表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/30

《クリエイティブモード》と追放

新作です!

数日は複数話投稿します。

スキル覚醒は3話の予定です!

ざまぁもなるべく早くする予定です


スキルの議。


それは、15歳の誕生日を迎えると誰もが教会に出向き、神からスキルを与えられる日だ。


このスキルの議で今後の人生が大きく変わる。


例えば《剣聖》のスキルが与えられれば将来安泰は確定だ。その名の通り剣に関すること全てが完璧に手に入る。


僕の家、すなわちグリアント家は代々《魔術師》向きで更に最上級のスキルが与えられ、王国屈指の魔術師として他の家よりも優遇される。


普通、貴族の中でもここまで優遇される事は少ない。


何故グリアント家だけ?……それは父であるモートンが魔王を討伐した勇者パーティーに属し、大きく貢献した為だ。自分の領地を持っているのもその褒美として。


もしもその息子()が《魔術師》向きのスキルで尚且つ最上級スキルでないとこれまでの優遇は取り消される。


そのため、父から多大なプレッシャーを受けており僕は毎日毎日鬼のような特訓をしていた。


それこそ並の子供じゃ死んでしまうような……。


だからという訳じゃ無いが強いスキルが手に入るに違いないと僕自身も信じている。


「ユリアよ、ついにこの日がやってきたな」

「はい、父上」


ゆっくりと頷く。


「分かっていると思うが《魔術師》向きスキルなのは当然、最上級を与えられるんだぞ? 」


プレッシャーをかけてくるが気持ちは分かるので頷く。


そうして教会に着くと周りがざわつく。


「ユリア様がいらっしゃったぞおおおおお!! 」

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ素敵いいいいいいいいいいいいい!!!! 」

「ぶひぃ!ぶひぃ! 」


1人が声を発するやいな歓声が上がる。


って誰だどさくさに紛れて豚の鳴き声発したのは。


しかし、僕の事を快く思わない人もいる。


「はぁ?なんで俺達が来た時にはこんな歓声が上がる所か目線すら誰も合わさなかったっていうのにお前が来た時にだけ歓声が上がるんだ? 」

「どうせスキルなんか与えられねぇだろうな、与えられたとしてもせいぜいゴミスキルだろ」


兄であるギズルとザンスだ。


この2人はいつもこうやって嫌がらせをしてきたりする。


「そ、それは……」


お前らが問題行動ばっかりして人々に迷惑をかけてるからだろ……そう思ったが口には出さない。


「あぁん?ハッキリ言えやクソがぁぁぁ!!!! 」


バコォォォォォォン!!


突如殴られ、柱まで吹っ飛ぶ。


「こんなんも避けれねぇのかよ?? 」


当たり前だ。僕だってまさかこんなに人がいる場で殴られるとは思わなかったからだ。


目の前で人が殴られてるというのに誰も助けようとしない。


……ギズル達に目をつけられたくないからだろう。


いや、1人だけ守ってくれる人は居るがこの場には居ない。なんでも大事な用が出来たからとか。


僕のスキルの儀の日を誰よりも楽しみに待ってくれていた人でもある。


出来たら一緒に来て欲しかったな……。



そんなことを考えていると時間となり代理官に呼ばれた。


代理官とは神がスキルを与える仲介をする言わば神の代理だ。

その事から【代理官】と呼ばれる。



「それではこれよりグリアント家三男、ユリア様のスキルの儀を始めさせて頂きます!! 」


また、歓声と怒号が聞こえる。


台座の上に上がり、用意されている椅子に座る。


「では、始めます」

「お、お願いします! 」


緊張で声が震える。


だ、大丈夫、あんな地獄の様な特訓をしてきたんだ。


代理官に目の前の無色の水晶玉を両手で包むように触りなさいと促され、指示通りにする。


すると水晶玉が光り、代理官が持っている板のような物に吸い込まれる。


「おめでとうございます! スキルが与えられました!! ユリア様のスキルは……」


代理官の言葉が急に止まる。


どうしたのだろう?と思い尋ねるが応答が無い。


「今までこんなスキル見た事無いぞ……? いやまさか……」


焦ったようなそれでいて困惑しているような顔でぶつぶつと呟いている。


「ええい!何をしておる!さっさとせんかぁぁぁぁぁぁ!!!!! 」


父が痺れを切らし代理官に詰め寄り、そして胸ぐらを掴み怒声をあげる。


「そ、その落ち着いて聞いて下さいね? 」


声を震わせながらそう言われる。


嫌な予感がするが自分を信じて小さく頷く。


「ユリア様のスキルは《クリエイティブモード》というスキルでございます……」


くりえいてぃぶもーど?そんなスキル聞いたこともないな。

それは父も同じだったらしく首を傾げている。


「申し上げにくいのですが【全スキル一覧】にも載っておらず……今までこのような例を見たことがありません」

「要するにどういう事だね? 」

「【全スキル一覧】にも載ってないとなるとハズレスキルの可能性が高いです」


な、ハズレスキルだと!?そんな訳無いだろ。僕がどれだけ修行をしてきたか。


チラッと父の顔を見るとみるみる顔が青ざめていきその中には怒りも含まれている。


父がキレるとどうなるか僕や兄達が1番よく分かっている。


「ち、父上!スキルを発動してみます!! 」


まだハズレスキルと決まった訳じゃ無い。【全スキル一覧】に載っていないって事は裏を返せば新しいスキル……僕が神に認められて専用スキルを与えて下さったのかもしれい。

とにかく確かめてみる価値は十分にある。


その言葉に父も我に返りやってみろとスキル使用の許諾を受ける。


確かスキルはまず身体に馴染ませるためにスキル名を言わないといけないんだったけ。


「えっと《クリエイティブモード》発動! 」



━━━━━━━━━━━━━━━

《β版》【1ページ目】



・【←木の剣→】

・【←木箱→】

・【←ミニポーション→】


※β版の為、使用可能なスキルは【体験版】と変わりません。

━━━━━━━━━━━━━━━



半透明なウィンドーが目の前に現れる。


始めてみるがなんとなく使い方が分かり、試しに木の剣の文字をタップしてみる。


すると、目の前に木の剣がボトッと音を立てながら落ちてきた。


え、まさかこれだけ……?


「おいおい木の剣なんか50Gもあれば買えるぞ? 」

「いやいや木の剣なんか使い切りのゴミ武器じゃねえか50Gでも誰も買わねえだろ」

「やっぱりハズレスキルじゃん」


教会が騒然となる。

勇者パーティーに属し、魔王を討伐した息子の1人が《ハズレスキル》持ちとなったのだから。


恐る恐る後ろを見ると皆、道端に落ちている魔物の糞を見るような目でこちらを見ていた。


兄達はもちろん父も代理官も……この場に居る全ての人間が同じ目をしている。


頭の中が真っ白になり、何も考えれなくなる。


僕の努力は無駄だったのか……?


嘘だ……嘘だろ?!


これは悪い夢だ。こんな事が現実な訳が無い。


「やっぱり俺の予想通りゴミスキルだったじゃねぇか!!さっさとどけ!次は俺の番だ」

「スキルが与えられただけでも感謝しろよな!!この雑魚が!!! 」


ギズルとザンスがぽつんと佇んでいる僕に罵声をかけると勝手にスキルの儀を始める。


「ギズル様のスキルは……なんと!?《極寒の魔術師》!?!?最上級スキルが出ましたぞ!! 」

「ふん、当然だ!当たり前の結果だな、俺は何処かのゴミスキル持ちとは違って毎日修行をしてきてたからな!変な女を師匠と仰いでろくに修行をしてないようなクズとは違う!!! 」


は?こいつが修行をしてきた??全く修行もせずに毎日遊び呆けてたくせに。何をそんな大嘘を。

……というかこいつは今なんて言った?


「おい……お前今なんて言った? 」

「は?俺は毎日修行をしてたがお前はしてないって言っただけだ」

「その後だよ」

「変な女を師匠と仰いで遊び暮れてたって言ったが?それがどうした事実だろ? 」


聞き間違いでは無かったらしい。悪びれる様子もなく言い放たれ言葉を噛み締めていく。


僕の事を馬鹿にするのは別にこの際どうでも良い、だが師匠を馬鹿にする事は許さない。


僕の中で何かがプツンと切れる音がした。


「おい!! 何しやがるてめぇ! 」


気がつくとギズルの胸ぐらを掴み殴りかかる寸前、傍に居た父とザンスに取り押さえられてしまい、情けなくとも抵抗も虚しく引き離され出口に放り投げられる。


「ハズレスキルを引いた上でまだグリアント家に泥を塗る気か貴様ァ!!!! ……お前はもう追放だ!!二度とウチの敷居を跨ぐことは許さん」

「ハッざまぁねぇぜ!じゃあなハズレスキル持ちの無能ちゃん」


腹を殴られた痛みを抑えながらなんとか答えを絞り出す。


「僕は絶対にお前らの事を許さない!!絶対に……絶対に」


そして3人に決別を言い渡し教会を出て行った。



☆★☆★ここまで読んで頂いた方へ☆★☆★


読んで頂いてありがとうございます!

少しでも楽しんでいただけたのであれば幸いです


★☆皆様へのお願い☆★


宜しければ【ブックマーク】や【評価】をお願いします!


面白かった場合は★★★★★、普通だったら★★★、面白くないと思えば★など正直な感想で大丈夫です。


読者様の評価が励みになりますので何卒宜しくお願いします!


合わせてブクマもして頂ければ幸いです。


モチベに繋がるので是非お願いします…!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作の連載候補の短編です! https://ncode.syosetu.com/n0822jh/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ