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おばさんと別れてすぐ、小脇の道に入ると長身の青年が一人立っていた。
オーソドックスな燕尾服にアルドは見覚えを感じ足を止める。
「…ん?あ…アルドくんだー」
ふと青年が振り返るとアルドに気がつきにこりと微笑んだ。そのままコツコツと歩きアルドに近づく。
しかし、アルドは表情からは早々と血の気が引き、青年から距離を置くかのように後ずさる。けれどどんなに距離を取ろうとしてもその差は遠くなることはなくむしろ近づいていた。
「あれー?なんで逃げるのかな?」
気がつけば、いつの間にか目と鼻の先に青年の顔。
その顔に気がついたときには遅かった。荷物は宙を舞い、アルド自身の体は後方の壁に飛ばされ、腹部からは強い鈍痛が身体中にひびきわたる。