デジャブの力
「どうして?ヤマを信じる事は出来ないの?ヤマはホーリーブレードーで悪の根を根絶したはず」
「いや、僕みたいに輪廻天性出来ない者をたやすく信じては行けない」
「じゃあ左の柱をぶち壊せば」
「それも待って」
豊川先生はヤマの顔をじっと見つめた。
「右と言っているのが分からぬか?このおたんこなすめ」
その時、豊川先生は「右だ。右の柱を壊して」
私は言われた通り右の柱を壊した。
するとマイラにアラートーが鳴った。
「マイラ爆破まで後三十分」
私は愕然とした。
つまりヤマの言ったことは嘘だった。
「ひょひょひょひょ、だまされるのが悪いのじゃ」
豊川先生はヤマを封じて、何か策はあるのか私に協力を求める。
「メグちゃん。こうなる事にも策を練っている」
「それは?」
「このマイラを宇宙の外に追い出すんだ」
すると豊川先生は天井まで飛び思い切り力を入れて、マイラを頭上に上げた。
「メグちゃんも急いで、このマイラを宇宙の外に追い出すんだ。僕たち二人は禁忌を受け継いだ吸血鬼、そう簡単には死なないよ」
豊川先生の言う通り、マイラを宇宙へと運ぶのを手伝う。
マイラが上昇していく。
「ええい、吹っ飛んでしまえ」
マイラが急上昇していく。
今は豊川先生と力を合わせるしかない。
グングン上昇していく。
そして・・・爆破は起こったが私達吸血鬼には無傷だった。
「大丈夫だったの?」
爆破で霧散した煙が収まってきた。
地球を見てみると無傷であった。
これでヤマの野望は治まった。
「やったか」
と豊川先生。
「やったかじゃありませんよ。もう少しで私達はお陀仏だったんですよ」
「まあ、良いじゃないか終わりよければすべて良し」
「まったく暢気何ですから」
宇宙空間から私と豊川先生は地球に降り立った。
降り立った場所はアラタトだった。
「メグさん大丈夫だったの?」
みゆきちゃんがかけより、私に抱きつきながら言う。
「私は大丈夫だよ」
でも気持ちは複雑だった。
禁忌を犯した者にホーリーブレードが通じない事に。
みゆきちゃんも話を聞いてショックそうな顔をしていた。
「そんな~私が変化したホーリーブレードは役に立たないなんて」
「役には立っているよ。ただ禁忌を犯した者にはあまり効果がないだけで・・・」
「そう」
がっかりした感じで、私の胸にポトンと眠りに落ちて、お疲れモードのみゆきちゃんを抱いてアラタトに設置してある、ベットの上に寝かせて、私もその横で目を閉じていた。
禁忌を犯した吸血鬼には眠る事も出来ない。
私が生きている間にみゆきちゃんも麻美も節子ちゃんもダンデライオンの二人もみんないなくなってエイちゃんもいなくなって私は一人になるしかないのか。
生きている間に禁忌を犯したものとして、心が歪んでしまうのか?
そうなりたくない。
私も吸血鬼だけれどもみんなと同じ人間に戻りたい。
みんなと同じ輪廻天性できる者へとなりたい。
私も長く転成出来なかったら、ヤマやラミネスのように心が歪んでしまうのか?
そんな風にはなりたくない。
私は禁忌をメビウスの元により受け継がれた吸血鬼。
涙が止まらない。
悲しくて悲しくて。
こんな事になるなら、最初から私なんて存在しなくても良いのに。
するとみゆきちゃんが「メグさん。メグさんはそんな悲しい人じゃない」と眠りながら私に言霊を言いつける。
みゆきちゃんのその言霊に私は勇気づけられ、涙を袖で拭って、コックピットの方へと戻っていった。
そこには豊川先生とリリィとダンデライオンの二人がいる。
「九州に存在する紫色竜巻はどうなっている?」
「今のところは音沙汰なしだね」
豊川先生が言う。
「でも油断は出来ないと思う。
リリィ解析急いで」
「もうやっている」
「で?どうだったの?」
「紫色の竜巻には三人の生命体が入る」
「その生命体は」
「そこまでは解析できない」
「迂闊に近づく事は出来ないかああ・・・とりあえず様子を見よう」
きっとその三人も禁忌を犯した吸血鬼か何かで私たちに襲いかかって来るだろう。
それに心も長い時を経て、腐りかけているのだろう。
私はアラタトを出て、エイちゃんの部屋に行く。
「エイちゃん」
「おお、メグ大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ」
正直大丈夫じゃないが、エイちゃんに心配かけないように、元気な自分を見せる。
するとエイちゃんは私を抱きしめる。
「どうしてそうやって嘘をつくんだよ」
「エイちゃん?」
「本当は苦しくて仕方がないんだろ」
私はエイちゃんには嘘をつけない。
そのエイちゃんの温もりを感じて、涙腺が故障しているかのごとく涙がどばどばと流れてきた。
「私は禁忌を受け継いだ吸血鬼、永遠に死ぬことさえも出来ない」
「大丈夫だよ」
「何が大丈夫なの?
禁忌を犯した人間の末路はみんな心が腐りかけている。
私もいつかそうなるんじゃないかって」
「その時はその時考えよう。俺はメグが死ななくてもまた来世でまた会える。俺はメグを見つける。それで良いじゃないか」
「でも千年、一万年時が経ったら、私の心は腐りかけてやがて悪魔に魂を売るような事をするかもしれない」
「そんな事は俺がさせない」
「でも・・・」
「させない。絶対に来世でも俺は輪廻転生するけれどもそれでも俺はメグの事を離さない」
エイちゃんの抱擁は私の心に突き刺さる。
そんなエイちゃんを感じていると、私とエイちゃんはこの世が生まれてからずっと一緒だったんじゃないかとさえ思ってしまう。
肉体は滅びても魂は永遠。
私とエイちゃんは生まれてから魂はいつも一緒なのかもしれない。
そう思うと私の前にマッチ棒のようなかすかな明かりが見えてきた。
そのマッチのような明るい光を灯そう。
そして明るいかすかな光を育てよう。
千年、一万年の時を経ても永遠に永遠に。
エイちゃんに私の心を満たされた瞬間だった。
地震かと思いきや、外を見てみると、紫色の竜巻がアラタトに接近していた。
「エイちゃん私行かなきゃ」
「気をつけて行くんだぞ」
そんなエイちゃんににっこりと笑ってウインクして、外に出た。
すると竜巻は消え去り、どうしてしまったか見てみると、大人の女性と二人の女の子が見えてきた。
よく見ると大人の女性はリリィと私に似ていた。
「何だお前たちは」
「我らは禁忌を犯した者、さあメグとやらよ、私と正々堂々と戦え」
すると側に控えていた女の子二人がそれぞれ剣と盾になり女は武装する。
「さあ、メグよ。貴様も武装しろ」
「待っていろ」
そう言いかけ、アラタトに行く。
私が武装するにはみゆきちゃんと節子ちゃんの力が必要だ。
アラタトに行くとリリィが慌てて私の所に駆け寄ってきた。
「メグ、あれは私の姉のラン姉さん」
「本当かリリィ」
「間違いない。あれはラン姉さん。メグの姉でもある」
「ラン姉さんは消えたんじゃないか?」
「ラン姉さんリリィの前から消えたはず」
「じゃあ、あれは?」
コックピット内に不気味な足音が聞こえてくる。
現れたのが武装したリリィの姉であり私の姉であるラン姉さんだった。
「さあ、メグ、武装して表に出て私と戦いに興じろ」
「ラン姉さん。私リリィ」
「リリィ?私に妹など存在しない。あるのは魂の崩壊のみさあ、メグ武装しろ」
「あなたはリリィと私のラン姉さんなのでしょ。どうして姉妹同士戦わなくてはいけないの?」
「私の名前は確かにランだが、もはやお前たちの姉でも何でもない。さあ、その武装して私に戦いに興じろ」
「あなたも禁忌を犯したの?」
「犯したとも、それに私の娘二人を巻き込んで」
「娘って、その武装しているそれぞれの盾と剣?」
「そうとも、もはや禁忌を犯した私たちにどこにも安住の地など存在しない」
私はリリィの潜在意識の中でラン姉さんに会っている。
じゃあこのランさんはいったい何者なのか?
「分かったよ。戦いに興じる。リリィ、みゆきちゃんと節子ちゃんを連れてきて」
「メグ、ラン姉さんと戦う気?」
「そうするしかないだろう。この人が私たちの姉であっても、戦いは避けられないみたいだから」
「ようやくその気になってくれたか、勇敢なメグよ。お前の戦いぶりを見てきたが生ぬるい戦いをしてきたものよ」
「うるさい」
「メグさん」「戦いが始まるの?」
みゆきちゃんと節子ちゃんが現れた。
「うん。悪いけれど武装が必要みたい」
「分かった。私はメグさんと運命を共にします」「私も」
みゆきちゃんと節子ちゃんは武装して、みゆきちゃんがホーリーブレード節子ちゃんは光の盾。
「さあ、武装したよ。戦いは外で」
「フン好きにしろ」
私とランは外に出た。
私は剣をランに向けて「一つだけ聞く、お前は何のために戦うのだ?」
「そんな事を聞いてどうする?」
先制攻撃を仕掛けて来た。
ランの鋭い攻撃に光の盾で防ぐ。
「デジャブに魂を売ったのか?」
「そうだ。デジャブ様こそ、我々民に無限の魂から救ってくださるおかた」
「そんな事はさせない」
ランにホーリーブレードを突きつけランは盾で防ぐ。
実力は五分と五分。
どちらが勝ってもおかしくはないが私は負けるわけにはいかない。
そこでリリィがアラタトから「ラン姉さーん」と叫ぶ。
「リリィ来ちゃだめだ。こいつは私たちの姉ではない」
「丁度良い」
ランは装備を外して剣と盾は元の子供の姿に戻った。
ランは稲妻のようなぴかりと光の波動をリリィに浴びせた。
するとリリィからケッカイが張られた。
「リリィ何もしていないのに」
「何もしていないなんておめでたい連中だね
かつてはアラタトの民は神の試練に失敗して多くのアラタト人は地上に上陸した。
だがアラタト人にとっては地上はMSと病にかかり、存在そのものが抹消されてしまう。
だから私はリリィの深層意識でいる事を決意した。
その為には悪しき心を追い出さなくてはいかなくなった」
「その悪しき心がお前なのか?」
「その通りだ。今の波動の光を防いだのはお前の中にいる善良なラン」
「私は悪しき心そのもの、私が死ねばリリィの深層意識の中のランも死ぬ」
私は身も震えるような思いをして「正々堂々と言った時は少しは良い奴だとは思っていたが・・・」
私は剣をみゆきちゃんに戻して盾を節子ちゃんに戻した。
「ハッハッハッこれでは手も足も出まい」
そこでリリィが「メグ、そいつを倒して、そしてリリィを決して奴らには渡さないで、私が死んでも魂は永遠、魂までは壊れないはず、私もいささか長く生き過ぎた」
「今の声はランさんの声だ。みゆきちゃん。節子ちゃん」
私たち三人のあうんの呼吸で頷いてみゆきちゃんは剣に節子ちゃんは盾になってくれた。
「あなたはランさんじゃない。悪魔の化身よ」
「ちっ、そう来たか」
ランの方もあうんの呼吸で子供達を剣と盾に変えて、迫り来る。
「ああああああああ、ホーリーブレードおおおおおお」
互いの剣が拮抗する。
「私は負けるわけには行かないんだ」
ランは口から炎を吐いた。
光の盾で回避して、剣と剣の小競り合いは続く。
剣で切られた時、私には霧散して消える能力を持っている。
「残念だったね」
「化け物が」
いったん間合いを取る。
そして一気に加速してホーリーブレードを悪しきランにかざすが、ランの方も盾で防ぐ。
そんな時である。
黒い竜巻を放出させながらアランが現れた。
「何だアラン、我が父よ」
悪しきランの夫ってアランだったことに少しだけ驚いた。
「私も加勢しよう」
「いやこれは私とメグの戦いだ。一対一で蹴りをつける」
そこで私が「二人係とは卑怯だぞ」
そこで豊川先生が「二対二なら僕も力を貸す」
「豊川先生」
「僕たちもいるぞ」「メグさーん」
ダンデライオンの二人。
ダンデライオンが歌う。
「くっ聖なる歌と来たか」
アランが言う。
「みんなでリリィを守るんだ」
私は悪しきランに立ち向かい、一方の豊川先生はアランに立ち向かう。
形成はこちらが有利だ。
「覚悟しろ悪しきランとアラン」
立ち向かおうとした瞬間、空の様子がおかしくなっている。
「デジャブ様」
アランが言う。
「デジャブ」
漆黒の煙が空から放たれる。
「何?力が抜けていく」
その煙を浴びると、ホーリーブレードと光の盾それぞれみゆきちゃんも節子ちゃんも力が抜けて武器には変化出来なくなっている。
「いったん退却だ」
「そうした方が良いかもしれないね。
みゆきちゃん、節子ちゃんも」
これがデジャブの力なのか?
無性におぢけづきそうだったが、思わぬ事に形成は逆転され逃げる私達。




