おにーちゃんは、人ではありえない力を持っちゃっているんだよね。それが、レベルに反映されちゃってるから、あの数値になっちゃうんだよね。」


 だそうだ。

 面倒くさそうな名前が出てきた。

 なんだよ大災害って。

 完全にやばい奴じゃないか。

 そもそも、神て言うよりも、自然現象じゃないか。

 三十の国を滅ぼしたって、太刀打ちできるわけない。

 まあ、そんな事をしていたら、災厄(カラミティ)って呼ばれるわけだ。

 そんな奴にバカって、茉莉は命が惜しくないのかよ。

 関わらないのが一番だ。

 加護をうけっちゃってるから出来るわけないだろうけど頑張ろう。

 色々説明をしてもらっていると、時間がなくなってきた。

 そろそろ学校に行く準備をしなくては遅刻してしまう。

 今日行こうと思っているところは、午前中は武術科に。

 午後には、魔術科に行こうと思っている。

 武術科にはベルがいるが、まあ何とかなるだろう。

 きっと問題は起きるはずないさ。

 着替えなどの準備も終わり、馬車乗り込み出発。

 何事も無く学校に到着した。

 少しはやめについたせいか、この時間に来ている生徒は少なめである。

 今年入学した生徒は千人くらいいたはずである。

 学科が多いっからと言って、この数は異常に思えてしまう。

 六学年あるから、この学校には六千人も生徒がいる事になる。

 この国子供の数多すぎだろ... 

 校舎の中に入り、まずは校長室に向かう。

 今回は迷わずに行く事が出来た。

 

「今日は早いではないか。それは良い心がけである。さて、君は今日はどの学科に行こうと思っているのかな?」

「午前中に武術科に、午後は魔術科に行こうと思います。」

「そうか、頑張りたまえ。どこでやるかは、この前案内したから覚えているな。では、そろそろ行くといい。」


 校長との話が終わったので、武術科の授業が行われる場所に向かう。

 その場所は外にある。

 迷路のような校舎とは違って、外は開けた場所が多い。

 だから迷いにくいのだ。

 さらに武術科の授業が行われる場所は、外で一番広い、第一競技場が使われる。

 そのため、かなり場所は覚えやすかった。

 第一競技場にも一度も迷わずに到着すると、中にはまだ数名の生徒しかいなかった。

 その中にはベルがいた。

 ベルは誰かと話していたが、こちらに気づくと話しを中断して、こちらにかけてきた。


「アオイちゃん、おはよう!昨日は本当にありがとう!とてもかっこよかった!すごい感動した!」

「あ、あはは、ベル様?少し目立ってしまっているようですよ。もう少し、落ち着いてください。」

「あっ。」


 目立っている事にやっと気付いたベルは、顔を真っ赤にして下を向いた。

 かなり恥ずかしかったのだろう。

 ベルの反応は見ていて面白い。

 少しいじめたくなってしまう。 

 少し我慢せねば。

 だれかは分からないが、先ほどから、鋭い視線を(睨まれているのを)感じる。

 その人に怒られてしまうだろう。

 まあ、本当は誰なのかは分かっている。

 マップ情報で、ステータスを表示させる事が出来るからだ。

 こんな事を考えつつ、それがばれないように気をつけながら、ベルと話していると、先ほどベルと話していた人(俺をものすごく睨んでいた人)が話に入ってきた。


「お前が昨日べル姉が言っていた王子様か。こんな俺と変わらないような子供に、そんなことできるわけないだろ。俺よりも華奢な体だぜ。さらに、性別が違うだろ?こんなの王子様なわけないじゃん。出来たとしても、どうせクズマの野郎と手を組んでたに違いないぜ。こんな変な奴の所にいないで、あっちの方見に行こうぜ、ベル姉。」

「こら、ダンテ。私の恩人になんて事言ってるの!」

「ならこいつがすごいってことを、ここでしっかり証明してみろよ。」


 ベルの弟らしき奴、ダンテに強さを証明しろと言われた。

 この生意気ボーイをぎゃふんと言わせてやろうではないか。

 さて、どうやって証明してやるか。

 証明する方法はいくらでもある。

 全力でたたきつぶしたり、下級魔法を連発しまくって数の力で圧倒したりと出来る。

 大人げないし、すごい力を持っていて自重してないのはやばいと、理解はしている。

 だが、一人の(元)男として、後ろには下がれない時が数多くある。

 今がきっとその中の一つだ。

 照明の方法と、本気でやって良いという理由を考えていると、ダンテの方から方法を提示してきた。 

 

「今日の授業で模擬戦をやる予定になっている。そこで俺とお前、どっちの方が強いのか、勝負だ。」

「やめときなさいよ、ダンテ。ダンテじゃ勝ってこないからね。私とは比べ物にならないくらい強いんだから。私にすら勝てないのに勝てると思ってるの?怪我する前にやめときなさい。」

「安心しろよ、ベル姉。ベル姉を助けられるのは世界で俺だけだって、すぐに証明してやるからな。」

「はあ、人の話を全く聞いてない...ねえ、アオイちゃん。この馬鹿なダンテに、現実を教えてあげて。」

「ほどほどにやらせてもらいます。」


 そんな話をしているうちに、かなりの人数が、第一競技場に集まってきた。

 およそ、千名ほどだろうか。

 なるほどだからここはこんなに広いのか。

 だが、千名ほど入っても、第一競技場にはかなりの余裕がある。

 何を想定して作ったんだよ...

  

「そろそろ時間だ。これより授業を始める!全員、注目!」


 急にこのように大きな声で話すい人がいた。

 きっと先生だろう。

 先生じゃなかったらかなりやばい人ってことになるんだけどね...

 やばいって言うか、頭のおかしい人?

 になってしまう。


「まず最初に模擬戦で体を動かす。訓練はそれからだ。近くにいるものとペアを組め。周りと少し距離を取れ。魔法の使用は禁止だ。五分で済ませろ。行動開始!」


 先生から指示が出た。

 この模擬戦もダンテとやらなくてはいけないみたいだ。

 はあ、最初から本気を出してしまってはいけないだろう。

 それこそ本当の怒られてしまう。

 まずは何も攻撃せず、すべてよけたり、いなしたりしていれば良いか。

 ダンテは木刀を持ち、構えの姿勢を取る。

 俺は自然体のままだ。


「初め!」


 開始の合図が出された。

 ダンテは開始早々攻撃を仕掛けてきた。

 さすがは姉弟といったところだろうか。

 踏み込みがとても似ている。

 姉弟というより、流派的な何かだろうか?

 姉弟で同じ流派の名は普通にあるだろう。

 それか、踏み込みなどの基本動作は、どの流派でも同じなのかのどちらかだろう。

 しかし、超基本的な踏み込みであるがゆえに、技量の違いが表れてきてしまうのだろう。

 ベルの踏み込みに比べると、ダンテの踏み込みは、すごく甘いのだ。

 踏み込みが遅いし、予備動作が大きすぎる。

 だが、剣さばきには、多少良い動きがある。

 まあ、それだけなのだが。

 正直俺にとって、こんなものでは、子供の遊び程度にしかならない。

 真剣対木刀でも、俺が勝ててしまうだろう。

 しかし、そんな状況であっても、実力差のわからない馬鹿は調子に乗る。

 俺は、最初に考えていた通り、攻撃は一切せず、防御に徹している。

 そんな俺を見たダンテは、何を勘違いしたのか、


「どうしたんだ?俺に手も足も出ないのか?はっ、所詮は俺の足元にも及ばないほどのかすだったんだよ。実力差って言うものを見せつけてやる!」

 

 俺はそんな挑発になんとか耐えきり、五分間さばききった。

 次はいよいよ本番だ。

 どうやってたたきのめしてやろうか。

 俺が、本当の実力差というものを思い知らしてやる。

 きっと、ダンテにとって貴重な体験だろう。

 これに懲りて、調子に乗るのはやめてもらいたいものだ。

 どうやってつぶしてやるか。

 腕がなるぜ。


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