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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
ソウルメイトを探し出せ
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みゆきの悲しみ

 藤沢三姉妹は私達を村に招き入れた。


 そこでみゆきちゃんは「ここにもカッサライに殺された人達の魂がさまよっている」と言ってみゆきちゃんは魂浄化の為に踊り出す。


 魂がそれぞれの家族の元へと実体化して、そして消えていった。


 それぞれの家族はその名前を叫んで別れを告げた。


 みゆきちゃんは言っていた魂を浄化するたびにホーリープロフェットの力が増すと。

 でもみゆきちゃんはそれは不本意だと思っている。

 誰かが死ぬたびに自身の力が増すなんてあまり良いことではないと。


 そこで未来さんは「魂の浄化に貢献してくれてどうもありがとうみゆきさん」


「当然の事をしたまでよ」


 とみゆきちゃんは素っ気なくそういった。

 みゆきちゃんにとって魂浄化は自分でもあまりしたくないと言っているのだからな。

 それもそうだよね。

 死んだ人の魂を浄化するなんて、あまり気の進めない感じだ。

 そしてみゆきちゃんのパワーが以前よりも増した。


 未来さんは「あのベヒーモスを倒すなんて相変わらず強いんですね」


「私は禁忌を犯した吸血鬼、死ぬことはない」


「そういえばそうでしたね。私達は占いで退行催眠をしてみたらあなた達と昔出会ったことになっていると分かりました。それにこちらから出向かわなくてもそちらからやってくると私達の占いでわかっていました」


「藤沢さん達は占いが出来るのですか?」


「そう占いと治癒能力を持っています」


 そこで藤沢三姉妹は「みゆきさん。ダンデライオンの二人、ちょっとこちらに行らしてくれますか?」


 すると藤沢三姉妹は一人一人に手を当てて、みゆきちゃんとスターチスの二人に回復の呪文を唱えた。


「凄い体がみるみる力が沸いてくる」


「さっきのベヒーモスとの一戦で傷ついた体が」「無くなっている」


 みゆきちゃんとスターチスの二人は言う。


「どう?私達はあなた達のお役にたてられるかしら」


「もちろん。あなた達がいてくれれば、百人力よ」


 私が言う。


「私達もあなた達の旅につれていってくれませんか?」


「もちろん」


 そこで村人が「サター様、それには反対です。またカッサライの者が現れたらどうなさるつもりですか?」


「もうこの周辺ではカッサライは現れません」


「何を根拠にそんな事を言っているのですか?」


「私達の占いがそういっています。私達三人が嘘をついたことがありますか?」


「いえありませんが、私達にはあなた達サター様達の力が必要です」


「でも私達はこのもの達と永遠の平和を約束します」


「本当ですか?」


「はい」


 にっこりと笑ってその顔には嘘偽りが感じられぬ笑顔であった。


「分かりました。サター様、この世に永遠の平和を我らにお与えてください」


「大船に乗った気持ちでいなさい」


「ははっ!」


 どうやら未来さん率いる藤沢三姉妹を私達とともに行動する事を村の人達は分かってくれたみたいだ。


 村のみんなは「サター様我らに永遠の平和を与えてください」と見送ってくれたみたいだ。


「そういえば豊川先生は?」


 私が言うとみんなも心配する。


「大丈夫です。その者は生きています」


 村から出て、ベヒーモスとの戦闘で倒れ込んでいた。


 そこで未来さんが、「この人があの前世で一万年の時を経た豊川先生?」


「そうだけど気を失っているみたい」


「藤沢さん達、豊川先生の回復できないかな」


「お安いご用でございます」


 未来さんが豊川先生の体に触れて、豊川先生は治癒能力を持つ未来さんに回復をさせて貰っていた。


「ううっ」


 と豊川先生は気を取り戻していた。


「いったい僕はどうなったんだ?」


「ベヒーモスとの戦闘で体当たりを喰らって気絶していたみたい。忘れてしまってごめんなさい」


「どうやら僕は足でまといだったようだね」


「そんな事はないよ。豊川先生にもこのカッサライの首狩り族を倒す義務があるんだから」


「僕の武器は命を削る事によってもたらされる核弾頭だよ。もしこれを全部使ってしまったらこの世は滅びるであろう」


「それは必要な時に使っていただければ良いから」


「そうか」


 そういって立ち上がって私は「豊川先生には役に立って貰ってばかりですよ。足手まといだなんて思わないでください」


「ありがとう。こんな僕を回復魔法で回復させてくれるなんて」


「とにかくアラタトでまた、食事でもしながら、作戦を考えましょう。アラタトはカッサライを検知する機能を持っていますから」


「分かった」


 そういって新たに仲間に加わった藤沢三姉妹。それでみゆきちゃんとスターチスと豊川先生は空中に浮かぶ町アラタトの中に入っていった。


「ただいまリリィ、思わぬ収穫が合ったよ」


「収穫、その三姉妹?」


「その通り、回復魔法と占いが出来るみたいなんだ」


「リリィ、アラタトからみんな、様子見ていた。ほとんどメグの活躍」


 そこでみゆきちゃんが「何よそれ、私達は足でまといと言いたいの!?」


「そんな事一言も言っていない。みゆきとスターチスは魂を浄化するごとに強くなっている。でもこれからベヒーモスよりも強い相手現れる」


「その時は私のホーリープロフェットで戦うよ」


「僕達の歌も忘れないでね」「そうだそうだ」


「メグは禁忌を犯した吸血鬼死ぬことはない。だからこれからはメグ一人で戦った方が良いんじゃないか?前言撤回だが、二人は足でまとい」


「「「何だと」」」


 三人はみゆきちゃんとスターチスはリリィに飛びかかりリリィの怪力で吹っ飛ばされた。


「ちょっと喧嘩しないでよ。リリィも言い過ぎよ、みんな足手まといの人なんて私達のソウルメイトにはいないわ」


「でもリリィはみゆきたちの事を足でまとい扱いした」


「そうだそうだ」「リリィ、僕達が足でまといなんて撤回しろ」


「ゴメン。私悪かった。でも今回はまずかった。二人ともベヒーモスに体当たりを喰らって豊川、みゆき、スターチスはやられそうになったの事実」


 確かにそうだと思って三人は何も言えなかった。

 あのベヒーモスの力は尋常じゃなかった。

 でもアラタトの球体に触れホーリープロフェットの聖なる炎で雑魚のカッサライ達をやっつける事に成功した。


「リリィ、みんなは私達は仲間だよ。かけがえのない仲間だよ。だから、足手まといだなんて言わないで」


「悪かった。ゴメン」


「それじゃあ、みんなお腹空いている事だしご飯にしよう」


 調理室に行くとエイちゃんがもう料理を作ってくれていた。


「今日はシチューね」


「仲間が増えたみたいだな、何人いるんだ?」


「えーと、私とエイちゃんは食べられないとして、みゆきちゃんにリリィ、豊川先生、スターチスの二人に後藤沢三姉妹に数えると七人分ね」


「りょーかい」


「じゃあみんなを食堂に呼ぶね」


 メニューはシチューにコッペパン二つにトマトサラダだ。


「みんなお腹空いたでしょ。食堂にみんな来て」


 みんなを呼びかける。


 みゆきちゃん、スターチス、リリィ、豊川先生に藤沢三姉妹が食堂にやってきた。


「広い食堂ね」


 藤沢三姉妹の未来さんが言う。


「ここは本当は私達が・・・」


「メグさんと英治さんがかくまっていた子供達が使っていた場所でしょ」


 私が言おうとすると未来さんは占いで全部知ってみたいで、あまり思い出したくない事を言われて、心にずしりと重いような嫌な物が乗せられた感じがした。


「ごめんなさい。私はそういうつもりで言った訳じゃ」


 どうやら私は嫌な事を思い出し、それが表情に出てしまっていたみたいだ。


 だから私は笑顔で「とにかくエイちゃんが作ったシチューはおいしいからみんな食べて」


「いただきます」とそれぞれ言って食べるみんな。


 未来さんを見ると、私に嫌な思いをさせてしまったことで罪悪感にとらわれた顔をしていた。


「ほら、未来さんも食べて食べて」


「え、ええ」


 未来さんが一口シチューをすくい上げて食べると「おいしい」と言ってくれた。


「俺が作ったシチューだぞ、おいしいに決まっているじゃないか」


「本当においしいよ。こんなおいしい物に巡り会えたのは前世以来の事だね」


 前世以来の事って、どうやら未来さんの村では粗末な物しか食べれなかったみたいだと確信した。


 でもおいしい物を食べて、先ほどの険悪なムードから、穏やかなムードへと変わって行った。


「リリィ、もう食べてしまったの?野菜もちゃんと食べないとダメだぞ」


「リリィ、子供、違う、野菜くらい食べられる」


 そこでエイちゃんが「お代わりあるからな」


 するとリリィがトマトサラダを口に詰め込むように食べて、「お代わり」と言った。


 そんなリリィの行動がおかしくてみんなで笑ってしまった。


「何、おかしい!?」


「リリィさん、よく食べるね」「僕達の分も残しておいてくれよ」


 スターチスの二人は言う。


「みゆきちゃんも食べ終わったみたいだね。みゆきちゃんはお代わりはいらないの?」


「みゆきは良いや・・・ごちそうさま」


 そういってみゆきちゃんは食堂から出ていった。


 その後ろ姿を見て、何か悩みを抱えているように感じた。


 直接本人に『みゆきちゃん大丈夫』と言って上げたかったが、タイミングを外して言えなかった。


 本当にみゆきちゃん大丈夫かな?


 食事が済んでみゆきちゃんを探しに行くと、アラタトの外で風にふかれて星空を眺めていた。


「みゆきちゃん」


 と声をかけると、振り返りもせずに「何?」と素っ気なく言われてしまった。


「みゆきちゃん」


 そういってみゆきちゃんに近づこうとしたら、みゆきちゃんは「来ないで!!」と激しく拒絶されてしまった。


「みゆきちゃん?」


 そうしてみゆきちゃんは私に振り向き、目から涙腺が故障するほどの涙を流していた。


「どうしたの?みゆきちゃん」


「だから来ないでって言っているじゃない」


「みゆきちゃん」


 と優しく声をかけながらみゆきちゃんの元へと行き、後ろから抱きしめた。


「どうしたの?みゆきちゃん?」


「メグさん、どれだけの人が亡くなれば、カッサライはいなくなるの?みゆきはもう魂の浄化なんてしたくない。みゆきの村のみんなも家族もカッサライに殺されてしまった」


「私もその気持ち分からくないよ。私も・・・」


「知っている。メグさんと英治お兄ちゃんが匿っていた子供達が殺されたんでしょ。

 悔しくないの?」


「悔しいよ!!!」


 そう言いながら私はみゆきちゃんに向き直った。


 するとみゆきちゃんはきょとんとした表情で私を見る。


「あえて同じ事を言うけれど、凄く悔しいよ。みゆきちゃんだけじゃないんだよ。リリィも豊川先生もスターチスも藤沢三姉妹もみんな悔しい思いをして私達はソウルメイトとして導かれるように集まった。

 悲しいのはみゆきちゃんだけじゃないんだよ」


「・・・メグさん」


 辛いのはみんな一緒だと言うことを私はみゆきちゃんに知ってもらいたかった。


 そして私はみゆきちゃんを抱きしめて、みゆきちゃんは大量の涙を流して私の胸を濡らした。


 みゆきちゃんは泣き叫ぶ「魂の嘆きを聞く度にみゆきの心は壊れそうな気持ちになるんだよ。それでみゆきが強くなってどうするの?仇を撃って欲しいの?みんなの無念の気持ちが魂の浄化をする時に聞こえてくるの」


 その気持ちは充分に分かる。


 でも「甘ったれるな」と言ってみゆきちゃんの頬をはたいてしまった。


「さっきも言ったけれども私達はチョウジを倒しに行くいわばソウルメイト。戦うしかないんだよ。これまで死んだ者達の魂を浄化させて、みゆきちゃんは強くならなくちゃいけないんだよ」


 すると涙を拭いてみゆきちゃんは立ち上がった。


 その円らな瞳で私を見て、「ごめんなさい。メグさん。私踊るよ。みんなの無念の魂を一人一人受け止めて力になるよ」そういってみゆきちゃんはアラタトの中へと入っていった。


 みゆきちゃん私だって戦いたくないんだよ。


 でも私達でしか出来ない事は戦う以外ないんだよ。


 人間は愚かだ。そんな愚かな人間の為に戦って何になるのか私には分からない。

 この混沌とした世の中で私達は戦うしかない。


 仮にチョウジを倒した所で人間は同じ過ちを繰り返すであろう。

 そう思うと戦う意欲がなくなってくる。


 でもダメだ。私達は戦わないといけない。


 この混沌とした世の中でも日は沈みそして日は昇る。そして今アラタトのからの空を見上げ思う。

 同じ事を繰り返しても、この世界はこんなにも素晴らしい物だと吠えてみたい。

 私達は戦うしかない。

 人間が愚かな事は二百年近く生きている私なら知っている。

 それでも私は戦う。


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