表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

第九話 ナオハの怒り

「どうしてこうなった!?」

「はぁ~…。メンドクサイことになっちゃたなぁ…。」

夜。

私は自分の寮のベッドの上で、ため息をついた。

明日の決闘は武器や魔法、スキル何でもありらしい。

私の武器はパパが魔法で出してくれた太刀のみだ。

どう考えても、あの子レオナちゃんはどこかの貴族か何かの娘だろう。

どうしよ…。

絶対強い武器とか使ってくるじゃん…。


色々考えていると、コンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえた。

「どうぞ~?」

入って来たのは、ナオハとヒカリとトーコさんだった。

「みんな。どうしたの?」

私が聞くと、ナオハが言った。

「校内放送の後、トーコに教えてもらった、レオナ・クウェルソンについて調べてみたんだ。」

ナオハがメモ用紙を見せてくれた。


 レオナ・クウェルソン

レベル:7  魔力:4300  体力:600

クウェルソン家の次女として生まれた。

王国歴 2311年 11月11日 生

年齢 7歳

「修道女」志望


「…。」

私のステータス…。


レベル:38 魔力:70000 体力:960000


ステータスでは私の圧勝のようだ。

「ステータスが高くても油断はするなよ。」

ナオハが言った。

「クウェルソン家は代々フェルトナ王国の最高神官や大司教を輩出して来た名門だ。ステータスだけじゃない何かもあるハズだ。名誉のために不正があるかもな。」

「流石にそれはないと思うけど。」

「司教や神官の家系だし。」

「まあ、とにかくそろそろ入学祝いの宴会があるみたいだし、広間にいこう。」

トーコさんが言うと、ナオハたちも、そうだなと言って、私たちは広間へ向かった。


広間では、既に食事が用意されていて、みんなで食べたり、友達と話したりしている。

先生も何人かいて、一緒に食べたりしている。

私たちもみんなに紛れて、料理を食べた。

会場はなんだか「ハリー・〇ッター」のホ〇ワーツ城のような場所だった。

「おやおや。君たちはフーリン村の田舎者ではありませんか。」

急になんか豚みたいな太っちょの私たちと同じくらいの年の男子生徒が話しかけてきた。

キモイ。

何でこんな豚みたいに太ってるんだよ。

「…なんだい、その顔?」

こいつキモッて、顔です。

「気に入らないなぁ、ファイアボール!」

暑っ!そして理不尽!

キモイヤツが炎の魔法を打ってきた。

ちょっ、ブレザー燃えてるっ!

「エクスジングス!アヤノちゃん、大丈夫?」

トーコさんが消去魔法を唱えてくれた。

「てめえ!何してんだ!」

ナオハが言った。

「おやぁ?いいのかなぁ?ボクにそんなこと言って?」

いや、いいだろ。

というか、私のブレザー…。

…あれ?

急に体が…。

私の体から炭のような匂いがして、動かない。

そして痛い、すごく痛い。

私は倒れた。


「アヤノッ!」

トーコが倒れたアヤノに駆け寄った。

アヤノの白い肌が炭のように黒くなっていた。

「キャアー‼」

近くにいた生徒たちが悲鳴を上げた。

「酷い火傷!誰か先生を呼んで来て!」

トーコが叫んだ。

すると、カッと靴を鳴らす音がして、赤色のリボンの少女が現れた。

「レオナ・クウェルソン?」

ヒカリが呟いた。

そこには明日、アヤノと決闘する予定だったレオナ・クウェルソンがいた。

そして、レオナ・クウェルソンは呪文を唱えた。

「キュア・バーンズ。」

すると、アヤノの体が淡い赤色に光始めた。

光が収まると、いつもの健康な白い肌のアヤノが眠っていた。

「これで2,3日安静にしていれば完治するはず。」

レオナ・クウェルソンが僕たちに向かって言った。

「あ、あぁ、ありがとう…。」

「フンッ。余計なことしてくれちゃって。」

豚野郎が吐き捨てた。

「クウェルソンさん、アヤノはこんな状態だし、決闘は…。」

トーコが言うと、レオナ・クウェルソンは、

「…決闘はもういいわ。キュアの魔法が効いたということは、悪人ではないのでしょう。私もつまらないことで突っかかってしまって、申し訳なかったわ。」

と言った。

「ありがとう、クウェルソンさん。」


「待て。何処へ行く気だ?僕は決闘お前にを申し込む。」

豚野郎が立ち去ろうとしたので、僕は呼び戻した。

「だからお前ら、ボクにそんな口の利き方…。」

「知るか。僕の妹を傷つけたんだ。覚悟はできてるんだろうなぁ?」

僕が睨むと、豚野郎は鼻で笑って、

「シスコンめ。いいよ、別に。」

と言った。

すると、何処からともなく「決闘委員会」というプレートを着けた生徒が2人、現れた。

1人は緑色のネクタイ(2年生)の少年、もう1人は紫色のリボン(3年生)の少女だ。

「両者の合意を確認!委員会室に転移します!」

すると、僕と豚野郎の足元に青色の魔法陣が浮かび上がった。

そして、魔法陣が光始めた。


気が付くと、そこは小さな部屋だった。

「では両者宣誓を。」

そう言って、さっきの生徒が一枚の紙を差し出して来た。

その紙には何でも使って良いが、相手を殺さないようにといったようなことが書かれていた気がする。

さっきから、何故か視界が赤っぽくなっていて、よく見えない。

「ボク、ダズリー・デイアトルはこの契約に従うことを誓う。」

「ナオハ・ドラティリガン、契約に従うことを誓う。」

「両者宣誓完了!アヤノ・ドラティリガンとレオナ・クウェルソンの決闘が中止されたため、決闘は明日の午後1時に行います!」

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ