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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
第3章
46/89

ホテルに着いて



 飛行場の滑走路から空港内に入り、中は成田とアメリカン空港と同じような感じの内装だ。

 所々にディズニーランドのポスターが貼られている。

 残念だけど、時間とお金の余裕が無いようなのでおわずけ何だよね。

 そう思うとテンション下がるけれども、私はみんなの引率係だと改めて実感して、ノリノリでみんなのテンションをあげる。

 とにかくテンションをあげている自分も楽しいし、みんなも楽しそうにしていると私ももっと楽しくなってくる。


 ノリノリのテンションでみんなを盛り上げて、空港を出る。


 これからタクシーでホテルに向かうのだ。


 そこはカリブ海バハマドルフィンサイトの沿岸のホテルだ。


 車からの車窓は、本当に私達は外国に来たんだと実感する。

 建物が日本のものとは違い、何か私達はタクシーで見て、開拓しているような感じがするのは気のせいではない。


 異国の地に来て、知らない物を見るってそういう気分何じゃないかな。


 とにかく楽しんで行こう。


 そう思ってもういっちょ盛り上げようと拳を振り上げようとしたが、私の予知夢に出てきたリリィの事を思い出してしまった。


 異国の地を見て開拓している気分だ。私はタクシーが進む毎に何か運命に引き寄せられている感じがするのはきっと気のせいではないのだろう。


 みゆきちゃんと話しておいた方が良いと思ったが、あいにくタクシーは二つ使うことになり、二つのグループに分けて乗っている。


 私と一緒に乗っているのはアスターと悟子君、後はもう一つのタクシーに乗っている。


 アスターに話しても仕方が無いことかも知れないが、でもアスターの二人にも何か関係のあることだ。

 話そうと思ったが、悟子君がいる。

 だから後でみゆきちゃんとアスターの二人を集めて私の予知夢の事を語った方が良いだろう。


 海岸沿いのホテルに到着して、時計は午後一時を示していた。


 ホテルに到着して、ホテルはとても質素な所で、本当にお金を節約してやっているんだなとしみじみ思う。


 ホテルにチェックインして豊川先生が流ちょうな英語で、対応している。


 ホテルは三つの部屋に分けられて入ることになる。


 まず男の人と女の人を一緒にしてはいけないみたいなので、豊川先生と悟子君で一つの部屋、私と藤沢三姉妹が一つの部屋で、残りのアスターとみゆきちゃんとスミレちゃんが同じ部屋に寝ることになる。


 早速それぞれの部屋に分かれて入り、私は藤沢三姉妹によろしくと言った感じで笑顔で答えると、三人も笑顔で答えてくれる。


 本当に三人は一緒にいて気分が良い。

 何か三人には心地の良いオーラを感じる。


 窓を開けてベランダからの景色に私と藤沢三姉妹は圧倒さあれた感じだ。


 海の香りを運んでくる風、海岸の波打つ音、陽気な太陽の光。


「気持ちが良いね」


 私が言うと言葉は通じて笑顔で答えてくれる。


 そんな中、私は藤沢三姉妹とお近づきになっておきたいと本気で思った。


「藤沢さん達」


 三人は振り向いて穏やかな笑顔で私を見る。


 そして私は三人を指さして、そして自分に指を指して、手をギュッと握りしめて「友達」と言った。


 すると三人にそれがすごく伝わったのか、一斉に私の所に来て、にっこりと私の手を握った。


 そんな中私達の部屋にスタッフの人が台車を引いて、食事を持ってきた。


 何を話せば良いのか戸惑う私、この人もアメリカン空港の人のように多国の言葉を話す事は出来ず、でも英語では言っていたが、笑顔で私たちに対応してきた。


 テーブルに私たち四人分の料理が運ばれて、スタッフの人は「オーケー」と私たちに尋ねるように言って、私が「オーケー」と言うと「イエス」と言って部屋を出るときに片言の日本語で「しつれいしました」と言って、日本語しゃべれるんかい、と心の中でつっこんでおく。


 メニューはシーフード風のパスタにサラダにオレンジジュースとミルクの容器がおいてあり、空のコップが四つ私達四人分用意されている。


「おいしそうだね」


 藤沢三姉妹の長女の未来さんが、手話を私にしてきた。

 その時、手話と藤沢三姉妹の心の声が聞こえた気がして、その二つの仕草と思いが相まって未来さんが何を言っているのか何となく分かったような気がした。


「食べてもいいんじゃない」


 と。


 すると未来さんは驚いた顔で私を見て、『手話出来るの?』手話と心の声で解釈して「いや、何となく。未来さんの心の声が聞こえた気がして」すると未来さんは胸に手を当てて、目を閉じた。

 この時の彼女が何を思っているのかは心の声は分からないが、何か気持ちに良い物が伝わった気がした。

 そして目を開けて私に嬉しそうに抱きついてきた。


「もう。分かったから、早く食べようよ。お料理さめちゃうよ」


 四人で食事をして本当においしい料理であり、さらにみんなと食べてさらにおいしく感じて、こうしてみんなと楽しく食べる事はおいしい料理をさらにおいしくさせる香辛料のような気がして、この旅の本当の目的が分かってきた気がした。


 今日の所は長旅で疲れているから、各自部屋でゆっくりする事を豊川先生の指示でみんなにそう言っておいた。


 と言う事で私は部屋で藤沢三姉妹と今日は過ごす事になった。

 それはそれで私には好都合であり、私の正直な気持ちは藤沢三姉妹の事をもっと知りたいし、その三人に出ている何か幸せオーラと言う物を感じていたいと思っている。


 藤沢三姉妹と過ごしていて、三人は自分達が聴覚障害がある事にそんな事を苦に思ったりはしていないのが分かる。

 でもその障害で何か深刻な過去があるかもしれないが、いつもニコニコと穏やかに笑って、その笑顔で自分たちの深刻な過去を吹き飛ばしているのかもしれない。


 そんな彼女達とトランプをしてババ抜きをしたが、絶対に私がビリになる。

 彼女達は手加減せず、私からカードを引くときに私の顔をじっと見つめて、絶対に私の持っているババを引いたことはない。

 私はポーカーフェイスを意識しているが、彼女たちにはそれが通用しない。アスターやみゆきちゃん、塾のみんなとババ抜きをする時は、私のポーカーフェイスはある程度通用する。特のアスターの二人は本当にバカだから私のポーカーフェイスを見破る事は決してないし、負けるとかんしゃくを起こして叫んだりする程の幼稚なおバカさんだ。

 でも私はアスターがかんしゃくを起こす気持ちは藤沢三姉妹を相手にして分かる。


 負けっぱなしの私は藤沢三姉妹を相手に未来さんと私が最後に残り、今未来さんの差し出す二枚のカードの中に一つはババでもう一つは私の上がりのカードが含まれている。

 どちらを取るか迷う。

 未来さんの表情を見ると、顔にも体全身からも心の声が聞こえない。

 ここで私がババを引いたら完全に負けてしまう。

 これでビリになれば連続でビリ八回目だ。

 もう運しかないと思って、破れかぶれでその二枚のうちのカードを適当に取って見た時に恐る恐る見るとババだった。


「何で?」


 と思わず叫んでしまった。


 でもまだ勝負は決まった訳ではない。


 ここで未来さんが私が持つ二枚のうちのババか上がりかのカードを差し出す。

 とにかく心を閉ざすようにポーカーフェイスを試みたが、なぜか心が乱れていて、それさえも出来なくなるほど、七連敗中に心が疲弊して、心が乱れていて、未来さんは私の顔をじっと見つめて、そして差し出したカードを手に掛けようとする。

 ババの方に手をかけた時に、心が高揚してしまいそうだが、それは命取りだ。顔に出なくても彼女達は心を読むことを私は勝負している時に知った。


 だから私は目を閉じた。


 そして差し出した二枚のカードから一枚引かれる感触がして、どちらが取られたか分からない?私は恐る恐る自分の残ったカードを確認するためにその目を開けて見ると、見事にババが残されて、喜ぶ藤沢三姉妹にため息をもらして、悔しいが感服だと認めるしかなかった。


 私は藤沢三姉妹に言ったよ。


「あなた達、将来ディーラーになったら」


 って。


 自分でも嫌になるくらいの皮肉な彼女たちに対する言葉だった。

 そして私は自分の言った皮肉に対して考えたが、負け惜しみなのかもしれない。

 でも私は本気で言った。三人はギャンブルの素質があるって。

 ギャンブルってあまり私的には良い言葉とは感じられないから、私的には皮肉何だよね。


 トランプでは悔しい思いをしたが、藤沢三姉妹と一緒にいて楽しくなる。

 本当に不思議な子達だな。


 彼女達は言葉が喋れなくても、彼女達が使う手話を知らなくてもある程度、その言葉が分かる。

 本当にこれは素晴らしい事何じゃないかと思う。


 彼女達はイルカに会う事をすごく楽しみにしている。


 なぜイルカが好きなのかと言うと、分からないがそんな彼女達を想像した時、みゆきちゃんが水族館でイルカとシンパシーして戯れた事を思い出した。


 あの時、水族館のイルカ達は、みゆきちゃんの心の傷に引き寄せられるように、共鳴し、まるでみゆきちゃんと言葉を持たないイルカと心で会話しているような感じがした。


 だから藤沢三姉妹がイルカが好きな理由は、彼女達も心の傷があり、どこかでイルカと出会い、何かあったような気がした。


 でもこれは私の憶測に過ぎないが、イルカに何かを感じたのは分かった。


 今回の旅はイルカセラピーと言うのが主な目的だ。




 ******   ******



 長旅と私と遊んだり、会話したりして体も心も疲れたいるのだろう。

 藤沢三姉妹は三人仲良くベットで眠っている。

 

 窓を開けてテラスに出ると、茜色の鮮やかな夕焼けが海面をキラキラと輝かせて、私はいつしか見たラッセンの絵を思い起こさせるような印象的な風景に、心は奪われてしまっている。

 穏やかな風が私を包み、明日が待ち遠しくなってしまうのはなぜか?


「エイちゃんも来られたらなあ」


 人知れずつぶやき、今はエイちゃんは日本で何をしているか、気になった。

 私はいつも側にいる私の彼氏のエイちゃんと二週間も離れる事を今更ながらに思ったが、寂しくは感じられなかった。


 エイちゃんがいる日本と、ここフロリダは、ほぼ地球の裏側何だよね。


 とりあえず、この風景を写メでとってエイちゃんにメールで『元気ですか?私は元気です』と言葉を添えて送った。


 五分後にエイちゃんからメールが返ってきて、『俺も元気。とにかく楽しんで来いよ』とメッセージが添えられていた。


 すごい世の中だよね。

 地球の裏側にいる相手に光のように言葉が伝えられるなんて。


 さて藤沢三姉妹は眠っているし、みんなの様子を見に行こうかな。


 みゆきちゃん、スミレちゃん、アスターの二人がいる部屋へと行く。


「お邪魔します」


 と四人の部屋へと入っていくと、四人は床にうつ伏せ状態で絵を描いていた。

 きっとスミレちゃんの影響だと思った。


「何々、みんな絵を描いているの?」


「見て見てメグさん」「僕達も絵を描いたんだよ」


 盟と梓はそれぞれ私に絵を見せてきた。

 色鉛筆でイルカの絵が描かれていて、二人とも以外とうまい。

 似た者同士の二人だが、二人の絵を見比べてみると、それぞれ個性がある。


「僕の方が上手いよねメグさん」「僕の方が上手いよ」


「二人ともうまいよ」


 と言ってあげて、私は正直アスターの二人が物事に進んでやることに嬉しかった。


 みゆきちゃんとスミレちゃんが本当に集中して絵を描いている。


 みゆきちゃんの絵を見てみると、アスターと同じイルカで、やはり言えないがアスターの二人よりも上手で印象的だ。


 スミレちゃんの絵を見てみると、これはもう絵というレベルなのかと疑ってしまう程のまさに手腕な芸術家が描いたような絵だ。

 本当に色鉛筆だけで描いたのか?

 その描いた紙からイルカが飛び出して来そうな程のリアルで印象的な絵だ。

 まさにスミレちゃんは絵を描くために生まれてきたような人だと感じた。

 何かに没頭して執着するサヴァン症候群。

 そんなスミレちゃんが絵を描いているその目を見てみると、何かに執着する目だと分かる。


「あっメグさん」


 ようやく私に気がつき顔を向けるみゆきちゃん。


「うまいね、みゆきちゃん」


「そう?でもスミレちゃんにはかなわないよ」


 まあそれはそうかもしれないけれども、あまりこういう絵とかは比べる物じゃないような気がする。


「メグさんも一緒に描こうよ」「僕達とどっちがうまいか勝負だ」


「はいはい」


 私もみんなが描いていて私も描きたくなった。


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