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 僕の名前は、官沢かんざわ 名張ななり。30歳。実家暮らしのしがない派遣社員。

 いたって普通の男さ。何が普通かだって!

「チ、チ、チ。」

 その質問はナンセンスってなもんさ。だって普通な人間にとってこれといった特出した才能なんてないんだもの。

 笑っちゃうよね。お門違いさ。

 勉強普通。スポーツ普通。容姿普通。他には、・・・・・・普通。

 おっとそうだ。話がそれるところだった。それはそうと、みんな聞いてくれよ。

 年間自殺する日本人は3万人以上もいる。

 ということは、だいたい半分の1万5千人くらいは女性。

「あー、なんてもったいないんだろう⬆!!」

 中には処女も美人もいただろうに。

 どうせなら死ぬなら、その前にせめて僕とハグをしてくれたらいいのに・・・・・・。

 そんな不純な不謹慎なことを考える僕のもとに、仏と名乗る、謎のスキンヘッドの、額にほくろのある、見るからに怪しい子どもが降臨した。

「罰当たりな輩よ。そなたの願い叶えてあげる」



 ―僕はこのときまだ知らなかった・・・・・・。



 しかしそれが、契約という、自身の身を破滅へと導く階段への、第1歩だということに・・・・・・。

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