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第十四話 霊媒術の授業

霊媒術って一体なんだろう?

私はそれの才能もなかったからなあ

またまた時は戻って、今回はトーコさんの霊媒師の授業の話である。


私、トーコ・ドラティリガンはみんなと別れた後、一人で霊媒師の教室へ向かっていた。

すると、どこからか叫び声が聞こえてきた。

何事かと思って行ってみると、そこには、1体のポルターガイストと1人のウサギのような耳をした小さな女の子がいた。


ポルターガイストとは、魂だけで、肉体が存在しない者の総称。

死んだ人がなるのではなく、そもそも魂しか持っていない。

どうやって増えているのか、どこから発生したのか本人たちもわからない。


ポルターガイストは初老の男性のような姿をしていて、泣いている女の子を見てオロオロしている。

貴族のような豪華なズボンからこれまた豪華なハンカチを取り出して、女の子の涙を拭いてあげようとした。

しかしハンカチはするりと、女の子の顔を通り抜けた。

女の子はそれがまた怖かったらしく、最も泣き出してしまった。


私が物陰から出て、2人に近づくと、2人も安堵したような顔で私を見た。

「どうしたんですか?」

私が聞くと、ポルターガイストの方が、

「いやはや…、私がいつものように壁をすり抜けて廊下と廊下を移動していたのですが…。通り抜けた先で彼女の目の前に出てしまったのです。そして私のこの姿を見て驚いてしまったようでですね…。」

と説明した。

「では、私に任せてください。」

「お願いします。」

ポルターガイストは深々と頭を下げた。

私は女の子の前にしゃがみ込んで話しかけた。

「こんにちは。私はトーコっていうの。」

女の子は私の姿を見て、少し落ち着いたようだった。

「どうしたの?おかあさんやおとうさんは?」

私が聞くと、女の子はまだしゃくり上げていたが震える声で話し始めた。

「あのねっ、あ、あたし、しらないばしょに、いてね…そ、それで、どこ?」

まだ混乱しているみたいだ。

「大丈夫だよ。ここは英雄学校、ティテラ学園、だよ。」

「てぃてら…?おねえちゃんがいってるとこだ!…で、でも、なんであたし、てぃてらーに…?」

「おねえちゃんがいるの?お名前は?」

「えっとね、おねえちゃんは、シルビアっていうの。」

シルビア…って確か霊媒師の授業で一緒だった気が。

確か、フルネームはシルビア・フィルナだったハズ。

「あ、私、おねえちゃんのいるとこ、知ってると思うついてきて。」

歩き出そうとして、ポルターガイストの方を向くと、もうすでにポルターガイストはいなくなっていた。


女の子はミネハという名前だと教えてくれた。

私はミネハちゃんと一緒に霊媒師の教室に向かって歩いていた。

教室にたどり着くと、既にほとんどの生徒たちが着席していた。

ミネハちゃんはシルビアさんを見つけると、長い耳をぴょこぴょこ動かして、「おねえちゃん!」と言って駆け寄って行った。

「ミネハ⁉なんで学校に⁉」

シルビアさんは驚いて、私とミネハちゃんを見比べて言った。

「廊下で泣いてたんだよ。」


私が一部始終を説明した。

ふと教卓を見ると、いつの間にか教卓の前に先生が立っていた。

銀色の髪を逆なでて真っ赤な瞳、真っ黒な詰め襟のような服装の、霊媒師担当の黒上くろがみ 零士れいじ先生だ。


この世界には、初代勇者が建国した、日本国というものがあるらしく、先生はそこ出身らしい。

ちなみに、初代勇者は私たちと同じ世界出身で、今の国王(天皇)はその子孫となっている。


「なるほどねぇ。シルビアの妹っちは、テレポーテーショナーの称号を持っているのかもねぇ。妹っちはステータスカードは持ってないのかな?」

黒上先生がシルビアさんに話しかけていた。

「いえ…。まだです。」

「なるほど、じゃあ、鑑定してもいいかねぇ?」

今度はミネハちゃんに話しかけた。

「いいよぉ~?」

よくわかっていない様だが、先生はニッコリと笑って、魔法をミネハちゃんにかけた。

『鑑定・称号』

すると、ミネハちゃんの胸の辺りから一枚の魔法の紙が現れた。

そこにはこう書かれていた。


名前:ミネハ・フィルナ

称号:テレポーテーショナー ESP能力者


「やっぱりねぇ。じゃあ、というわけで、今日はテレポーテーショナーについて、学習していこうか。」

先生はそう言って、手をぱんぱんと叩いた。

すると、黒板に「テレポーテーション」の文字が現れた。

「じゃあ、実際にミネハくん、テレポーテーションをしてみてくれ!」

「え?どうやって?」

「先生!まだミネハは…!」

先生はシルビアさんにニッコリと笑いかけて、ミネハちゃんの方を向いた。

「まずは、手を前に出して。…そうそう!そしたら、目をつぶって、お姉ちゃんのことを思い浮かべてみて。」

「むむむ…!」

すると、ミネハちゃんの姿がぱっと見えなくなった。

「ミネハ!?」

シルビアさんが一瞬パニックになって叫んだ。

数秒後、ミネハちゃんはシルビアさんの頭の上にポンっと現れた。

「うぎゃ!」

潰されたシルビアさんがカエルみたいな声を上げた。

クラス中が驚きと、笑いに包まれた。


授業が終わり、教室から出ようとすると、シルビアさんとミネハちゃんが私に話しかけてきた。

「トーコさん。ミネハを送ってきてくれてありがとう。」

「え?あー、どういたしまして。」

「ミネハを家に送りたいんだけど…。まだ、テレポーテーションが上手くできないみたいなんだよね。どうすればいいかな。」

「先生に言えば?」

「言ったんだけど…。先生は遠くにテレポーテーションするやり方をよく知らないんだって。」

「う~ん…。あ。」

「何か思いついた?」

「ナオハに聞けばいいかも!」

「なおは…?」

ミネハちゃんが首をかしげて言った。

シルビアさんは直ぐに分かったらしく、

「この前の決闘の?」

と、言った。

「うん。多分寮に居るから会いに行こう。」

「大丈夫かな…。あの人、怖そうじゃない?」

「??」

「そんなことないよ!普段は優しいんだけどね。この前は相手が…。」

「まぁ、トーコさんが言うなら…。」

「ねぇ、なおはってだれ?」

一人分かっていないミネハちゃんが、ちょっとムッとしながら言った。

「来れば分かるよ。」

私が言うと、ちょっとまだ不満そうに「はやくいこ」と言った。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。

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