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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
ソウルメイトを探し出せ
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しばしの眠り

「みゆきちゃん。私達と一緒に来る?」


「来るってどこへ?」


「私達もどこへ行くのか分からない。とりあえずみゆきちゃんがこの世界を豊かにする協力してくれたら嬉しい」


「分かったみゆきはメグさん達についていくよ」


「チョウジはどうする?」


「わしは暗黒の道を歩いた罪滅ぼしのために、眠りにつくことにするよ。いわば禁忌を犯した吸血鬼の罰として、月の民と共に行くとするよ。わしにはこの世で居場所など、ないからのう」


「月にそんな所があるのか?」


「ああ、月の民が暮らす場所に長き眠りにつくことにした」


「アラタトでは月に行く事は出来ないけれど」


「禁忌を犯した吸血鬼なら大気圏を越えて行くことが出来る」


「そうなのか?」


「お主は禁忌を犯した吸血鬼と聞く、お主も気が向いたら来てみてはどうじゃ?目覚めた時は生まれ変わった感じになれるぞ」


 チョウジの言うことに私は葛藤する。

 私も生まれ変わりたい事に。

 でも私は「この世界を安定したら考えておくよ」


「そうか、お主達ならいつでも歓迎じゃ」


「分かったよ。私達が世界を安定させることが出来たなら私も月の民と共に永い眠りにつくよ」


「そうか、ではさらばじゃ」


 チョウジは煙を放出させ消えていった。


 チョウジ許せぬ相手ではあったが、彼もまた人間に愛想を尽かして復讐に挑んだ男。

 気持ちは分からなくはないが、彼はその事で過ちを犯し消えていった。

 チョウジが眠りから覚めたときは彼のことを知るものはいないだろう。

 それで彼も人間と共存して幸せになってほしいと思っている。


 人間は天使で悪魔でどちらも神の化身だと私は思っている。


「みゆきは何をすれば良いのかな?」


「とりあえず世界に生命反応が出たところで、そこに行ってみよう」


 早速アラタトに生命反応が関知された。

 生命反応が検知された場所をモニターに映してみると、子供達を奴隷にしている所があった。


 こうゆう村を私達は救いたいと思っている。


「大変だねメグさん。子供達を奴隷当然に扱っている村があるなんて」


 みゆきちゃんが言う。


「早速降りて行こう」


 私とエイちゃんとみゆきちゃんはアラタトから降りて、その子供を奴隷当然に扱っている村があった。


 村の入り口で槍を持った門番が二人いた。


 私が村の門番に話しかけ「ここを通してくれないかしら?」


「貴様等見ない顔だな、助けを求めてここの村に来たのか?」


 と門番の二人は言う。

 争い事をしたくない私はこの村に潜入するために「そうです。私達二日もご飯を食べていないんです」


 そこでみゆきちゃんが「ちょっとメグさん」とみゆきちゃんはあくまで争う事前提に構えていたみたいだ。


 だから私は「争い事をむやみにしたくないからさ、ここはこっそり潜入して中の子供達の様子を伺おう」


「分かった」


 門番の一人が「何をこそこそと話している」


「私達は二日間何も食べていないのです。お願いですから助けてくれませんか?」


「ここの村では働かないもの食うべからず、飯を食いたかったら、まず働くんだな」


「だったら働かせてください」


「よし入れ」


 私とみゆきちゃんは何とか門番を突破することが出来た。


 中にはいると、子供達は酷使にされ、大人達は鞭を持って、しっかり働かない子供を鞭打ちしている。

 子供達がしているのは過酷な農業だ。

 そう言えば私とエイちゃんの村でも子供達を酷使して働かせていたっけ。

 核戦争が起こったこの世界では仕方がないことだけど、これは子供達に酷使しすぎだ。


「おいお前等」


 私とみゆきちゃんに言う。


「お前達に飯を食わしてやる、飯を食ったらみっちり働かせるからな」


 私とみゆきちゃんは藁の屋根がついた所につれて行かれ、粗末なパンと腐りかけたスープをもてなされた。

 私とみゆきちゃんが食べてみると、「これはひどいよメグさん」みゆきちゃんは言う。

 食べることの必要のない私には味は分かる。パンもスープも腐りかけている。

 この村ではこんな粗末な物を食べさせられて子供達を酷使されているのか?

 このままじゃあ、子供達は栄養失調か腹を下して死んでしまう。


「メグさんこれはとてもじゃないけれど、食べられないよ」


 確かにみゆきちゃんの言うとおりだ。

 本当にこんな粗末な物は食べられない。


 そこで「おい、食べ終わったか?」


 鞭を持ったちょっと小太りの大人が現れた。

 顔の面を見ると良い艶をしている。

 相当においしい物を食べている証拠だと分かった。


「ねえ、あなた、ここの村の長に会わせてくれないかしら」


「何?貴様等がムドー様に会うなんて百年早い、貴様等は神であるムドー様の為に働くのだ」


 そこでみゆきちゃんが「そのムドー様に会わせてくれないかしら?」


「だから我々の神であるムドー様に会うなど貴様等には百年早いと言っておるだろう」


 みゆきちゃんが覚醒しようとしたところ、「みゆきちゃんダメ!」


「メグさん。このままじゃあこの村の子供達は餓死してしまうわ」


「とにかく、今は様子を見ましょう」


 私とみゆきちゃんは働くことになった。

 今は稲の収穫時期で、十歳くらいの男の子に六十キロの米俵を持たされている。


 子供達の表情を見てみると、死んだ魚のような目をしている。


「村の者達よ。ムドー様の生け贄の時間だ」


 するとみんな十メートル位の高台に注目している。


「メグさん生け贄って・・・」


「大変な事は分かった、とにかくもう少し様子を見ましょう」


 高台を見てみると、立派なローブをまとった相撲取りよりも大柄で醜い男が高台に現れた。


「あれがムドー?」


 みゆきちゃんが言うと、「貴様、ムドー様を呼び捨てにするとは何事じゃ」


 そこでムドーが「まあ良い、わしはそれぐらいで機嫌を損ねるわしじゃない」


 子供達を酷使させ、その分おいしい物をたくさん食べていそうな醜いムドーは言う。

 自分が偉いとでも思っているのか甚だしい。


 そしてムドーの演説が始まる。「今日は富の為に、生け贄を紹介する」


 縄で縛られ、ボロい布をまとった少女が高台に現れた。


 高台の下には炎が燃えている。


「俺の娘に何をするんだ。ムドー様」


 その少女の父親だろうか?ムドーに向かって訴えている。


 そこでムドーが「良いのじゃ、この子の魂が天の神々がこの子の魂を欲している」


「こんなのむちゃくちゃだよ」


 とみゆきちゃんが言う。


 私もそう思った。

 この半壊した世界にこのような事があってはいけない。


 そしてムドーは「さあ、神よこの子の魂を召し上げれ」

と言って女の子を高台の地面の炎に突き落とした。


「もう我慢できない」


 みゆきちゃんは聖なる炎を放ち高台の下に燃えている炎を消し去り、私が落下する女の子を抱き止めた。


 ムドーが「何をする!神はこの子の魂を欲していらっしゃるのに」

 

「神はそんな事を望んではいない。おかしいのはあなた達よ」


 生け贄にされそうな女の子は気絶している。


 ムドーが「出会え出会え、皆の者、子奴らは神を冒涜している」


「槍を持った男達が私達に襲いかかる」


「私達に戦いを挑むなんて良い度胸じゃない!」


 私が言う。


 多勢ならみゆきちゃんのホーリープロフェットの炎で槍を持った連中を焼き払い、邪悪な心を浄化した。


「私は何を」「私はいったい?」等々、槍を持った戦士達は何かしらの催眠術にかけられていたそうだ。


 今度は高台にいるムドーめがけて聖なる炎をみゆきちゃんは放った。


 だがムドーはそれを回避して逃げていった。


「待ちなさいムドー」


 私が高台の階段下で待っていると、ムドーはブツブツと何かを唱えている様子だ。


「くっ」何か違和感がする。


「さあ、お前は我の下部となるのじゃ」


「私は禁忌を犯した吸血鬼、そのような催眠術にかけられたりはしない」


 でもやばい。心がムドーに支配されてしまう。 


 そこでみゆきちゃんが「メグさん」と私に聖なる炎をときはなってきた。


 危うくムドーに心を支配されそうになってしまった。


「ムドー覚悟」


 みゆきちゃんがムドーに向かって聖なる炎をとき放った。


「ぐおおおおおおおお」


 とムドーは断末魔を上げる。


 私はみゆきちゃんの炎を喰らい少しばかりダメージがある。


「この世に蔓延る悪があるなら私はそれを許さない」


 ムドーは跡形もなく消えていった。


「どうしてムドーは跡形もなく消えていったの!?」


「ムドーの心はもう救いようもなき程に汚れきっていたんだ」


 私はムドーが不憫に思えてきた。

 そう思ったのは私だけではなく、みゆきちゃんも同じようで、ムドーに手向けとして、踊りを踊っている。


 一人の住民が「私達はムドーに騙されていたのか!?」


「そのようだよ。まず神は生け贄という犠牲を嫌うのを私達は知っている」


「あなたのお名前は?」


 住民の一人が言う。


「みゆきです。それと禁忌を犯した吸血鬼のメグさんです」


「あなた達は救世主です」


「私達はそんなに崇められる程の者じゃない」


 村を救ったことに私達は神と名付けられた。


 ムドーはこの村に来て村の人達を騙していたそうだ。

 何て悪い奴なのだろう。

 この村だけでなく、他の村もムドーのように住民達を操っている者がいる。

 チョウジはいなくなり、カッサライもいなくなったこの現代でも、それに変わる悪魔のような者がとりついているなんて・・・。

 本当に悲しくなってきた。


「みゆきちゃん。ありがとう、もしみゆきちゃんが聖なる炎を私に浴びせなかったら、私はムドーの魔術にとりつかれて居たところだよ」


「仲間を助けることは当たり前の事だよ」


「そう思ってくれるのは、みゆきちゃんとエイちゃんだけだよ」


 そう言って私はみゆきちゃんに抱きついた。


 私達が遅いと思ったのかエイちゃんは私達の前に現れた。


「メグ、みゆきちゃん」


 槍を持った村の人が「何者だお前は!?」


「大丈夫私達の味方よ」


「これはこれは失礼しました」


 エイちゃんは「どうしたんだ君達は?」


「私達神様と崇められてしまったみたいで」


「やるじゃん君達」


 そこでみゆきちゃんが「メグさん達はどうする?」


「どうするって、何が?」


「みゆきはこの村に残ろうと思う」


「そんなみゆきちゃん、みゆきちゃんはこの村に残って何をするの?」


「この村の平和の為に国家を築こうと思って」


「そうかあ、じゃあ、みゆきちゃんとはここでお別れだね」


「ごめんなさい」


「どうして謝るの?みゆきちゃんがそうしたいと言うなら私達は全力で応援するよ」


「それよりメグさん、生意気な事を言うようだけど、メグさん達月の民の人達と眠りについたら?」


「みゆきちゃん・・・」


 そう言ってエイちゃんの目を見る。


 エイちゃんは迷っているのか?目が泳いでいる。






 ******   ******






 みゆきちゃんと別れて、私達はアラタトに戻った。


「エイちゃん、どう思う?」


「どう思うって?」


「チョウジのように月の民と共に眠りにつくことだけど・・・」


「そうだな。もう俺達のする事はほとんどなくなったからな、サタンを倒してアメノミナカヌシ様の御利益も得た」


「そうね、私達が居なくても人々は生きていけるよね」


「当然だとも。もう人間達は俺達が居なくても大丈夫」


「じゃあ、私達は月の民の眠りにつこう」


 私とエイちゃんは外に出て、アラタトからの景色を眺めていた。


 アラタトからの風を感じてその手を伸ばして、私とエイちゃんは空を飛んで月を目指した、


 私達もチョウジのように生まれ変われる。

 そう期待を膨らませて月に向かった。


 大気圏を突入して、私とエイちゃんは宇宙に行き、月を目指した。


 私達禁忌を犯した吸血鬼は宇宙空間の中でも生きていられる。


 三日後に月に到着して、そこにはチョウジの後ろ姿が見えた。


「チョウジ」


 その名前を呼ぶと、「お主達、月まで来たのか?」


「私達は地球ですることもなくなった事だし」


「まあ、でも来るとは思っていた。お主達は禁忌を犯した吸血鬼、永遠の命を持たなくてはいけない」


「そうなんだ。俺達も月の民と一緒に眠りにつこうと思ってな」


 エイちゃんが言う。


「そうか、地球ですることもなくなったか。ならばわしについてこい」


 私とエイちゃんはチョウジと月の民と共に行き、眠りについた。


 この眠りから覚めたとき、私達の星で出会った人達とまた巡り会えるだろう。


 その時まではこの世界がすばらしい物になっていることをお祈りしながら私とエイちゃんはチョウジと月の民と眠りについている。


 禁忌を犯した吸血鬼に眠りは必要なかったけれどもこうして地球の人達の幸せを願いながら眠ることは気持ちがいい。


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