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27話

「後は私達騎士団に任せてくれ 。ええと……」


「あぁ僕はユリアです」


「ユリア殿、今回はありがとう。私達としてもこの奴隷商人、クカントスには手を焼いていたんだ。捕まえようにも中々尻尾を出してくれなくてな」


へぇ、あの奴隷商人クカントスって名前だったんだ。


「では僕たちはこれで失礼します。ヒナ、行こうか」


「う、うん! スキンヘッドのお兄さん達も助けてくれてありがとうございました! お礼はまた今度しっかりさせてください! 」


ぺこりと丁寧にお辞儀をしている。


「おう! いいってことよ! お礼なんていらねぇから気にすんな。義賊だから当然の仕事をしたまでだ、それに俺たちゃなんにもしてねぇんだ。礼はその坊主にしてやってくれ」


「ちょっと! さっきも言いましたけどスキンヘッドさん達が居てくれたおかげで安心して動けたんです。何もしてないだなんて言わないでください! 」


「ははっ、そういうことなら礼は受け取っておくぜ。……うし、俺たちも帰るか。坊主、嬢ちゃん、この街で何かあったり助けが欲しくなったらいつでも頼ってくれな! アサン、あいつの後処理は任せたぜ」


「……(ぺこり)」


「じゃあね~! デダサンザが言った通り、いつでも遊びに来ていいからね~」


ぽんっ、と僕の肩に手を置いて言う。

手を振ってから、部屋を出て行った。


てかスキンヘッドさんの名前デダサンザって言うんだ。

かっこいい名前だな。


またデダサンザさん達の力が必要になった時には頼らせてもらおう。せっかく縁もできたことだし。


デダサンザさんの力強く、頼もしい背中を見送った後、僕もそれに続いてヒナと帰ろうとするが、騎士団の人に呼び止められる。


「クカントスには懸賞金がかけられていたんだ。この後、時間がある時にでも騎士団の詰所に来てもらいたい。私、アサンの名を出せば応接間に案内されるよう手筈を整えておく」


懸賞金といえばかなりの罪を犯した者に与えられる、捕まえたり、発見したりすれば報酬金を貰える制度みたいなもの。

そのためちょっとやそこらの犯罪では懸賞金がのせられることは無い。


「因みにその懸賞金っていくらくらいなんですか」


「ざっと200万だ」


「に、200万!? 」


あまりの額に声が裏返ってしまう。


「なんだ、不満か。そうだな……生け捕りだったし報酬を上乗せできないか上に相談してみよう」


「いえ!? 全然不満とかじゃなくて、高すぎて驚いてしまっただけです」


だって200万だよ? 当分遊んで暮らせちゃうよ。


「仲間が居るので全員集まってから、皆で向かいたいと思います。けど、今日は自由行動と言ったのでもしかしたら夜になるまで行けないかもしれないです」


「なんだ、別に明日以降でも構わないぞ」


「明日はゼウリアス魔法学院の入試の合格発表と、もし合格していたら説明会や寮の案内とかがあるので厳しそうです。なので、なんとかして今日伺わせてもらいますね」


それに合格後、好きに外出していいのかもまだ分からない状態だし、今日中に済ませておくべきだろう。


騎士の人を待たせる訳にもいかないしな。


こんなにも凛々しく、そして引き締まった顔の騎士さん。

部下と思わしき兵士の数の多さ、兵士の騎士さんに対する態度、ここまでの対応を見るに騎士団の中でも上、それもかなり上位の位なのは間違いないだろう。


そんな人を待たせたら後が怖い。

ここまで一切表情を緩めてないし。


そこで、目線を戻した。


そこにはさっきの僕よりもさらに驚いた顔をして僕を見ている騎士さんの姿が。


「どうしたんですか? 」


「いや、そのだな……ユリア殿、今なんと? 」


「ゼウリアス魔法学院の合格発表があるので明日以降は伺えないかもしれないと言いましたが……何か問題でも」


「そうか……やはり聞き間違いでは無かったんだな。身長的にまさかとは思ったが、ほんとに学生とは。その年齢にして1人で、私達が手を焼いていた事柄をこうもあっさりと解決してみせるとは……しゅごい♡」


「いえいえ、そんな……えっ? 」


なんか一瞬騎士さんの顔がでれっとしたような。


「こほん……失礼した。報酬金についてはいつでもいい。都合がつく時にでも取りに来てくれ。なんなら、私が届けに行こう。そうだ、勤務時間が終了したらユリア殿の宿泊している宿に届けに行こう」


「流石にそれは失礼ですし、取りに行きますよ」


「ユリア殿の仲間方に挨拶もしたいから調度良いと思ったのだが……駄目だろうか? そうだよな、急に寝泊まりしている宿屋に今日初めて知り合った女が押しかけるなんて迷惑極まりない行為だったな。すまない、忘れてくれ」


早口で言い立て、言い終わったあとにはっとし、恥ずかしそうに一瞬背けたが、次の瞬間には戻っていた。


「そこまで言うなら別に構わないですが、ほんとに持ってきていただいて良いんですか? 」


騎士さんに持ってこさせるのって、なんかしのびないんだよな、それに騎士さんがさらに上の人に怒られたりしちゃわないか心配だ。けど本人がこう言ってるんだし良いか。


「……ああ! ありがとう! では夜お邪魔させてもらう」


泊まっている宿の名前と住所を紙に書いて手渡す。


「私の説明がまだだったな。私は、ゼウリアス国営騎士団2軍副隊長アサン・ドゥルーチェだ。アサンとでも呼んでくれ」


その後は僕とヒナに簡単な聞き取り調査が行われて、それが終わりやっとこの場から離れられたのであった。

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