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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
第4章禁忌を犯したものの宿命の対決。
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この世の力ではないもの

 クリスマスと言うおめでたい日なのに、みゆきちゃんが妙な予言を持ちかけて来たので、寝ようにも眠れなかった。


 クリスマスの予定では、まず夜に起きてプレゼント交換をしてごちそうを堪能して、その日の夜にキャバクラのイベントで働いて、龍平君達と夜の暴走をする予定だ。


 みゆきちゃんの予言で何もなければ良いけれど・・・。

 でもみゆきちゃんはホーリープロフェットを司る予言の使者だ。それに節子ちゃんとの力を合わせて、予言の力は確実に近い程当たる。


 この二ヶ月間そうだった。豊川先生の仕事で引きこもりの生徒が自殺しそうな時に、みゆきちゃんは予言して、死に場所も言い当てて助けた事が幾度かあった。


 残念だけれども、私に平穏な日々は送られる事はないみたいだ。


「メグちゃーん」


 豊川先生の声が一階から聞こえてきた。


「はーい」


 と返事をしながら下へ降りてみると、徳川さんが来てくれた。


「あれ、徳川さん。久しぶり、元気だった?」


「元気だよ元気元気」


「予備校の方は順調ですか?」


 そう徳川さんは還暦を迎えて東大を目指す型破りな高齢者だ。

 中学校の範囲なら私でも教えられたが、高校の範囲になって、私でも教えられなくなり、豊川先生が紹介してくれた予備校に通ってもらって、今は徳川さんは本格的な大学受験の真っ最中だ。

 つまり徳川さんはみるみるレベルを上げていったのだ。


「川神さんも見てくれよ」


 私に模試の判定結果を見せつける。


「すごい、数学以外は偏差値五十は越えていますね」


「数式っつものはやっかいだからな」


「それよりも徳川さん。それで東大に限らずに、どこか徳川さんが入れてくれる大学を受験してみてはいかがですか?」


「いいや、わしはどうしても東大に行かなくてはいけない。あの赤門を堂々としてくぐるのがわしの夢であるからな」


 と徳川さんは笑った。

 つられて私も笑ってしまったが、苦笑いに近い笑いだったことを徳川さんは気がついていないだろう。

 それぐらいの実力を持ってすれば、東大よりかは遙かに低くなるが、どこか国立でも入れるかもしれないのに。

 でも徳川さんは頑固で頑張りやさんだ。

 徳川さんが東大に行きたいなら私が出来る事を思い切って尽くすことだ。


 徳川さんもクリスマスのイベントどうですか?と聞いてみたら、俺は勉強しなきゃいけないからパスするよ。と言って、私はあまり無理をしないでくださいね。と言って徳川さんは「おうよ」と言って帰って行った。


 みんな何だかんだで成長している。


 私の体の時は止まっている。

 私は永遠にこの姿のままで成長も止まっている。

 でも学習は人並み程度で、実を言うと私の体内には豊川先生と流霧さんの血が流れている。

 だから私は徳川さんに勉強を教えれば教えられる事も出来るが、豊川先生の命によりタブーになっている。


 だからみゆきちゃんが言う、予言している連中も私が一掃してやると強気だった。


 私も、もう少し眠って置かなければね。

 大きなあくびをして布団に寝付く。




 ******   ******




 起きた時にはもう夕刻で、快眠出来た。


 下に降りて、調理室を見ると、みんなで様々なごちそうを作っている。


 チキンにケーキ、それにカレーライス。

 どれもうまそうに作られている。


 中に入ると、「メグちゃーん」と私の前に来てくれたのは、麻美ちゃんだった。


「そろそろ出来上がるから、教室で待っていて」


「分かった」


 私は教室で待つ事に、すると教室に入ってきたのは、サンタコスチュームをしたダンデライオンの二人だった。


「おお、こんな所にもいい子はいたかな?」「プレゼント欲しくない?」


「プレゼント?」


「いつもメグさんにはお世話になっているから」「僕達の気持ちだよ。受け取って」


 袋から取り出して受け取ると、小さな箱にリボンがかけられた物を私に渡してきた。


「中、開けていいの?」


「「ぜひぜひ」」


 リボンを説いて中身を開けてみると、『ぐげげげげ』と飛び出すびっくり箱だった。

 私はびっくりしてイス事ひっくり返ってしまった。


「盟やったね」「梓」


 私を驚かせた事にハイタッチを交わす二人。


「あんた達、覚悟は出来ているんでしょうね」


「つーか梓が」「いやいや盟が」


「どちらでも良いよ」


 二人の襟首をつかみ上げて、二人の頭を少し強めにぶつけ合わせた。


「「ぎゃあ」」


「今度やったら、ただじゃ置かないからね」


 二人は目を回して悶絶している。


 パソコン室に入ると、豊川先生とみゆきちゃんと節子ちゃんがいた。


 私は一つため息をついて「二人とも、せっかくのクリスマスだから、今日のところは楽しもうよ。ほらプレゼント」


 先ほど盟と梓にやられたびっくり箱を渡した。


 開けたとたん『ぐげげげげ』と飛び出す蛇に腰を抜かすみゆきちゃんと節子ちゃん。


「うわーびっくりした」「私もびっくりした」


 私はそんな二人を見て笑ってしまった。


 するとつられて二人も笑い、豊川先生まで笑った。


 その時直感だが、何か不穏な気配がする事に気がついた。

 そんな私を見て二人は、「メグさんも感じた」「凄く不吉なオーラが」


「確かに感じた。それにメビウス以上の者だわ」


「こっちに近づいている」「凄く邪悪な者が」


「とにかくダンデライオンの二人にも言わなきゃ」


「リリィさんが危ない」「奴らの狙いはリリィさんが管轄するアラタトだわ」


 するとジェミニ、ラグ、ジェイランが下に降りてきた。


「メグ様、凄い力を持った者がこちらに近づいてきます」


 ジェミニが言う。


「あれは我々以上の者だ」


 ジェイランが言う。


 私とみゆきちゃんと節子ちゃんが屋上に行く。

 そこにはアラタトを黒い渦巻きのような物が包み込む。


「何?リリィが危ない」


 そういって私は「リリィ」と叫んだ。


 私の叫び声に気がついたのか?

 ダンデライオンや麻美ちゃんエイちゃんに藤沢三姉妹も屋上に上がってきた。


 どうやらあの渦巻きも普通の人の肉眼には見えない。


「みんなサングラスを着用して」


 言われたとおり、みんなサングラスを着用した。

 いざと言う時の為にサングラスを流霧さんに作らせている。


 黒い渦がリリィが管轄するアラタトを飲み込もうとしている。

 私は空が飛べるので、ラグとジェイランとジェミニにみゆきちゃん節子ちゃんを続かせて、黒い渦に向かっていった。


 黒い渦の中に入っていくと白衣を着た中年ぐらいの奴がいた。


「お前は何者だ?」


「何者と聞かれたからには答えらなければ失敬だな。私の名はアラン、永遠の命を司るデジャブ様の下部」


「お前はアラタトにリリィに何をする気だ」


「リリィはアラタトノのカギ、我々に必要なのはアラタトとリリィとやらだ」


「何がなんだか分からないけれども、これ以上蛮行を働くなら容赦はしないぞ」


「我と一戦を交えようとしているのか?」


 そこでみゆきちゃんが「ダメよ。この渦の中では勝ち目はない」


 節子ちゃんが「どんどん力を奪われていく」


 みゆきちゃんと節子ちゃんは生身の人間だ。何がこの渦の中で力を奪われて行くか知らないが、私は力を奪われる感じはしない。


 そんなアランに立ち向かって行く。


 そんな私をみゆきちゃんは「ダメ」と言っていたが、もう遅い、アランとやらを止めなきゃアラタトはリリィは奪われてしまう。


 流霧さんの力と豊川先生の力を解放して私は立ち向かう。


「あああああああああああ」


「愚かな者よ」


 何?力が入らない。私までの力を奪っていくというの?


「メグよ。お前の事は知っている、メビウスの禁忌を受け継ぎ永遠の力を得たことを」


「黙れ」


 破れかぶれでアランに拳を突きつけたが、軽く受け止められて、目から光を放った。


 そして私は黒い渦上の外に放り出されて、吹っ飛んで行ってしまった。


「ち、力が入らない・・・でもリリィが・・・」


 そんな時、黒い渦上の竜巻が次第に勢力を弱めて行く。


 三鬼神の三人が黒い渦上の竜巻を弱めて行っている。


「さあ、今の内にアランにとどめを」


 ラグが言う。


 そうだ。私たちは一人じゃない。こうして力を合わせればどんな敵でもどんとこいだ。


 竜巻がやんだ後、みゆきちゃんと節子ちゃんが攻撃の準備をしている。


 みゆきちゃんと節子ちゃんの二人技であるホーリーアローを放ち、アランに命中した。


「わ、我の悪しき力はこんな物ではない」


 ホーリーアローは悪しき心を打ち抜くみゆきちゃんと節子ちゃんの二人技だ。

 それをまともに食らったアランは悪しき心を無くして善良な心を取り戻すだろう。

 しかしアランの悪しき心はこの様子だと消滅しそうにない。


 胸に突き刺さった、ホーリーアローを引き抜き、「覚えておくがよい。このままでは済まさぬと」


 アランは消えていなくなった。


 それよりも早くリリィの方が心配だ。


 アラタトに飛んでいき「リリィ」と呼びながら、アラタトのコックピットの中へと入っていく。


 案の定リリィはコックピットの中で倒れていた。


「リリィ、リリィ」


 揺さぶり起こして気を失っていたみたいで、どうやら動けそうだ。

 そんなリリィを見つめて、ホッとした。


「リリィ大丈夫だったんだな」


 するとリリィは怖かったのか私を抱き寄せてきた。


「リリィ怖かった。リリィ死んじゃうかと思った」


 本当にやれやれと言った感じだ。


「それよりもメグ、これを見て」


 コックピットのモニターが日本を記している。


 そこには北海道に一つピンク色の竜巻があり、東北に青い竜巻があり、四国にだいだい色の竜巻があり、九州地方に紫色の竜巻が存在している。


「これって」


「この竜巻リリィのアラタトに向かって来ている。リリィ怖い」


 モニターをテレビに映し変えてみると、世間でも竜巻は騒ぎになっている。


「リリィ、さっきの奴に聞いたんだけど、アラタトには何が隠されているんだ?」


「それは・・・」


「それは?」


「この世の中を千回は破滅に追い込む兵器が積まれている」


「それはなくなったんじゃないのか?」


「無くなってはいない、リリィは封印しただけ」


「その封印を解く方法はあるのか?」


「リリィが鍵になっている。連中リリィが鍵になっている事知っている感じがする」


 誰が何のために、確かアランとやらはデジャブ様がうんたらかんたらって言っていた。


 そのデジャブとは何者なのだ?


 その事を豊川先生の所に行って相談を持ちかけようとしたところ、リリィが「メグ、お願い、リリィを一人にしないで」困った事にリリィはおびえて私に泣いてすがりつく。


 だから私はリリィに優しい面もちで「大丈夫だよリリィ、リリィは一人じゃない。一人にさせない」優しく抱きしめて上げた。


 私はリリィの孤独を知っている。


 人と交わる事が出来なかったリリィ。


 一人は心許ないよな。


 そうだ。こんな時こそ、藤沢三姉妹の出番だ。


 藤沢三姉妹をアラタトに呼び寄せて、「リリィの事をよろしく頼むよ」と言ってリリィは大好きな藤沢三姉妹にご満悦だ。


 私はアラタトを降りて豊川先生の所に向かう。


 パソコン室に向かうと豊川先生とみゆきちゃんと節子ちゃんがいた。


「メグちゃん。話は聞いたよ。またやっかいな事になってしまったようだね」


「奴らデジャブって言っていたけれども、いったい何者なの?それにこの竜巻の正体は?」


「これらの竜巻はこの世の物じゃない。だから三鬼神には消すことが出来た」


「でも三鬼神はしばらくは休ませた方が良いと思う」


「じゃあ我々が考えてそれぞれの竜巻の正体を一つずつ消し去って行こう」


 そこでみゆきちゃんが「みゆきと節子ちゃんのホーリーアローも通用しなかった」


「いや通用はしていた。もっと力があれば・・・」


 それ以上言ったら、二人を攻めてしまう事になってしまう。


 でも私の発言は二人に大きな衝撃を与えてしまったらしい。


「じゃあ、メグさん。私達ホーリーアローを改良を重ねて連中の悪の根元を打ち消すために頑張るよ」


 あんな前向きなみゆきちゃんを見たのは初めてだ。


「メグ!」


 ドアをバタンと開けて入ってきたのがエイちゃんだ。


「大丈夫なのか?怪我はなかったのか?」


「エイちゃん、私を誰だと思っているの?」


「バカ野郎!か弱い女の子に決まっているだろう」


 それを聞いてカチンときそうになったが、エイちゃんはエイちゃんで私の事を心配しているんだ。


「お前はもう外出禁止だ。来い!」


 エイちゃんに腕を捕まれたが軽く突き放した。


「エイちゃん。悪いけれども今回もエイちゃんには従えないよ」


「メグ」


 しょんぼりするエイちゃん。


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