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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
ソウルメイトを探し出せ
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チョウジの誘惑

 夜私とエイちゃんは眠ることがないのでアラタトで見張りをしていた。


「エイちゃん。私思ったんだけど、人間ほど愚かな生き物はいないよね」


「そうだな、自分の正義を掲げて争いそして互いに自滅する」


「でも私はそんな人間が好き。リリィも豊川先生もみゆきちゃんもスターチスも藤沢三姉妹も好き」


「そう思えるのはみゆきちゃんにホーリープロフェットの聖なる炎を浴びてそうなったんだよな」


「そうだったね。そんなみゆきちゃんとさっき甘えた事を言ったからつい叩いてしまったんだよね」


「お前そんな事をしたのかよ!」


「だから明日謝っておかないとね」


「当然だろ。みゆきちゃんに俺達は救われたんだからな」


「そういえばそうだった。でもみゆきちゃんカッサライに殺された人達の魂浄化に心底嫌がっている感じだった」


「なあ、メグ、みゆきちゃんの気持ちにもなって見ろよ。俺達はみゆきちゃんには出来るけれども、俺達にはみゆきちゃんのように魂浄化が出来ない」


「じゃあ、メモリーブラッドで私がみゆきちゃんの血を吸ってみゆきちゃんの能力を私が受け継ぐのはどうかな?」


「メグ、約束を忘れたのかよ。お前は俺以外の血を吸ってはいけないって約束したよな」


「そんな約束が何の意味があるの!?」


「何興奮しているんだよ。とにかくみゆきちゃんの血を俺達は吸ってはいけない。血を吸ったらみゆきちゃんがどうなるか分からないだろ」


「・・・そうだね」


「だからメグ、首狩り族に勝ちたかったら、そんな卑怯な先方で戦うのはよせ」


「どこが卑怯なの?そんな事を言ってられないよ」


「メグ・・・」


「私決めたみゆきちゃんの血を吸って私がホーリープロフェットで聖なる炎を生み出して戦う」


「・・・」


 エイちゃんは黙り込んでしまった。


 そんな時である。


 アラタトに警報が流れた。


 私とエイちゃんはアラタトのコックピットの中に入り、モニターを見てみると、急接近でこちら側に何か邪悪な物体がこちらに向かってくる。


「何が起こったと言うのメグさん」


 みゆきちゃんが寝室から飛び出して来た。


「分からない、とにかく凄く邪悪な者」


 そこで豊川先生が「チョウジの気配だ!」


「チョウジ!あれが」


「みゆきちゃん。ゴメン」


 私がみゆきちゃんの首もとをかんで血を吸おうとすると、豊川先生に殴りとばされた。


「何をやっているんだメグちゃん。みゆきちゃんを殺すつもりか!?」


「殺す?違う、メモリーブラッドでみゆきちゃんのパワーを私に刷り込ませようとしただけ!」


「君は禁忌を犯した吸血鬼、禁忌を犯した吸血鬼が相手の血を吸っただけで、みゆきちゃんは死んでしまう」


「だからちょこっとだけ」


「ちょこっとでも、君に何が起こるか分からない。僕は前世の時、相手の血を吸ってその相手の能力を得ようとしたら、二百年ぐらい苦しみもがき地獄を味わった。

 それにその能力は得たものの、僕は二百年何も出来なくなっていた」


 そうだったのか?メモリーブラッドはやはり使えないのか。

 だったら「みんなチョウジに迎撃するわよ」


 私とリリィと豊川先生とエイちゃんにスターチス、それにみゆきちゃんに藤沢三姉妹は外にでてチョウジを迎撃するために、アラタトの外に出た。


 すると外套をかぶった老人が飛んで現れた。

 外套を脱ぎ去り、その正体は頭が禿げていて、髭を長く伸ばしたいわば魔同士のような風貌だった。


「ひょひょひょひょ、これはこれはみなさんお揃いで」


「何をしに来たんだチョウジよ」


「ほんの挨拶代わりに来たものだよ。わしのかわいいペットであるベヒーモスをあんなにたやすく殺してしまわれたまあ、敵討ちって奴」


 チョウジはふざけたそぶりで私達に言った。


「お前があのベヒーモスを出したのか?」


 藤沢三姉妹の未来さんは言う。


「そうだよ。それが何か?」


「それで何人者人間がくい殺されたか、知っているのか?」


「さあ、知らないな?わしのペットのベヒーモスを殺した代償は君たちに支払って貰うよ命を懸けて」


 チョウジは手を挙げて球体のような物体を召還して、その球体から人型のコウモリ達が現れて私達を襲いに来た。


 またカッサライだ、しかも今度は羽をはやして飛んでくる。


「さあ、首狩り族の者どもよ奴らを地獄に送るのだ」


 そういってチョウジは消えていなくなり、アラタトのちょうど頭上にカッサライを召還する玉がある。


 二百三百の羽をはやしたカッサライ達が私達を襲う。


 すると豊川先生は玉に向かって、核兵器並の力を持つ光をほとばしった。


「豊川先生、無茶はやめて」


 私が言うと豊川先生は薄く微笑んだ。


 するとカッサライを生み出す球体はバラバラに砕けた。


 でもカッサライ達はまだ二百の数がいる。


 私とエイちゃんは飛べるので、飛んでスターチスやみゆきちゃん藤沢三姉妹と豊川先生とリリィの援護に向かった。


「こいつら今までのカッサライとは違う」


 今私達が戦っているカッサライは鋭い爪で私達に襲ってくる。


 私もエイちゃんも一人倒すのにやっとのことだ。


 エイちゃんは「グラビティーホールド」と必殺技をかけたが、五人倒すのが限界だ。


 とにかくカッサライ達を無防備なみんなを近づけさせるわけには行かない。


 私とエイちゃんの事はどうでも良い。とにかく死んでしまったらそれまでのみんなを守らなくてはいけない。


 でも私達も疲労困憊をしている。


 このまま戦い続けたら奴らの思い通りになってしまう。

 もし神がいるとしたら、神様でも何でも良い、この状態を何とかして欲しい。


「負ける訳には行かないんだ」


 するとみゆきちゃんの方から聖なる炎が放出された。


 そうだ。私達にはパワーアップしたみゆきちゃんがいたのだ。


「聖なる炎よすべての悪しき者を燃やし尽くせ」


 すると聖なる炎は赤色を帯びていて、コウモリみたいなカッサライ達を焼き付くした。


 助かった。


 本当に助かった。


 みゆきちゃんの聖なる炎は伊達じゃない。


 私達に勝利をもたらした。


 すると巨大な八つの首を持つモンスターが現れた。


「ひょひょひょひょ。わしのかわいいスキュラちゃんに首狩り族のコウモリ達を倒してくれた礼はさせて貰うよ」


 とチョウジの声がした。


「相変わらずふざけた奴だ」


 と豊川先生。


「藤沢三姉妹、リリィ、みゆきちゃん、豊川先生、スターチス、みんな私とエイちゃんを援護して」


 スキュラはその八つの首から吹雪と炎や稲妻などを口から吐き出して来た。


 みゆきちゃんは聖なる炎でそれを防いでくれた。


 私とエイちゃんは飛ぶことが出来るので、様々な攻撃を仕掛けてくるスキュラに攻撃を仕掛ける。


 スキュラの顔面の一つに拳を加えて、スキュラの顔面が一つつぶれた。


 何だ大した相手ではない。


 そこで豊川先生は「ダメだ、スキュラは同時に首を狩らなくてはいけない。メグちゃんが懇親の一発を喰らわしても、すぐに再生する」


「何だって!?」


 すると豊川先生の言うとおり私が懇親の一発を加えたスキュラの顔面が再生した。


「これは一筋縄では行かないわね」


 スターチスが歌う。その歌は私達に力をくれている。

 それにスキュラはスターチスの歌声で弱まっているはずだ。

 それでもスキュラは強い。

 スキュラは炎に吹雪に稲妻を同時に放つ。


 みゆきちゃんは聖なる炎で防いでいるがみゆきちゃんにも限界がくるだろう。


「キュルルルルルル」


 とスキュラは鳴く。


 こんなふざけた相手にどう立ち向かえば良いんだ。


「メグ、俺のグラビティホールドで奴を封じる」


 エイちゃんはグラビティホールドを使いスキュラの攻撃を封じた。


 するとみゆきちゃんの聖なる炎とエイちゃんのグラビティホールドをもろに喰らい、スキュラは爆発した。


「ナイスみゆきちゃんにエイちゃん」


 そこで豊川先生が「まだ分からないぞ。スキュラの顔面が一つでも残っていたら、また再生するぞ」


 爆炎がやむとスキュラは完全に再生された姿が見えた。


「どうすれば良いの?」


 みゆきちゃんもスターチスも限界に来ている。


 スキュラは炎と吹雪と稲妻を吐き出して私達に向かってくる。


 みゆきちゃんは苦しそうにその聖なる炎を出し続けて私とエイちゃんの援護している。スターチスも同じだ。


「このままではやられてしまうわ」


「ひょひょひょひょ、お前達はスキュラの餌食となるのだ」


 チョウジがまだいたのか。

 相変わらずふざけた奴だ。


 みゆきちゃんが「もう限界だよ」


 スキュラの攻撃を受けて聖なる炎を出し続けているみゆきちゃん。


 そこで藤沢三姉妹はみゆきちゃんとスターチスの二人に回復魔法をかけた。


 みゆきちゃんが「ありがとう。まだいける」


「僕達もやれる」「僕達は一人じゃない」


 そうだスターチスの言うとおり私達は一人じゃない。

 藤沢三姉妹も仲間に入れておいてよかったと思えた。


 何この力は、何か力が漲ってくる。


 これもスターチスのおかげだ。


「行くぞ、スキュラ」


「キュルルルルルルルル」


 と鳴くスキュラ。


 スキュラの顔面の八つの首に一発ずつ拳を加えた。


「これで再生は出来ないだろう」


 だが、スキュラは再生しようとしている。


 そこで一本の大きな柱がスキュラの胴体に突き刺さった。


 怪力の持ち主のリリィだ。


 そしてスキュラは消滅していった。


「おのれおのれおのれ、わしのかわいいスキュラを・・・・」


 チョウジは悔しがり、私は「今度はお前の番だ」


 そこで豊川先生は「ダメだメグちゃん。チョウジに迂闊に向かってはいけない」


 私は豊川先生の言葉を無視してチョウジに立ち向かっていった。


 チョウジに拳を加えると、チョウジはそれを受け止めて、「なるほど、貴様は禁忌を犯した吸血鬼だな。お前のその禁忌を無くしてやろう」


 そこで私の中で葛藤した。

 チョウジは私の禁忌を無くしてやろうと言った。

 それはありがたいことでもあり、今は私の禁忌を必要としている人達がいる。


「チョウジ、私の禁忌を無くしてくれるのか?」


「そうじゃ、その方がよかろう」


「じゃあ、お願い」


 と私はチョウジの誘惑に負けてしまい、禁忌を無くしてくれるならそれほどまでの事はないと思って受け入れそうになったところ、一筋の光がチョウジの頭上に現れて爆発した。


「なんだなんだなんだ」


 チョウジは怒っている。


「メグちゃんそいつの言葉に耳を貸してはいけない。そいつはメグちゃんに永遠の苦しみを与えようとしている。禁忌を無くすことは実際に不可能な事なのだ」


 そうなのかと思って私はチョウジから離れた。


「ひょひょひょひょ、思えばお前は豊川ではないか。かつては禁忌を犯した吸血鬼として一万年物間を生きた者ではないか。

 お前は自分の息子に禁忌を受け継がせたのか。

 これはおもしろい。このチョウジまたお前達の元へとやってくる。その時までお前達の命は預かっておく」


 そういってチョウジは消えていった。


「メグ」


 そういって私のところに飛んできたのはエイちゃんだった。


「エイちゃん」


 するとエイちゃんは私の頬を叩いた。


「何をチョウジの言葉に惑わされそうになったんだ。お前はバカか。禁忌を無くす事は不可能な事だ」


 エイちゃん叩かれ説教されて、私の瞳から大粒の涙が流れ始めた。


「ごめんなさい。エイちゃん。でも私、生きることに苦しくなって」


「お前の気持ち分からなくないが、チョウジの誘惑にまんまとだまされるところだったんだぞ」


「ごめんなさいエイちゃん」


 私は久しぶりに泣けて正直嬉しかった。


 涙なんて悲しい気持ちになるが、私の中にもそんな悲しい気持ちが残っていた事に嬉しかった。


 アラタトに戻ると、豊川先生に叱咤された。


「何を考えているんだメグちゃん!」


「ごめんなさい。もう少しであいつのチョウジの誘惑に惑わされそうになった」


「とにかく禁忌を無くすことは出来ないんだ。その事をちゃんと肝に銘じるんだよ」


「分かりました」


 でも私はもう死にたいとも思っていた。

 でも生きたいと言う気持ちも残っている。

 矛盾だ。

 仮に私達がチョウジの野望をくい止めたら私とエイちゃんはどうなるのだろう。

 また愚かな人間は同じ事を繰り返されるだろう。

 そんなのもううんざりなんだよ。

 誰か私を本気で殺してくれる者はいないだろうか?


 私はアラタトのモニターを見ながら考えさせられる。


 ここはフロリダ。


 そんな綺麗な海を眺めながら考えていた。


 海は綺麗だけど、イルカ達はまだ生息しているのだろうか?


 そこで藤沢三姉妹が私のところにやってきた。


「戦いお疲れさま」


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