6.寝床の条件
日曜日は私事で更新をお休みしてしまい、申し訳ございません。
なるべく切らさないように頑張ってまいりますので、今後ともに応援をよろしくお願いいたします。
追記
ストーリーにほぼ影響はありませんが、白身魚同士→光り物同士に変更しております。
数十分後。
目指す場所が見えてきた。
地図にあった、洞窟。
実際に見ると、かなり大きく、二車線の道路のトンネルくらいの大きさがあった。
「大きいね。」
と、美結。
「デカいな。このくらいの大きさなら、たぶん崩れなさそうだし、中に入ってみるか。」
「そうしよっか。…暗そう…」
「まあ、そりゃ洞窟だからな…」
中に入ってみると、意外と奥まで広い。
「ん?広いし…これ洞窟の最奥ってどこだ?」
「暗~い。確かに、友佑君の言うとおり、先っぽが見えないね。」
「見えないな…うーん…そうだ、懐中電灯ってリュックの中に入れなかったっけ?」
「そういえばあった気もするね…ちょっと探して…あ、あった」
「早っ!じゃあ、ちょっと奥の方見に行ってみようか。」
「…見に行くの?」
「うん。ちょっと気になるから。」
「じゃあ、私はここで待っていることにするよ。荷物の整理しとく。」
「…わかった。何かあったら、洞窟の奥の方に叫んでくれ。そうしたら多分聞こえるから、すぐに駆け付けるよ。」
「ありがとう。じゃあ、いってらっしゃーい!」
「行ってきます。ありがとうな」
懐中電灯を奥の方にあててみると、洞窟は奥の方で右に曲がっているようだった。
歩を進めてみる。
洞窟は今度は左に曲がっていく。
「意外と広いな」
意識せずに、ボソッと独り言が出てしまった。
洞窟に合わせて左に曲がってみると、その先はさらに右に曲がっていたのだが、そこが何やら明るい。
右に曲がってみると。
「うお、眩しい」
そこは外へとつながっていた。
洞窟の外に出てみて確認すると、少し傾斜があるところで、そこの傾斜を降りたあたりに川があった。
うろ覚えの地図情報なので正確なことは言えないが、たぶん昼間蛇が近くにいた川の上流だろう。
川の水はとてもきれいで、流れもとても早い。
確か、ライター等もあったはずなのでどうにか工夫して沸かすことさえできれば飲み水にもすることができそうだ。
色々確認したので、戻ることにする。
それにしても、この洞窟はいったいどのようにしてできたのだろうか。
自然にできるとしたら凄すぎる。
やはり、人の手が入っているのだろうか。
入っているとしたら、いつの時代のものなのだろうか。
謎は深まるばかりである。
考え込んでいたら、美結の姿が見えてきた。
「ただいま?」
「おかえり~!どう…だった?」
「色々役に立ちそうなものがあったから、明日今度は美結も一緒に行かないか?」
「う、うん…いいよ…何があったんだろう…」
「まあ、それは明日のお楽しみってことで。」
「むぅ…じゃあ、そうするよ…何があったんだろ……まあ、いいや。明日になったらわかるし。ところで、友佑君、どこかに毛布しいて眠れるようにしたいなって思っているんだけど、どうすればいいと思う?」
「うーん…ここの洞窟結構デコボコしているもんな…ちょっと平たいところを探してみるか」
「そうだね。あ、でも、あまり奥じゃないほうがいいな、私は…」
「りょ~かい。じゃあ、ちょっと探してみる」
「ありがと!」
少し探してみると、二つほど、少し慣らしたら使えそうな場所が見つかった。
「美結、ここと、そこの二つが使えると思う。どっちがいい?」
「…一緒に寝るっていう選択肢は?」
「み、美結?それは、流石に…」
「…ダメ?」
美結が上目遣いで友佑の方を見てきた。
破壊力が大きすぎる。
「…ダメ、ではないけど、その、美結はいいのか?」
「ダメだったらそんなこと提案しないもん」
美結が少し頬を膨らませた。今は幼いモードらしい。それにしても、相変わらず破壊力がすごすぎる。
「…じゃあ、二人が寝れるくらいの場所を作るか。多分、傾斜がないとはいえ細かく見たら小石とか落ちていそうだし。」
そう言って、友佑は落ちている小石などを拾い、地面を整える。
意外と小石は少ない。
畳3畳ほどの場所にせいぜい十個くらいである。
地面を整え、毛布を敷いてみると、なんとか眠れそうな寝床が出来上がった。
これがあれば安眠も可能であろう。
…美結と一緒に寝るという話さえなければ。
友佑には自信がある。今日の夜は、絶対眠れない。
少なくとも、気を失う直前までは眠れないだろう。
ただ、約束した以上は仕方がない。
どうにかして寝るしかないだろう。
…心の片隅に、男として見られていないんだろうな、という少し負の感情も飛来したが、どちらにせよ告白などする気はないので関係ない、と押し込むことにした。
「友佑君友佑君、夜どっちの缶食べる?」
「カレーかハヤシライスか…カレー、かな…ってか、大まかに分けたら結構似ている二つだな」
丁度美結が話しかけてきたので、押し込んだ感情をさらに消し去りつつ答える。
「そうかもね…まあ、辛いか辛くないかって違いはあるけど…あ、友佑君、辛さはどうするの?」
「うーん、どうするか…」
実は、友佑は結構辛い物が好きである。
過去には激辛で有名なカレー屋の一番辛い物を完食したこともあるほどだ。
「大辛にしようかな。一番辛いのそれみたいだし。」
「お、大辛!?よくそんなの食べれるね…」
「まあ、俺は結構辛いもの好きだからな。多分、これより辛くても行けると思うよ」
「じゃあ、唐辛子パウダーが他のところについてたんだけど、それかける?」
「お、それいいな。ありがとう、美結。
「どういたしまして。色々動いたらお腹すいちゃったね~。食べよっか!」
「よし。食べよう!」
『いただきます!』
動きまくった後の食事は冷えていたがとても美味しかった。
外も少しずつ、暗くなってきた。
大変だった一日も、後数時間で終わりを告げる。
美結さんが荷物の整理をすると言い出したのは実は暗がりが苦手なことを隠すためのカモフラージュです…
ちなみに、友佑君は美結さんが暗がりが苦手なことに気がついていません。
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