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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
第4章禁忌を犯したものの宿命の対決。
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ホーリーブレード

「そんな顔をするなよ英治」


 父親であるエイちゃんに向かってなだめるように話す。


「俺はメグに何も出来ないのか?」


「いいや違うよエイちゃん。いつもエイちゃんの元にいて私は安心してくつろげているよ。

 それにエイちゃんは私の事を助けてくれた。

 エイちゃんがいなかったら私の今はなかったよ」


「メグ」


「そんな顔しないでよ。私はエイちゃんの彼氏で誇りに思っている」


「そうか・・・」


 そういってエイちゃんは部屋を出ていってしまった。


 ごめんねエイちゃん。今度の事もエイちゃんを巻き込むわけにはいかないんだよ。


「豊川先生、この世の力ではない竜巻にどう対処したら良いか分かりますか?」


「禁忌を受け継いだメビウスを感じるんだ。彼の正体もこの世の物ではない」


「じゃあ、連中もメビウスと同じようにアラタトを乗っ取って、世界を壊滅に陥れようとしているの?」


「メビウスの野望はそうだったが、メビウスは禁忌をメグちゃんに受け継ぐことで、消滅した。彼はそれで満足だったみたいだ」


「じゃあ、今回もメビウスと同じように禁忌を受け継いだ者が敵って事?」


「そうとしか考えられない。とにかくアラタトには兵器は封印したものの、その鍵であるリリィをどこかに隠さなくてはいけない」


「それよりもこの四つの竜巻を何とかしなければいけないんじゃないかな?」


 テレビをつけてみると、四つの竜巻に苦しむ人々の声が報道されている。


 私はアラタトに戻り、リリィの元をたずねた。


「メグ、今四つの竜巻の解析をしている」


 藤沢三姉妹もその解析の協力している。


「リリィ、ごめん」


 そういってリリィに鳩尾に思い切り拳を込めて気絶させた。


 その様子を見た藤沢三姉妹も私の所に文句を言いに来た。

 私は彼女たちが手話をしているが、今の私には豊川先生の知識まで詰め込まれているので、その手話の意味が分かる。


『何をするのメグさん』


「何でもないよ。今すぐここから出ていけ!」

 

 ジタンダを踏みつけて三人を脅してアラタトから出ていって貰った。


 リリィは兵器の鍵となっている。

 私は鍵ではないが、アラタトを動かす力を持っている。


「リリィ本当にごめん」


 以前メビウスを封じ込めた壷の中にリリィを封印した。


「これで良いんでしょ、豊川先生、それとメビウス」


「それしか方法は見つからなかった。奴らにアラタトの鍵であるリリィをとらわれアラタトも奪われたらアウトだからね」


 私はメビウスの魂を感じている。


「メビウス、あなたの力も貸して貰うよ」


 すると私は急に苦しくなってきた。


 メビウスの魂が私の中で暴れ回っているみたいだ。

 かつても今もメビウスは私達の敵だ。そう簡単に力を貸してくれるとは思えない。


「メビウス、あなたの恐れている・・・禁忌・・・を返す事だって・・・出来るのよ」


 するとメビウスは大人しくなった。


 そこに先ほど戦いでアランとやらをおっぱらってくれたみゆきちゃんと節子ちゃんがアラタトに、それにダンデライオンの二人まで。


「メグさん。私達も力を貸すよ」「私も」


 みゆきちゃんと節子ちゃんは言う。


「僕達も力を貸すよ」「右に同じ」


 ダンデライオンの二人はそういう。


「じゃあ、あの北海道にある竜巻を解析するよ」


「解析します」アラタトのコンピューターが言う。「解析不能」


「そんな」


 頭を抱える私であった。


「メビウスの魂はまだ輪廻をくぐっていない。メグちゃんメビウスを感じるんだ」


「とにかくアラタトで北海道に行くよ」


 北海道に移動して、竜巻は札幌付近に停滞していた。

 この竜巻で何人の死者出たか分からない。


 町はむちゃくちゃになっていて、何が起きたかは分からない。状態になっている。

 モニターで町をよく見渡してみると、人々がゾンビのような姿で町をさまよい歩いている。


「こんな。これはひどい」


 早速外に出て止めようとすると豊川先生が「迂闊に近づいてはいけない。とにかく慎重に、メビウスを感じるんだ」


 メビウス・・・。


「くっ苦しい」


 メビウスの魂は感じるが、私の言う事を聞いてはくれない。


 するとみゆきちゃんと節子ちゃんが私にめがけてホーリーアローを放ってきた。


 みゆきちゃん節子ちゃんグッジョブ私の体内のメビウスの邪悪な根元を打ち砕ければ、メビウスも大人しく従ってくれる。


 ホーリーアローは悪しき心を浄化させる能力がある。

 ホーリーアローは私の胸に突き刺さり、メビウスの悪しき心を打ち砕いた。


「よし!」


 私はアラタトの外に出てピンク色の渦を巻いている者の所へ行く。

 飛んで行きピンク色の渦巻きの中心まで飛んでいく。

 そこには感じたことのない人ではない悪魔でもない、いや悪魔は悪魔だが、これほどの強大な悪しき心を感じたことはない。


「ラキキキキキキ、死ね人間どもよ」


「待て!」


「何だ人間、よくここまでこの竜巻に飲まれてもここに来れたな」


 ピンク色の渦中の中にいたのは美しい女性であり、アランとやらと同じような白い白衣を着ている。


「しかもアラタトからわざわざお出迎えとは手間が省けた」


「お前はいったい何者なんだ?」


「これから死ぬ人間に私の正体を喋っても仕方あるまい」


「お前、アランとやらの仲間だな?」


「お前がアランをあそこまで追いつめたのか!?」


「ああ、そうだ」


「だったら名のっておいた方が良さそうだな」


「・・・」


「私の名前はラミネス、デジャブ様の配下だ」


「もうこれ以上竜巻を起こすのはやめてくれないか?」


「何を言っておるのじゃ、私達が消滅されるのは人類を破滅させること。それ以外に何もない。そっちこそアラタトを我らによこさぬ気は無いのか?

 そうすれば貴様達だけ楽に魂を消滅させるようにしてやるぞ」


「ふざけるな!」


「そうかそうか、すぐには引き渡さぬか?」


「もう一度だけ言う、すぐにこの町を開放しろ」


「寝言は寝てから言え」


 私に襲いかかろうとするラミネス。


「やー!」


 ラミネスに攻撃を加える。

 すごい力が入る。

 この調子でラミネスに攻撃を加えていけば・・・。


「ラキキキキキキ、お前は禁忌を犯した吸血鬼だな」


 ラミネスと取っ組み合いになり、私の正体を知ったラミネス。


「お前なんかに好きにはさせない」


「ならば教えてやろう。この世を崩壊させる事は簡単な事だ。しかし、魂が残っては、また輪廻天性して生まれ変わる。我々はそれを阻止しにアラタトの大陸が必要なのじゃ」


 そんな魂を消滅させるなんて・・・。


「そんな事、私が許しはしない」


「ラキキキキキキ、この竜巻が平気と言うことはお前はメビウスの禁忌を受け継いだのだな」


 竜巻の威力が増す。


「お前も禁忌を受け継いだのだろう」


「ラキキキキキ、そうじゃすべての魂を消し、我らの魂も消滅させることが出きれば、すべてが終わる」


「終わらせはしないさ、生きる事のすばらしさをあんたなんかに」


「ラキキキキキ、ならばこれならどうだ」


 竜巻が歪み、私の脳裏に、恐怖を植え付けられた。

 何?この恐怖は?私は死ぬことの出来ない吸血鬼、それがどんなに苦しいことか?


「うわあああああああ。

 私を恐怖に陥れないで、私は死ぬことの出来ない吸血鬼、私もラミネスやアランと同じ禁忌を受け継いだもの。

 でも生きるすばらしさがある。

 でも私の魂が消滅すれば、何もかも楽になれる」

「さあ、メグとやら、こちら側に来い。そうすれば生きることの苦しさから解放される」


「そうだ。私は生きることは苦しい、このまま楽になって死んで魂も消滅させればいいのだ」


 どこからか美しい声が聞こえる。

 その美しい声を聞いていると、私の生きるすばらしさを感じる。


 ダンデライオンの二人だ。


 そこで私は我に返る。


「生きる事はすばらしいことだ」


 私は一人じゃない。今私に精気を与えてくれるダンデライオンがいる。

 それにエイちゃんや豊川先生にみゆきちゃんや節子ちゃん。


「私は一人じゃない!」


 メビウスの尋常じゃない力を利用して竜巻が収まってきた。


「ラキ、ラキ、ラキ、こしゃくな奴らめ」


「私達の力もこの世の物だが、お前達なんかの野望に屈したりはしない」


「メグさーん」


 みゆきちゃんが私にホーリーアローの矢を投げつけて来た。

 私は受け取り、矢から剣に変わった。


「メグさーん、そのホーリーブレードでラミネスを」


「分かっている。うおおおおおおおおお」


 ラミネスにホーリーブレードを突き刺した。


「ラキ、ラキ、ラキ。悪しき心が浄化されていく。

 いやダメだ。悪しき心が浄化すれば、また我は生きる苦しみに」


「ラミネス、生きることはすばらしい事、だから魂を消滅させるなんて悲しいことを言うなよ」


「ラキ、ラキ、ラキ、しかし我は何の罪もない人間をこんなにも殺してしまった。その代償は高くつく」


「ラミネス、償ってくれ」


 そうラミネスに言うと、私は無性に涙がこぼれ落ちてきた。


「我の為に泣いておるのか?」


「ラミネス、今こそ愛を取り戻せ!」


「ラキィィィィィィィィ」


 ラミネスの断末魔だ。


 ラミネスが泣いている。


 その涙を流したときに竜巻は収まり、地上の人達も元の姿に変化した。


「償えたじゃないかラミネス」


 するとラミネスに黒い刃が刺さった。


「ラミネスよ。償わなくては良い、我らは禁忌を犯した。その末路を思い出すがよい」


 ラミネスに黒い刃を向けた方を見ると、以前私たちと戦ったアランであった。


「ラキィィィィィィ」


 みゆきちゃんから渡されたホーリーブレードで、アランが投げつけた黒い刃が拮抗している。


「さあ、ラミネスよ。お前がたどってきた生き様を思い出して見ろ」


「ラミネス、生きるすばらしさを」


 ラミネスの体に二つの剣が刺さっている。


 もう一つは聖なるホーリーブレードー、もう一つはアランが突き刺した邪悪なる剣。


 私はここで気がつく。禁忌を犯した者は悪の道に染まってしまうのか?

 それが禁忌を犯した者の末路なのか?


 そう感じると私の力が抜けていく。


 ラミネスを邪悪な者へと変化させてはいけない事は分かっている。


 私も邪悪に染まってしまうのか?


「メグさーん」「メグさーん」


 みゆきちゃんと節子ちゃんの声が聞こえる。


 そう私は負けるわけにはいかない。


 ダンデライオンの二人も必死になって歌っている。


 アランがもう一本の邪悪な剣をラミネスに向けた。


 これがラミネスに刺さってしまったら、私達はお陀仏だろう。


「みんな私に力を」


 そんな時、矢がアランをめがけて刺してきた。


 みゆきちゃんと節子ちゃんのホーリーアローだ。


 アランの胸に刺さり、一度ならず二度までも。


 アランはどこかに消えていった。


「さあ、ラミネス。本来の力を呼び覚ませ」


 ラミネスに剣を深く刺す。


 そして黒い炎の剣が消えていく。


「ラキィィィィィィ」


「さあラミネス」


 ラミネスから黒いオーラが吹き出ている。


 するとラミネスから赤い目から透き通る青い瞳へと変化した。


「ラキ、生きることはすばらしい」


「そうだ生きる事はすばらしいことだ。その事を忘れないで」


「しかしメグよ。デジャブは神よりも力を増してしまった。この世の蔓延る悪にどう立ち向かって行けば良いのだ?」


「そんなの決まっている。デジャブにも生きるすばらしさを心にさとすのさ」


「おめでたい頭をしているのね。デジャブはこの世の憎しみの集合体、私達が束になってかなうわけが無いわ。それに後三つの竜巻にどう対処すれば良いか分かるの?」


「ラミネス、力を貸してくれないか?」


「ラキ、ラキ、ラキ」


 ラミネスの様子がおかしい。


 すると空から、声が聞こえてくる。


「ラミネスよ。愚かな者達に耳をかすでない」


 ラミネスは黒いオーラに包まれ、姿形が変わっていく。


 もう一度ラミネスに剣を。


 ホーリーブレードを突き刺したが、ホーリーブレードは粉々に砕け散ってしまった。


「そんなホーリーブレードが利かないなんて」


「メグちゃん。これを使って」


 豊川先生が自ら剣に変化した。


 みゆきちゃんがそれを私に投げつけて、私は受け取る。


 もう破れかぶれだ。「えーい」と切りつけると、ラミネスは粉々に散り、砕け散った。


 豊川先生は元の姿に戻り、「やったか」


「ラミネス」


 私は悲しかった。せっかく魂を浄化させ、私達と心を通わす存在になってくれると思っていたのに。


 だがラミネスは生きていた。


「これでラミネスは我らの仲間だが、安心してはいけない。デジャブの奴が何かしらラミネスに糸を引いているかもしれない」


 とにかくラミネスは生きていた。

 それだけで私は充分に幸福な気持ちであった。


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