ルシファーの試練
みゆきちゃんは言った本当の敵はデジャブじゃないと。
「みゆきちゃん、私たちの本当の敵って?」
「神の試練よ」
「神の試練って?」
「アラタト人の試練をみゆき達に回ってきたって事」
「その試練とは」
「かつてアラタトには幾千もの人々が暮らしていた。
しかしアラタト人が事を怠らないように神から試練を与えられていた。
それは五百年に一度の試練であり、五百年前・・・」
「試練に失敗して、何千者アラタト人が地上に降りてアラタト人には地上はMSと言う病にかかり、消えていった。
その末裔がリリィ」
「とにかくこの事を英治さんや豊川先生に伝えるんだ」
一難去ってまた一難。
せっかくデジャブを崩壊させ世界は平和になったと思ったのにどうして・・・。
「みゆきちゃん。その神の試練とはどのような物なの?」
「分からない。でも私たちが力を合わせれば何とかなるって言っている」
「どうして私たちがその面倒事を引き受けなくちゃいけないの?
アラタトは滅んでいるのに」
「アラタトは滅んでいない。その代わりに私達人類がなさなきゃならないことになってしまった」
「この試練に失敗したら?」
「みゆき達はおろか地球全体の魂が滅んでしまう」
何となく空を見上げた。
太陽は燦々と輝き私たちの命を照らしている。
そして私たちはエイちゃんのアジトに戻ることが出来た。
アジトに戻るとなにが起こっているのか神の使いであるルシファーとエイちゃんが戦っている。
「みゆきちゃんこれは?」
「おそらく神の使いであるルシファーは五百年に一度の試練を実行しようとたくらんでいる」
「やめて二人とも」
私が二人の間に入り、こんな馬鹿げた戦いを止める。
「メグ、こいつは本当に神の使いなのか?子供達を抹殺したんだぞ」
私は唖然とした。
「この世はもう時期に終わりを迎えるだろう」
ルシファーは言う。
「じゃあ、ルシファーあなたは、いやお前は藤沢三姉妹と麻美ちゃんを殺したのか?」
「殺しはしていない。小奴等には試練を受けて貰うのだからな」
そこでエイちゃんが「どうして子供達を殺した」
「試練に邪魔だと思ってな。でも安心するがよい。試練に成功すればすべての人間は蘇り、再び地上は元の楽園と化すだろう」
「そんな事を聞いているんじゃない。どうして子供達を」
涙を流すエイちゃん。
「それは悪かった。子供達を生き返らしてやろう」
ルシファーが手をかがげて、洞穴に遺体となっている子供達に命が宿ったのを感じた。
「ルシファーお前は何がしたいんだ?」
「神の試練のお手伝いと言うところだろう。
ではさらばだ」
ルシファーは天高く舞い上がり、私たちのアジトから去っていった。
「メグ一体何が起こっているんだ?」
私は立ち話も何だからアジトに戻り、エイちゃんに事情を説明した。
****** ******
「そうかデジャブの野望をくい止めたのか?」
「でもまだアラタトの神の試練である事は収まっていない」
殺されたと思われていた子供達は生きていた。
「天から隕石が降ってくるとみゆきのチャクラでは言っている」
「その為にはアラタトの力が必要なんじゃないかな?」
「そうだ。アラタトの兵器があれば、隕石を吹き飛ばせるかもしれない」
「だったらリリィの封印を解くことにするしかないね」
「ちょっと待って、とりあえず南極にあるアラタトに向かおう」
そこでエイちゃんが「また行くのか?」
「うん悠長な事はしていられない」
「分かった気をつけてな」
私とみゆきちゃんと節子ちゃんで南極に向かった。
地球は平和になったとは言え、デジャブが残していった爪痕はわずかながらに残っている。
****** ******
私たちは南極にたどり着いて、アラタトは太陽柱であるサンピラーに照らされている。
「さあ行こう」
「「はい」」
アラタトにたどり着き、私達はアラタトの町並みを改めて見た。
誰も住んでいる形跡はない。
アラタトのコックピットに入り、そこでクリスタルに手をかざして、モニターが映った。
私は再びクリスタルに手をかざして、宇宙からやってくる隕石を映し出す事に成功した。
「これが神の試練?」
私が言うとみゆきちゃんが「兵器を使うにはリリィの力が必要」
「分かった、胸ポケットに入れておいたリリィを封印した壷を取り出してリリィの封印を解いた」
「リリィ」
私はリリィに長い間封じこめていた罪悪感でいっぱいだった。
「リリィ、外に出ても良いの?」
「ごめんなリリィ、こんな壷に封じ込めてしまっていて」
「それ、仕方ない。リリィはアラタトの鍵となっている存在」
そんなリリィを抱きしめた瞬間だった。
リリィが霧散して消えていった。
「リリィ?」
「ぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。この時を待っていたぞ」
「その声はデジャブ」
「デジャブは死んだんじゃ」
「我も禁忌を犯したもの、そう簡単には死ねない」
「デジャブ、リリィを返せ!」
「ぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。返せと言われて返すバカがどこにいる?」
そこでみゆきちゃんが「メグさんまた私が剣になってデジャブを」
私はみゆきちゃんの意見に左右に首を振って、デジャブに「デジャブ、あなたはどうしようもないほど救いようのない者だよ」
「それは私にとってありがたい言葉だ」
そこでみゆきちゃんが「魂を崩壊されし者は永遠の苦しみに苛まれる」
「ぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。そんな脅しをしたって、お前達の魂を破壊して、永遠に永遠に輪廻転生できない体になるだけだ」
「輪廻転生出来ない魂の末路は奈落の底に永遠に永遠に苦しむ所がある。以前にお前が魂を消したアランとリリィのお姉さんとその子供達は永遠に苦しむ事になっている」
「だから何だと言うのだ?」
「ならばみゆきがその実体を見せてあげるよ」
みゆきちゃんはクリスタルに手を振れて、奈落の底と思われるアランとリリィのお姉さんとその子供達が苦しんでいる姿が映し出された。
「嘘だ。魂を消せば、永遠の安息が待っている」
「待っているのは永遠に近い地獄だよ」
「ぐぎゃぐぎゃぐぎゃ。嘘だ嘘だ嘘だ」
「罪を償えデジャブ!」
どうやらみゆきちゃんが見せた魂の末路は本当の事のようだ。
私も魂の崩壊に憧れた事があったがそれはしてはいけない事、いや魂は永遠に壊す事は不可能だったんだ。
「でも永遠に苦しむ事はない」
みゆきちゃんは言う。
「デジャブこれ以上罪を重ねれば、お前はあの世の地獄に行き、長い間苦しむ事になる」
「ぐぎゃぐぎゃぐぎゃ嘘だ嘘だ嘘だ」
デジャブはリリィを背負い、どこかに消えてしまった。
きっとデジャブはアラタトの動力部に消えて行ってしまったのだろう。
「デジャブ」
追いかけようとしたところ、みゆきちゃんに「愚か者には愚か者の罰が待っているだけ」と言って止められた。
その時デジャブがコックピットに投げ出されてきた。
リリィの怪力だ。
デジャブにはもう力は残されていない。
「リリィお前だけは許しはしない」
私はデジャブを壷の中に封印した。
これで邪魔者はいなくなった。
私はリリィに「リリィ力を貸してほしい」
「メグの言うことなら何でも聞くよ」
コックピットのクリスタルに手を振れ、宇宙から隕石が落ちようとしているモニターに映した。
「これは神の五百年に一度の神からの試練らしい、この隕石を何とかしてくれないか?」
みゆきちゃんがモニターに映し出されている隕石を見て言う。
「これは神の試練じゃない。そもそもおかしいと思ったんだ。神がそんな恐ろしい試練をするなんて・・・」
「じゃあ誰が?」
「私だ!」
「誰だ!」
声の発信元を見るとルシファーの姿が見えた。
「お前はルシファー」
「いかにも」
「せっかくサタンから解放してやったのにお前は恩をあだで返すのか?」
「サタンには油断したがここは光の世界。お前達の力を確かめたくなってきた」
「そんな事をして何になる」
「そんな事より賭をしないか?」
「賭?」
「そうだ。隕石を破壊することが出来れば、デジャブに滅ぼされた世界を元通りにしてやっても良いぞ」
「お前にそんな事が出来るのか?」
「私はこう見えても神の使者出来なくはない」
「みゆきちゃん」
ルシファーが言うことが本当の事なのかみゆきちゃんのチャクラで調べてと言わんばかりに言う。
「本当よ。ルシファーなら世界を元通りにする事が出来る」
私はルシファーを見る。
「さあ見せてくれお前達の奇跡の起こし方を」
ルシファーは何か楽しんでいるように見える。
みゆきちゃんのチャクラでは本当と言ったが私は半信半疑だった。
「じゃあ、リリィあの隕石を壊してくれないか」
「いよいよアラタトの兵器が使う事になるとは・・・」
アラタトの兵器を使うことに不服な気持ちでいるリリィ。
私も出来れば兵器なんて使いたくなかったでもこればかしは仕方がない。
リリィがアラタトのコックピットにあるクリスタルに手を振れてアラタトを浮上させる。
ゆっくりと浮上させ、アラタトは動き出す。
コックピットのモニターに映し出されている巨大な隕石。
「これ破壊すれば良いんだね」
リリィは複雑な気持ちの表情をして動力部に向かっていった。
アラタトの兵器で隕石に向けて発射させるのだ。
『波動砲装填発射します』
アラタトのアナウンスが流れた。
これが魂を壊すと言われたアラタトの兵器。
でも実際には魂を壊す事は出来ない。
でもこの地球上を千回破壊させられるほどの破壊力のある兵器。
そして波動砲は発射された。
アラタトのモニターに映し出された眩しいほどの光がまばゆくて視線を逸らした。
凄い破壊力だ。
これなら隕石もこっぱみじんに。
モニターから光が消えた。
しかしモニターに映し出されたのは隕石だった。
「波動砲は放ったはずなのに、隕石に傷もついていない」
私は狼狽えた。
「フッフッフッ」
ルシファーは不敵に笑う。続けて、
「私は神の使者、私が作り出した隕石はそんなおもちゃのような兵器では壊せはしない。
さあどうする?地球の使者よ」
リリィが戻ってきて「ごめん。みんな。隕石破壊出来なかった」
「もう一度やってみてはどう?」
みゆきちゃんが「同じ事だよ」とみゆきちゃんも諦め顔だった。
『隕石直撃まで後二十四時間』
アラタトのアナウンスが流れる。
「何か他に作戦はないの?」
みゆきちゃんの目を見たがみゆきちゃんも首を左右に振って分からないと言った感じだ。
「そうだ。豊川先生の所に行けば何かが分かるかもしれない」
みゆきちゃんが「そうだね。もう頼むのは豊川先生のみ」
私はコックピットのクリスタルに手を振れて豊川先生の所がいる中国へと向かった。
時間がない。一刻を争うときだ。
すぐにアラタトは豊川先生が修行をしていた中国の山奥にたどり着いた。
アラタトを降り豊川先生とその師匠の元へと向かった。
豊川先生とその師匠は隕石を見つめている。
「豊川先生、師匠」
そこで師匠が「分かっておる。あの隕石を止めたいのだろう」
「何か方法はないんですか?」
「・・・」
黙り込む師匠。
そこでルシファーが、「久しぶりだな豊川よ」
ルシファーと豊川先生とルシファーは知り合いなの?
そんな事はどうでも良く「豊川先生、師匠。あの隕石を落下させないように何とかならないんですか?」
「メグちゃんちょっと黙っていてくれないかな?そのルシファーに話がある」
見つめ会うルシファーと豊川先生。
「おや豊川よ、お前はもう禁忌を脱したのだな」
「ああ、いたずら好きの君も相変わらずだね」
「私は人間の底力が見てみたいだけだ」
そこで私が、「人間の底力って」
「その通りであり、あの隕石は禁忌を犯した吸血鬼にしか破れない」
「じゃあ、私なら」
「メグちゃんなら出来るかもしれないね」
「でも祈る者はいない」
ルシファーは言う。
「僕の祈りは神の化身を呼び寄せられる」
「だが今のお前は禁忌を受け継いでいない。それで祈りをしたらお前は死ぬぞ」
「かまわないさ。もう生きることに嫌気がさしているからね」
「そんな豊川先生死んじゃうの?」
「メグちゃん、今はそんな事を気にしている場合じゃない。今すぐに英治の元に戻って神に祈りを捧げ、メグちゃんがあの隕石を止めるんだ」
「私が?」
「そうメグちゃんなら出来る、後祈りは僕と英治とこの世にデジャブに魂となった人たちに祈りを捧げるように頼むんだ」
「分かった」
そういって私はアラタトに乗り込み、エイちゃんの元へ。
「待っていて、世界を救うにはみんなの祈りとその隕石を止める私の力だ」




