学食
いつも、お昼休みになると、一気に騒がしくなる大学の学食だ。
席取りをする人、トレイを持って走る人、いろいろといるけども、俺らの班は、あらかじめ役割分担ができている。
5人で2人が席を取り、残り3人で食料を調達。
これが、俺らが見つけた最良の組み合わせだ。
鞄を席取り役に預けると、すかさずダッシュ。
トレイを持って、必要な物資の調達を開始する。
「かつ丼、とり丼、しょうゆラーメン、みそラーメン、白ごはんというのが、今回の目標だ。どんぶりとご飯は同じコーナー、ラーメン2種は1人で、残りは2人で攻略する」
「OK、じゃあ、こっちがラーメン行くわ」
友人が言ってくれる。
「では、席で落ち合おう」
俺は彼にそういってから、別々の列に並んだ。
目指すポイントはご飯コーナー。
2つの注文口があり、どちらから頼むということになっている。
そのため、ここではどちらが早く流れるかという見極めが大切になる。
俺らは、二手にさらに分かれ、俺がカツ丼を、友人がとり丼と白ごはん(中)を注文することにした。
若干俺が並んでいるほうが先に注文ができそうだ。
その時、俺の後ろをラーメンを持った友人が通り過ぎた。
「先に行ってるからな」
「わーった」
友人に俺が声を掛け、それからかつ丼を注文する。
1分かからずにカツ丼が俺の前に置かれ、即座にレジへと持っていく。
レジは3つあり、これもどこに並ぶかが鍵になる。
全体を見回し、一番空いているだろうレジに並ぶ。
あらかじめカツ丼代350円を手に持っているから、見せた瞬間にお金を渡し、そのまま次の場所へ向かうことができる。
最後になるのは、水やお茶についてだ。
コップを一つ取り、水を入れて、席へと急ぐ。
とり丼分も、俺から遅れて30秒で席へとついた。
「じゃ、食うか」
俺らが座ってから、一斉に、騒がしく食べ始めた。