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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
ソウルメイトを探し出せ
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自分達に出来ることを頑張る

 チョウジは思いだそうとしている。


 人間は確かに愚かだ。しかしその愚かさを反省し、また再び素晴らしい世界を作り上げていることに。


 みゆきちゃんの聖なる炎を浴びて、その事に気づこうとしている。


「チョウジ目覚める時は今なんだ。人間はその愚かさを知って、また再び立ち上がることを」


「じゃがわしはお前達の仲間も殺したのだぞ。それでもわしを受け入れられるか?」


 しばしの葛藤、でも私は「許すとも。その代わりにこの世を素晴らしい世界にする手伝いをしてくれれば」


「みゆきちゃん」


 みゆきちゃんにもう聖なる炎は必要ないとアイコンタクトをとった。


「わしが愚かじゃった。すまぬ皆の者よ。これまでの過ちを許してくれるなら、わしも手を貸そう」


 そんなときである。近くの山が噴火した。


 すると噴火した煙がおぞましい顔に姿を現した。


「何あれ!?」


「あれはサタン」


 豊川先生が言う。


 するとサタンは「チョウジよ。そんな愚かな人間共の戯言に耳をかすでない」


「すべての現況はサタンだったなんて」


 豊川先生が恐ろしい者をみるような目でサタンを見上げた。


「あんな奴」


 みゆきちゃんが聖なる炎をサタンに浴びせたがてんで効いていない。


「愚かな人間が!」


 そういってサタンがみゆきちゃんをめがけて何かを打ってきたが私は間一髪みゆきちゃんに体当たりをして防いだ。


「みゆきちゃん。間一髪」


「ありがとうメグさん。でもサタンにみゆきの聖なる炎は通用しない」


 豊川先生は「どうしてサタンがこの世界をはびこるのだ?私達の神は我々を見捨てたのか?」


 サタンが「この神のいない世界で私はやりたい放題にさせて貰っているよ。いや神はお前達の悪行に心底みそこねたのかもしれぬがな」


「そうはさせない」


 豊川先生はまた命を削る核兵器並の光を出そうとしたところ私は止めた。


「やめて豊川先生、あいつに私達の攻撃は通用しないわ」


「分からない、でも何もしないよりかはまだまし」


 それでも豊川先生は命削る核兵器並の光を放とうとしたところ、豊川先生のみぞおちを叩き気絶させた。


「サタン、貴様がチョウジを操っていたのか?」


「操る?チョウジは自らの意志で私の意見に同調したまでよ」


 私はチョウジに向きなおり、「チョウジ、サタンの口車に乗せてはいけない」


「ふんっ、戯けた事をチョウジよ。祖奴に貴様の力をとくと見せてやれ。この神に見捨てられし者の報いを」


 すると先ほどまでのチョウジはどこに行ってしまったのか?不気味に目を赤くさせ、両手を広げて、ドスグロい闇の中から、一匹の赤いドラゴンを召還した。


「さあ、レッドドラゴンよ。奴らを始末しろ」


「みんな、行くよ」


 私が言うとスターチスは歌を歌いだし、みゆきちゃんが聖なる炎で迎え打った。


 しかしレッドドラゴンには聖なる炎が効いていない。


「こいつらベヒーモスやスキュラとはぜんぜん違う」


 でも私とエイちゃんは飛べる。

 灼熱の炎を私とエイちゃんに向けて口から吐き出す。


 エイちゃんはまともに喰らい、海に落ちていった。


「エイちゃん」


 禁忌を犯した吸血鬼でさえ、あの炎は打ち破る事は出来ないのか?とにかく今はエイちゃんを助けて、一時退却だ。


 エイちゃんを助けて、アラタトに戻り、レッドドラゴンはアラタトに向かって炎を吐いた。


 リリィが「あんな化け物私達には叶わなかったけれど、アラタトの兵器なら」


 するとリリィはアラタトの兵器を使って、レッドドラゴンに攻撃を加えた。

 その攻撃は豊川先生がとき放つ、小さな光に似ていた。


 それがレッドドラゴンに放たれると、レッドドラゴンはすさまじい爆発をした。


「やった。あのレッドドラゴンをあんな一瞬で倒せるなんて」「僕たちにはアラタトがあるんだ」


 本当にやっつけたのか?爆炎モニターが見えない。


 そして爆炎がやむとレッドドラゴンは健在だった。


「そんな、アラタト、兵器、効かないなんて」


「落ち込んでいる場合じゃない。ここは逃げるしかない」

 

 そういってリリィの方にアイコンタクトをとる。


「分かった。ここは、逃げる」


 そこでみゆきちゃんが、「待って。私の聖なる炎なら」スターチスは歌い、みゆきちゃんはアラタトの動力部の球体に聖なる炎を放出した。さらにスターチスの歌声によって、最大の聖なる炎をレッドドラゴンに喰らわした。


 するとレッドドラゴンは跡形もなく消えていった。


「すごいどうして?核兵器、効かなかったのに」


 とリリィは驚いている。


 だが、まだ、悪魔のサタンに魂を売ったチョウジが待ち受けている。


 私はチョウジに会いにアラタトの外に出た。


「チョウジ、悪魔のサタンに魂を売ってはいけない」


 と私は忠告した。


 しかし、チョウジは気が動転しているのか私の言葉が届いていない。


 チョウジは悪い奴なんかではない。しかし悪魔のサタンにたぶらかされているだけなのだ。


「チョウジ、チョウジ、チョウジ」


 私がそう名を呼ぶと、苦しみもがいている様子だった。


 私が見るからに、善良な心と悪魔の心がせめぎ会っている様子だった。


「チョウジ、チョウジ、チョウジ」


「うわあうおういいうい」


 チョウジはすさまじい葛藤を引き起こしている様子だった。


 普通の人間だったら、そんな頭が破裂しそうな葛藤を起こしたら死んでいただろう。


 すると噴煙としたサタンがチョウジに乗り移り、「ひょひょひょひょ、我はチョウジ、人間の愚かさに許せぬ者」そういってチョウジは噴煙のごとくどこかに消えてしまった。


 いつの間にかいたのかみゆきちゃん達がいた。


「決着は次だね」


 とみゆきちゃんは言う。






 ******   ******





 豊川先生が気がつき「サタンは?」


「チョウジに乗り移って消えていったよ」


「くっ、僕達は神に見放されてしまったのだろうか?」


「神様だか何だか知らないけれど、豊川先生、私達は私達の手でサタンを倒すしかないみたいですよ」


「そうか、僕達の手ででかあ」


 自分の手のひらを見つめる豊川先生。


「まさかサタンが現れるとは思っても見なかった。このままだと世はサタンの世界に支配されてしまう」


「そんな事はさせませんよ。そのためにも豊川先生の力も必要です」


「そうだね。僕達には神様から貰ったワケミタマがあるのだからね。神様は僕達を見捨ててはいない」


「神様だが、何だか知らないけれど、私がそんな事をさせない」


「メグちゃんは強いね」


「私はそんなに強い人間じゃないですよ」


「充分に強いよ」


「そうですか・・・」


「とにかく今は僕達が出来ることをしよう」


「出来る事?」


「そう出来ること」


「それは何ですか?」


「それを僕達が考える事だよ」


 私達に出来る事って何なのか?

 考えて見ても分からないことだった。

 私達はチョウジにかなわない。


 今日の食事当番は私、とにかくみんなにおいしい物を食べさせてあげたい。

 今、私が出来ることはこんな事ぐらいだ。

 みんな私が作ったシーフードカレーをおいしそうに食べている。

 チョウジを改心させるのにもう少しだったのになあ。

 私は禁忌を犯した吸血鬼、それでも私の心臓は止まったままだが、神様のワケミタマを貰って生きている。


 みんなが眠り、私とエイちゃんはアラタトの外で見張りをしている。

 浮遊大陸アラタトを乗っ取られたら私達の最後だろう。

 アラタトがあったから、あの闇の生命体レッドドラゴンを倒すことが出来たのだ。

 あの力は尋常じゃなかった。

 アラタトがあったからこそみゆきちゃんの聖なる炎をアラタトの球体に触れ倒す事が出来たのだ。

 この先、みゆきちゃんと、スターチスがいなければ私達は奴らに対抗する事は出来ないだろう。

 私がしっかりしないといけないのに、何を考えても良策など考えられない。

 私が落ち込んではいけない。


 そこで考え事をしている私にエイちゃんが話しかけてきた。


「何辛気くさい顔をしているんだよ」


「エイちゃん私達は無力ね」


「そうだな、本当に無力だな」


 エイちゃんも私と同じ事を考えていた事に胸が締め付けられるほどの敗北感にとらわれてしまった。


「だけどメグ、俺達は俺達の今出来ることをがんばるしかないんじゃないか?」


「私達に出来る事?豊川先生と同じ事を言うのね」


「そうだよ。父さんの言う通りだよ。俺達は俺達にしか出来ないことを頑張れば良いんだよ」


 そんな時である。みゆきちゃんがアラタトの外に出てきた。


「みゆきちゃん。どうしたの?」


「みゆき達が出来る事をする。さっき倒したレッドドラゴンも闇の化身であっても神が創造した者。だからみゆきはレッドドラゴンの魂浄化に努める」


 するとみゆきちゃんは魂浄化に向けて踊りだした。

 そうだ。みゆきちゃんはみゆきちゃんにしか出来ないことをしている。

 私達も何か出来ないか考える事にしようと思う。

 みゆきちゃんは魂浄化をすればそれだけ強くなれる。

 私とエイちゃんはその姿をただ見て祈った。

 そう、私達には祈る事しか出来ない。

 それでも私達は私達の出来る事をしている。

 レッドドラゴンの魂は壮大な物だ。

 その魂をみゆきちゃんが浄化すれば、私達にすさまじい能力が与えられるだろう。

 頑張ってみゆきちゃん。

 私達は心からみゆきちゃんの事を応援しているから。

 私達に次ぎなる相手が現れようとも私達禁忌を犯した吸血鬼は負けない。

 私達には神様のワケミタマを分けて貰っているのだから。


 そしてみゆきちゃんはちょっと無理をしてしまったみたいで倒れてしまった。


「みゆきちゃん。大丈夫」


「大丈夫だよ。ちょっとレッドドラゴンの魂が大きすぎたのもあるからね」


「みゆきちゃん。もう今日は休もう」


「うん」


 そういって私はみゆきちゃんを背負って、アラタトに設置されているベットの上に乗せて、寝かせた。


 私はみゆきちゃんの側で眠っている姿を見ていた。

 まだ十二歳と言うのに、本当はこんな怖い戦闘をする年頃ではない。

 そんなみゆきちゃんには私は幸せになって貰いたかった。

 いつまでこの戦いは続くのだろうか?

 幼いみゆきちゃんやスターチスの二人に相当な負担をかけてしまっている。

 私は二百年近く生きている吸血鬼であり、この腐敗した世の中の有様を見てきた。

 そう思うと神様は私達を見放してしまったのだろうか?

 いや、神様は生き年生きる私達の味方だと私は信じたい。どうかこの祈りが神様の所に届いてほしいと私は願って病まない。





 ******   ******




 そして必然的に朝はやってくる。

 みゆきちゃんはちょっと体調不良のようで、「みゆきちゃん。昨日は無理をし過ぎたから、もう少し横になっていようよ」


「いや、みゆきは大丈夫」


 と言っていたが、本当に大丈夫なのか?

 そして珍しく今日はスターチスの二人も起き出してきて、「おはようメグさん」「見張りお疲れさま」と私の事を労ってくれた。

 二人とも大分大人になったなあ、と自分の事のように嬉しくなってくる。


 今日の朝ご飯はエイちゃんの当番で、メニューはベーコンエッグにトーストとサラダであった。


「たんと召し上がってくれよな」


「エイちゃんお疲れ様」


「ところでリリィは?」


 そうだった。忘れていたが、リリィの姿が見あたらない。

 私は駆け足でリリィの居場所まで行く。

 きっとアラタトの動力室だろう。

 案の定アラタトの動力室にいた。

 リリィはそこで眠っていた。


「リリィ、起きてよ。こんなところで眠っていると風邪を引くよ」


 そういってリリィを揺さぶる。


「う~ん、うるさい!」


 と右手で吹き飛ばされて、そのすさまじい怪力に私は吹っ飛んでいった。


 壁に突き飛ばされて、凄くいたい。


 するとリリィは起きて、「どうした、メグ」


「どうしたじゃないよ。何よあなたその怪力寝相の悪さは?」


「ごめん。メグ、リリィ起こされる、怪力で、吹っ飛ばす」


「やめてよリリィ」


「リリィ村の人、リリィ、眠っている時、絶対、リリィから起きない時、絶対、リリィ、起こすことしなかった。リリィ、起こそうとして怪我した人、何人も、いた」


「それを早く言ってよ、痛たたた」


「ところで、メグ、朝か?」


「うん、朝ご飯出来たからリリィを呼んでってエイちゃんに頼まれて」


「そういえば、リリィお腹空いている」


「ところでリリィはここで何をしていたの?」


「アラタト、改造していた。今度、敵、現れたら、もっと強い、兵器で、敵、やっつける」


「アラタトの改造か、凄いことをしているんだねリリィは」


「凄い、違う、チョウジ、相手、今度、チョウジ、現れたら、リリィ達、全滅させられる」


 そうかリリィもリリィなりに自分に出来ることを頑張っていたのか。


「リリィ、グッジョブ」


 親指を突き上げてウインクして私が言う。


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