第三章 『消される事のない喜び』
今日を機にまた違う生活が始まろうとしていますね。学校生活という地獄の幕開けです。僕はこれから夏休みが始まってくれれば良いのにと思います。夏も終わりを告げまずが僕の小説への道はこれから始まります。なのでこれからも応援よろしくお願いします。
咲と出会ってからちょくちょく会うようになった。今日も咲と海へ行く約束をしていた。心弾ませながら車を走らせる俺。待ち合わせ場所に着くとそこには咲の姿があった。俺は幻でも見ているのだろうか。あまりの『美しさ』に目がくらみそうになる。 咲はこちらに気づくと手を振り駆け寄って来てくれた。
俺は窓を開けて『乗りなよ』の合図を送った。咲の微笑む顔はやはり『天使』にしか見えない。咲は車に乗ると俺に行きたい場所があると言ってある場所の写真を見せてきた。そこは『海』なのだがはっきりとは分からない。まあ見つけるまで車を走らせようと思った。
今日はやたらと信号や渋滞につかまる。ここまでチンタラしてると午前中までに着かなくなってしまう。でも俺は決してキレたりしない。親がどちらともキレるもので自分は絶対にキレないようにしていた。
渋滞がやっと解消した。まさかいつも空いてる道がここまで『悪化』するなんて思ってもみなかった。ふと横に視線を移すと眠る咲の姿が。『疲れていたのだろう』そう思った俺は、毛布代わりに自分のコートを咲にかけた。咲を起こさないようにそっと。
ここで俺は改めて気付いた。もし今自分が事故でも起こせば隣の先も巻き込む事になるのだと。今までこのカファロで飛ばす事だけを考えていた俺にとって『初めて』の気持ちだった。
やっとの思いで海まで辿り着いた。咲が行きたいと言っていた場所を探すのは割と楽だった。どうやら名前は『美神浜海岸』らしい。咲も目を覚ましたらしく寝ぼけてそうな感じだった。
『起きた? 爆睡してたぞw』
『ごめん 寝ちゃった』
『良いんだって 遠慮しなくて』
咲はあることに気付く。それは俺がさっき毛布代わりにかけてやった服の事だ。咲は何とも言えない表情をしていた。そして俺にこう言った。
『これ、昂喜の?』
『おっおう、まあな』
照れくさそうな俺を見て、咲は笑った。何故笑ったのだろうか。『嬉しさ』なのか、それとも『おかしさ』なのか。良くは分からないがまあ俺も何故嬉しくなった。
すると咲がある事を俺に教えてくれた。それは高校の時の話だった。俺は咲が高校時代『サッカー部のマネージャー』とだけしか知らなかった。しかし咲には俺の想像を超える過去があった。
『うちさ、高校時代彼氏いたのよ。』
『うん。だろうなw』
『でもそいつ、全く相手してくれなくて』
『ああ、そうだったの?』
咲の言葉の一つ一つにとても深い意味を感じたのは何故だろうか。そして何故その彼氏とやらはこんな『美人』を相手にしないのだろうとただただいらだちを感じていた。
『なのに今だに付いてくんの。どうすれば良いの?』
『んなの気にすんなって。そんな奴放っといておれといなよ』
『正直言って、そんな奴といるより俺といた方が楽しいと思うよ?』
咲の問いかけがいきなりだったので驚いたが俺がしてやれるのは咲の悩みを聞いてやること。そしてその悩みを無くしてやること。それしか今の俺には出来なかった。普通なら『またやり直せば』とか言ってやるのが本当の慰めなのかもしれない。だが今の俺にはそんなこと言えない。何故ならその彼氏よりも俺の方が上だと思ったからだ。
『咲、俺の女になれよ。絶対楽しいからさ』
もはや我を忘れていた。普通の奴ならこんな事言わないだろう。でも俺は今しかないという思いを感じていた。咲は急な俺の言動に戸惑う様子だった。さすがにやり過ぎたかと思った時、咲が俺にこう言った。
『お願い。うちを助けて』
『当たり前だろ?』
咲の震える肩を思い切り抱きしめた。もう何もかも忘れて咲の事だけを考えていた。そして俺もまた咲には言った。『絶対離さないから。安心しろよ』と。咲は枯れることを知らない『花』だ。何故ならかなり重い恋のダメージを抱えて生きてきたのだから。
昂喜には良い事が次々と起こっていた。旅の先で咲から聞いた事は『咲の真実』であった。あまりにも大きな傷を咲は負っていた事に気付いた昂喜は震える彼女を抱き寄せたのだった。




