第一話 4人まとめてお亡くなり
「まさか私と親友達が四つ子になるなんて…。」
「はい、今回の動画はここまで!」
「また見てねー!」
カメラに向かって白髪の少年と茶髪の少女が挨拶をした。
「うん。オッケー。」
黒髪の少年が言った。
「編集は僕が後でやっとくから。」
そう言うと、襖が開いて全体的にオレンジ色の服を着た少女ー…に見える成人女性が出て来た。
「みんなお疲れ様。お茶とお菓子ここに置いておくからね。」
「ありがとう!」
「フフフッいえいえ。」
不意に、ピロロン♪と全員のスマホが鳴った。
「なんだろ?」
茶髪の少女が自分のスマホを手に取って言った。
「地震予報?」
白髪の少年が言った。
「最近何かと物騒だしな。」
「えーっと…?」
「2時間後、震度7の地震…?」
黒髪の少年がリュックを掴んで言った。
「デマ情報かもしれないけど、一応一旦避難所に行こう。」
3人も怪しいと思いながらも、頷いてそれぞれ持ち物を持って外へ出た。
4人が外へ出て避難所に向かって歩いていると、
グラグラ…と揺れた。
段々と揺れが大きくなってきた。
「なっ…まだ30分も経ってないぞ…!」
「予報ってのは、は外れることが多いからな。」
「あんなの予想じゃないし!」
次第に立てないほどに揺れが激しくなった。
「みんな大丈夫?」
茶髪の少女が言った。
「うん。」
「なんとか…。」
「おう…。なんか気持ちわりぃ。」
なんとか、4人は全員だった。
しかし、周囲の様子は散々だった。
電柱がへし折れ、塀は崩れ、一部の家はぺちゃんこに潰れてしまっていた。
「酷い有り様だな…。」
4人は瓦礫をよけながら避難所に向かって進んでいた。
すると、「グスングスン…。」と子供の泣き声が聞こえてきた。
声のする方を見ると、一人の小学生低学年くらいの女の子がうずくまって泣いていた。
「だっ…大丈夫?」
親とはぐれてしまったのだろう。
4人は女の子に駆け寄った。
と、またグラグラと揺れた。
すると、崩れていない家が崩壊し女の子に倒れてきた。
「やばい!!」
白髪の少年が叫んだと同時に4人は駆け出していた。
4人は一人の女の子をかばい、家の下敷きになり、死んだ。
そして、4人はどこか知らない場所に立っていた。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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