番外編 八坂井 茉莉
第九話の時に起こった出来事です
茉莉は一人で、庭に机といすを用意して、紅茶を楽しんでいる。
庭には、様々な植物が植えられており、茉莉の一番のお気に入りの場所となっている。
中央には噴水もある。
そのためか、この庭には鳥やりすのような動物が生息していたりする。
有害な動物は、セバスチャンにより、発見され次第すぐさま排除されていて、安全できれいな場所となっている。
その風景を見ながら、茉莉は一人ティータイムにしているのだ。
この時間だと、アオイとセバスチャンは登校している最中であるため、茉莉は一人でお留守番となる。
そのため、一人で寛いでいるのだ。
この時間は茉莉の至福の時間でもある。
「はあ、ここまで来るのに、時間がかかっちゃた。あのくそジジイのせいでまだ厄介な事が残っちゃってるんだけどね。今度成敗しておかなくちゃ。」
茉莉はひとり呟く。
そのままゆっくりしていると、突然、目の前の空間が引き裂かれ、門がつかられる。
その門はゆっくりと開き、一人の初老の男性が出てくる。
見た目は特に人間と大差ない。
しかし放っているオーラがとても神々しかった。
「勝手にここに来ないでもらえるかしら。ここは特別な場所なの。あなたのようなものが来てはいけない場所。”三大天”と、その姉の住みかなのよ。あなたとの格が違うの。ここにはしっかりとした出入り口がある。そこから来てもらえるかしら。出来ないのなら死んでもらうわよ。」
アオイと接する時とは、全く別の態度で接する茉莉。
と言うより、かなり理不尽である。
それに対して男性の方は、
「ご無礼お許しいただきたい、時空神様。今回は急ぎのようでしたので、失礼させていただきました。”三大天”でもあり、”災害”の中でおも最上位の支配を司る絶対神、ゼディオン様からの召集がかかりました。あなたのお姉さまについて話があるそうです。ご同行願います。」
「強制ではないのね。」
「緊急招集ではありませんので。ですがここで従わなかった場合、緊急招集で、お呼びになるおつもりのようです。」
「はあ、仕方ないわね。案内しなさい。」
「こちらへどうぞ。」
茉莉は男性が門を通ったあとに、自分も通った。
二人を受け入れた門は、静かに閉められていった。
門をくぐった先には、広い空間があり、その中央に巨大で白い丸テーブルとそれの周りに巨大な椅子が四つ、等間隔で設置されていた。
椅子の上にはそれぞれ、時計、糸、冠、金づちを思わせる飾りが一番上についており、そのうちの、糸と冠の所にはすでに座っているものがいた。茉莉は時計の椅子に座る。
「よくぞ来た、時空神よ。それではさっそく会議を始めよう。」
冠に座っているものが、椅子が一つ空席のまま、会議の始まりを宣言した。
「会議なんて一度も出来てないじゃない。こんなのただの、結果ありきの茶番じゃない。」
茉莉が不満を漏らすと、糸に座っているものが、
「そんな事はないぞ。私が先に結果を言ってしまっているのが問題なのだ。すまない。」
と、謝罪する。
「そんな事はどうでもいい。さっさと始めるぞ。数百年前に、魔神により創造神が消滅してから、我ら四大天は、三大天となり、紙全体の力が、十%程弱まった。それだけでは最強の種族であることには変わりないのだが、最近、悪魔の連中が何やらたくらんでいるらしい。何かあったら困るのだ。そこで、三大天を四大天に戻すべく、一年以内に創造神を作ってしまいたい。今回は、誰にその資格を与えるかである。」
「それがお姉さまと何の関係があるっていうの。」
「時空神、お前なら、大切な大切なお姉さまを推薦するのだろう?わざわざ、生き返らせるためだけに、神様になってしまうほどに大切なのだから。」
「あなたに何がわかるっていうの。あなたのように、何であっても見境なく破壊していくだけで、無くしてしまったことの苦しみも知らない奴に、何がわかるっていうの!」
「時空神、いったん落ち着け。ここで争いをするな。話もまだ終わってなさそうだしな。」
「ああ、話はまだ続きだぞ。我には、確かにその気持ちは理解できない。すべての物は壊すものだと考えているからな。まあ、それはともかく、我はあ奴がなるので良いと思う。あ奴は面白そうだからな。お前のおかげで十分すぎる素質あるしな。そこで、運命の神よ、お前の意見も聞きたい。」
「俺には、そいつがどのような奴かは分からない。だが、二人が良いのだと思うのであれば良いのであろう。私も賛成である。」
「では、決定だな。我らは、また四大天に戻り、力を取り戻すのだ!」
この会議の結果、葵は運命を強制的に変更され、特異点として名をはせることとなる。