2. 竜を拾ってしまった
外へ飛び出したは良いものの、何をしたらいいか分からないので、とりあえず屋敷の庭園の探索に向かった。
しかし、屋敷の庭園はとても広い。
なので、屋敷の裏庭に行ってみることにした。
そこには、たくさんの見たことのない動物達。
(もふもふしていて、可愛い…)
そんなことを考えながら、近づいてみるがさすがに、逃げてしまった。それでも諦めまいと、必死に追いかける。そうすると追いかけた場所には__________
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動物達を追いかけた先に竜が寝ていた……
しかし、体がボロボロで怪我をしている。
動物達は私に怖がって逃げたのではなく、ただ竜のことが心配で私を連れて来たの理解した。
でも、竜は実力がないと大怪我を負ってしまうと図鑑に載っていた。
どうしようかと悩んでいると竜が起きて
「た……ちっ…去れっ。」
なんて言ってきた。(まぁ、そうだよね…)
と考えつつも
「それは、無理。だって怪我をしているのに放っておけるわけないじゃない!」
竜相手に、堂々と言い返した。
諦めの悪い性質と助け合い精神からきた、この言葉に嘘はない。信じてくれるか心配だったが、竜は何故かポロポロと涙を流した。とりあえず私は、竜に手当てをするのであった。
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(私も小さい頃よく怪我をしたなぁ)
なんて考えながら家から持ってきた医療系の本を見ながら手当てをした。
でも、この家の書庫はどうなっているんだ…。欲しい本がすぐに出てくるなんて普通はないと思うけどとても助かった。
この本には、様々な生き物の手当ての仕方まで載っていた。本当本優秀すぎ…
そんなこんなで、竜の手当ても終わり夜になってきて動物達は帰っていった。
私は、心配性なので逃げないようにと寂しくさせないために残ろうと思ったが、メイドさんに見つかり回収された。しかし、メイドさん二人ではなくちゃんと一匹も付いてきて………
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屋敷についたけれど大きいので竜の方には私の部屋のベランダに待機しておくように言い、夕食に向かった。
「遅れてごめんなさい…」
というと
「大丈夫よ。それよりどうかしたの?」
「リリィ何かあったの」
「今日外へ出かけたらしいけど、怪我してない?」
という家族の返事に嬉しく思いつつ、さっきまでのことを話した。さすがに驚いてしまうかと思っていたが、全然違った。
両親は
「「凄いじゃない(か)」」と喜び
兄は
「リリィは竜を助けて、認められたんだね」
とうなずきながら感心していた。
思っていたよりも喜んでくれたのでほっと一安心した。そして、楽しい夕食を過ごした。
夕食が終わり部屋に急いで戻ってベランダを見てみると、ちゃんと竜はいた。裏庭で立ち去れなんて言ってないと思うほど怖くなくなっていた。
こんなに従順で犬みたいだなと思いつつ、色々な食べ物をあげた。
食べる物はよく分からないから家中の食べ物を持ってきた。
そうすると竜は嬉しそうに食べ始めた。なのでついでに竜の観察を行おうとノートに取り始めた。
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時間の経過は実に早い。観察していたらもう一時間も経っていた。そして分かったことがいくつかあった。
この竜はこの国で希少な竜種であること、怪我の跡からして人に襲われたのだろう。
この国には竜騎士団があり相棒である竜種によって更に分かれるのだ。
一番多い団員数を誇る地竜種軍
アース・ドラグナーズ
水上を得意とする水竜種軍
ウォーター・ドラグナーズ
希少な竜種である空竜種軍
スカイ・ドラグナーズ
そして、竜騎士団の精鋭を集めた
王宮竜騎士軍
ロイヤル・ドラグナーズ
と地・水・空分かれている竜種はその通り
翼が小さいが足の速い地竜種
翼の代わりにヒレがあり水中で速い水竜種
大きな翼を羽ばたかせ空に舞い、絶対の王者とも称される空竜種
精鋭の軍は三つの軍隊の優秀なもの達を集めている。
空竜種は、人数が少ないの他、精鋭のなかで一番多い竜種。
多分希少な竜種ゆえに狙われてしまったのだろう。
この竜は鱗の色が白く美しく可愛らしい竜だ。
この世界も大変だなと思っていると
『ねぇ、もっと食べ物ない?』
と少年のような声がする。
誰か居るのかと思い辺りを見回してみるが誰もいないということは…
『僕だよ。助けてくれてありがとう。』
やはり竜の声だった。意思疎通がとれるようになったので色々質問した。
何故空竜種がここに居るのか、どうしてこんなに怪我をしているのかそして、何故私に付いてきたのかなどなど…そんな質問攻めに一つ一つ答えくれた。
『ここに来たのはたまたま隠れるのに丁度良さそうだったからで怪我をしたのは縄張りに人が侵入したせい。君についてきたのは、僕の威圧にも耐えて手当てしてくれたからだよ。』
と聞き私は決意した。
「ねぇ、私と相棒にならない?」
しかし、誇りの高い竜だから、すぐに返答に困るかと思っていたが竜は即答で
『もちろん、喜んで!』
と明るく声を出してくれた。
ということで竜と相棒になり竜騎士の資格を得るのであった……
だらだらですいません。