表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4






「シャワー浴びてくる!」






 そう言われて手持ち無沙汰の名張は、どうしていいのかわからず、ぐるぐるした挙げ句、ベッドの上に座っていた。


 しばらくして、バスローブ姿の香奈恵が来た。


 リンスとボディーソープのほのかないい香りが名張の鼻腔を刺激した。


「お待たせ」ではなく、


「バチン!!」


 頬をおもいっきしビンタされて大きな音が辺りにこだました。


「アンタ何してんのよ。この変態。痴漢。警察に突き出してやる」


「香奈恵。僕のことがわからないのかい?」


「気安く名前なんて呼ばないで。アンタなんか知らない。この変質者!」


 名張は一目散に逃げ出した。




(2)




「残念だったね」


 聞き覚えのある声で、名張は、公園の木の陰から後ろを振り向く。


「お前は、マルン」


「任務達成おめでとうございます。これでひとりの自殺願望者が救われました」


「それはいいけどいったいどういうことさ。彼女、僕のことなんて知らないって」


 マルンは額のほくろをこすった。


「それはそうだよ。名張。だって君は、禁句ワードを言ってしまったんだから」


「禁句ワードだって!」


「うん。それは、『ハグさせて』」


 名張は消沈した。突然心臓の辺りが痛くなったけど、そのせいだと思った。


 その様子を見てマルンが笑った。その笑いが悪意に満ちていた。もちろんこれも気のせいだと思った。






―――――――――――――――――――――――――――――――




○月●日




本日の『禁句ワード』




『ハグさせて』




無事に回収することに成功しました。




残り何個あるかは不明。






以上




名張ノートより抜粋




以下同文





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ