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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
第3章
45/89

フロリダ到着



 機内を見渡してみると、午前三時を示して、後予定では二時間でアメリカン空港に到着する。


 誰がかけてくれたのか毛布が掛けられていた。

 アスターの二人を見てみると、姉妹むつまじく眠っていた。


 景色を見ると、真っ暗な夜空を雲の上を走っているような感じだ。

 それに星も瞬き月が不気味にも赤い満月だった。


 今回の旅行で私達は何を見るのだろう。

 みゆきちゃんの予言では私達はこの旅で何かあると言っていた。

 今さっき私の予知夢で出てきたリリィ。

 彼女の容姿は私の分身と言っても過言じゃないほど似ていた。

 

 そういえば、もう一人の私と言えば、以前吸血鬼から人間になる試練を豊川先生に受けたときに現れた指輪を経由してもう一つの世界に行くもう一人の私と関係があるのか?

 ・・・いやそれはないような気がする。

 詳しくは分からないが私の予知夢に出てきたリリィ。


 機内から見る夜の景色は壮観だが、あの不気味に輝く赤い月がなければなお良いと思える。


 時計が四時を示した時に、流ちょうな英語でアナウンスが流れた。

 私の英語力では聞き取れないが、そろそろアメリカン空港に到着する予定だと言う事は何となく分かった。


 とりあえず私はみんなの様子を見に行こうと、席を立って、藤沢三姉妹は健やかな寝息をたてて気持ちよさそうに眠っている。

 気持ちよく眠っているところ悪いがそろそろ到着するので三人とも起こした。

 本当にこの子達かわいいし良い子だな。

 気持ち的に私はこの子達に何かあったら、力になりたいと思える。


 スミレちゃんとみゆきちゃんは何やら話し合っている。

 スミレちゃんが心を許すことに私は少し驚き、何を話しているのだろうと見てみると、みゆきちゃんはスミレちゃんの絵を見せてもらい、みゆきちゃんも絵に興味を持ち、一緒に描いているそうだ。

 スミレちゃんに私にも絵を見せてくれないかと頼んだら、まずみゆきちゃんに断って、見せてくれた。

 それはもう手腕な芸術家が描いたようなシャープペンシルのみで描いた夜空のデッサンだった。

 私も後で絵を教えてもらいたいと思い、それは置いといて、悟子君の様子を見てみると、全身毛布をかぶり、何かやっているようだ。

 気になって毛布を取ると、スマホでゲームをしていた。


「悟子君」


 小声で名前を呼ぶ。


「何?」


 私に干渉されて不機嫌な態度を示し、私に威圧的な視線を向ける。

 本当だったらとっちめてやりたいけれども、この楽しい旅をそんな事で台無しにしたくないので私は冷静に言う。


「機内でスマホはダメって言ったじゃん」


「うるせーよ。今良いところなんだよ」


 みんな眠っているのに怒鳴る悟子君。

 アメリカン空港に到着したら、ちょっと痛めつけようと決心したところ、豊川先生が、「どうしたの?」と穏やかな笑顔で悟子君を見る。


「何でもねえよ」


 そういって悟子君はスマホをしまってふてくされたようにふんぞり返ってしまった。

 本当にこの悟子君は詳細で見た通り手を焼きそうだと感じたのは当たっていた。

 正直、私は言う事を聞かない悟子君を好きにはなれない。

 あまりにも言うことを聞かないなら、多少痛めつけるしかないかもしれない。


 そしてアメリカン空港に到着して、藤沢三姉妹は悟子君におびえている様子だった。

 機内であんな大声を出して、怖かったんだろうな。

 悟子君を見ると、平然としてポケットに手を突っ込んでいる。

 何か許せないが、私は引率係として豊川先生に頼まれている。

 さっきは裏に連れて行き多少痛めつける事を考えたがそれはやめた方が良いだろう。

 そんな事をしたら私も楽しくないし、みんな楽しくなくなり、楽しいはずの旅が台無しになりかねない。

 だから私は藤沢三姉妹に「ここでいったん手続きがあるから、みんなでその間にみんなでおいしい物を食べよう」とにっこりと言い掛けると、自然とおびえた表情から三人とも笑顔を見せてくれた。


 そして怒る気持ちをこらえるように大きく深呼吸をして悟子君に笑顔で近づいた。

「悟子君は何が趣味なの?」


「まあ、ゲームをやることっすね」


「何のゲームをやっているの?」


「今大会で飛行機の中でも必死でしたよ」


「ねえ、悟子君、楽しい旅にしたいよね」


「そうだけど」


「だから機内はネットでつながる物は禁止されているから、機内の中ではやめよう」


「はい」


 と神妙に返事をしてくれたが、これで注意したのは三度目だ。本当に分かってくれるのか?

 私は言うことも聞かず、それで迷惑をかける人間が一番嫌いだ。

 でも私は好き嫌いと言った目で判断してはいけないと豊川先生に教えてもらった。

 私や豊川先生の扱う物の仕事は人の気持ちである。

 わずかながらお金を払って来てくれる生徒に対して嫌われる覚悟で、その悪い癖を頭ごなしに否定するのではなく、何ていったら良いのかうまくまとめて説明できないけれども、とにかく暴力や脅しで恐怖心を植え付けて訴えてはいけない。

 そういった恐怖心で植え付けてしまったら、トラウマになり、何にも出来なくなり、夢に進む意欲さえも失われてしまうだろう。

 豊川先生は来る者を拒まず去る者を追わずの精神で今までやってきた。

 私もそれは是非とも見習いたい。


 とにかく横暴な悟子君をフォローして、それに傷ついた藤沢三姉妹の心のケアーをしなくてはいけない。

 スミレちゃんはおびえた様子はなく、アスターの二人とみゆきちゃんは案外肝が据わっている為、あの程度ではおびえたりはしない。

 まあ三人は私と共に数々の修羅場を経験しているからな。

 仮に悟子君がぶち切れて私達に襲いかかってきても、返り討ちに出来るが、そういう風に考えるのは良くないだろう。


 とにかく悟子君は私達の旅に参加する生徒であり、わずかながら、旅費を払っていると思う。だから私は拒みはせずに、ちゃんとフォローしてあげなくてはならない。

 それと私は豊川先生に怒られた事がある。

 慈善事業をやっていると言ったら、豊川先生は一瞬表情を変えて、『僕は慈善事業をしているつもりはない』と。私はあの一瞬表情を変えた時の豊川先生の顔を思い出す度に心が凍り付いたりもする。

 慈善事業じゃなかったら、きっぱりと結論をつけてしまえば、商売なんだよね。

 簡単に言えば、やりたい事を見つけるのに一緒に考えてやるからお金をくれ。大学に行きたいなら、勉強を教えてやるからお金をくれ。出来の悪い息子を悪くないように一緒に考えてやるからお金をくれ。

 世の中お金なんだよね。

 でも豊川先生は少ないお金を受け取り、それ以上に体を酷使して、生徒の為に一生懸命だ。

 豊川先生に言ったらまた怒られるかも知れないが、豊川先生のやっている事は半分は慈善事業だと密かに思っている。

 それと最近分かってきたけれども、それがただ単純に楽しいからやっているんだよね。

 私も吸血鬼だからと言って豊川先生に無理難題な事を押しつけられて何くそと思おう時があるけれども、終わって解決してしまえば、高い壁を上ったときのような爽快な気持ちになったりもする。

 幸せってそれ何じゃないかなって、思ったりする。


 ここのアメリカン空港テキサス州で次のオーランドフロリダに乗るまでに二時間の間がある。到着したのは五時で二十分は経過して、後次の便に乗るまでに、一時間四十分の間に、色々と手続きや、朝ご飯をいただく予定だ。

 手続きは豊川先生に任せて、私はみんなを空港の食堂へと案内しなければいけない。

 異国の地に来て思ったが、日本とは何か言葉では表せない何かが違うような違和感と言うか、本当に異国の地に来たんだなと言う実感が沸いてきた。

 当たり前だがすれ違う人すべてほとんど外国人だ。

 きっと私の未熟な英語力は通用しないかもしれない。


 だから食堂に行って注文する時にどう言えば良いのか、豊川先生にメモを渡されている。

 そのメモを見てみると、単語の上にカタカナで丁寧にフリガナまで振ってあってわかりやすい。

 とにかく豊川先生は後から来るので、私がみんなを引率して、食堂に連れて行き、みんなが食べたい物を注文しなきゃいけない。

 何か気を引き締めなきゃいけない気がした。

 食堂に入り、みんなをとりあえず席に座らせる。


 みんなに食べたい物を一人一人聞いてみる。


 そこで藤沢三姉妹がメモ用紙を持っていたので、みんなにこれに書いてもらって、ウエイトレスを呼ぶ。


 アメリカはパンが主食で主にハンバーガーとか、ライスにステーキと言った感じのメニューが多かった。


 起きたばかりでお肉は悟子君以外は選ばず、他はベーグルハムサンドやバターロールエッグサンドなど。

 ちなみに私はベーグルツナサンドを選んだ。


 早速金髪のウエイトレスが客当たりの良いスマイルで来て、安心したが、言葉は通じるか不安に思っていると。


「お待たせいたしました。ご注文は?」


 って日本語話せるんかい。


 ご注文を一通りメモ用紙に書いた物を見せて、機械のような伝票でピピと操作して受け付けている。


「かしこまりました。少々お待ちください」


「すげー」


 悟子君は開いた口がふさがらないと言った感じで驚いていた。

 私も驚いている。

 さすがはアメリカ。

 そういえば日本にもコンビニで中国人や台湾の外国人が働いていて片言の日本語で対応していたが、先ほどの金髪ウエイトレスのように流ちょうではなかった。


 その金髪ウエイトレスの仕事ぶりを見てみると、他にも違った外国人にも流ちょうな言葉で対応していた。


 何を言っているのか分からないが見た感じ中国人の人には中国語を、フランス人にはフランス語を。


 アメリカは実力主義の国だ。

 お金を貰って勤めると言う事は並大抵の物ではないと実感した。

 私が働くキャバクラは日本人しかこないし、まあ仕事に優劣付けたって仕方がないか。


 早速メニューが運ばれてきて、私達は「いただきます」と日本語で言って食べる。


 アメリカ語で『いただきます』は何て言うのだろう?そういえばLet’s eatって言う見たい。実際聞いたことないな。


 相変わらずアスターの二人の食べ方は汚い。

 それに悟子君も何かアスターと似たような感じだ。

 男の子なら許せるけれども、アスターの二人は女の子なんだよな。

 私はため息をもらしつつ、注文したベーグルツナサンドを口にしながら、アスターの二人に目配せで藤沢三姉妹の上品な食べ方を見習えって感じで視線を送りながら。


 ちょうど私達が食べ終わった時に豊川先生が戻ってきて、豊川先生は注文をする。

 豊川先生は機内でも食べたのにまたステーキを頼んでいる。

 豊川先生はかなりの大食いなのは知っている。

 食べないと持たないといつも言っている。


 食事が済んで、時間になり、私たちはオーランドフロリダに行く飛行機に搭乗した。


「今度こそ僕達が窓際ね」


「はいはい」


 機内からの景色は最初の便で拝ませて貰ったのでもう充分だと思って気持ちよく譲ってやった。


 とりあえず私達は最初の便と同じ配列で座ることになった。

 私の列にアスターその次が藤沢三姉妹、その前がスミレちゃんにみゆきちゃんに悟子君。

 最初の便は十時間でさらにみんなの面倒を見ながらだったので疲れてしまったけれども、この便は到着まで五時間、今七時なので丁度お昼につく予定だ。


 アスターの二人に私は「大人しくしていろよ」と言っていたが返事がない。聞き返したいが、何かこいつらを一日中見ていると疲れてしまっていたので面倒なので黙って、座席に寄りかかり、目を閉じた。


 来るんだろうな。


 私の夢の中にリリィって私とうり二つの女性が。


 予想通り私の夢に何の断りもなく出てくるように出てきた。


 先ほど見たフロリダの海岸の夜の風景だ。


「何なのよ。断りもなく何度も私の夢に出てきて。あなたを見つけなくちゃいけないって言っていたけど。いったいどうゆう事」


「これはサダメ。必ず私を見つけなければいけない」


「寝ても起きても誰かの相手をするのも疲れるのよ」


「リリィにはもう時間がない」


 リリィの言葉にちょっと聞き捨てならない台詞に、『時間がない?』って聞こうとした瞬間に、まるで空から落ちるようにスリリングな目覚め方をした。


「何なのよいったい?」


 顔を上げると盟と梓が私の事をじろじろと見ていた。


「何よ。あんた達」


「凄い疲れていたんだね」「起こしても起きないからさ」


「そんなに?」


「そろそろ到着だよ」「到着したら、早速お昼だってね」


 何だろう。飛行機に乗っている間は食べたり寝たりの繰り返しだな。

 時刻を見ると十一時三十分を示している。


 後三十分で到着か。


 ため息を一つもらして、「リリィっていったい?」


 そして飛行機はゆっくりと降下して滑走路をに着地してゆっくりと止まり、やっと目的地のオーランドフロリダに到着だ。


 およそかかった時間は十八時間。本当に長旅だ。

 到着したと言うのに、何か私はどっと疲れた感じがして、飛行機から降りるのも億劫になるくらいだった。

 

 でも降りなきゃいけないよね。


 大きなあくびをして立ち上がり、機内の外に出た。


 太陽の光にくすぶられ、私は目を細めて辺りを見渡しながら、進んでいった。


 広々とした青い空に、驚いてしまう。

 長旅の疲れがどっと吹っ飛ぶほどの期待とときめきでいっぱいになった。


「フロリダと言えばディズニーランドがあるらしいけれども」


 悟子君がなにげに言って、私は期待とときめきで胸一杯で「そうなの」と悟子君を見て豊川先生を見た。


「うん、時間とお金の余裕が合ったら行くつもりだけどね」


 ちょっとがっかりしてしてしまった。


 空港はまるでお城のような外観だった。


 何もかもが新鮮でときめきが本当に止まらず、私の胸は破裂しそうな程だ。


「みゆきちゃん。イルカに会いたいよね」


「うん」


 今一テンションの低いみゆきちゃんに「嬉しくないの?」と聞いてみる。


「嬉しいよ」


 私は藤沢三姉妹の長女の未来さんの肩に手を回して、「とにかくはっちゃけて行きましょう」とみんなのテンションをあげるように言う。

 それに便乗するように、悟子君が「いいっすね川神さん。俺そういうの好きっすよ」


「川神さんじゃなくて、メグで良いよ」


「じゃあ、メグさん。みんなではっちゃけちゃいましょう」


 悟子君に怯えていた藤沢三姉妹も次第に品の良い笑顔で、声は出せないので拳を握りしめ『オー』と言った感じで振り上げる。

 アスターの二人もスミレちゃんは相変わらずだが、みゆきちゃんがスミレちゃんを促すようにその手をつかんで手をあげさせた。


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