魔法陣
少し短いです(五百字程)
化け物と言ってきた失礼な輩には罰を与えましょう。
これでも、心以外は乙女である。
乙女に失礼な事を言うとどうなるか思い知らせてあげよう。
心が乙女じゃないと意味がないって?
そこはスルーしてほしい。
クズマの私兵は、隊長っぽい人を地面に埋められたせいか、突撃を中止。
こちらの様子をうかがってきている。
しかし、それはこちらにとってとても好都合である。
今のうちにベルに指示を出す。
「ベル、ちょっとこっち来て。」
「はい!」
一体言った倒していたら、らちが明かない。
こういう時に使うのは、中二病大好き、魔法である。
俺はもう、魔法が使えてしまうので、中二病ではないのだ。
そこのところは勘違いしないでもらいたい。
さて、まずはみんな、クズマみたいに気絶してもらおう。
「感電弾!」
「ぐはっ」
「ぎゃっ」
感電弾は、その名の通り、相手を感電させる玉を放つ魔法である。
ちなみに、本当の名前は、感電球であり、拳大の大きさの玉を出すのだが、俺の場合は、それを圧縮して小さくしている。
低コストで大量に打ち出せるため、玉というよりは、弾という印象を受ける為、名前を少し変えて発動させている。
まあ、すべてはイメージなため、あまり関係ないのだが。
とりあえず、圧縮しているため、ダメージは一点に集中し、威力が多少増している。
そのおかげで、一発的に充てるだけで、気絶してしまうのだ。
何の考えもなしに、人海戦術で突っ込んでくるが、入口が狭いため、そこまで意味をなしていない。
は居てくる人数が少ないため、簡単に対応でき、どんどん気絶した人の山が出来上がっていく。
しかし、途中に司令官のような人がいたのだろう。
部屋への突入が急に止まった。
こちらの攻撃をしばらく警戒して、しばらくの間は、こっちに来ないだろう。
ならばと思い、今のうちに、クズマの状態を確認できないかなー、と後ろを見る。
決して助けたいわけではない。
クズマの状態によって、どんな拷問をするのか決めようと考えたのである。
すると、メニューの欄が一つ増えた。
その欄には、設定と書かれている。
そして、それが勝手に開かれ、ステータスチェックがオンに切り替わった。
切り替わったあと、設定は勝手に閉じられた。
特に何の変化もないな。
まあ、ここで後ろを振り向いたら、気絶している奴全員のステータスを開かれて、前が見えなくなってしまった、という事態になってしまいかねない。
だからしょうがないか。
しかし、クズマの方へ意識を向けてみると、クズマのステータスが表示された。
正直、クズマのレベルとかは興味がないので、スルーする。
だが体力がちょっとヤバかった。
拷問なんかしたら、すぐにあの世にいてしまうだろう。
まあ、死んだとしても自業自得なのだが、こんな奴殺す価値もないと思えてしまった。
十分な恐怖も与えられただろうし、これで勘弁してやろう。
その後の事は関係ないし、知らんがな。
すると、敵の第二陣が部屋に入ってきた。
きっと何か、緊急で対策でもしてくれたのだろう。
そうでなければ、ただの無能である。
クズマは無能でも、その私兵は無能ではないと信じたい。
もしも、そうでなければ、全員殺してしまいたくなってしまうからだ。
この部屋が広くて助かった。
この部屋がもしも狭かったら暴れにくかっただろう。
まずは、ステータスチェックで、魔力がどれくらい残っているか確認する。
先ほど、魔法陣を起動させるときに、大分魔力を使ってしまった。
どれくらい残っているかで、この後の行動が決まる。
名 ヤサカイアオイ
種 人族?
レ 9999
魔 計測不能
ス 万物適性Lv10 魔神の化身Lv10 神の加護Lv10 手加減LV10 メニューLv3 ????Lv??
「...」
これは本当に俺のステータスなのかな?
俺まだ敵気絶させただけだけど、なぜレベルがこんなに高いのかな?
スキルの万物適性は、茉莉が説明してくれたからわかるよ。
全部の適性持ってるってね。
神の加護もきっと茉莉のおかげなんだろうね。
それでもね、魔神の化身なんて聞いてないよ?
魔術書はどこ行ったの?
さらになに、あの????は。
すごい怖いんだけど。
まあ、今はそんな事気にしている場合ではない。
魔力の残量の確認はできた。
手加減スキルがあるから思いっきりやって大丈夫だろう。
一つ実験だ。
新しい魔法を作ってしまおう。
「魔法陣 誘導矢」
前に出した手から、光るひも状のものが出てきて、魔法陣を作り出していく。
魔法陣は、魔力を魔法陣内で、循環させることで起動する。
循環させるときに生じるエネルギーで、魔法を発動させるのだ。
そのため、魔法陣を作成する際には、魔力を循環させられるもので作れば、何でも良いのである。
そこで、魔法で導線ならぬ魔導線を作り出したのだ。
しかしこれは、かなり魔力を使う。
元々、創造という上級魔法があるが、それを使用する際にも、かなりの魔力を消費する。
それを応用して作った、魔法陣では、作るものが特殊な為、さらに、消費する魔力の量が多いのだ。
計測不能で、どれくらい使っているかは分からないが、結構な魔力が放出される感覚があった。
常人では使う事が出来ないだろう。
今回の魔法陣は、誘導矢である。
敵の足を狙う。
誘導矢の良いところは、障害物をよけて行ってくれるのだ。
だから、俺とベルが魔法陣の前にいたとしても、避けて行ってくれる。
まあ、今回は魔法を使ったため、魔法陣は空中に作れた。
そのため、ベルは魔法陣の後ろに待機していてもらう。
俺は、どんな感じになっているか確認する為、魔法陣の前に居る。
魔法陣に魔力を流す。
元々光を放っていた魔法陣の光がさらに強まっていく。
さあ、今度はどんな結果になるかな?
「発射!」