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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
第3章
54/89

メビウスの配下三鬼神

 藤沢三姉妹はリリィに私の血を吸わせろと呼び掛けている。

 どのようにしてリリィに血を吸わせるかが問題だ。

 そこで一つの秘策を思い付く、あまりお互い女同士で気がすすめないが切れた唇から血がにじんでいるのでリリィと唇を重ねることにした。

 よろめくリリィ、どうやら豊川先生の言う通りリリィに私の血を吸わせて正解みたいだ。

「リリィ」

 呼び掛けると正気に戻ろうとしている。

「メグ」

 どうやら私の事も思い出してくれたみたいだ。

 そんなリリィを抱き締めた。

 メビウスによると私とリリィは双子の姉妹みたいだそうだ。

 私とリリィを閉じ込めたガラス張りの箱をリリィの怪力でぶち壊した。

「さあメビウス、高みの見物をする余裕は無さそうだよ」

「こざかしい。このアラタトは私の物となった。お前達にもう用はない」

 するとメビウスは節子ちゃんの胸にナイフを突き付けて殺して私達の元へ投げつけた。

 すべての時が止まった感じがした。

 投げつけた節子ちゃんは見るに耐えない悲惨な姿へと変貌した。

「ああああああああっ」

 理性をなくすみゆきちゃんは白い炎をまといメビウスに躊躇なく向かって行った。

 私も続き、盟と梓は援護するように歌う。

 だがメビウスが人差し指を振り上げた直後、私達の反撃など通用することなく、みゆきちゃんは弾き飛ばされ、私も同じ様に一掃された。

 これがメビウスの本来の力なのかと私は絶望しかけた。

「我に逆らおうとするのは愚の骨頂」

 何が何だか知らないがメビウスの力が以前よりも強力になっている。

「アラタトは我の者。アラタトの魔物も我の配下となった」

「配下って?」

 もうお前達には用はない。

 メビウスの右手から青白い閃光が輝き私達にどうやらとどめを刺そうとしている。

「死ねえ」

 青白い閃光を私は受け止めたが余りにも強大な力にもうダメだと思って目を閉じた。

 その時である。豊川先生の声が聞こえてきた。

「メグちゃん」

 そう言って私に血を浴びせた。

 それを口で味わい、底知れぬ味知のパワーが沸き起こってきた。

「ああああああああっ」

 そう叫びながらメビウスに反撃を加える。

 互いの攻撃が止まり、メビウスは言う。

「その力はいったい?」

「なんだっていい。私はお前を許しはしない」

「フンッ面白い」

 豊川先生は私に自身の血を吸わせて私の能力であるメモリーブラッドを発動させたのだ。

 みるみる力が沸いてくる。これならメビウスに勝てる。節子ちゃんの仇をとることができる。

「メビウス覚悟しろ」

 強大な力を手にした私は空を飛ぶこともでき、メビウスに立ち向かう。

「クッ」

 とメビウスは吐き捨てて消えてしまった。

「どこだメビウス」

 すると豊川先生は「メグちゃん今は引くしかない」

「どうして?やっとメビウスを追い詰めたと言うのに」

 すると私の体から今まで感じたことのない、全身が燃え上がるような感覚に、私は飛ぶことさえも出来なくなり、落下した。

 いったい私に何が起こったと言うのだ?

 苦しい。体が燃えるように苦しい。

 何なのだ?いったい。もしかして豊川先生の血を吸って何か私の体に何か受け入れてはいけない物を含んでいるのだろうか。

 わからない。そういえば以前に豊川先生は先生の血を吸って見ると言われた事があった。

 でもそれはいけない気がして止めておいたんだっけ。

 私のメモリーブラッドで豊川先生の能力を取り入れれば鬼に金棒とまで感じた事がある。

 あの時に血を吸わないかと言われた時に豊川先生は少しほっとしたような様子だった。

 そう言うことだったのか。

 それほど豊川先生の力は増大だったんだ。

 あと一歩でみゆきちゃんの仇を取ることもできたのに。


   

「暖かい」

 そう体に感じて私はその目を開ける。

 ゆったりと体を起こすと私はベットの上で寝そべっていたようだ。

「目覚めたようね」

 聞き覚えのある女の人の声が聞こえてきた。

「あなたは流霧さん」 

「話は豊川から聞いているわ。とんでもない無茶な事を強要されたみたいだけど、そればかりは仕方がないか」

 流霧さんは事情を知ったみたいだ。豊川先生の血を吸った事もどうやら聞いたみたいだ。

「ここはどこ?みんなは?」

「ここは以前あなたが試練を受けた場所で、みんなは現実の世界で避難しているわ」

「今は現状はとてもヤバイんじゃない?」

「そうね」

 私は気が気でなく体を動かしてベットから起き上がろうとするが、体が鉛のように重く感じて思うように動かない。

「どうして?」

「言っておくけれども、今のあなたには何も出来ないよ」

「私、どうなっちゃったの?」

「あなたはメモリーブラッドでとてつもないものを得たのだからその代償が高くついたって言った方が良いかしら」

「じゃあみんなは無事なの」

「ええ無事よ。あなたの仲間はこの世界には入れないけれどもね」

 とりあえず、それを聞いてほっとした。

「それで現状はどうなっているの?」

「メビウスは野望を果たすためにアラタトの魔物も配下にして世界を襲撃させたわ」

「じゃあ世界は?」

「危機に貧しているわ」

 何も出来ない自分の不甲斐なさに攻める他なかった。

「エイちゃん」

 人知れず呟く私に流霧さんは言う。

「でも僅かでも希望は残っているわ」

「希望って」

 この世界に滞在している時間は一年だとするとあなた達が住む世界は一日だわ。

「じゃあ私が回復するのにどれくらいかかるの?」

「少なくとも二三日はかかるけれども、あなたが万全の状態でもメビウスと、その闇の配下達にはかなわないわ」

「じゃあどうすれば?」

「特訓よ。この世界では一年が経過してもあちらの世界では一日しかたってないの」

「じゃあ一刻も早く」

 立ち上がろうとすると体が鉛のように重く感じて思うように動けない。

「まずは豊川から授けられた能力になれることだね」

 慣れてやろうじゃない。

 そう自分に言い聞かせて鉛のような体を地面に這いつくばるようにあがいた。

「その調子よ。そうしていくうちに豊川からの授かった能力を自分の物にするのよ」

 もうダメだと弱音を吐きそうになったが私がしっかりしてみんなを守らなきゃと思いに豊川先生の能力で負担になっている体を動かす。

 まさに子供が自分の足で立ち上がろうとする感じか?

「その調子よ」

 ハイハイと手を叩いて私に呼び掛ける。

「言っておくけれども豊川の力を手にしたからってメビウスには勝てないわ」

「じゃあどうすれば?」

「あなたには私の能力も、そのあなたが言うメモリーブラッドで授けようと思うの」

「流霧さんの力も」

「今のあなたの力では豊川の力はおろか私の能力もまともに使えない」

「じゃあ使えるようになるにはどうしたら?」

「それはただ単純に体と精神力を高めること」

「流霧さんは強いんでしょ。だったら流霧さんがメビウスに立ち向かえばいいんじゃないの?」

「残念だけど私の力ではメビウスに立ち向かう事すら出来ないわ」

「だって豊川先生よりも流霧さんの力は強大なんでしょ」

 流霧さんはどこか遠くを見つめて私に言う。

「私と豊川の秘密を知りたいか?」

 清んだ翡翠のような目を私に見て真摯に尋ねる。

 少し考えて、今は知るべきではない気がして止めておいた。

「まあ、いずれ黙っていても解る日が来る」

 その時は私達に平穏な日々を送っていること願っていた。

 それよりもここの世界で私は流霧さんの鍛練を行うことが先決だ。

 これは私だけの問題じゃない。世界は私に委ねられていると言っても過言じゃない。

 鉛のような体を地面にはいつきながら進んでいく。

「そうよ、その調子よ」

「んん」

 そしてまた立ち上がろうとして、まともに立つ事さえも出来ないが、私は諦める訳にはいかない。

 立ち上がろうとしている流霧さんは、そんな私を見下ろしている。

 見てろよ、メビウス、私はこのままじゃ終わらないからな。

 そうして私はかろうじて立ち上がる事に成功した。

 翡翠のような瞳をしている流霧さんにその自分の姿を見せつけた。

 







 闇のからの侵略。

 この世は一日も持たずに滅んで行くだろう。

 みゆきの頭に節子ちゃんの姿が頭に焼き付き離れない。

 この事から逃れるにはメビウスを倒す以外にない。

 海岸から、いにしえの魔物とも呼ばれる三鬼神が空をまい能力者である私の姿を見下ろしていた。

「我等は3鬼神。メビウス樣の命令で貴様を地獄に送れと」

「上等じゃない」

 私の邪悪な物をもやしつくすホーリープロフェット発動させる。

 三匹一辺にこられたら勝ち目はないが、節子ちゃんの仇をとるためにみゆきは立ち上がる。

 一矢報いるだけでもいい。

 私はもうここまでかな。

 せめて死後世界があるなら節子ちゃんと会えたらいいな。

「ホーリープロフェットの使いか?面白い」

 3鬼神の一人である赤い色の額に大きな角を生やした女が前の出た。

「あたいは3鬼神の一人であるジェミニ。ホーリープロフェットの使いよ。あたいと一対一で戦え」

「望む所」

 三人同時じゃなきゃ勝負はこちら側が有利だ。

「あっはっはっお前は名はなんと言う」

「私はみゆき。ジェミニとか言ったな。お前達の邪悪な存在をみゆきのホーリープロフェットでやっつけてやるんだから」

「成る程ホーリープロフェットの使いか。こいつは楽しめそうだね」

 私の怒りに反応したホーリープロフェットは容赦なく邪悪な3鬼神を焼き付くすだろう。

「ああああああっ」

 ホーリープロフェットを発動させみゆきはジェミニに飛び立ち向かう。

 そしてジェミニは真っ黒な炎を体から放出させ立ち向かって来た。

 聖なる炎を司る私のホーリープロフェットの力と邪悪な炎で迎え撃つジェミニの漆黒の炎が拮抗している。

「やるな、みゆきとやら」

「お前達だけは私が許さない」

「クッカッカッ面白い千年以来の相手がこのホーリープロフェットを司る者とは恐れ入ったわ」

「笑っていられるのも今のうちだよ」

 私は体内からホーリープロフェットを放出させてジェミニに立ち向かう。

 緑色の体に額に角を生やした男が言う。

「ジェミニに手を貸そうか?」

「ジェイラン。こいつは私の獲物だよ。余計なことはするな!」

「無理しちゃって」

「行くぞみゆきとやら」

「ああああああっ」

 白い炎を放出させながら私は立ち向かう。ジェミニは漆黒の黒い炎を纏って立ち向かってくる。

 メグさんがいない今、私がしっかりしなければいけない。

 メグさんが戻って来るのは一日と聞いた。

 それまでに奴等を私達の力で食い止める。

「カッカッ」

 私のホーリープロフェットとジェミニの漆黒の炎がぶつかり合う今、勝率は一対一なら勝率は僅かながらある。

 出来ればメグさんの力を待たなくても勝負をつけたいがそう言う訳にはいかないだろう。

 この3鬼神の一人であるジェミニは力からしてメビウスよりも劣る。

 そんな私は互角の力がぶつかり合う。

「僕達も援護するよ」

 アスターの二人は言う。

「邪魔しないで、これは私とジェミニとやらの一対一の戦いだ」

「カッカッ。そうこなくてはな!」

 そこで緑色の角を生やしたジェイランがアスターの二人に立ちふさがる。

「君たちの相手は私だ」

 私は二人にジェイランの相手を頼むと目で伝えた。

 もう一人の3鬼神の青い体の二人と同じ様に額に角を生やしたラグと言う奴は豊川先生と藤沢三姉妹と悟子君が相手をしている。

 高みの見物をするしているメビウス。

 奴はメグさんと同じ様に吸血鬼だ。きっと私達の戦いを目にしただけで奴はみるみる強くなって行くだろう。

 私達が全力を出せば3鬼神は倒せても、その力を目の当たりにしたメビウスには勝ち目が無くなってしまう。

 メグさんは今力を蓄えるために、よく分からないけれどもあちらの世界にいるみたいだ。

 とにかく今は目の前の私達の前に立ちふさがる3鬼神を何とかしないといけない。

「行くぞジェミニ」

 そう言ってジェミニに私は全力を込めてホーリープロフェットを発動させる。

 もう私はもうどうでも良いと思っている。

 私の友達の節子ちゃんを助ける事が出来なかった。

 私がこうして力が溢れんばかりに放出させられるのはもはや憂さ晴らしでしか無いのだから。

「ああああああっ」

 そう雄叫びをあげて立ち向かっていく。

 ホーリープロフェットを発動させながら。

 私達が全力を出したらメビウスは強くなる?知らねーよ。お前達3鬼神やメビウスを倒しても節子ちゃんは帰って来ないんだ。

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