9.続く恋バナと眠れない夜
お知らせ
最近、リアルが多忙を極めているため、しばらくの間木曜の更新をなくさせていただきます。
申し訳ございません。
今回短いです
美結が戻ってきた。
「じゃあ、次は魅星ちゃんから来た質問の話だっけ?」
「そうだな。どんな質問だったんだ?」
「んーと、まずは魅星ちゃんが私にした質問について話すね。私にはねぇ、“どうやったら好きな人を振り向かせられますか”って質問が来て、ちょっと困っちゃった…」
「まあ、振り向くも何も雄輔が魅星にベタ惚れだもんなぁ…ほんとになんで気がつかないんだか…」
「ホントだよね。まあ、その時は仕方ないから無難に返しておいたんだけどね。まさか、“雄輔君も魅星ちゃんのことが好きみたいだよっ”とか言えないし。」
「まあ、それでいいんじゃないか。そのうち気がつく…はず、だし…?あ、それはそうと、魅星は他の人にも質問していたのか?」
「うん。その時は、翔音君と魅星ちゃんの三人で歩いてたから、翔音君に質問してた。
昔の雄輔君の話とか、かな?多分その後友佑君の方に質問がいった気がするけど」
「ああ、そういえば魅星が根掘り葉掘り雄輔のことを聞いてきたときがあったな。それがその続きか。」
「多分、そうなんじゃないかな。じゃあ、最後に、昨日の夜の話ね。あれはすごかったよぉ…」
「おっ?」
「結果を言っちゃうとね、あまりの惚気ぶりに私と良夏ちゃんがお腹いっぱいになっちゃったもん。」
そこまでか。気になる。
「どんなことを言っていたんだ?」
「まずね、好きになった理由から。あ、そういえば、お兄についていった先で出会ったって言ってた。そういうことだったんだね。魅星ちゃん、“お兄が途中から全くかまってくれんくて、寂しかったところで雄輔が楽しませてくれて、やさしく接してくれて、それで頼れて、しかも話してくれることとかもとっても面白くて、一気に好きになった”って言ってたんだよね。なんであんなに妹想いの翔音君が魅星ちゃんが居るのに一人でいたんだろうって思っていたら、友佑君がいたんだ。」
「そう、だな。後、魅星は何も言っていないと思うけど、その時雄輔と魅星は多分二人で遊んでいたはず…気がついたら二人いなくてさ。
二十分くらい探して、やっと見つけたんだけど。」
「あ、その話もしてたよ。魅星ちゃん、昔は今よりもずっとさみしがりやだったの?かな?“気がついたらお兄いなくてウチが泣いた時とかすごく慰めてくれた”って言ってた。」
「そうだったのか…雄輔って昔から気遣いの天才、っていっても過言じゃないんだよな~。」
「確かに、私も雄輔君の気遣い凄いな、って思ったことあるなぁ。昔からそうだったんだね。」
「うん。出会ったころからそうだったよ。懐かしいな、あの頃…ところで、美結、明日もいろいろあるから今日はここらへんでお開きにしてそろそろ寝ようか。」
「…うん。そうだね。…楽しかったね!」
「そうだな。」
「じゃあさ、ちょっと怖いけど…最後に、お互い好きな人がいるか、いないかだけ言わない?」
なんで怖いんだろう…とは思ったが、
「いいよ。」
とだけ言っておく。
「よし、じゃあ、せーの!」
『いる!』
声が被った。
「そうなんだ…!」
「そうだよ。美結も、好きな人いるんだな。」
「いるよぉ~。」
「ふふ。学校の奴らが聞いたら驚くだろうな。じゃあ、お休み。」
「確かに、驚きそうだね。お互い、頑張ろう、ね…お休み。」
お互い、布団に入る。
数時間後。
友佑の目はパッチリと空いていた。
…眠れない。
多分、美結が隣にいることが原因ではない。あんな決心をしているにもかかわらず、恋バナの最後に聞いたことが尾を引いていた。
寝る直前に
「だから…好きな人なんて、聞きたくなかったんだよぉ…」
という美結のか細い声が聞こえたが、何か考える前に友佑は睡魔にのまれた。
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