第二章 『輝き』
いつしか自分もひと夏だけでも良いから熱い恋というものをしてみたいという思いからこの作品を書きました。今思ってることを全て叩き込んで書いたものです。
夢にまで見た車『カファロ』をこの手した青年『昂喜』。そんな昂喜に夏がやって来た。自分だけの車がある今、ただひたすら走り続けていた。もちろんそれは夏も同じこと。毎回海へドライブしていたのだった。
その日も友達と共に海岸沿いを走っていた時のこと。ある公園に差し掛かった。公園の名は『浦浜海浜公園』とのこと。公園に入るとバーベキューをしたり、子供達が遊んでいたりそこには自由の場が広がっていた。
一通り遊び終わり帰ろうとした時、公園を足早に去る女性の姿が目に入った。急いで車に乗り彼女を追うとそこにいた女性は中学の時恋心を抱いていた『咲』だ。咲は何故だか足早に逃げるかのように公園から出てきた。
俺も急いで咲の横まで行き、車を止めた。『よう!俺誰だか分かる?』と声をかける。咲は唖然とした様子でこちらを見ていた。だが分かったようだ。咲は俺に気づくと車に乗ってきた。
車に乗った咲は急に泣き出した。『どっどうしたんだ?何かあったんか?』と声をかけるしかなかった。すると咲はこう呟く。『馬鹿にされた』とね。どうやら友達らとこの公園に来ていたらしい。そこでトラブルにでも巻き込まれたのであろう。
何とか咲を落ち着かせ車を走らせることができた。ちなみに俺の友達の『しゅう』は用事があったらしく先に帰っていた。咲は俺のことを今も信じられないらしい。何せ、こんな車に乗っていれば無理もない。俺は何をおもったのか、話し始めた。『なあなあ?何があったか知らねえけど、んな落ち込むなって。お前らしくねえぞ』みたいなことをね。『何でうちを乗せたの?』と問い詰めてきたけれど俺は迷わず言えた。『何でって、そんなん決まってんだろ。俺にとっちゃ、お前は大切な人だからだよ』これしか頭になかったからね。
いくら失恋した相手だとしても『車の中で二人きり』はかなりきつい。というか緊張していた。『どっか飯でも食いに行くか』と聞くと、咲は遠慮した様子。しかしここで帰るのも何かと思った俺は海が見えるレストランに車を止めた。『えっ、良いの?』と聞いてきたので俺はすぐさま『おう、もちろんだよ』となりふり構わず答えた。
俺は残り少ない金だがせめて『咲』の為に使ってやりたいと思っていた。というより『女子と飯を食いに行く時は男が金を出すもの』と考えていた俺にとって自然と行動してしまう。
店は綺麗だった。辺りは日が沈み海を夕日が照らしている。ガラス越しに見える海は昼間の明るさとはまた違う輝きを見せた。こんな店で咲と二人きりになるなんて誰が思ったことか。海よりも綺麗なものがある。それは咲だ。海と映る君はどんな美しい物にも劣らない。
レストランで夕食を済ませた後、俺は咲にある場所を紹介した。それは『三浦崎海岸』の砂浜だ。今、この海岸は俺と咲しかいない感じがした。勝手な思い込みかもしれない。それでも構わない。
隣にいる咲の横顔が何かを物語っている。夏の始まりはこうして幕を閉じた。咲を家に帰した後も俺の心には感動という胸騒ぎが絶え間なく続いていた。
夢にまで見た車『カファロ』を手に入れ気分は絶頂に達していた昂喜に今年も夏がやって来た。彼にとってこの夏はどんなものになるのか。そんなある日彼の前に現れた女性、それはかつて昂喜が恋をしていた女『咲』だった。彼女との出会いが今後何をもたらすのか!




